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臨床心理学特論('17)

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主任講師
小川 俊樹 (放送大学客員教授)
倉光 修 (放送大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(奇数回目) (月曜)10時30分~11時15分
第1学期:(偶数回目) (水曜)10時30分~11時15分
第2学期:(奇数回目) (日曜)17時30分~18時15分
第2学期:(偶数回目) (火曜)17時30分~18時15分

講義概要

臨床心理学特論では、心理臨床活動の基礎となる、さまざまな理論、そして心理臨床において必要な基本的知識や技法などを概説する。心理臨床活動の分野は、教育臨床、病院臨床、あるいは矯正や産業などの臨床分野と巾広くかつ多様である。それぞれの活動分野によっては対象が異なるために、必要とされる知識や技法などに相違はあるものの、心の専門家としての基本的な視座が存在する。このような観点から、総論として臨床心理学の定義、歴史、基本理論を、そして各論として、臨床心理士の営為である心理査定、心理面接(心理療法)、地域援助(コンサルテーション)について解説する。ついで、各分野における心理臨床活動の実地について紹介する。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成29年度
科目区分
臨床心理学プログラム
科目コード
8950610
単位数
4単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月21日(金曜)6時限(15時35分~16時25分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月20日(土曜)7時限(16時45分~17時35分)
単位認定試験
平均点
備考
 
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授業の目標

本講義では、心理臨床活動の基礎となる、さまざまな理論、および心理臨床において必要な基本的な知識の習得を目標とする。

履修上の留意点

日本臨床心理士資格認定協会の第2種指定校となっているため、この科目は臨床心理学プログラムの修士全科生には必修科目である。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 臨床心理学とは何か 臨床心理学は、心理的問題とその克服に関する実践的学問と言ってもよいだろう。いわゆる心の傷や心の病、あるいは人生における種々の苦悩に対するアプローチは古代からなされてきたが、その対象や営為が臨床心理学という学問において捉えられるようになったのは比較的最近である。ここでは、臨床心理学の定義、実践に携わる臨床心理士の活動領域、訓練、倫理などについて述べる。

【キーワード】
臨床心理学の定義、臨床心理士の活動領域、臨床心理士の訓練、臨床心理士の倫理
倉光 修
(放送大学教授)
倉光 修
(放送大学教授)
ゲスト:加藤 敬(こども心身医療研究所)
2 臨床心理学の歴史と展開 臨床心理学は急速な発展を遂げ、心理学におけるもっとも盛んな分野となってきている。本章では、臨床心理学の発展の歩みを、臨床心理士の業務である臨床心理査定と臨床心理面接の側面から概説する。時代、文化により臨床心理学についての考えが異なることを理解することによって、臨床心理学を多角的に捉える。

【キーワード】
臨床心理学の歴史、用語としての臨床心理学、実質としての臨床心理学、事例研究、心理療法と臨床心理学
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
3 臨床心理学の近接領域 臨床心理学は、医学、教育学、哲学、文学、社会福祉学などと隣接し、実践においては、広範な領域で他の専門家と連携しながら活動している。また、心理療法の過程では、芸術や宗教とつながるようなイメージが浮かび上がることもある。ここでは、こうした近接領域との関わりについて、いくつかの観点から解説する。

【キーワード】
臨床医学、臨床哲学、臨床教育学、芸術、宗教、エソロジー
倉光 修
(放送大学教授)
倉光 修
(放送大学教授)
ゲスト:小西 達也(武蔵野大学)
4 臨床心理学と精神医学1:統合失調症と気分の障害 臨床心理学と理論的にも実践的にも関連の深い精神医学について、3回にわたって概説する。本章では、精神医学的診断、代表的な診断基準であるICDとDSM、精神科治療の2本の柱である精神療法と薬物療法などについて理解した後、代表的な精神疾患である統合失調症と気分の障害について学ぶ。

【キーワード】
ICD-10、DSM-5、統合失調症、うつ病、双極性障害
石丸 昌彦
(放送大学教授)
石丸 昌彦
(放送大学教授)
5 臨床心理学と精神医学2:不安と神経症 いわゆる神経症は臨床心理学と精神医学において、理論的にも実践的にも重要なテーマである。本章では神経症の概念の歴史と変遷をたどり、現在の状況について理解した後、恐怖症・パニック障害・強迫性障害・転換性障害・解離性障害などの主要疾患について概略を学ぶ。

