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現代訴訟法('17)

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主任講師
町村 泰貴 (北海道大学大学院教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(金曜)0時00分~0時45分

講義概要

裁判制度は古来から存在するが、現代社会では新しい形の法的紛争や紛争解決の方式が生まれて、その重要性が大きくなっている。日本の裁判制度が現在抱えている諸問題について、民事裁判を中心としながら、刑事裁判や行政裁判にも言及して、問題の核心を具体的に学習する。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成29年度
科目区分
社会経営科学プログラム
科目コード
8930732
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月21日(金曜)4時限(13時15分~14時05分)
単位認定試験
平均点
備考
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授業の目標

訴訟制度の基本的な知識を修得するとともに、現代社会に生起する問題に伝統的な制度がどう対処し、またどう変わっていくのか、その際に重要な理念は何かを修得することを目標とする。

履修上の留意点

法学の専門教育を経ていることは前提としないが、新聞などで報じられる裁判関係ニュースなど、法的な問題に関心を持っていることが望ましい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 イマドキの裁判制度 ソロモン王の時代から裁判をめぐる逸話が残されているように、裁判制度は古くから存在するが、現代になっても裁判制度には様々な問題がある。平成になってから日本の裁判制度には大きな変革が施されたが、その変革を必要とした課題は何かに触れつつ、この授業全体の内容の見取り図を示す。

【キーワード】
裁判のイメージ、伝統的裁判制度、司法制度改革
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
2 裁判を動かすのは誰だ? 裁判に携わるのは、主として法曹三者と呼ばれる裁判官、検察官、弁護士である。法を司る人々は公正かつ公平でなければならず、そのためには独立性が重要となる。しかし、独立した存在は他の機関との摩擦を引き起こすし、また独立性には基盤が必要である。常にその地位のあり方が問われる裁判官と、近年特にその地位が問われている弁護士についての諸問題を取り上げて、司法の独立とはどういうことかを考える。

【キーワード】
司法の独立、法曹養成、弁護士の職域、ジェンダーバイアス
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
3 私たちのもめごとはこうやって裁かれる 民事訴訟法は、数ある法律学の中でも最もとっつきにくいものの一つというのが定評である。しかし私たちの日常生活で起きるもめごとが最終的にはお世話になる手続だから、実は身近な存在でもある。 そこで、民事訴訟の基本構造を、仮想の事件を題材にシミュレートし、紛争解決がどうやって行われるのかを理解する。その上で、歴史的な経緯や諸外国の制度との比較の上で、現在の日本の民事訴訟制度の特徴を明らかにする。

【キーワード】
民事訴訟の流れ、日本の民事訴訟の特徴、法比較
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
4 現代の裁判官は科学者か、政治家か 現代社会の複雑な紛争を、伝統的な民事裁判制度によって果たして適切に解決できるのか? 現代の民事裁判で求められる課題を明らかにして、裁判制度がどのような対応をしているのか、また果たして裁判制度が引き受けられる役割はどこまでかを考えていく。

【キーワード】
法律上の争訟、訴訟と非訟、科学裁判、政策形成訴訟
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
5 たくさんの人たちが1つの訴訟に現れるカオス 民事裁判の基本は二当事者対立構造といって、原告と被告とが一対一で対峙する紛争がモデルとなっている。しかし、原告や被告が複数、あるいは多数に及ぶと、一挙に訴訟は複雑化する。さらに多数の人々が、互いに対立する利益を主張して一つの訴訟に現れることもある。
そのような、多数の人々の利害が絡まる紛争に、訴訟制度はどういう仕組みが必要なのかを考える。

【キーワード】
共同訴訟、クラスアクション、訴訟参加、当事者の変更
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
6 法は家庭に入らず、といってもほっとけない家族のもめごと 家族といえども、人と人とのつながりであるから、その間にもめごとが生じれば、法と裁判の出番がめぐってくる。典型的なのが離婚裁判であり、相続紛争である。また現代的な問題として、ドメスティック・バイオレンスやストーカーといった問題も、警察が取り締まるべき犯罪というだけでなく、民事裁判の役割が重要となる。

【キーワード】
離婚、親子、相続、家事調停、家事審判、人事訴訟、DV
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
7 今すぐ何とかしてほしいときの頼れる仕組み 民事裁判制度は、とかく時間がかかるので、緊急の場合には間に合わず、また最終的に勝訴しても後の祭りとなることがありうる。それでは権利救済のシステムとして十分でないので、手遅れとならない仕組みを備えておく必要がある。仮差押えと仮処分がそれであり、その他にも迅速な手続で決着をつける略式な裁判制度がいくつか存在する。

