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博物館資料保存論('12)

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主任講師
本田 光子 (九州国立博物館名誉館員)
森田 稔 (元九州国立博物館副館長)平成29年2月ご逝去
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(火曜)9時45分~10時30分
第2学期:(月曜)18時15分~19時00分

講義概要

博物館資料「もの」の「保存」について、その考え方を理解し、知識を学び、技術に触れる。「もの」の保存は、その材料や製作技法を捉え、伝えてきた人や時代の判断を知り、「もの」に適した環境を整え、必要に応じて繕うことにより成り立つことを確認する。最新の科学技術による調査や環境整備ならびに日本の風土で育まれた「もの」をまもりつたえる考え方と手法を組み合わせ総合的な博物館資料の保存をめざす九州国立博物館の取り組みを中心として講義を展開する。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成24年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(人間と文化コース)
〔2008年度以前〕専門科目(人間の探究専攻)
科目コード
1554620
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月27日(木曜)2時限(10時25分~11時15分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月27日(土曜)6時限(15時35分~16時25分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)66.1点
(平成28年度 第2学期)79.5点
備考
 
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授業の目標

博物館学芸員として、資料保存に関する基本的な考え方ならびに基礎的な知識を修学し、学芸員自身が行うべきことと、専門家に依頼することを見極める力を養うこと。あわせて、博物館資料の保存は、博物館等施設における直接的な学芸業務以外の部門である事務、来館者サービス、警備や清掃他、およびボランティア活動等との連携の上に成り立つことをあらためて実感すること。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 博物館資料保存論の導入 博物館資料保存論の趣旨を具体的に説明する。博物館資料の保存は、①日常管理による環境維持、②資料に関する知識と丁寧な扱いに基づく点検・調査・研究・公開③歴史をふまえた保存修理により成り立つこと、博物館というステージで管理すべき危機(災害、温湿度、光、空気質、虫カビ、塵埃、輸送等の影響因子)について整理する。

【キーワード】
博物館資料、保存、環境維持、知識と扱い、点検・調査・研究・公開、保存修理、影響因子、災害防止
本田 光子
(九州国立博物館名誉館員)
本田 光子
(九州国立博物館名誉館員)
2 文化財保護の展開 日本の博物館資料の多くはかつて信仰が守り伝えてきた伝世の文化財である。いかにしてまもってきたか、説明する。 (1)奈良時代から明治時代初めの「廃仏毀釈」までを概観する。 (2)武家等の寄進により文化財がいかに保存されてきたか。 (3)武家・公家・町衆による文化財修理の需要と修理技術者の育成。

【キーワード】
正倉院、曝涼、延喜式、修理、寄進、武家、公家、町衆
三輪 嘉六
(元九州国立博物館館長)
三輪 嘉六
(元九州国立博物館館長)
3 災害対策と保存論 我が国は「地震列島」と呼ばれるほど地震が発生しやすい。その対策を中心に概説する。

【キーワード】
地震、免震、耐震、展示方法、収蔵方法
森田 稔
(元九州国立博物館副館長)
森田 稔
(元九州国立博物館副館長)
4 博物館の成り立ちと機能 文化財保護の歴史をふまえ、我が国の博物館の成立と機能について概説する。 (1)明治時代初期における万国博覧会の意義 (2)古社寺保存法による文化財保護と国立博物館の役割 (3)文化財の保存と活用

【キーワード】
万国博覧会、悉皆調査、古社寺保存法、国宝、保存、活用
森田 稔
(元九州国立博物館副館長)
森田 稔
(元九州国立博物館副館長)
5 博物館資料の収蔵と保管 博物館収蔵庫の集大成ともいえる九州国立博物館の収蔵庫を例として収蔵と保存を解説。 (1)ゾーニング (2)構造 (3)メンテナンス (4)危機管理

【キーワード】
ゾーニング、構造、メンテナンス、危機管理、環境
森田 稔
(元九州国立博物館副館長)
森田 稔
(元九州国立博物館副館長)
6 博物館資料の科学調査 博物館における科学調査事例について、九州国立博物館の最新設備の紹介もまじえて解説。分析科学と美術史・工芸史との共同研究の必要性を説明する。 (1)現状調査 (2)材料調査 (3)構造調査 (4)環境調査

