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ヨーロッパの歴史Ⅰ('15) -ヨーロッパ史の視点と方法-

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主任講師
草光 俊雄 (放送大学教授)
甚野 尚志 (早稲田大学教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成28年度)
第1学期:(水曜)5時15分~6時00分
第2学期:(日曜)18時15分~19時00分

講義概要

ヨーロッパ史の古代から近代までのそれぞれの時代をめぐり、これまで歴史家の間で議論されてきた論争などを中心に整理しながら、歴史認識の変遷とその方法を概観し、歴史像がいかにして形成されてきたかを考える。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成27年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(導入科目))
〔2009年度~2015年度〕共通科目(一般科目)
〔2008年度以前〕共通科目(一般科目)
科目コード
1118170
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成28年度 第1学期:平成28年7月24日(日曜)7時限(16時45分~17時35分)
平成28年度 第2学期:平成29年1月22日(日曜)1時限(9時15分~10時05分)
単位認定試験
平均点
(平成27年度 第1学期)73.1点
(平成27年度 第2学期)72.2点
備考
 
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授業の目標

歴史を考える枠組みについての知識を歴史学の発展とともに歴史学がおかれていた時代のなかで歴史についての見方がどのように変わったきたのか理解し、現代の課題は何かを学ぶ。

履修上の留意点

「歴史と人間」「南北アメリカの歴史」「ヨーロッパの歴史Ⅱ」「イスラーム世界の歴史的展開」等が関連科目である。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 イントロダクション ヨーロッパとは何か、またヨーロッパ史における時代区分とは? これまでなじみ深かったヨーロッパ史の前提を再考し、新しいヨーロッパ像を模索する。

【キーワード】
パラダイム、アナール派、オリエンタリズム、ヨーロッパ中心史観、時代区分
草光 俊雄
(放送大学教授)
甚野 尚志
(早稲田大学教授)
草光 俊雄
(放送大学教授)
甚野 尚志
(早稲田大学教授)
2 新しい古代地中海世界像とローマ帝国像を求めて 20世紀最後の20年間、古代地中海世界とローマ帝国の地中海世界支配に関するそれまでの定説(M.I.フィンレーのプリミティヴ経済論、M.ゲルツァーのクリエンテーラ論など)に対する強い異論が示され、新しい古代地中海世界像、ローマ帝国像が模索され始めた。従来、古代地中海世界とローマ帝国の基本的な性格はどのように考えられていたのか、そして新しい古代地中海世界像・ローマ帝国像ではどのような歴史像が示されるのかを考えたい。

【キーワード】
古代地中海世界、ローマ帝国、プリミティヴ経済論、クリエンテーラ論
島田 誠
(学習院大学教授)
島田 誠
(学習院大学教授)
3 西欧中世世界の成立
~古代から中世への転換~
西欧中世の世界は、フランク王国が勢力を拡大し、教皇権と協力しながら西の帝国を復興させることで成立した。教皇によるフランク王カールの皇帝戴冠はその決定的な瞬間である。ここでは西欧世界において、ビザンツ帝国の影響を脱した独自のキリスト教帝国が形成された過程を考える。

【キーワード】
キリスト教、教皇権、フランク王国、カール大帝、ビザンツ帝国
甚野 尚志
(早稲田大学教授)
甚野 尚志
(早稲田大学教授)
4 キリスト教の浸透と辺境地域 カロリング時代に司教座や修道院の教会組織は整備されたが、キリスト教が民衆のなかに浸透するのは容易ではなかった。ここでは、ローマ・カトリック教会がゲルマンの異教世界をキリスト教化し、さらにはレコンキスタなどの運動を通じて、ローマ・カトリック世界を辺境地域に拡大していった過程を考える。

【キーワード】
キリスト教化、教皇権、教会改革、レコンキスタ、十字軍、聖戦
甚野 尚志
(早稲田大学教授)
甚野 尚志
(早稲田大学教授)
5 写本から印刷術へ
~書物の文化の発展~
初期中世には、カロリング時代の教会改革とともに聖書やラテン語古典の写本の文化が開花し、13世紀の大学成立の時期になると、書物には頁や索引が付され、より合理的な知識の検索ツールとなる。そのような書物の発展が活版印刷の発明を導き、書物の大量生産の時代を到来させた。その過程を考える。

【キーワード】
写本、カロリング・ルネサンス、12世紀ルネサンス、大学、活版印刷
甚野 尚志
(早稲田大学教授)
甚野 尚志
(早稲田大学教授)
6 中世の民衆と文字文化 中世の民衆の間で、いかに俗語の文字文化を発展していったかを中世後期まで辿る。とくに、都市の実務文書と俗語文字文化との関係や、「往生術」、「死の舞踏」といった宗教的な木版印刷が俗語文字文化の発展にどのようにかかわったかを考察する。

【キーワード】
ラテン語、俗語、実務文書、異端運動、ベギン、木版印刷
甚野 尚志
(早稲田大学教授)
甚野 尚志
(早稲田大学教授)
7 「神の国家」から「人の国家」へ(Ⅰ) カトリック教会に支配されていた中世人の国家観と、その教会によって「世界支配の付託」を受けたとされる中世神聖ローマ帝国の実態の間にある「溝」を読み解きながら、中世人が「神の国家」観を現実の変化にすり合わせるための「工夫」を行う足跡とその結末をたどる。

