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生活ガバナンス研究('15)

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主任講師
宮本 みち子 (放送大学副学長)
奈良 由美子 (放送大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(月曜)12時00分~12時45分
第2学期:(月曜)21時30分~22時15分

講義概要

現代社会においては従来の方法では対応できない生活課題が急増している。とくに社会的ニーズが増大しているため、公共的領域への生活者の主体的参加によるガバナンスが生活の質を高めるため欠くことのできない条件となっている。本科目では、生活に対する深い配慮をもった生活者の価値を、個人や家族を超えたより社会的次元に浸透を図りながら、新たな公共性をつくるにはどうしたらよいかを考える。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成27年度
科目区分
生活健康科学プログラム
科目コード
8910650
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月22日(土曜)5時限(14時25分~15時15分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月19日(金曜)6時限(15時35分~16時25分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)61.2点
(平成28年度 第2学期)74.6点
備考
 
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授業の目標

生活ガバナンスの意味と手法と展開を理解し、生活に関連する諸領域において、さまざまな立場で生活ガバナンスを発展させ、実践する力を身につける。

履修上の留意点

関連する科目として、「家族生活研究('15)」「生活リスクマネジメント('17)」「パーソナル・ネットワーク論('12)」(大学院科目)の履修により、本科目の内容についての理解と考察が一層進むと思われる。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 生活ガバナンスとは何か 生活ガバナンスの定義と本書のねらいを述べる。リスク社会、リキッド・モダニティという面から現代社会の特徴を理解し、なぜ生活ガバナンスという概念が登場するのかを理解する。また、公共空間で住民が主体的に参加して生活の課題に取り組む活動を概観する。

【キーワード】
リスク社会、リキッド・モダニティ、生活ガバナンス、ライフ・ポリティクス、ライブリィ・ポリティクス、エンパワメント、住民参加、地域コミュニティ
宮本 みち子
(放送大学副学長)
宮本 みち子
(放送大学副学長)
2 生活者と生活ガバナンス 私たちは毎日当たり前に生活をしているが、本当に誰もが安心して幸福になる生活が保障されているだろうか。生活基盤である収入を得る拠り所は非正規化が進み不安定さを増している。悪化する財政事情の転嫁による社会保障の後退、グローバル化による生活拠点の空洞化、新たな貧困の問題化、など生活し難い状況のなかでもがき続けているのが現実ではないだろうか。本章では、改めて生活とは何かを問うところから論を始め、生活ガバナンスの主人公である生活者に焦点をあてることで、生活ガバナンスの可能性を考察する。

【キーワード】
生活、生活者、生活経営、枠組みの変化、個人のネットワーク、幸福度、生活の質、生活ガバナンス
赤塚 朋子
(宇都宮大学教授)
赤塚 朋子
(宇都宮大学教授)
3 生活教育と生活ガバナンス 生活を成り立たせるためには様々な要素が必要であることを前章でみてきた。本章では、生活するための術、生活的自立、生きていく力、生活力に関わる生活教育と生活ガバナンスをテーマとする。
生活教育とは何か、生活教育の種類や教育内容、生活教育のあり方、生活ガバナンスに必要な力とは何かという観点から生活教育を考える。

【キーワード】
生活教育、生活的自立、生活力、生活ガバナンス力、政治的リテラシー、シチズンシップ教育、人間開発、エンパワメント
赤塚 朋子
(宇都宮大学教授)
赤塚 朋子
(宇都宮大学教授)
4 消費者と生活ガバナンス 生活者の一側面である消費者は、消費者問題に直面したとき、消費者運動を展開し、消費者にかかわる法律や制度を創ってきた歴史がある。これはまさに生活ガバナンスの具体例である。生活ガバナンスの視点から、消費社会の様相をとらえ直し、持続可能な社会形成を実現するためになにが必要かを考える。

