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物質環境科学('14)

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主任講師
濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授)
花岡 文雄 (筑波大学生命領域学際研究センター長)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(日曜)6時00分~6時45分
第2学期:(日曜)10時30分~11時15分

講義概要

自然あるいは自然環境問題を考える場合、それを構成している物質の種類・量・性質およびそれらの間の相互作用の考察を抜きには成立しない。この講義では、地球上の環境を基本的に規定している地球科学的な基礎知識を確認した上で、環境パラメータを測定する方法とデータの考察の仕方を学ぶ。その上で、地球上の生物の環境の状況を生態学の立場から考察し、さらに人を含めた生物と物質との関わりを中心に考察する。環境問題の扱う範囲は広く複雑であるが、それらを全体として考える基礎を学ぶことを目的としている。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成26年度
科目区分
自然環境科学プログラム
科目コード
8960593
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月22日(土曜)8時限(17時55分~18時45分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月19日(金曜)1時限(9時15分~10時05分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)76.2点
(平成28年度 第2学期)75.6点
備考
 
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授業の目標

化学的な観点からの物質理解および環境問題や生命・健康にかかわる課題を明らかにし、現代科学の到達点と将来予測を示し、さまざまな状況に基づく課題解決への指針を与えることを目標とする。

履修上の留意点

複雑で未解決、そして現代的な環境問題そのものを解説するというより、それらの基礎にある知識を整理したいと考える。したがって、自然科学の広い基礎知識をもっていることが望ましい。特に、化学を中心とした物質に関する理解が重要である。放送大学の教材としては、学部科目の「初歩からの化学」「化学結合論-分子の構造と機能」「生活と化学」などを予め履修しておくと良い。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 物質の循環と移動 講義を始めるにあたり、環境の定義を確認しておく。環境は周辺との相互作用で捉えることが重要である。また、自然現象を大きな空間・時間スケールで考えることの重要性を指摘する。地球上での自然現象に深く関係する物質循環について、水、炭素、窒素を例にして考える。

【キーワード】
環境の定義・意味、物質循環、水の循環、炭素の循環、窒素の循環
濱田嘉昭
(放送大学名誉教授)
濱田嘉昭
(放送大学名誉教授)
花岡文雄
(筑波大学生命領域学際研究センター長)
2 地球の成り立ちと運動 地球は太陽系の一員であり、太陽から膨大なエネルギーを受け取っている。また、太陽磁場により、さらに外側の宇宙空間からの放射線の暴露から守られている。大地は活発な活動をしている。これらは、空間的・時間的に大きなスケールで地球の自然環境を規定していることを学ぶ。

【キーワード】
太陽活動とエネルギー、磁場の役割、大地の運動
濱田嘉昭
(放送大学名誉教授)
濱田嘉昭
(放送大学名誉教授)
3 大気と海洋 生物が生活する空間は大気と海洋、および土壌である。そこでの大きな自然現象と言えば、大気と海洋の運動であろう。これらについての概略を理解しておくことは、この講義の後半のより詳細あるいは個別の理解にも役立つであろう。

【キーワード】
大気の構成と運動、大気環境問題(地球温暖化、二酸化炭素、オゾン層)、海洋の構成と運動
濱田嘉昭
(放送大学名誉教授)
濱田嘉昭
(放送大学名誉教授)
4 生態系の基盤となる植生 生物は、地球上と水中の約20 kmの生物圏に生息・生育している。生物圏を支えているのは光合成を行う植物・植生であり、ひいては人間環境の基盤にもなっている。さらに自然環境と植生の相互作用を理解し、植生が地上の環境を総合的に指標していることを学ぶ。環境の一要因でもある人間と植生とのかかわりと、人間にとっての植生が持つ機能や生態系サービスを理解する。

【キーワード】
生物圏、生態系、植生、生態系サービス
藤原一繪
(横浜国立大学 名誉教授)
藤原一繪
(横浜国立大学 名誉教授)
5 地上の生物を支える土壌動物 人類は宇宙空間にまで進出したが、足元数センチメートルの世界については、ほとんど理解していない。そこは植物・植生を育てる基盤であり、ほとんどは未知の微生物や土壌動物が住む空間である。そして、地上の生物は知らずして土壌中の生物との相互作用によって生きている。この未知の世界がどこまで理解できているかを学ぶことにする。

【キーワード】
土壌、生物多様性、環境指標生物、分解者、ダニ
藤原一繪
(横浜国立大学 名誉教授)
藤原一繪
(横浜国立大学 名誉教授)
ゲスト:青木淳一(横浜国立大学 名誉教授)
6 分析で何がわかるのか 物質環境科学の基礎は、環境因子を物質レベルで理解することから始まる。地球環境保全には、環境因子の挙動を精査し、生態系への影響評価が不可欠であるが、これを可能とするのが物質の定性と定量である。試料を分析して得られる分析値は、試料に隠されている情報を反映する客観的な物差しとなる。ここでは、どのような分析法を用いれば、どのような情報が得られるのかについて学ぶ。

【キーワード】
環境因子、生態系、分析、定性、定量、同定、分析化学
中村 洋
(東京理科大学薬学部嘱託教授)
中村 洋
(東京理科大学薬学部嘱託教授)
7 分析によって見える地球環境 46億年という長い地球の歴史の中で生物が生まれ、環境に順応しながら様々な生物種が進化してきた。長い時間をかけて作られた地球環境の乱れが環境汚染であり、火山噴火、落雷による山林火災などの自然災害を除けば、その大部分は産業革命以降の人類の活動に起因する。大気、土壌、水を汚染する代表的な化学物質を取り挙げ、それらの分析法と汚染の実態を学習する。