【キーワード】
カトリック、帝権移転論、神の付託、パドヴァのマルシリウス、フィレンツェ共和主義、帝国改造
皆川 卓
(山梨大学准教授)
皆川 卓
(山梨大学准教授)
8 「神の国家」から「人の国家」へ(Ⅱ) マキャヴェリからプーフェンドルフを経てヴォルテールに至る神聖ローマ帝国論を水先案内人として、権威を介さず自ら「神」を求めようとする近世人が、いつしか「神の国家」を経験的に探究する=科学するようになり、その中で近代の国家像、主権観が生成する過程を明らかにする。

【キーワード】
マキャヴェリ、宗派化、主権、ホッブズ、社会契約説、プーフェンドルフ、ヴォルテール
皆川 卓
(山梨大学准教授)
皆川 卓
(山梨大学准教授)
9 儀礼と表象、感性からみる歴史
~歴史人類学の挑戦~
人類学の視座、解釈枠組みを吸収することで生まれてきた「歴史人類学」について、その成立に至る背景と成果をたどり、この半世紀の間に、歴史学の視点が大きく変化してきたこと、人間の過去を理解する新しい可能性が切り拓かれてきたことを考える。

【キーワード】
異端審問、妖術師、ベナンダンティ、シャリヴァリ、モラル・エコノミ、儀礼、象徴、暴力、表象、感性、身体技法
長谷川 まゆ帆
(東京大学教授)
長谷川 まゆ帆
(東京大学教授)
10 オーラルとエクリの間(あわい)
~近世期の「個人の語り」について~
印刷や書物の歴史はいまや人類学の視座や隣接諸科学の方法を積極的に吸収しながら、人間のエクリすなわち「書かれたもの」との関わり、読み、書き、話す、ロゴスをもつ人間の歴史そのものを再検討しつつある。ここではこうした新しい歴史学の一端を垣間見ながら、近世期の「個人の語り」とその変容について考える。

【キーワード】
印刷術、オーラル、エクリ、メノッキオ、読書、書物、公共空間、セヴィニエ夫人、書簡小説、コミュニケーション回路
長谷川 まゆ帆
(東京大学教授)
長谷川 まゆ帆
(東京大学教授)
11 作法と教養 長い十八世紀はひとびとの暮らしぶりが大きく変化していった時代である。商業社会・消費社会は現世的な価値観を変革し、生きることの意味、生活のスタイルの変化をもたらした。作法、教養といった近代社会固有の価値観が生まれた背景を探る。

【キーワード】
消費社会、顕示的消費、奢侈論争、徳、作法、教養、マンデヴィル、公共圏、シヴィック・ヒューマニズム、模倣理論
草光 俊雄
(放送大学教授)
草光 俊雄
(放送大学教授)
12 近代イギリスにおける「古代」と「中世」 十九世紀は歴史の時代であった。過去への関心が変貌していく現代との対比で語られ、古代、中世、ルネサンスなどの文化を復興させようとする試みが活発に行われた。当時のひとびとが何故過去を求めようとしたのか、同時代の社会の諸問題を考えながら検討する。

【キーワード】
歴史主義、中世主義、新古典派、ロマン派、グランド・ツアー、伝統の創造
草光 俊雄
(放送大学教授)
草光 俊雄
(放送大学教授)
13 産業革命をどう捉えるか 産業革命、工業化は物質的な豊かさとともに社会の構造的な転換をももたらした。しかし産業革命とは何だったのか。時代によって解釈が変化してきた産業革命論を概観し、ある歴史的な現象が研究者の直面している時代によってどのようにその解釈が変わってきたのかを考えてみる。

【キーワード】
産業革命、工業化、悲観論、楽観論、連続説、断絶説、経済(景気)循環、技術革新、経済成長、離陸
草光 俊雄
(放送大学教授)
草光 俊雄
(放送大学教授)
14 近代人の時間の観念:
仕事と余暇
現代のわれわれは電車が時刻通り到着することが当たり前だと思っている。しかしこうした時間についての考え方は近代の産物である。近代にとって時間とはどのようなものになっていったのか、なぜわれわれは時間を守ることが大切と思うようになったのか、仕事と余暇とは我々にとってどのような意味を持つのかなどについて考えてみる。

【キーワード】
時は金なり、パースタイム、労働規律、出来高賃金、時間賃金、余暇、仕事志向、労働時間短縮、長期的持続
草光 俊雄
(放送大学教授)
草光 俊雄
(放送大学教授)
15 ヨーロッパ史への招待 主任講師たちが研究を始めてからの歴史学の潮流を辿りつつ、自らの研究と大きな歴史学の流れについて論じながら、今後の歴史研究の展望について考えるよすがを示唆する。

【キーワード】
ポスト・モダニズム、社会史、アナール派、ミクロストリア、ヨーロッパの「ヨーロッパ化」、東西の相互交流、中世と近世の連続、ヨーロッパ中心主義、グローバル・ヒストリー、庶民の歴史、オーラル・ヒストリー
草光 俊雄
(放送大学教授)
甚野 尚志
(早稲田大学教授)
草光 俊雄
(放送大学教授)
甚野 尚志
(早稲田大学教授)
長谷川 まゆ帆
(東京大学教授)
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