【キーワード】
神経症、恐怖症、パニック障害、強迫性障害、転換性障害、解離性障害
石丸 昌彦
(放送大学教授)
石丸 昌彦
(放送大学教授)
6 臨床心理学と精神医学3:ストレスと精神疾患 ストレス社会と呼ばれる現代の心理臨床において、ストレスに起因する疾患についての知識と理解は不可欠である。本章ではストレス論の基本を確認した後、適応障害・ストレス障害(ASDとPTSD)・心身症・摂食障害について概略を学ぶ。また、脳の構造の概略を知り、心身症の成立機序について理解を深める。

【キーワード】
ストレス、適応障害、PTSD、心身症、摂食障害
石丸 昌彦
(放送大学教授)
石丸 昌彦
(放送大学教授)
7 心のはたらき1:意識と無意識 「無意識」は、フロイト(Freud,S.)によって発見され、ユング(Jung,C.G.)によってさらに深く探索された。本章では、「無意識」についての基本的考え方を学ぶとともに、心理臨床実践におけるその意義について検討する。

【キーワード】
意識と無意識、フロイトの無意識論、ユングの無意識論
大場 登
(放送大学教授)
大場 登
(放送大学教授)
8 心のはたらき2:行動論と認知論 「無意識なき心理学」の代表である行動主義心理学と意識心理学について学ぶ。行動主義心理学は学習の問題として行動論の、また意識心理学は認知の問題として認知論の中核理論である。この2つの「無意識なき心理学」を臨床心理学との関連で概説する。

【キーワード】
意識心理学、行動主義心理学、レスポンデント型学習、オペラント型学習、モデリング学習、合理-情動療法、認知療法、森田療法
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
9 心のはたらき3:イメージと身体 無意識には意識に至るさまざまなチャンネルがある。また、意識から無意識に働きかける様々な作用が存在する。ここでは、イメージと身体感覚を取り上げ、心理臨床との関連を述べる。

【キーワード】
ボディイメージ、身、身体言語、コミュニケーション、メタファー、原始言語
佐藤 仁美
(放送大学准教授)
佐藤 仁美
(放送大学准教授)
ゲスト:飯森 眞喜雄(いいもりこころの診療所)
10 心のライフ・サイクル 人の発達を考える時、個々の発達段階に特有な心理的問題が生じやすいことがあり、それは各発達段階の特徴や課題と無関係ではない。本章では、ライフ・サイクルという観点から、心理力動論に立脚した代表的な段階説(stage theo)論を紹介する。

【キーワード】
ライフ・サイクル、フロイト、心理(精神)・性的発達論、エリクソン、心理・社会的発達論、漸成原理、レヴィンソン、四季論
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
11 ライフ・サイクル論1:乳幼児期 乳幼児期の発達的特徴と発達課題について代表的な発達理論を紹介しながら論じるとともに、この時期の臨床心理学的な問題について論じる。

【キーワード】
基本的信頼感、アタッチメント、愛着のタイプ、ソーシャル・ネットワーク理論
小野 けい子
(放送大学教授)
小野 けい子
(放送大学教授)
12 ライフ・サイクル論2:児童期 児童期は小学生年代に相当し、学校での学びや仲間との関係が重要になってくる。この時期の知的発達、対人関係、社会性の変化をとりあげ、発達課題と心理的問題について述べる。

【キーワード】
発達課題、勤勉性対劣等感、具体的操作期、仲間関係、社会性、不登校、いじめ、暴力行為、発達障害と二次障害
小林 真理子
(放送大学准教授)
小林 真理子
(放送大学准教授)
13 ライフ・サイクル論3:思春期・青年期 思春期や青年期は、将来の就職や家庭生活などが視野に入ってくる時期であり、さまざまな心理的問題の好発期である。ここでは、思春期・青年期の人たちの心理的課題やこの時期に顕現化しやすい心理的問題について考える。

【キーワード】
不登校、ひきこもり、自傷行為、いじめ、ハラスメント、思春期危機
倉光 修
(放送大学教授)
倉光 修
(放送大学教授)
ゲスト:岩宮 恵子(島根大学)
14 ライフ・サイクル論4:成人期 成人期は、社会や家庭で一定の基盤を確立し発展が期待される時期である。一方でストレスも多く、後半生の生き方を巡って危機に陥ることもある。本章では成人期にまつわる発達段階説を紹介し、成人期の変化と心理的問題について考える。

