学習システム

「基盤研究」と「特定研究」の2つのアプローチによる研究指導

「基盤研究」と「特定研究」の2つの研究指導方法によって、専門分野の研究能力の深化とともに俯瞰力と創造力を幅広く備え実践と理論を結びつけることのできる高度な社会人研究者を養成します。地域社会や職場、自然・生活環境等、あるいは人間そのものに生ずる実践的な課題に対して、高度な視点から研究を行う教育課程を編成します。

基盤研究

基盤研究は、社会人・職業人として持つ経験や現場での知識・技能(経験知、実践知)を体系化・再構成し深化させて学問知を構築し、社会人研究者としての基盤的な研究方法・技術や研究論の修得・充実を図るためのものです。
各プログラムの基盤研究科目の中に、必修として、特論科目と研究法科目を開設します。

(1)特論

特論は、博士後期課程院生の研究がプログラム内の自分が所属する狭隘な研究領域の専門だけに閉塞することなく、自分が関係するプログラムの各研究領域における最新の研究動向や実践的・理論的課題等を学ぶことで、研究テーマや課題、方法を関係領域のより広い学術的・実践的な文脈の中で捉え直し、研究の課題や方法などを更に深化させたり再構築を図れるようにして、本学大学院博士後期課程の目的である「関連領域の学術水準を踏まえて発展させ俯瞰力を身につけた社会人研究者の養成」を目指します。
毎年度前期に集中講義にて実施し、所属プログラムの全教員によるオムニバス講義と共同討議という授業形態で行います。本部キャンパスにて直接対面指導を実施し、参加できない場合はWeb 会議システム等にて間接対面指導を行います。

(2)研究法

研究法は、博士論文で取り組もうとする研究課題に関係した先行研究や理論の検討、研究方法論などを学ぶ演習(ゼミ)形式の指導です。
教員から定期的に作業課題が出され、提出されたレポートに基づく研究指導をWeb 会議システムや電子メール等で行います。院生同士でのディスカッションが有効と思われる場合には対面でのゼミやWeb会議システムを利用した間接対面指導も行われます。
毎年度後期に実施し、1年次後期に、主研究指導教員の担当するメジャー分野の研究法科目を履修、2年次後期には、副研究指導教員の担当するマイナー分野の研究法科目を履修します。本部キャンパス及び学習センター等にて、直接対面指導、Web 会議システムによる間接対面指導及び電子メール等による指導を行います。

特定研究

特定研究では、博士論文の完成に向けて、1年次から3年次まで段階を踏んだ体系的な研究指導を行います。各年次で、定期的な課題の出題と対面指導を行います。課題に対するレポート提出は、単位取得のための必須要件となります。一方、定期的な対面指導は、研究指導チームの3名が協力して指導に当たることとし、原則として本部キャンパスまたは学習センターにおいて実施します。
博士論文の柱となる研究を、メジャー分野、隣接専門分野及びマイナー分野の研究指導教員で構成される研究指導チームの下で進めます。特定研究では、博士論文の研究対象となるであろう事例研究や、フィールドワーク、実験・観察等に研究指導チームとともに取り組みます。この過程で、各々のテーマに基づく研究の遂行と学位論文作成を、学生のメジャー分野のプログラムに属する教員全員で指導・支援し、学際的な観点に立ってチェックする「プログラム報告会」を設け、研究と論文の内容・方法・水準のチェックを行います。個人あるいはグループ別の対面指導のみならず、在宅の学生に対し、Web 会議システム、電子メール等、各種の情報通信手段を用いて研究テーマあるいは教員や学生の生活実態に合わせて個別に指導する体制を整えます。さらに全ての都道府県に設置されている学習センターの所長及びスタッフは、学生がこうした指導を受け、研究を円滑に遂行できる環境を整備することによって、通信教育にありがちな学修の孤独化を防ぎます。
効果的・効率的な研究指導を行うため、上記のようなWeb 会議システム、電子メール等の情報通信手段を十分に活用し学生と教員間でやりとりできる場を設けますが、同時に直接対面での指導をより重視し、必要に応じて対面による指導と質疑応答をより密に行えるようにします。

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