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生物界の変遷('11)-進化生物学入門- シラバス

シラバス科目概要
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主任講師

松本 忠夫 (放送大学教授)
二河 成男 (放送大学教授)

講義概要

生命体は様々な地球環境のもとで、40億年近くかけて進化してきたが、その結果として、今日の大きな生物多様性が見られる。そもそも生命はどのようにして誕生したのであろうか。そして、いかにして進化し変遷していったのであろうか。また、生物体の姿はゲノムの中の遺伝情報が、発生過程を経て表現型として現れたものであるが、その仕組みは進化とどのように関係しているであろうか。さらに、 分子レベルの進化はどのようであろうか。本講義では、進化生物学の入門として、多様な生物界の変遷および分子レベルでの進化を総合的にみることにする。

授業の目標

生命科学における最も基礎的な概念としての生物の進化とはどのようなことか、そして、生物の進化は遺伝情報の変化でもあるが、それらはいかにして成立したかについて学んでもらう。

授業の目標

本講義を履修するにあたっては、学部での基礎科目の「初歩からの生物学」を履修しておくこと、あるいは同水準の生物学を既習していることが望ましい。また、学部での専門科目の「動物の科学」、「植物の科学」、そして総合科目の「バイオサイエンスで豊かな暮らし」は、生物科学関係の関連した科目として設置されているので、できるだけ参考にして欲しい。

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 「生物界の変遷」のねらい 地球上に生命体が誕生して約40億年、その間に実に様々な生物が進化し、今日に至っている。
この回ではそれらの様相を概観し、本講義全体のねらいを解説する。また、生物の進化はどのようにして調べられてきたのかの方法、さらに、生物が進化するに至った原動力などを説明する理論を紹介する。さらに、生物界の分類の方法についても考察する。

【キーワード】
生命史40億年、化石、地層の歴史、年代測定、形質の比較、生物の系統、進化
松本 忠夫
(放送大教授)
松本 忠夫
(放送大教授)
2 生命の誕生、そのメカニズム 今から約40億年前に、地球上で生命は誕生した。現在の最も単純な細胞であっても非常に複雑である。どのように生命は準備され、誕生したのであろうか。まず生体を構成する物質が無生物的に合成され、地球上に蓄積した。それが集合して、やがて最初の細胞が誕生した。それが誕生するまでの過程を概観する。

【キーワード】
生命の誕生、化学進化、DNA、RNAワールド、高分子の重合
山岸 明彦
(東京薬科大・教授)
山岸 明彦
(東京薬科大・教授)
3 生物界の3ドメインの誕生と進化
(※改訂回)
現在の生物の共通祖先が地球上に現れ、その後、真正細菌、古細菌、真核生物という3つのグループに分岐した。それら3つのドメインは独自の進化を遂げて現在に至っている。ここでは、その3つのドメインの進化的な関係を示し、さらには、真正細菌と古細菌について、その進化と多様化そして地球環境との関係について解説する。

【キーワード】
共通祖先、真正細菌、古細菌、真核生物、3ドメイン説
二河 成男
(放送大学教授)
二河 成男
(放送大学教授)
4 真核生物の誕生と進化
(※改訂回)
真核生物の持つ真核細胞には、原核細胞とは異なり、細胞の中に核やミトコンドリアといった膜に包まれた構造が存在する。ここでは、どのような進化の過程を経て、真核細胞が内部の構造を獲得してきたかを解説することによって、真核生物の誕生と進化の過程を示す。また、いくつかの興味深い真核生物の特徴について概観する。

【キーワード】
真核細胞、細胞小器官、細胞骨格、細胞内膜系、有性生殖、多細胞化、内生説、共生 
二河 成男 二河 成男
5 動物の誕生と爆発的な進化
(※改訂回)
真核生物の誕生後、水中では多細胞動物が現れて大型化していった。そして約6億年前から数千万年間ほどエディアカラ生物が大繁栄したがやがて絶えてしまい、先カンブリア時代末からカンブリア紀初期には節足動物などの爆発的な多様化がみられた。その間には地球環境に様々な変動があった。本章では、生命進化史のなかで、動物がどのようにして誕生し、なぜ急速に多様化したかについて説明する。

【キーワード】
動物の誕生、多細胞生物、エディアカラ生物、カンブリア生物、動物の大型化、眼の誕生
松本 忠夫 松本 忠夫
6 植物の上陸と多様化 最初に陸上に進出した生物は何か、現在の陸上生態系を支える生産者である植物はいつどのようにして上陸したのか、祖先は何か、上陸によって地球はどのように変化したのかなどについて解説する。