【キーワード】
親密性対孤立、生殖性対停滞、中年期の危機、個性化、生活構造、更年期、アイデンティティの再体制化
小林 真理子
(放送大学准教授)
小林 真理子
(放送大学准教授)
ゲスト:加藤 真樹子(大分県厚生連鶴見病院)
15 ライフ・サイクル論5:高齢期 生涯発達と老年期、老年期の知性の特徴、老年期の人格と適応、喪失の受容と統合性について論じる。

【キーワード】
エイジズム、熟達化としての知恵、エクスパートの知性、サクセスフル・エイジング、ソーシャル・ネットワーク理論
小野 けい子
(放送大学教授)
小野 けい子
(放送大学教授)
16 心理アセスメントとは 心理アセスメントの目的や役割、そして心理臨床の場における心理アセスメントの現状について概説するとともに、特にその主要な技法であるアセスメント面接について解説する。

【キーワード】
心理アセスメント、心理診断、アセスメント面接、インテーク、観察、行動アセスメント
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
17 心理アセスメント1:知能検査と発達検査 知能検査・発達検査は、教育、福祉、医療・保健、司法等、心理臨床のさまざまな領域で用いられる。中でも特別支援教育の導入に伴って、支援の対象となる子どものアセスメントのために、知能検査に対するニーズは高まっている。本章では、知能の定義、知能検査・発達検査の開発の歴史について概説し、代表的な検査を紹介する。また検査を活用する際の留意点について述べる。

【キーワード】
知能検査、発達検査、ビネー式、ウェクスラー式
小林 真理子
(放送大学准教授)
小林 真理子
(放送大学准教授)
ゲスト:大六 一志(日本臨床発達心理士会茨城支部支部長)
18 心理アセスメント2:パーソナリティ検査 パーソナリティ検査としての要件について解説するとともに、その主要なパーソナリティ検査である質問紙法検査、投影法検査、作業検査法について紹介する。

【キーワード】
信頼性、妥当性、心理検査の種類と形式、パーソナリティ検査、質問紙法、投影法、作業検査法
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
19 心理アセスメント3:神経心理学的検査、評価尺度、そしてテスト・バッテリー 近年、心理臨床の現場でよく使用されるようになった心理検査として、神経心理学的検査と評価尺度がある。これらの検査が採用されるようになった背景を解説するとともに、これらの主要な検査を紹介する。また、複数の心理検査を組み合わせて用いるテスト・バッテリーについても概説する。

【キーワード】
神経心理学的検査、局在論、遂行機能検査、評価尺度、テスト・バッテリー
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
20 心理療法1:精神分析と精神分析的心理療法 フロイト(Freud,S.)によって創始され、発展した人間の心の理解方法と治療法である精神分析と精神分析的心理療法について概説する。

【キーワード】
精神分析、精神分析的心理療法、支持的心理療法、介入、精神分析的流れ
齋藤 高雅
(放送大学名誉教授)
齋藤 高雅
(放送大学名誉教授)
ゲスト:池田 政俊(帝京大学、南青山心理相談室)
21 心理療法2:ユング派のアプローチ ユング(Jung,C.G.)に基づくユング派心理療法の基本的考え方を学ぶ。

【キーワード】
無意識の自律性、個性化の過程、相互的変容、夢
大場 登
(放送大学教授)
大場 登
(放送大学教授)
22 心理療法3:認知行動療法 学習理論を理論的根拠とする行動療法と認知理論を理論的根拠とする認知療法がそれぞれ発展してきたが、次第に学習理論に認知理論が統合される形で認知行動理論が提唱されるようになった。行動療法の諸技法、ベック(Beck, A.T.)の認知療法、さらに認知行動療法について概説する。

【キーワード】
認知行動療法、認知療法、行動療法、学習、スキーマ、自動思考、認知の歪み、マインドフルネス
齋藤 高雅
(放送大学名誉教授)
齋藤 高雅
(放送大学名誉教授)
ゲスト:毛利 伊吹(上智大学)
23 心理療法4:パーソンセンタード・アプローチ ロジャーズ,C.R.に始まるクライエント中心療法、エンカウンター・グループ、パーソンセンタード・アプローチについて、発展過程に沿いながら、これらの心理療法の方法と理論、実践について概説する。