【キーワード】
消費者、消費者問題、消費者運動、消費者関連法、消費者団体、協同組合、消費社会、持続可能な社会
赤塚 朋子
(宇都宮大学教授)
赤塚 朋子
(宇都宮大学教授)
5 子どもと生活ガバナンス 子どもの生活環境はどう変わり、子どもの遊びをはじめ生活や行動、意識にどのような影響を与えているかといった課題を考える。ここでは、子どもの生活ガバナンスの主体として子どもも含め、身近な生活環境を子どもとともに改善していくまちづくりの生活ガバナンスと、そのための大人の役割を考える。

【キーワード】
遊び、子どもの参画、居場所(時間と空間)、まちづくり、自己形成空間、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)
木下 勇
(千葉大学大学院教授)
木下 勇
(千葉大学大学院教授)
6 若者と生活ガバナンス 若者による生活ガバナンスは、若者の社会的包摂を図る上での鍵であると位置づけられる。本章では、若者の能動的市民性が脱工業社会において求められるようになったことを理解した上で、それを契機に展開された欧州の若者政策の流れを理解する。さらに、若者によるガバナンスのチャンネルに、余暇活動の延長と、身近な場(地域や学校)における意思決定の二つがあることを理解し、さらに、ガバナンスの質を捉える枠組みについて知る。

【キーワード】
社会的排除、社会的包摂、能動的市民性、アクティベーション、若者、欧州若者白書、若者政策、参加、ノンフォーマル教育、参画のはしご、余暇活動、ユースセンター、意思決定、若者議会、全国生徒会、e-participation、e-democracy
津富 宏
(静岡県立大学教授)
津富 宏
(静岡県立大学教授)
7 高齢期と生活ガバナンス 高齢期に焦点を当てて、現代の特徴を理解する。また、高齢者の意識やライフスタイルの変化を述べ、主体的・能動的に生きようとする高齢者が増加していることを、実態をもとに述べる。高齢期の生き方や暮らし方の多様化の実例を紹介し、QOLの高い高齢期を実現するための生活ガバナンスを考える。

【キーワード】
生涯現役時代、サクセスフル・エイジング、グループリビング、葬送
宮本 みち子
(放送大学副学長)
宮本 みち子
(放送大学副学長)
8 犯罪と生活ガバナンス 犯罪にかかわる生活ガバナンスにおいては、犯罪に対する嫌悪や不安を乗り越え、対等性に基づく社会を創ることが重要であることを理解する。具体的には、一般市民による防犯のためのガバナンスにおいては(まちの当事者としての)市民間の対話が重要であり、また、犯罪を犯した者による再犯から離脱のためのガバナンスにおいては当事者間、さらには、当事者と非当事者の間の対話が重要であることを理解する。

【キーワード】
犯罪、防犯、メディア報道、犯罪に対する怖れ、他者への信頼、地域における相互信頼、対話、対等性、共生社会、社会解体理論、ラベリング、犯罪を犯した者、当事者、言いっぱなし聞きっぱなし、利用者
津富 宏
(静岡県立大学教授)
津富 宏
(静岡県立大学教授)
9 災害と生活ガバナンス 自然災害は個人の生命と生活を脅かす。生活主体が災害対策を講じようとするとき、その営為は社会のなかにあり、より効果的で環境適合的な災害対策の実現にはガバナンスが欠かせない。この回では、災害対策という私的で公的な問題における生活ガバナンスの意義、手法および課題を検討する。

【キーワード】
自然災害、災害対策基本法、公助・共助・自助、レジリエンス、自主防災、地域への信頼
奈良 由美子
(放送大学教授)
奈良 由美子
(放送大学教授)
10 食と生活ガバナンス 食は重要な生活課題のひとつである。この回では、現代社会にあって食の安全・安心の本質に信頼の存在があることをふまえたうえで、食をめぐる生活者による主体的なとりくみを生活ガバナンスの観点から考える。