【キーワード】
陸上植物、植物の上陸、維管束植物、被子植物、裸子植物
西田 治文
(中央大学・教授)
西田 治文
(中央大学・教授)
7 魚類の進化と動物の上陸
(※改訂回)
カンブリア紀に動物は爆発的に多様化した。そして、魚類の祖先が出現し、やがて様々な系統へと分化して行った。デボン紀になると、植物が上陸した後を追いかけるように、水中で大きく多様化した動物の一部も上陸した。そして、それらは陸上植物の進化とともに多様化していった。本章では魚類の誕生とその進化、そして脊椎動物はどのようにして陸上に進出したのか、また、上陸するにあたっては、どのような形質の獲得が必要だったのか、そしてどのように多様化していったのかついて解説する。

【キーワード】
魚類の進化、脊索動物、脊椎動物、顎の進化、動物の上陸、硬骨魚類、四足動物、両生類
松本 忠夫 松本 忠夫
8 昆虫類の適応放散 昆虫類は現在の地球の陸上においてもっとも種類数が多く、特に熱帯域において種数、現存量ともに大繁栄している。その昆虫類の起源は古生代にさかのぼるが、現生の昆虫類は被子植物の進化と共に適応放散した系統が大勢を占めている。この章では、昆虫類の特徴を見ると共に、その適応放散の様相を解説する。

【キーワード】
節足動物、外骨格、昆虫類、適応放散、昆虫の翅、エラ起源説
松本 忠夫 松本 忠夫
9 四足動物の適応放散
(※改訂回)
脊椎動物は実に多様な生活型に適応放散した。海洋などの水界においては、祖先的な遊泳型として硬骨魚類が大勢を占めているが、哺乳類も種々の遊泳型のものが進化している。陸上では、歩行型として爬虫類や哺乳類、飛翔型として鳥類が繁栄しているが、哺乳類にも飛翔型のコウモリ類がいるし、鳥類には歩行型のダチョウ類、遊泳型のペンギン類などもいる。この章では脊椎動物の適応放散の様相およびその意味を解説する。

【キーワード】
四足動物、爬虫類の進化、適応放散、恐竜、鳥類の進化、哺乳類の進化
松本 忠夫 松本 忠夫
10 分子レベルの進化 分子生物学の進展により、生命現象をDNAやタンパク質といった分子から説明できるようになった。この結果、生命の進化における形や性質の変化や多様化を分子レベルで説明する試みが注目を集めている。この回ではDNAやタンパク質の進化と多様化のしくみについて解説する。

【キーワード】
突然変異、自然選択、分子進化の中立説、遺伝的浮動、分子時計
二河 成男 二河 成男
11 分子で探る生物の系統関係 約40億年前に地球上に現れた祖先生物が種分化を繰り返してきた結果、多種多様な生物種が進化してきた。この生物進化の歴史は系統樹として表現される。系統樹とは何か、分子データから系統樹をどのように推定するかについて説明する。

【キーワード】
生物の分類、2名法、系統樹、系統関係の推定
二河 成男 二河 成男
12 ゲノムの進化 多数の生物種においてそのゲノム情報が解読されたことにより、生物進化に伴いゲノム自身も大きく変化してきたことが明らかになってきた。様々なゲノム進化の様式について説明する。

【キーワード】
ゲノム、遺伝子重複、遺伝子シャフリング、遺伝子水平転移、遺伝子喪失
二河 成男 二河 成男
13 発生と進化(植物)

生物の多様な形はどのように進化したのだろうか。形は多くの遺伝子によって制御される発生過程の結果できあがる。従って、発生過程に関わる遺伝子の進化が生物の多様な形を生み出す原因である。植物の生殖器官である「花」の進化を題材に、生物の形の多様性がどんな遺伝子の変化によって引き起こされるのかを探求する。

【キーワード】
発生進化学、植物の生殖器官、ABC機能遺伝子、LEAFY遺伝子、植物の花

長谷部 光泰
(基礎生物学研究所教授)
長谷部 光泰
(基礎生物学研究所教授)
14 発生と進化(動物) 動物が植物と異なる点は,なんと言っても「行動」を行えることであろう。その行動を可能にするためには,筋肉や神経などを用いて機能的な運動を可能とするためのボディプランの構築が必須である.そのような精巧なボディプランがどのようなメカニズムの上に成り立ち,そしてそれがいかにして進化してきたかについて概説する。

【キーワード】
進化発生学、体節、Hox遺伝子、翅原基、表現型可塑性、カースト分化
三浦 徹
(北海道大学大学院准教授)
三浦 徹
(北海道大学大学院准教授)
15 生物界の変遷と人類 人類は約5百万年前に誕生し、つい数万年前から地球上に大きく拡散した。そして、現在では地球上において極めて大きな影響力を持つに至った。類人猿の祖先から人類が誕生した道筋、そして他の生物に与える影響の大きさを様々な側面から説明する。

【キーワード】
霊長類、人類の特徴、人類の化石、人類の誕生、アフリカ単一起源説、人類の世界拡散
松本 忠夫 松本 忠夫
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