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パーソナル・ネットワーク論('12)

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主任講師
森岡 淸志 (放送大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(木曜)14時30分~15時15分
第2学期:(木曜)0時45分~1時30分

講義概要

諸個人の意識や行動を理解するために、長い間、社会学は集団の中の個人の地位と役割に焦点をあててきた。しかし1960年代以降、人びとは次第に集団への帰属を薄め、集団から離れて、他者とのつながりの中で生活を営む場面を増大させてきた。パーソナル・ネットワーク論は、このような事態に対応して、人と人とのつながり、すなわちパーソナル・ネットワークに注目し、その構成や規模、接触頻度や密度などの構造が、諸個人の態度や行動を規定する側面と、社会構造的特性がネットワークを規定する側面との両面を対象として実証的研究を展開させている。この科目では、パーソナル・ネットワーク論に特有の視点とアプローチ、研究成果を紹介し、今後の発展の可能性について論じる。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成24年度
科目区分
社会経営科学プログラム
科目コード
8930619
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月22日(土曜)4時限(13時15分~14時05分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月19日(金曜)5時限(14時25分~15時15分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)85.6点
(平成28年度 第2学期)89.3点
備考
 
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授業の目標

パーソナル・ネットワーク論の視点と方法を学習することによって、受講生一人一人が自身をとりまくパーソナル・ネットワークを全体的に捉え、ネットワークからの影響や自身のネットワークへの働きかけを相対化し、自身の態度や行動への内省的理解を深めるための一つのきっかけとなることを目標とする。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 パーソナル・ネットワーク論の視角 1960年代に、社会的ネットワーク論が急速な展開を見せる。この中から、やがて人と人とのつながりに対象を限定するパーソナル・ネットワーク論が台頭するのであるが、第1回では、この間の経緯を含め、特有の視角やアプローチの特色について説明する。

【キーワード】
社会的ネットワーク、パーソナル・ネットワーク、初期シカゴ学派、第一次的関係
森岡淸志
(放送大学教授)
森岡淸志
(放送大学教授)
2 日本の「家」と親族関係 戦前・戦後にかけて、特に日本の農村では1970年代まで、親族関係を中心に生活が営まれていた。日本の親族関係は、「家」を単位とする同族的関係と、個人を単位とする親類(親戚)関係の二つの関係から成立していた。現在では、同族的関係は大幅に衰退しているが、このようなかつての日本の親族関係を理解しておくことは、現代日本のパーソナル・ネットワークを理解するために、きわめて重要である。

【キーワード】
「家」、同族、親類、親族圏、機能分担
森岡淸志
(放送大学教授)
森岡淸志
(放送大学教授)
3 産業化と家族変動 産業化・都市化による職業的・地理的移動は家族のあり方に大きな影響を与えてきた。ここでは核家族をめぐり、家族は孤立しているのか、それとも新たなネットワークの中にあるのかをみてゆく。また都市度という居住地の特性(村落か都市か)によって、人々のもつ親族ネットワークのあり方に違いがあることにも注目する。

【キーワード】
産業化、都市化、職住一致、職住近接、職住分離、自営家族、雇用家族、「孤立した核家族」、伝統的拡大家族、修正拡大家族、キンドレッド、親族ネットワーク、選択的親族関係
立山徳子
(関東学院大学教授)
立山徳子
(関東学院大学教授)
4 現代日本における家族の変容 国勢調査のデータから近年の日本家族の変容を家族形態、家族構成の両面から確認する。またこうした家族の変化を「家族の個人化」や家族意識の変化などの質的な面からも考察する。また家族をネットワークの視点から見る、「ネットワークとしての家族」と「ネットワークの中の家族」という分析視点の意義にふれる。

【キーワード】
世帯類型、世帯分離、家族意識、家族機能、「家族の個人化」、「ネットワークとしての家族」、「ネットワークの中の家族」、家族・コミュニティ問題、資源としてのネットワーク、拘束としてのネットワーク
立山徳子
(関東学院大学教授)
立山徳子
(関東学院大学教授)
5 夫婦役割とネットワーク 夫婦はなぜ家事や育児、余暇などを別々に(または一緒に)行おうとするのか。ここではE.ボットの示した家族外ネットワークが夫婦役割関係を決定してゆくという研究を紹介する。ボットの研究は家族研究とコミュニティ研究の双方をつなぐ意味で多くの示唆を与えたが、その意義についても述べる。
また日本の夫婦関係とコミュニティとの間にどのような関連があるのかを考察したい。

【キーワード】
夫婦役割関係、分離的夫婦役割関係、合同的夫婦役割関係、社会的ネットワーク結合度、競合説と両立説、夫婦選択説、ネットワーク規定説、コミュニティの解放化、コミュニティの私化、世帯ニーズ、磁場としてのネットワーク
立山徳子
(関東学院大学教授)
立山徳子
(関東学院大学教授)
6 都市空間の中の家族 都市度という居住地の特性が家族のあり方とどのように関連をもつのか。国勢調査などの客観的データから、世帯類型や就労スタイルは都市空間の中で一定のパターンを描いて分布していることを理解したい。またこうした一連の確認作業から、都心・郊外・村落のそれぞれにおいて特徴的な家族形態が分布していること、ならびに都市度という概念を紹介する。

