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南北アメリカの歴史('14)

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主任講師
網野 徹哉 (東京大学教授)
橋川 健竜 (東京大学准教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(金曜)9時00分~9時45分
第2学期:(木曜)18時15分~19時00分

講義概要

南北アメリカの歴史を先史時代から現代まで概観する。先住民社会の征服、植民地化の過程で南北両地域ともに先住民とヨーロッパ・アフリカの出身者が接触し、空間的・社会的な線引きや混淆を繰り返しつつ、旧世界とは異なる独特な世界が形成されていった。独立後、苦難に満ちた国家形成の歴史を示したラテンアメリカ諸国に対して、北米は奴隷制問題を、南北戦争という多大な犠牲を払って解決し、再出発する。そして20世紀にはアメリカ合衆国が超大国化する一方、ラテンアメリカ諸国はさまざまな危機を克服すべく模索した。今世紀に入り、米国・ラテンアメリカ諸国間で共通の問題が浮上しつつあることも検討したい。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成26年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(人間と文化コース)
〔2008年度以前〕専門科目(人間の探究専攻)
科目コード
1554743
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月23日(日曜)6時限(15時35分~16時25分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月21日(日曜)8時限(17時55分~18時45分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)72.3点
(平成28年度 第2学期)71.5点
備考
 
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授業の目標

これまで別々に語られてきたアメリカ合衆国とラテンアメリカの歴史を、地域史としての個々の研究蓄積に配慮しつつ、南北アメリカ全体の相互関係を視野に入れて論じる。独立以前の社会の重要性、とりわけ歴史形成における先住民の担った役割に注意しつつ、18世紀については、大西洋・ヨーロッパ世界を含む大きな世界史的枠組みの中でアメリカを理解する可能性を示したい。また20世紀に擡頭したアメリカ合衆国が世界に及ぼした政治・経済・文化的影響力と、それに対するラテンアメリカ側の、反発を含めた応答の諸相についても取り上げたい。

履修上の留意点

特になし。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 はじめに:アメリカ世界とは 本科目のねらいについて、主任講師が共同討議という形で論じる。南北アメリカの地理的多様性を確認するとともに、先住民、ヨーロッパ系入植者(移民)、黒人奴隷、アジア系移民が接触した、という新大陸全体に共通する点と、地域ごとに異なった社会が形成された点に注目する。

【キーワード】
世界史、自然と風土、遭遇と発見、多様な民族、奴隷制
網野 徹哉
(東京大学教授)
橋川 健竜
(東京大学准教授)
網野 徹哉
(東京大学教授)
橋川 健竜
(東京大学准教授)
2 アメリカ世界の古代文明 コロンブスが到来する以前の南北アメリカ世界について、アジア大陸からの人間集団の到来を経て、農耕や牧畜がはじまり、各地にさまざまな文化が栄え、アステカやマヤ、インカなどの高度に発達した古代文明が生成するまでの過程を講ずる。

【キーワード】
南北アメリカ、DNA、アジア、農耕・牧畜、アステカ、マヤ、インカ
網野 徹哉
(東京大学教授)
網野 徹哉
(東京大学教授)
3 アメリカ《発見》と征服 コロンブスがアメリカに到来する1492年までのイベリア半島における歴史的背景、スペイン人による、カリブ海、メキシコ、ペルーなどにおける征服行動の実態、そしてアステカ社会、インカ帝国などの先住民社会が崩壊する局面、その要因を論ずる。

【キーワード】
コロンブス、1492年、イベリア半島、征服、人口減少、ピサロ、コルテス、ブラジルの発見
網野 徹哉
(東京大学教授)
網野 徹哉
(東京大学教授)
4 ラテンアメリカ植民地社会とは何であったか 征服後に成立したスペイン人/インディオ/黒人の共生空間としての中南米植民地について、統治システムの確立、居住空間の再編成、先住民の労働力を基にした経済的開発の実態、大西洋・太平洋における通商・物流のあり方などを論じる。

【キーワード】
エンコミエンダ、都市、スペイン人、インディオ、黒人、統治システム、経済的搾取、鉱業、海の道
網野 徹哉
(東京大学教授)
網野 徹哉
(東京大学教授)
5 異文化の相克:ラテンアメリカ植民地における複数文化の融合・共存・葛藤の諸相 先住民に対するキリスト教会の精神的支配が確立し、経済的搾取が常態となった植民地時代において、伝統的な価値観に基づきつつ、外来文化の圧力に対して抵抗・交渉する先住民のあり方を、混血、黒人の問題を含め、多様な側面から照射する。またブラジル植民地社会の発展についても論じる。

【キーワード】
先住民の反乱、人種の混淆、カトリック教会、修道会、マリア信仰、偶像崇拝、異端審問、ブラジル
網野 徹哉
(東京大学教授)
網野 徹哉
(東京大学教授)
6 北米先住民と植民地社会:比較の視座から 高度に発達した先住民社会とスペイン人入植者が接触した南米と対比させて、より流動的な性格をもつ先住民社会とフランス、さらにはプロテスタントであるイギリス系入植者が接触した北米の植民地社会を18世紀中葉まで論じる。

