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数理科学('15)-離散モデル-

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主任講師
石崎 克也 (放送大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(日曜)1時30分~2時15分
第2学期:(月曜)13時00分~13時45分

講義概要

数理科学現象を理解するために、構造や生成過程を数学的手法を拠り所としてモデル化することは近年盛んに行われてきた。本講義では、離散方程式に注目し、数理モデルの中で数学的発想がどのように生かされているかを考察する。数学的理論の理解のために、応用例を多く取り入れたり、定理の可視化に数式処理ソフトMathematicaなどを利用したグラフィックスを組み込みながら、それぞれの数理モデルや数学的理論を解説する。離散方程式の高度な知識を仮定せずとも取り組めるように、微分方程式との比較をしながら議論を進める。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成27年度
科目区分
自然環境科学プログラム
科目コード
8960623
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月22日(土曜)3時限(11時35分~12時25分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月19日(金曜)4時限(13時15分~14時05分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)63.9点
(平成28年度 第2学期)74.8点
備考
「数理科学の方法('09)」の単位修得者は履修不可
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授業の目標

数理モデルの中で数学がどのような役割を演じているかを理解し、さらに一般的なモデルを構築する場合にどのような数学が必要か考える習慣を身につけることを目指す。講義の中では、離散方程式の数学の理論構築を体験する場面もあるが、具体例や、微分方程式と比較しながら地に足を付けた学習を身につけることを目標とする。考え方を整理する際の図式化などの工夫や、定理や命題を可視化するよう心がける。

履修上の留意点

本講義では、かなり基本的な数学的内容にも言及する。数学に不慣れな受講者も自ら手を動かして、理論と理論の間の計算を補うよう心がけていただきたい。同時に、考え方を図式化してみることも推奨する。また、フラクタル図形など基本的な操作の反復合成で記述されるものは、ノートの上やPC上で可視化していただきたい。この講義をきっかけに興味の対象となった数学的内容は学部の講義科目の中にもあるはずである。受講者が希求力を高めて、改めて学部の内容を復習することも期待している。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 離散方程式・実数の性質 基本的な数理モデルの紹介をして、本講義の流れや問題意識を解説する。反復合成によって描かれるフラクタル図形やMathematicaによるグラフィックスなどを紹介する。本節の後半では、実数変数関数を取り扱うために必要な実数の基本性質を学ぶ。

【キーワード】
離散方程式、 漸化式、植物の繁殖モデル、フラクタル図形、Mathematicaの利用、 実数の連続性、 数列
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
2 差分法 離散方程式の学習のための第一歩として、差分法の演算について学ぶ。微分法との比較を心がけ、類似点や相違点を整理する。差分法における、差分演算子表現とシフト表現を体験する。線形関数方程式論で重要な関数の一次独立性について学ぶ。

【キーワード】
微分法、導関数、差分法、シフト、高階差分、微分方程式、差分方程式、 関数の一次独立性、関数行列式、線形方程式
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
3 級数・ポアンカレの方程式 1章で学んだ数列の無限和(級数)を考える。離散的な独立変数をもつ関数方程式として知られる数列の漸化式は、微分方程式やq-差分方程式における形式級数解の係数問題で登場し、ポアンカレの方程式に含まれる。ポアンカレの方程式の解法や解の性質について学ぶ。

【キーワード】
数列、 級数、 正項級数、絶対収束、収束判定法、調和級数、広義積分、ベキ級数、形式級数解、ポアンカレの方程式、線形微分方程式
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
4 和分法 差分法の逆演算として和分法を学ぶ。微分積分学に現れる性質との類似点と相違点の把握につとめる。特に、和分法で重要な役割を果たすガンマ関数、プサイ関数の性質を理解する。また、1階線形微分方程式と比較しながら1階線形差分方程式の解法を説明する。

【キーワード】
和分公式、多項式の和分、ガンマ関数、プサイ関数、有理関数の和分、1階線形差分方程式、定数変化法
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
5 離散変数の数理モデル 離散変数関数(数列)を解に持つ差分方程式で記述される数理モデルを取り扱う。平衡値や安定性などを学習し、解の大域的性質を特徴づける方法を学ぶ。たとえば、種の単一モデルなどはその典型的なものである。モデルでは種を取り巻く環境変数などを調節することで、安定した状況を作り出せることを学ぶ。また、人口の増加・減少を記述するモデルや、景気循環のモデルも紹介する。

【キーワード】
平衡値、 安定性、人口モデル、繁殖モデル、景気循環モデル
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
6 連続変数の差分方程式 微分方程式と差分方程式の関係を考察する。それぞれの方程式性質を損なわないように他方の方程式を導き出すことを問題意識におく。ゲージ変換を用いて、リッカチ方程式から差分リッカチ方程式を導き出す方法を紹介する。また、連続極限法を用いて差分パンルヴェ方程式からパンルヴェ方程式を導く操作を学習する。

