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道徳教育の理念と実践('16)

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主任講師
押谷 由夫 (武庫川女子大学大学院教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(金曜)18時15分~19時00分
第2学期:(日曜)11時15分~12時00分

講義概要

道徳教育は教育の根幹である。それをどう考え具体化するか。まず「自分にとっての道徳教育」「社会にとっての道徳教育」という視点から考察する。さらに、理論的押さえをしながら道徳教育についての理解を深めるとともに、心の発達という側面から具体的な道徳教育の在り方や取り組みについて探っていく。そして、諸外国の道徳教育について、全体的動向とともに、アメリカ、イギリス、中国、韓国の動向を具体的に見ていく。そして、我が国の道徳教育の動向と特徴を押さえ、これから求められる生きる力とは何か、「特別の教科 道徳」を中心としてどのような道徳教育が進められようとしているのか、等を論究し、これからの道徳教育の課題と方向性について考える。その中で受講者各自が再度「私にとっての道徳教育」を考えこれからの自らの生き方へとつなげていきたい。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成28年度
科目区分
人間発達科学プログラム
科目コード
8920710
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月21日(金曜)7時限(16時45分~17時35分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月20日(土曜)8時限(17時55分~18時45分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)80.9点
(平成28年度 第2学期)79.0点
備考
 
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授業の目標

道徳教育の基本的問いである「人間としていかに生きるべきか」は、自己の自覚にかかわって常に問われ続けるものである。それを「どのように追い求めていくか」は個人的な課題であると同時に、社会的課題でもある。本講義では、「人間としていかに生きるべきか」と、それを個人的課題及び社会的課題として「どのように追い求めていくか」という視点から、理論的押さえと、具体的取り組みを世界的視点からとらえ我が国の道徳教育の在り方と方向性について、論じられるようしたい。そして、これからの道徳教育について、自らの生き方とかかわらせて、具体的展望をもてるようにすることを目標とする。

履修上の留意点

学部科目「道徳教育の方法」を履修していることが望ましい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 道徳教育とは何か(1)
私にとっての道徳教育、社会にとっての道徳教育
道徳教育とは何かについて、自分を振り返ることを通して、また自分たちの生活を見つめることを通して考え、各自が道徳教育についての概念を再構成し、これからの講義の学びへとつなげたい。まず、道徳という漢字の意味から解きほぐし、道徳と体験の関係、行動基準の形成という視点から「私にとっての道徳教育」を考える。そして、社会にとっての道徳教育を、心の日常的用法から分析し、道徳教育の研究分野をも明らかにする。

【キーワード】
私にとっての道徳教育、道徳と体験、行動基準の形成、心の日常的用法
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
2 道徳教育とは何か(2)
理論的考察
第1回の講義を踏まえて、理論的に道徳教育とは何かを見ていく。まず、西洋の教育思想において道徳教育をどのようにとらえていたのかを明らかにする。そして、現在の日本の道徳教育を考える上で、最も重要な、昭和33年の道徳の時間設置にかかわった理論的指導者の論を取り上げ、道徳教育とは何かを、理論と具体的実践とのかかわりで考察する。

【キーワード】
ソクラテス、ペスタロッチー、天野貞祐、稲富栄次郎、勝部真長
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
3 心の発達と道徳教育 今回は、人間の心の特徴と発達について、様々な理論をもとに考察する。そしてそれらを踏まえた道徳教育の在り方について考えてみたい。特に、道徳性の発達段階、コールバーグの道徳性の発達段階、道徳性の発達を促進する教育について詳しく見ていく。

【キーワード】
心の発達・成長、道徳性の発達、コールバーグ
諸富 祥彦
(明治大学教授)
諸富 祥彦
(明治大学教授)
4 教育学的・心理学的手法に基づく道徳教育 前回の講義を踏まえて、今回はさらに教育学的・心理学的手法に基づく道徳教育の実際について論究する。特に、道徳性と自己実現、価値の明確化、構成的エンカウンターと道徳教育、モラルディレンマ方式の授業、モラルスキルトレーニングについて詳しく見ていく。

【キーワード】
自己実現、価値の明確化、構成的エンカウンター、モラルディレンマ、モラルスキルトレーニング
諸富 祥彦
(明治大学教授)
諸富 祥彦
(明治大学教授)
5 道徳教育の世界的動向 主に次の3点を中心に講義する。(1)世界は道徳教育をどう教えているか。道徳教育は、国によって、宗教、倫理、公民など様々な教科・領域で教えられている。それぞれの教育の特色と全体的な傾向を見ていく。(2)共有価値を構築する試み。2000年代を中心に、各国での「共有価値」を模索する試みを紹介する。(3)道徳教育の新しい潮流。市民性教育やキャリア教育等、新たな教育課題への各国の試みと課題について考察する。

【キーワード】
世界の道徳教育、共有価値、市民性教育、キャリア教育
西野 真由美
(国立教育政策研究所総括研究官)
西野 真由美
(国立教育政策研究所総括研究官)
6 イギリスにおける道徳教育の動向 イギリスでは道徳教育を、宗教教育、シティズンシップ教育、PSHE(人格・社会性・健康・経済)教育の三者が相互に補完しつつ連携する形で行っている。それらの理念と実践の事例をみた上で、我が国への示唆を考察する。