【キーワード】
現状調査、材料調査、構造調査、技法調査、環境調査、学芸員との協働
今津 節生
(奈良大学教授)
今津 節生
(奈良大学教授)
7 博物館と保存修理 博物館における文化財保存修理事業について、九州国立博物館の事例や施設紹介をもまじえて解説。博物館における文化財修理の意義、学芸員と修理技術者の協働の意義を考える。また博物館の役割としての修理技術者育成についても解説する。

【キーワード】
学芸員、修理技術者、博物館の役割
藤田 励夫
(文化庁文化財調査官)
藤田 励夫
(文化庁文化財調査官)
8 の歴史 文化財としての書画に関する伝統的な修理技術を概説する。古来より行われてきた装こう技術による文化財修理の歴史を概観し、伝統保存技術の意義を解説する。また近年進んできた最新技術との関係について概説する。

【キーワード】
装こう技術、伝統保存技術、修理技術者、電子線劣化絹、すき嵌め
岡 興造
(岡墨光堂会長、三代岡岩太郎)
岡 興造
(岡墨光堂会長、三代岡岩太郎)
9 技術・材料の開発 書画、表具の材料、収納用具等、紙・絹文化財をまもり伝える周辺の歴史的背景について概説する。 (1)文化財の構造 (2)劣化の特徴 (3)修復の方法 (4)修理後の注意点

【キーワード】
紙・絹文化財、文化財の構造、劣化の特徴、修復の方法、メンテナンス
岡 興造
(岡墨光堂会長、三代岡岩太郎)
岡 興造
(岡墨光堂会長、三代岡岩太郎)
10 正倉院宝物の保存 「もの」の保存の原点である正倉院宝物の保存の在り方について解説。①正倉院は校倉の校木の開閉によりまもられてきたといわれてきたが、実際はどのようなものであったか。②正倉院宝物の定期的な曝涼と修理は明治期から本格的に行われてきたが、その内容と変遷について。③正倉院宝物の保存と点検に関する現在の基本的な考え方と取り組みについて紹介する。

【キーワード】
正倉院宝物、保存、修理、点検、校倉、曝涼
本田 光子
(九州国立博物館名誉館員)
本田 光子
(九州国立博物館名誉館員)
11 曝涼・曝書の歴史 博物館資料の多くを占める日本の美術工芸品は、この国の風土により育まれた資料管理システムである「扱い・収納・曝涼・修理」によりが正倉院から現代まで続いていることをとおして「もの」の保存の意味を考える。

【キーワード】
曝涼、曝書、伝統、気候、風土、図書館
本田 光子
(九州国立博物館名誉館員)
本田 光子
(九州国立博物館名誉館員)
12 文化財生物被害対策の歴史 博物館ガス燻蒸の歴史と臭化メチル全廃の経緯およびIPM導入の背景について解説。高度経済成長期に急増した博物館の虫菌害対策として短期間で処理できるガス燻蒸が行われてきたが、その弊害も指摘されてきた。その後の臭化メチル全廃に至る考え方を説明する。

【キーワード】
高度経済成長期、ガス燻蒸、臭化メチル、オゾン層、環境保護
森田 稔
(元九州国立博物館副館長)
森田 稔
(元九州国立博物館副館長)
13 博物館におけるIPM:総合的有害生物管理(1) IPMとは何か、九州国立博物館の取り組みをとおして解説。臭化メチル全廃を受けた博物館の虫菌害対策として導入された「総合的有害生物管理(IPM)」の考え方を整理し、九州国立博物館の取り組みを具体的に説明する。

【キーワード】
ガス燻蒸、総合的有害生物管理(IPM)、環境配慮
本田 光子
(九州国立博物館名誉館員)
本田 光子
(九州国立博物館名誉館員)
14 博物館におけるIPM:総合的有害生物管理(2) IPMの担い手について、九州国立博物館の取り組みをとおして解説。IPMを有効に実現するためには多くの人の目や行動が必要となる。九州国立博物館を例としてIPM実現に向けた取り組みを通し、その担い手たちのあり方、役割分担について説明する。

【キーワード】
IPM、担い手、役割分担
本田 光子
(九州国立博物館名誉館員)
本田 光子
(九州国立博物館名誉館員)
15 博物館危機管理としてのIPM 博物館資料保存の根幹はあらゆる影響因子を総合的に管理することであり、IPMの考え方によることでより理解と実践がしやすいことを伝える。

【キーワード】
IPM、危機管理、災害、温湿度、光、空気質、虫カビ、塵埃、輸送、自然との共生、市民協同
本田 光子
(九州国立博物館名誉館員)
本田 光子
(九州国立博物館名誉館員)
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