【キーワード】
微分方程式の差分化、ゲージ変換、リッカチ方程式、パンルヴェ方程式、ランダウの記号、連続極限
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
7 複素関数論からの準備 離散方程式の解の性質、関数の反復合成による軌道の振る舞いを調べるために、複素関数論からの準備を行う。複素数平面上での関数の微分積分、ベキ級数やローラン展開による関数の表現や、孤立特異点の分類や解析接続を学習する。

【キーワード】
複素数、 複素数平面、極座標、正則関数、複素積分、積分定理、関数の展開、孤立特異点、ローラン展開、解析接続
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
8 関数の近似と増大度 超越関数の表現にベキ級数展開があり、ある点の近くで、多項式で超越整関数が近似できる。微分方程式では、ベキ級数を利用することは、解の構成の有力な手段のひとつである。差分方程式の取り扱いに有効な展開として、2項級数を学ぶ。古典的なヴィーマン-バリロン理論を再構築し差分方程式に適用できるように試みる。複素平面での関数のとりうる値を記述したネバンリンナ理論を学習し、差分作用素に対応した形への理論構築も学習する。

【キーワード】
ヴィーマン-バリロン理論、中心指数、2項級数、整関数の表現、ネバンリンナ理論
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
9 線形方程式とニュートンの折れ線 微分、差分、q-差分の3種類の多項式係数複素線形方程式を概説する。これらの方程式は、係数の多項式から定まるニュートンの折れ線の傾きによって解の性質が運命づけられている。図形的な性質と整関数解の増大度について、3種類を比較しながら分析する。

【キーワード】
線形方程式、整関数の増大度、整関数の位数、凸包、ニュートンの折れ線、線形微分方程式、線形差分方程式、線形q差分方程式
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
10 超・超越性 有理関数、指数関数、三角関数などの初等関数は代数的微分方程式を満たす。一方、ガンマ関数は1階の差分方程式を満たすが、いかなる代数的微分方程式も満たさない。このような性質を超・超越性といって、新しい超越関数を見いだす時のひとつの指標になる。ここでは、ガンマ関数を通して、超・超越性を解説する。

【キーワード】
代数的方程式、許容解、ガンマ関数、超・超越性、ヘルダーの定理、ペー関数、リットの定理、ルーベルの問題
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
11 非線形差分方程式 リッカチ方程式は、非線形微分方程式の中で最も基本的なものの一つである。特に、線形2階同次微分方程式との関わりは重要である。この章では、微分方程式論と比較しながら、差分リッカチ方程式と線形2階同次差分方程式の関係を学ぶ。また、代数的常微分方程式の中で解の存在と次数の関係をあたえるマルムクィストの定理に対応する非線形差分方程式論の中での議論を学習する。

【キーワード】
リッカチ方程式、線形2階同次微分方程式、差分リッカチ方程式、線形2階同次差分方程式、マルムクィスト-ヨシダの定理、非線形高階差分方程式、差分パンルヴェ方程式
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
12 フラクタル図形 部分が全体であり、全体が部分からなっている自己相似図形(フラクタル図形)について解説する。このような図形は、自然界にも多く存在する。また、複素平面上のグラフィックスを利用して、複素関数の反復合成で描くことのできるフラクタル図形も紹介する。

【キーワード】
フラクタル図形、カントールの3進集合、コッホの雪片、フラクタル次元、複素力学系、マンデルブロー集合
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
13 複素関数の反復合成 複素関数で描かれるフラクタル図形は、幾何学的美しさのみならず、数学としての研究対象としてもきわめて重要である。ここでは、有理関数と超越整関数のジュリア集合やファトウ集合をとりあげ、そこにある興味深い問題を紹介する。

【キーワード】
複素力学系、リーマン球面、正規族、漸近値、ファトウ集合、ジュリア集合、発散点集合
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
14 合成関数方程式 複素力学系を議論する上で、重要な役割を演じる周期点を分類する。複素関数の反復合成で記述される軌道の振る舞いを、関数方程式を利用して解き明かしていく。後半では、ファトウ集合の特徴づけを行い、関数列の極限関数と、これに対応するジュリア集合の関係を見ていく。

【キーワード】
周期点、シュレーダーの方程式、周期点の分類、不変正分、集合列の収束、遊走領域
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
15 複素関数の振る舞いの可視化 実関数はグラフを用いてその振る舞いを可視化することが可能である。しかしながら、複素関数においては必ずしも容易ではない。2つの複素関数がある関数方程式で結ばれている場合の両者の複素力学系的性質を考察する。また、関数に含まれる媒介の変化によるジュリア集合などの変化をグラフィックスを通して観察する。

【キーワード】
准共役、合成関数方程式、複素関数の准共役、准共役な関数のジュリア集合、分岐図
石崎 克也
(放送大学教授)
石崎 克也
(放送大学教授)
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