【キーワード】
都市度、社会地図、同心円型分布、都心家族、郊外家族、村落家族
立山徳子
(関東学院大学教授)
立山徳子
(関東学院大学教授)
7 都市とパーソナル・ネットワーク 都市という環境の中で、人はどのようなパーソナル・ネットワークを形成するのか。ここでは都市度とネットワーク保有量の関係、空間分布に注目した研究成果を紹介する。

【キーワード】
コミュニティ問題、喪失論、存続論、解放論、パーソナル・コミュニティ、選択ー制約モデル、同類結合、都市度、下位文化理論、非通念性、選択的ネットワーク、近隣の友人化、修正下位文化理論
立山徳子
(関東学院大学教授)
立山徳子
(関東学院大学教授)
8 ネットワークから見た子育て 近年、注目される子育ての困難さはどこにあるのか。母親の持つ家族内・家族外の子育て環境をネットワークの視点でとらえた研究成果とそのネットワーク戦略を紹介する。また子育てネットワークの国際比較から、パーソナル・ネットワークの多様性や可能性、またセーフティ・ネットとしての意義を考える。

【キーワード】
ネットワークの中の子育て、世帯内ネットワークと世帯外ネットワーク、中庸なネットワーク、ネットワーク戦略
立山徳子
(関東学院大学教授)
立山徳子
(関東学院大学教授)
9 就職(転職)手段としてのネットワーク 「縁故」という言葉に象徴されるように、就職(転職)のさいに当事者を取り巻く人間関係は少なからぬ影響を発揮してきた。この回では、人々が就職(転職)するさいにネットワークがどのような影響を及ぼすのか、日米の研究を踏まえながら解説する。

【キーワード】
弱い紐帯、ブリッジ、セーフティネット、就職、転職
石田光規
(早稲田大学教授)
石田光規
(早稲田大学教授)
10 仕事の手段としてのネットワーク 産業社会の流動化とともに、働く人々は自らの仕事ネットワークを主体的に構築することを求められるようになった。そのさい有効なネットワークとはどのようなものなのか、さまざまなパーソナル・ネットワーク調査の知見を踏まえて解説する。

【キーワード】
構造的隙間、ネットワーキング、昇進
石田光規
(早稲田大学教授)
石田光規
(早稲田大学教授)
11 企業社会における人間関係 現在の企業社会の特徴を示す言葉の一つが「ネットワーク化」である。この回では、ネットワーク化が進行する企業組織において、人々が取り結ぶ人間関係はどのような変化を遂げているのか解説する。

【キーワード】
ネットワーク型組織、ネットワーキング、個人化、集団主義
石田光規
(早稲田大学教授)
石田光規
(早稲田大学教授)
12 女性の仕事とパーソナル・ネットワーク 女性が働くさいには、就業継続や家庭と仕事の両立といった問題が強く意識される。そうした問題に対して、彼女たちの保有するパーソナル・ネットワークがいかなる影響を与えているのか解説する。

【キーワード】
M字型就労、ワーク・ファミリー・コンフリクト
石田光規
(早稲田大学教授)
石田光規
(早稲田大学教授)
13 年賀状からみたパーソナル・ネットワーク パーソナル・ネットワークに関する実証研究は、その多くが統計的標本調査の結果に基づくものである。この調査では、対象者にとって親しい人びととの現在のネットワークに関する情報しか得ることができない。年賀状を手がかりとした事例調査によって、より拡い範囲のネットワークを捉え、またライフコースに伴う再編・変容の過程を捉えうることを明らかにする。

【キーワード】
拡大パーソナル・ネットワーク、ネットワークの再編、生活戦略、事例分析
森岡淸志
(放送大学教授)
森岡淸志
(放送大学教授)
14 社会関係にひそむ資本 近年、社会関係を「資本」とみなす研究が幅広い範囲で行われている。この回では、社会関係資本論の研究視角を概説し、そうした研究の知見および問題点について解説していく。

【キーワード】
資本、社会関係資本
石田光規
(早稲田大学教授)
石田光規
(早稲田大学教授)
15 「住民力」の効果 第14回の社会関係資本、ソーシャル・キャピタルに関する説明を踏まえ、住民が保有するパーソナル・ネットワークと、地域社会への参加度との相関が高いことをまず指摘する。次いで、これらを合わせて「住民力」とする時、この「住民力」がコミュニティ・モラール、投票行動、環境配慮行動と有意に高い関連を示すことについて説明を加える。

【キーワード】
ソーシャル・キャピタル、住民力、コミュニティ・モラール、町内信頼度
森岡淸志
(放送大学教授)
森岡淸志
(放送大学教授)
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