【キーワード】
仮差押え、仮処分、督促手続、手形小切手訴訟、少額訴訟
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
8 裁判は民営化できるか? 国家が作る裁判制度は、誰でも訴える権利があり、訴えに応じる義務があり、そして裁判の結果には一方当事者がどんなに気に入らなくても従わなければならない。これに対して、当事者の合意をベースとして、裁判以外のルートで紛争を解決する仕組みが存在する。この仕組みをADRと総称するが、現代社会ではその役割が次第に大きくなっている。

【キーワード】
裁判外紛争解決、ADR、調停、仲裁
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
9 ある日突然給料が差し押えられたら、家から追い出されたら 民事裁判で権利が認められても、それだけでは紙切れにすぎない。裁判所の命令にも従わない人に対しては、強制する仕組みが必要である。ただし、強制に際しても行き過ぎは禁物で、間違った執行を防ぐ仕組みも必要となる。 権利の実効的な実現と間違った執行の防止という矛盾した課題を考える。

【キーワード】
民事執行、差押え、間接強制、子どもの引渡し
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
10 借金で首が回らなくなったら、裁判所が何とかしてくれる? 借金がかさみ、きちんと返済することができなくなると、経済的に破綻する。これを倒産と呼ぶが、倒産処理も民事裁判制度の大きな役割である。
まず、個人にせよ企業にせよ、経済的に破綻した場合に適用される破産手続と、実体法の変容を考える。個人についてはさらに、免責決定を受ける方法、そして個人再生により破産しないで再起する方法を見る。

【キーワード】
破産、免責、個人再生
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
11 航空会社が破綻しても飛行機は飛び続ける 企業が経済的に破綻しても、その企業が社会的に欠かすことができなかったり、あるいは少なくとも従業員や取引先にとって企業が存続することが望ましい場合、企業の再建を図ることになる。
その典型例ともいうべき航空会社の再建を題材に、企業再生の手続と問題点を考える。

【キーワード】
企業の再建、会社更生、民事再生、事業再生
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
12 犯罪者を捕まえて罰を与えるための道筋 刑事裁判は、犯罪者を捕まえて、罪を判定し、罪に見あった罰を与えるというプロセスだが、初めから犯罪者と分かっているなら、刑事裁判はいらない。罰を与えるには、本当に犯罪を犯したのかどうかを、現場を直接見たわけでもない裁判官が決めなければならない。これは難しい課題である。 また、ある人を犯罪者として罰するためには、捜査段階から間違いが起きないようにしなければならない。
冤罪をいかにして防ぎながら、犯罪者に罰を与えるか、この課題には最近も、捜査過程の可視化などの改革が模索されている。

【キーワード】
刑事裁判の流れ、人質司法、可視化、証拠開示
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
13 刑事裁判にエイリアンがやってきた 刑事裁判に裁判員制度が導入されたことで、審理の方法も大きく変わることになった。また、被害者が刑事裁判の当事者に準じる立場で関与し、本来は民事裁判で行うべき損害賠償も刑事裁判の中で扱うことが出来るようになった。こうした改革は、訴追者、弁護者と裁判官というプロの三角関係に異質な要素を持ち込むもので、抵抗が大きいし課題も多い。
さらに刑罰のあり方も、再犯防止の方向に変わりつつある。 こうした激動の渦中にある刑事裁判の今を考える。

【キーワード】
裁判員制度、犯罪被害者参加、損害賠償命令、加害者更生
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
14 裁判所が政府・国会に物申す 日本の裁判所は、行政府の行為の適法性も審査する。また国会の定めた法律も、憲法に適合するかどうかを審査する。日本人にとっては当たり前のことだが、一般の裁判所がこうした権限を持つのは国際的に見れば珍しい。 具体的にも、行政訴訟には制度的にも理論的にも制約がある。また憲法裁判には独特の制約がある。その一方で、現代社会では、行政の違法や立法の不当に対する救済を裁判所に求める場面が多く見られる。
ここでは、これらの問題点と将来の方向性を考えてみる。

【キーワード】
行政訴訟、違憲立法審査権
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
15 液状化する司法制度 司法は、民事裁判、刑事裁判の二つ、あるいは行政裁判の分けるとすれば三つに大きく分類され、それぞれに原理原則が発展してきた。しかし既に見たように、刑事裁判の中で民事上の救済が行われたり、民事裁判で制裁や抑止の機能が注目されたりしている。
また、司法権の固有の役割は法の解釈適用にあるが、本来は行政権が実行すべき役割を司法が引き受けるという現象も見られる。
さらに、社会がデジタル化・ネットワーク化している中で、司法もこれに対応せざるを得ない。
ここではそうした現状を踏まえ、司法手続の将来を考える。

【キーワード】
裁判領域の流動化、団体訴訟、公益訴訟、司法IT化
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
町村 泰貴
(北海道大学大学院教授)
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