授業科目一覧
プログラム
メニューここまで

人間発達論特論('15)

※印刷用にはシラバスPDF版新規ウィンドウ をご利用ください
主任講師
住田 正樹 (放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵 (山口大学准教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(月曜)6時45分~7時30分
第2学期:(月曜)6時45分~7時30分

講義概要

人間は誕生から死にいたるまで生涯にわたって発達していく存在である。この人間の生涯にわたる発達の過程を社会的・文化的文脈との関連において考察していくのが発達社会学である。それは具体的には人間の存在の仕方を社会的役割の脈絡の中で捉えていくことを意味する。人間の生涯にわたる発達過程は、発達社会学の視点から社会的役割の移行過程として捉えることができる。そしてその移行過程は社会的役割の学習過程、社会的役割の遂行過程、社会的役割の縮小過程の3つの段階に区分することができる。
この講義では、人間の生涯を一連の発達過程と捉え、社会的役割の移行過程という側面から考察していく。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成27年度
科目区分
人間発達科学プログラム
科目コード
8920699
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月21日(金曜)6時限(15時35分~16時25分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月20日(土曜)7時限(16時45分~17時35分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)89.9点
(平成28年度 第2学期)91.1点
備考
「人間発達論('09)」単位修得者は履修不可
このページのトップへ本文ここまで

授業の目標

発達社会学の基礎的概念と方法を学び、人間の生涯にわたる発達過程が社会的・文化的文脈の中でさまざまな作用を受けつつ進行していく現象であることを理解するための社会的視点を得ることを目的とする。

履修上の留意点

人間の生涯の発達過程は不断の変化の中にある。ドラスティックに変化する社会的役割の学習過程は言うまでもなく、比較的安定的だとされていた社会的役割の遂行過程においても、また社会的役割の縮小過程においてもさまざまな変化が生じる。したがって人間の発達過程は一連の連続的な過程として捉えられなければならない。この連続的な発達過程において社会的・文化的文脈が如何なる作用を及ぼし、如何なる影響を与えているのか。受講生の方々には自らの経験に重ね合わせつつ受講していただければ理解も容易と思われる。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
  第Ⅰ部 人間の発達と社会的役割
1 人間の発達と社会的役割の移行過程
-発達への社会学的アプローチ-
人間の生涯の過程を発達社会学の視点からアプローチしていくことの意義は何か。そして具体的にはどのようにアプローチしていくのか。発達社会学の基礎的概念と方法、とくに鍵概念となる社会的役割を中心に考察する。

【キーワード】
発達、文化、社会化、社会的人間、社会的役割、役割移行
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
  第Ⅱ部 社会的役割の学習過程
2 言語の獲得と自我形成 言語の獲得は他者とのコミュニケーションを可能にし、そこから自他を明確に区別するようになって自我が形成される。言語は人間発達の基盤であり、同時に社会を形成する最も基本的な用具である。言語の機能と自我形成について考える。

【キーワード】
社会化、自我の形成、言語、役割取得、コミュニケーション
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
3 子どもの社会的世界
-家族と仲間-
子どもは基礎的な社会化を乳幼児期に家族のなかで受け、仲間集団、学校集団などで対人的世界を拡大し、新たなネットワークを築く。家族のなかで親密性の感覚と他律的道徳性を学び、仲間との相互作用を通して自律的道徳の獲得に向かう。

【キーワード】
役割取得、仲間集団、社会化、一般化された他者、重要な他者
田中 理絵
(山口大学准教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
4 学校教育と文化の習得 子どもは一定年齢に達すると学校集団に所属するが、学校は意識的かつ計画的な秩序と規律をもって子どもを社会化していく。子どもはそうした一定の秩序と規律の下で認知的文化と規範的文化を習得していく。そしてまた男女の差異についても学習していく。

【キーワード】
社会化、学校教育、認知的文化、規範的文化、性役割の社会化
田中 理絵
(山口大学准教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
5 自己探索と自立への不安 青年期は自己探索の時期である。しかし今は自己規定が困難な時代であり、将来の自立に対する不安から混乱に陥ることもある。しかしこうした過程を経て新たな自己に気づき、アイデンティティを確立する。本章では、アイデンティティ確立の諸相と青年期の現代的課題について考える。

【キーワード】
自己探索、自己規定、青年期延長、モラトリアム、アイデンティティ
田中 理絵
(山口大学准教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
6 成人期への移行過程
-職業選択と配偶者選択-
学校教育を修了すると職業に就き、配偶者を得て自立した生活を営むことになる。成人にとって職業的役割と家庭的役割はもっとも重要な社会的役割である。この時期は、その役割の実現と遂行に向けての試行錯誤をしつつの選択過程の段階にある。職業と配偶者の選択過程においてどのような社会的要因が作用するのか。