【キーワード】
タバコ、ピューリタン、土地、毛皮交易、七年戦争(フレンチ・アンド・インディアン戦争)
橋川 健竜
(東京大学准教授)
橋川 健竜
(東京大学准教授)
7 スペイン領アメリカ植民地社会から見た18世紀:繁栄の光と影 スペイン王室は1700年以降、中央集権化のためにブルボン朝諸改革と呼ばれる一連の改革を実施する。それはアメリカ植民地の民衆に増税を、クリオーリョ中・上層には自律性の喪失をもたらした。表面上の繁栄の下、諸階層の不満は高まり、1808年のナポレオンによるスペイン侵攻を契機に、イダルゴやボリーバルによる独立運動へとつながる。

【キーワード】
中央集権化、ブルボン朝諸改革、クリオーリョ、スペイン侵攻、イダルゴ、ボリーバル
安村 直己
(青山学院大学教授)
安村 直己
(青山学院大学教授)
8 アメリカ合衆国の形成と変容:独立から南北戦争・再建まで 七年戦争以降のブリテン帝国の統合を拒否して成立した分権的連邦制国家アメリカ合衆国が、西部への領土及び入植の拡大をへて南北戦争を迎え、国家としての集権性を強めるまでを、奴隷制の問題を中心に論じる。

【キーワード】
アメリカ独立革命、奴隷制、綿花、連邦制、白人青年男子、奴隷制廃止運動、南北戦争
橋川 健竜
(東京大学准教授)
橋川 健竜
(東京大学准教授)
9 ラテンアメリカ諸国の独立と19世紀の発展 19世紀の独立革命を経て、ラテンアメリカ諸地域はひとつひとつが独立国家となり、それぞれ国家形成に苦闘しつつも、やがて19世紀末の相対的安定期を迎える。その間の動向を政治・経済・社会面から論じる。

【キーワード】
独立(ラテンアメリカ諸国の)、カウディリョ、米墨戦争、輸出経済、ポピュリズム(ラテンアメリカの)
高橋 均
(東京大学教授)
高橋 均
(東京大学教授)
10 アメリカ合衆国国民像の変容:1880年代~1920年代 1880年代から1920年代のアメリカ合衆国において、先住民、アフリカ系アメリカ人、南北ヨーロッパ系に加えアジア系も含む移民の存在を受けて、さまざまな線引きをへて「アメリカ市民」の定義が変容する過程を論じる。

【キーワード】
大陸横断鉄道、保留地制度、同化教育、人種隔離制度、移民排斥、海外植民地、市民権
中野 由美子
(成蹊大学教授)
中野 由美子
(成蹊大学教授)
11 豊かさの軌跡:工業国化から冷戦までのアメリカ合衆国 19世紀後半に本格化する工業化ののち、1929年以来の大恐慌を第2次世界大戦への参戦を通じて克服し、世界でも群を抜く豊かな社会となったアメリカ合衆国が、その自己像を携えて冷戦に臨むが、1960年代後半にヴェトナム戦争で行きづまるまでを論じる。

【キーワード】
自動車、大恐慌、総力戦、冷戦、大衆消費社会、リベラリズム、軍産複合体、大きな政府、ベトナム戦争
橋川 健竜
(東京大学准教授)
橋川 健竜
(東京大学准教授)
12 1960年代以降のアメリカ合衆国:多文化社会の挑戦 1950年代に本格化する公民権運動を契機として、少数派集団の尊厳を承認する気風がアメリカ合衆国社会に浸透する過程、またそれへの反発を、先住民・アジア系移民なども含めて20世紀末まで論じる。

【キーワード】
公民権運動、ブラックパワー、レッドパワー、条約上の権利、移民法改正、アファーマティヴ・アクション(積極的差別是正措置)
中野 由美子
(成蹊大学教授)
中野 由美子
(成蹊大学教授)
13 保守の時代:1970年代以降のアメリカ合衆国 オイルショックや日本などの追い上げの中、IT技術などで世界をリードしつつも経済的地位が下がりつつあるアメリカ合衆国が、国内で政治的に保守性を強め、それが社会経済面にも浸透する過程を、9.11後の対テロ戦争まで論じる。

【キーワード】
デタント、保守化、レーガン、小さな政府、冷戦終結、9.11テロ
橋川 健竜
(東京大学准教授)
橋川 健竜
(東京大学准教授)
14 米州関係と今日のラテンアメリカ 20世紀を迎え、いまや超大国となったアメリカ合衆国の強大な影響をそれぞれに受け止めつつ、ラテンアメリカ諸国は試行錯誤を経つつも政治社会を成熟させていく。その経緯を跡づけ、かつ21世紀中葉への展望を示す。

【キーワード】
米州関係、モンロー主義、キューバ革命、債務危機、民主化 (ラテンアメリカの)
高橋 均
(東京大学教授)
高橋 均
(東京大学教授)
15 動きゆくアメリカ 講義の最後にあたり、主任講師が共同討議というかたちで、人間の移動や人種・エスニシティという観点から、これからの南北アメリカを考えていくためのいくつかの鍵を示していきたい。日本とラテンアメリカとのあいだの人間集団の移動の様態、アメリカ合衆国の政治・経済を大きく左右しつつあるヒスパニック系移民の実態とその存在意義、そして先住民集団が現代社会において置かれている状況などを論じつつ、動きゆくアメリカ世界をとらえてみたい。

【キーワード】
移民、多文化主義、ヒスパニック、グローバル化、インディヘニスモ、先住民運動
網野 徹哉
(東京大学教授)
橋川健竜
(東京大学准教授)
網野 徹哉
(東京大学教授)
橋川健竜
(東京大学准教授)
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