【キーワード】
来談者中心療法、パーソンセンタード・アプローチ、エンカウンター・グループ
小野 けい子
(放送大学教授)
小野 けい子
(放送大学教授)
24 心理療法5:集団療法 集団で行われる心理療法について、その考え方と実施の方法、個人療法との違い、適用範囲などについて述べる。集団心理療法の歴史、構造、機能、さまざまな集団心理療法などについて概説する。

【キーワード】
集団心理療法、集団の力(治療的因子)、グループ現象
齋藤 高雅
(放送大学名誉教授)
齋藤 高雅
(放送大学名誉教授)
ゲスト:武井 麻子(元日本赤十字看護大学)
25 心理療法6:遊戯療法 成人の心理療法においては、問題が概念的言語によって表現されることが多いが、子どもの心理療法においては、箱庭や人形遊び、描画や物語の創作、ゲームやスポーツなど、しばしば、「遊び」や象徴的イメージを通して内界が表現される。ここでは、こうした遊びを介した心理療法である遊戯療法の定義、構造、諸学派、事例などについて論じる。

【キーワード】
プレイセラピー、箱庭療法、絵画療法、音楽療法、リミット・セッティング
倉光 修
(放送大学教授)
倉光 修
(放送大学教授)
ゲスト:難波 愛(神戸学院大学)
26 心理療法7:芸術療法 言語的な心理療法に対極する形が非言語的な心理療法と思われがちだが、クライエントの表現が非言語的であるからこそ、セラピストは受け止めたことを伝えるために言葉を磨かなくてはならず、ある意味、非常に言語的なものである。言語-非言語のかかわりをもふくめ、芸術療法について概説する。

【キーワード】
表現、芸術療法、哲学的等価、イメージ、コミュニケーション、間合い、母語
佐藤 仁美
(放送大学准教授)
佐藤 仁美
(放送大学准教授)
ゲスト:飯森 真喜雄(いいもりこころの診療所)
27 心理療法8:その他のアプローチⅠ 心理療法やカウンセリングのアプローチには、これまで本書で取り上げられてきたものを含めて、数多くの種類がある。ここでは、我が国で開発された3つのアプローチ、森田療法、内観療法、臨床動作法を紹介する。

【キーワード】
森田療法、内観療法、臨床動作法
倉光 修
(放送大学教授)
倉光 修
(放送大学教授)
ゲスト:鶴 光代(東京福祉大学)
28 心理療法9:その他のアプローチⅡ たいていのセラピストやカウンセラーは、多様な心理療法やカウンセリングのアプローチを学ぶ。そのため、他者のアプローチを自分のアプローチに取り入れる場合がある。ここでは、近年注目されているマインドフルネスを導入したアプローチをいくつか紹介する。

【キーワード】
マインドフルネス、MBSR、ACT、DBT、平等に漂う注意、EMDR、フォーカシング
倉光 修
(放送大学教授)
倉光 修
(放送大学教授)
ゲスト:高野 明(東京大学)
29 コミュニティへのアプローチ 学校臨床、災害支援、犯罪被害者支援など、地域臨床活動場面であるコミュニティの中で展開する心理療法は、これまでの心理療法とは異なる視点が必要になってくる。他職種連携、ネットワークづくり、コンサルテーションなどについて考える。

【キーワード】
コミュニティ・アプローチ、危機介入、コンサルテーション、予防、ソーシャル・サポート・ネットワーク
佐藤 仁美
(放送大学准教授)
佐藤 仁美
(放送大学准教授)
30 臨床心理学の視座と展望 臨床心理学はともすれば心理学の応用分野と見なされやすい。しかしながら、第1章で述べたように、コーチン(korchin, S. J.)の古典的教科書においても、臨床心理学は基礎心理学の応用ではないと見なされている。むしろ、ラガッシュ(Lagache, R.)も指摘しているように、臨床心理学は実験心理学に対峙する基礎心理学だという見方さえある。ここでは本書全体を振り返り、もう一度臨床心理学の視座を模索し、その将来を探りたいと思う。本章では、小川が主として心理アセスメントについて、倉光が心理面接(心理療法)について論じる。

【キーワード】
基礎心理学、応用心理学、心理アセスメントの危機、診断無用論、差異心理学、査定心理学、心理療法と宗教、SBNR、善悪評価
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
倉光 修
(放送大学教授)
小川 俊樹
(放送大学客員教授)
倉光 修
(放送大学教授)
ゲスト:平木 典子(IPI統合的心理療法研究所)
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