【キーワード】
学歴、労働市場、雇用機会、職業選択、職業的役割、配偶者選択、家庭的役割
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
  第Ⅲ部 社会的役割の遂行過程
7 組織社会化と職業キャリアの形成 学業を終えた若者が職業に就くことは人生の大きな節目である。とくに初職はその後の生活を大きく方向づけていく。ある職業を選択すれば、その職業に必要な知識や技術、価値観を習得していかなければならないが、今日のような産業化社会では多くは経営組織に雇用される形をとる。若者はどのような過程を経て組織の規範、価値、文化を習得し、また知識・技術を習得していくのか。

【キーワード】
組織社会化、職業キャリア、職場、 インフォーマル・グループ、職業文化
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
8 家族の形成と親役割 配偶者を得て新たな家族(生殖家族)を形成し、さらに出産によって親になると、夫婦はともに育児という家庭的役割を担わなければならない。だが育児は片時も目を離せない煩わしい役割であり、ために抑圧を感じ不安に陥る場合もある。出産を機に仕事を辞める母親もいる。親性の価値を学びつつ親役割という家庭的役割を形成していく時期。

【キーワード】
定位家族、生殖家族、夫婦役割、親役割、家族の変容、育児支援
田中 理絵
(山口大学准教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
9 組織コミットメントと職業キャリアの発達 組織社会化の結果である組織成員の組織コミットメントおよびジョブ・インボルブメントと職務満足について考察する。組織コミットメントの中でも、とくに情緒的コミットメントは仕事や職務の遂行に関連が強いとされているが、どのような要因が情緒的コミットメントを規定しているのか、またジョブ・インボルブメントと職務満足を規定している要因は何かについて考察する。

【キーワード】
組織社会化、組織コミットメント、情緒的コミットメント、会社人間、ジョブ・インボルブメント、職務満足、役割葛藤
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
10 教育期の家族と親の困惑 第一子の就学、第二子の誕生と家族は拡大期に入り、親は育児から子どもの教育に移るにつれて親役割も変化する。父母がそれぞれ担う役割はどのように違うのか、子どもとの関わり方、中年期に入った親自身の発達課題について考える。

【キーワード】
親役割、青少年問題、父親不在、ワーク・ライフ・バランス
田中 理絵
(山口大学准教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
11 多様な生き方と働き方 学校教育を終了すれば職業に就くという、かつての学校から職場への円滑な移行は今日では困難になりつつあり、いわゆる非正規労働者という働きも増えてきた。そして一方でキャリアを積み重ねて結婚しない女性も増え、また結婚しない男性も増えてきた。職業的役割と家庭的役割を社会的役割の中核とした社会規範は変貌しつつある。

【キーワード】
ライフサイクルの変容、性役割期待、就業形態と結婚意識の変化
田中 理絵
(山口大学准教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
12 ライフ・イベントとキャリアの発達 組織にコミットメントしてきた人々も中年期も後期になると、過去の職業生活や家庭生活を振り返り、これまでの生活の見直しと今後の生活や生き方の再方向づけをするようになる。中年期後期の人々はこれまでにどのような出来事(ライフ・イベント)を経験し、それをどのように評価しているのか。そして今後の生活にどのような見通しをもっているのか。

【キーワード】
ライフ・イベント、ライフライン、心理・社会的ストレッサー、予測可能なイベント、選択可能なイベント
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
  第Ⅳ部 社会的役割の縮小過程
13 社会的役割の縮小と生活変化 定年退職をして組織から離れ、職業的役割を喪失しても、また子どもが自立して親役割から解放されても、まだ健康で自立した生活が可能であれば、人々は職業的役割や家庭的役割に代わる新たな代替的役割を求めて生活の充実を図ろうとする。サード・エイジと呼ばれる時期である。サード・エイジャーはどのような生活を送っているか。

【キーワード】
社会的役割、職業的役割、定年退職、サード・エイジ、フォースエイジ、活動理論、離脱理論
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
14 老齢化と病気・死 人生のフォース・エイジ。高齢者は老化とともに体力や健康が衰退し、罹患率も高くなる。組織集団からの離脱、配偶者の死、そして一人暮らしと病気。こうした社会的繋がりの喪失が高齢者に孤立化と孤独をもたらす。老化による罹患は高齢者をそのまま死にいたらしめる。

【キーワード】
フォース・エイジ、孤立化、病気、生活習慣病、死ぬ過程
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
  第Ⅴ部 人間発達研究の課題
15 人間発達の社会学的研究の課題 発達は人間の生涯にわたる連続的な変化の過程である。これまでは誕生から成人期に至るまでの過程が中心的に研究されてきたが、しかしその過程で形成された特性が成人期以降もそのままに継続するとは限らない。成人期以降についての研究も必要である。そのためには発達の概念および発達研究の方法が検討されなければならない。

【キーワード】
生涯発達、社会的役割、役割移行過程、横断的方法、縦断的方法
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
住田 正樹
(放送大学名誉教授、九州大学名誉教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
このページのトップへ本文ここまで
授業科目案内 大学院 放送大学