【キーワード】
宗教教育、シティズンシップ教育、PSHE教育
新井 浅浩
(城西大学教授)
新井 浅浩
(城西大学教授)
7 アメリカにおける道徳教育の動向 アメリカの道徳教育は、徳目としての価値を伝達する教育と自ら考え判断した上で行動する実践力を育てる教育を統合したかたちの人格教育(キャラクター・エデュケーション)が中心となっている。また、関連する領域としてサービス・ラーニングや社会性と情動の学習がある。それらを構成する要素を概観し、それぞれの理念と実践の事例をみた上で、我が国への示唆を考察する。

【キーワード】
キャラクター・エデュケーション、サービス・ラーニング、社会性と情動の学習(SEL)
新井 浅浩
(城西大学教授)
新井 浅浩
(城西大学教授)
8 中国、韓国における道徳教育の動向 現在の中国では学校における道徳教育を、品徳と生活、品徳と社会、思想品徳、思想政治という教科を中心として行っている。韓国においても教科の道徳を設けて計画的・発展的な道徳教育を行っている。両国とも現在道徳教育の充実に力を入れている。その具体と特徴について論究する。

【キーワード】
品徳と生活、品徳と社会、思想品徳、思想政治、教科道徳、社会における道徳教育、家庭における道徳教育
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
9 日本における道徳教育の変遷と動向 日本の戦後の道徳教育はどのような変遷をしてきているのかを見ていく。大きく、終戦から昭和33年の道徳の時間設置までの動向と、それ以降の動向について、大きな流れを明らかにしたい。そして、それらを踏まえて「特別の教科 道徳」の設置へとどのように進められていったかも考察する。

【キーワード】
学習指導要領の変遷、道徳の時間、心のノート、「特別の教科 道徳」
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
10 道徳教育における「生きる力」の育成 特に次の3点を中心に講義する。(1)「生きる力」とコンピテンシー。「生きる力」を世界の教育改革におけるコンピテンシーの育成という潮流の中に位置づけ、「生きる力」が目指すものを具体的に考える。(2)道徳教育で育成する価値と能力。身に付けさせたい「価値」と育成したい「能力」をどのように結びつけるかを論述する。(3)現代的教育課題に応えるカリキュラム開発。社会から学校に要請される様々な教育課題に応えるカリキュラム開発について考察する。

【キーワード】
生きる力、コンピテンシー、カリキュラム開発
西野 真由美
(国立教育政策研究所総括研究官)
西野 真由美
(国立教育政策研究所総括研究官)
11 「特別の教科 道徳」の理念と方法 「特別の教科 道徳」が教育課程に位置付けられ道徳教育の充実が図られている。それはどのような流れの中でとらえることができるのか。また、どのようなことが提案されているのか。このような改革によってどのようなことが期待されているのか。これらを中心としながら、「特別の教科 道徳」の理念と、それを具体化する方法について論究する。

【キーワード】
「特別の教科 道徳」、道徳性、自己を見つめる、総合道徳
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
12 道徳教育の具体的展開(1)
学校における道徳教育の実践と課題
道徳教育は学校の教育活動全体で展開され、その中核としての「特別の教科 道徳」において子供の内面に働きかける計画的、発展的な指導が行われる。本回では、そのいくつかの効果的・先進的事例から道徳授業の良さを学ぶ。さらに、教育活動全体で豊かな心を育てる道徳教育を力強く展開する学校の特色ある事例をもとに、その具体的な在り方を学ぶ。

【キーワード】
全体計画、年間指導計画、道徳教材、豊かな体験
永田 繁雄
(東京学芸大学大学院教授)
永田 繁雄
(東京学芸大学大学院教授)
13 道徳教育の具体的展開(2)
家庭や地域社会における道徳教育
子供の道徳的成長は家庭に始まり、学校での見通しをもった教育を通して、地域社会の中で一層促され、それが開花していく。本回では、家庭や地域社会と学校との協力体制について、主に学校が中心となる事例、主に家庭や地域社会が中心となる事例、さらには道徳授業の公開をきっかけとした共通理解の場の工夫、町ぐるみで道徳的実践の機運を高める工夫など、実際例を取り上げながらその可能性について学ぶこととする。

【キーワード】
家庭における道徳教育、地域における道徳教育、学校・家庭・地域連携による道徳教育
永田 繁雄
(東京学芸大学大学院教授)
永田 繁雄
(東京学芸大学大学院教授)
14 これからの道徳教育の展望と課題 道徳教育は人間の生き方にかかわる課題であり、当然に国を担う国民としての生き方と密接にかかわる。道徳教育について論ずるには、社会レベルと個人レベルの両方で考えなくてはならない。今までの講義を振り返るとともに、これからの教育の根幹となる改正教育基本法の理念を道徳教育の視点から捉えなおし、これからの道徳教育の展望と課題についてまとめておきたい。

【キーワード】
改正教育基本法、科学的思考・道徳的思考、学習ターミナル
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
15 まとめ
-再考「私にとっての道徳教育」
最初の講義で考えた「私にとっての道徳教育」「社会にとっての道徳教育」が本科目をとることによってどのように変わってきたかを確認し、「これからの私にとっての道徳教育」を各自で考えられるようにしたい。それは、これから自分自身と社会にいかに向き合っていくかということでもある。自分の未来に対する意識のもち方や相手の立場に立つことの大切さ、日本国民が大切にしてきた心などを探りながら、考えていく。

【キーワード】
夢や希望、報恩感謝、清明心、自然と共に生きる、敬けん心
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
押谷 由夫
(武庫川女子大学大学院教授)
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