【キーワード】
環境汚染物質、有害金属、環境ホルモン、多環芳香族炭化水素
中村 洋
(東京理科大学薬学部嘱託教授)
中村 洋
(東京理科大学薬学部嘱託教授)
8 環境と遺伝子変化 生物が種を存続するためには、その遺伝子は安定に保たれなければならない。しかし一方では、様々な環境の変化に対応して遺伝子を変化させることが種を維持するために必須である。このバランスをうまくとることの出来た生物が現在、この地球上に繁栄している。環境によって遺伝子がどう変化するか、そして進化はどのように起こるのかを学ぶ。

【キーワード】
環境の変化、遺伝子の安定性、遺伝子変化、進化
花岡文雄
(筑波大学生命領域学際研究センター長)
花岡文雄
(筑波大学生命領域学際研究センター長)
9 遺伝子損傷の修復 遺伝子DNAは、様々な外的な要因および内的な要因によって常に損傷というべき変化を受けている。遺伝子の損傷は、複製や転写を阻害し、その結果、細胞死や突然変異をもたらし、老化やがん化の原因となる。生物はそうしたことを避けるため、DNAの損傷を修復する様々な機構を進化の過程で獲得した。

【キーワード】
遺伝子損傷、DNA複製、転写、修復、老化、がん化
花岡文雄
(筑波大学生命領域学際研究センター長)
花岡文雄
(筑波大学生命領域学際研究センター長)
10 環境と化学物質 我々の身の回りには膨大な種類の化学物質が存在している。あるものは天然に存在するものを人類が見つけ、またあるものは人類が何らかの方法で作り出したものである。そしてそれらは医薬品、農薬、食品添加物、工業用材料など、様々な形で人類に役立っている。それらはまた「毒」にもなりうる。

【キーワード】
医薬品、農薬、食品添加物、生物濃縮、ダイオキシン
花岡文雄
(筑波大学生命領域学際研究センター長)
花岡文雄
(筑波大学生命領域学際研究センター長)
11 紫外線と健康 昔から一定程度の太陽紫外線を浴びることは健康上よいことだと考えられてきた。それは骨の形成に重要なビタミンD3を皮膚で作るために紫外線が有用だからである。しかし紫外線は皮膚細胞DNAに損傷を起こし、皮膚がんを誘発する。したがってそのバランスに留意しなければならない。

【キーワード】
太陽紫外線、骨形成、ビタミンD3、皮膚がん
花岡文雄
(筑波大学生命領域学際研究センター長)
花岡文雄
(筑波大学生命領域学際研究センター長)
12 放射線の生物影響 人類は、自然放射線、人工放射線いずれの恩恵にも浴してきた。しかし、原発事故などが起こると健康影響が最大の懸念となり、大きな社会問題となる。放射線によって生体分子に化学変化(損傷)が生じると、細胞の死や突然変異誘発を誘発し、最終的には、組織・臓器の障害やがん化などを起こす可能性がある。これらの過程を抑制する仕組みについても学び、生物影響の理解を深める。

【キーワード】
自然放射線、人工放射線、被ばく事故、組織・臓器の障害やがん化
谷田貝文夫
(早稲田大学理工学術院 非常勤講師)
谷田貝文夫
(早稲田大学理工学術院 非常勤講師)
13 活性酸素と健康影響 地球上の生物は、ほとんどすべてが酸素を利用してエネルギーを得ており、その副産物として活性酸素が生じる。活性酸素は極めて反応性の高い分子で、DNAに対して酸化的損傷を与える。その結果、突然変異を起こし、老化や発がんをもたらす。生物はこのような生体影響を軽減するためのいくつかの仕組みを獲得し、進化してきた。酸化的損傷の生成やその影響を軽減する仕組みについて学ぶ。

【キーワード】
活性酸素、DNAの酸化的損傷、突然変異、修復、進化
谷田貝文夫
(早稲田大学理工学術院 非常勤講師)
谷田貝文夫
(早稲田大学理工学術院 非常勤講師)
14 宇宙環境の健康影響 地球環境の問題やエネルギー問題を解決するための一つの方策として、太陽発電衛星の建設が検討されている。このように、人類が宇宙に進出する機会が増え、宇宙に滞在する期間も長くなることが予想される。宇宙で安全に生活するには、微小重力環境による骨密度の減少、筋力の低下、さらには、宇宙放射線による被ばくなど対処すべき問題が多い。これらの問題について考察する。

【キーワード】
微小重力環境、宇宙放射線、骨密度の減少、筋力の低下
谷田貝文夫
(早稲田大学理工学術院 非常勤講師)
谷田貝文夫
(早稲田大学理工学術院 非常勤講師)
15 持続可能な自然環境の構築に向けて 今や狭くなった地球上で、これからも持続的に人類と他の生物が共存していくためには何が未解決の問題かを考えたい。多くの場合、物質的な対応をするための基礎知識と技術は既に存在している場合が多い。むしろ問題は、人類の政治・経済・社会との関連であると思われる。そのためにも、いわゆる理系・文系の相互理解・交流が必要であり、異分野を理解できる教養がますます重要になっていることを指摘したい。

【キーワード】
持続可能性、グリーンケミストリー、環境基準、リスク
濱田嘉昭
(放送大学名誉教授)
濱田嘉昭
(放送大学名誉教授)
花岡文雄
(筑波大学生命領域学際研究センター長)
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