【キーワード】
システムに対する信頼、人に対する信頼、食品安全基本法、参加型リスクガバナンス、顔の見える生産者、CSA(地域支援型農業)、生活者のセルフ・エンパワメント
奈良 由美子
(放送大学教授)
奈良 由美子
(放送大学教授)
11 住まいと生活ガバナンス 持家政策を背景に庭付き一戸建て等のマイホームイメージは、高度経済成長を牽引する役割を果たしてきた。だが今日、家族の変容とともに、シェアハウス等賃貸での新たな居住の形態や、コレクティブハウス等の新たな共助と絆を形成する集合住宅の試みも増えつつある。住まいは商品を買うかのような宣伝も見られるなか、住み手が主体としてより積極的に住み方を考えていくこれからの時代の住まいの生活ガバナンスを考える。

【キーワード】
住宅、家族、近隣、主体、場所、縁側、イエ、ニワ、コモン、コーポラティブハウス、コレクティブハウス
木下 勇
(千葉大学大学院教授)
木下 勇
(千葉大学大学院教授)
12 仕事と生活ガバナンス グローバル経済競争とIT化にともなって、労働現場では格差が拡大し、一方で非正規雇用者や失業者が増加し、他方で長時間労働による心身の不調に悩む労働者が増加している。そこで、労働の意味を問い直し、個人の生活や社会生活と職業労働とのバランスがとれ、若者・女性・高齢者・障がい者などすべての人々が参加できる仕事の世界をどうつくるかを、生活ガバナンスという観点で考える。

【キーワード】
ワークライフバランス、労働者保護、社会的企業、男女共同参画、労働者協同組合、ディーセント・ワーク
宮本 みち子
(放送大学副学長)
宮本 みち子
(放送大学副学長)
13 環境と生活ガバナンス 地球規模で考えて、身近な地域で実践する(Think Globaly, Act Localy)という取組みは、高まる地球環境の危機からもますます重要な課題となっている。環境問題を考慮した時に生活のガバナンスは個人から地域、団体等さまざまな主体の連携したマネジメントが重要となっている。ここでは持続可能な環境と経済性も含めた生活とのバランスをとった生活のマネジメントをはじめ変貌する家族や地域の実態に合わせた生活ガバナンスのあり方を考える。

【キーワード】
環境マネジメント(PDCA)、地球温暖化、気候変動、持続可能性(サステイナビリティ)、高度情報・消費社会、グローバル化、エコロジカル・フットプリント、生物多様性、アーバン・ハズバンドリー(まち育て)
木下 勇
(千葉大学大学院教授)
木下 勇
(千葉大学大学院教授)
14 社会的排除と生活ガバナンス 社会的排除の本質に、社会的相互承認からの排除があることを踏まえたうえで、日本の社会的排除の根幹に、ネガティブなラベリングに対する忌避があることを確認する。それを生活ガバナンスによって乗り越える鍵概念としてのリカバリーと、リカバリーを支える要素であるエンパワメントとレジリエンスについて把握する。

【キーワード】
社会的排除、生活困窮者、生活保護、障害者、アイデンティティ、ラベリング、ストーリー、リカバリー、エンパワメント、レジリエンス、障がいの社会モデル、べてるの家、連帯経済、社会的経済
津富 宏
(静岡県立大学教授)
津富 宏
(静岡県立大学教授)
15 生活ガバナンスの要素と展開 この回ではこれまでの議論の総括として、第14回までにとりあげてきた生活の諸領域に対応したガバナンスの具体的事例を俯瞰しながら、生活ガバナンスの諸要素(扱う問題、主体、方法)を整理する。抽出された要素から生活ガバナンスの独自性をおさえ、今後の課題を考える。

【キーワード】
生活の総合性、生活ガバナンスの主体、人的資源と社会関係資本、主体性と当事者性、参加・連携・協働、チャンネル、ツール、リテラシー、中間集団、信頼、生活知、自己効力感、セルフ・エンパワメント
奈良 由美子
(放送大学教授)
奈良 由美子
(放送大学教授)
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