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経験論から言語哲学へ('16)

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主任講師
勢力 尚雅 (日本大学教授)
古田 徹也 (専修大学准教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(土曜)23時00分~23時45分
第2学期:(火曜)7時30分~8時15分

講義概要

「英語圏(英米系)の哲学」としてまとめられる領域は、しばしば経験論と言語哲学とに大別される。では、両者はそれぞれどのような思考のことを指し、そして、どのような点で互いに接続するのだろうか。
まず前半は勢力が担当し、経験論とは何かという問題を、イギリス経験論の主要な論者の思考(おもに言語・認識・社会をめぐる観察と考察)を辿りながら、検討していく。後半は古田が担当し、言語哲学とは何かという問題を、経験論との関係を主軸に置いて検討していく。なお、最終回ではまとめとして、経験と言語のつながりをめぐって、両講師が討論を行う。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成28年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(人間と文化コース)
〔2008年度以前〕専門科目(人間の探究専攻)
科目コード
1554859
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月27日(木曜)5時限(14時25分~15時15分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月27日(土曜)2時限(10時25分~11時15分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)74.4点
(平成28年度 第2学期)70.0点
備考
 
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授業の目標

前半の目標は、「経験論」の思考を追体験することである。とかく「イギリス経験論 vs 大陸合理論」といったおおざっぱな図式のもとに思想家の名を連ねることで処理されがちな「経験論」であるが、具体的にはどのような思考なのだろうか。個々の論者が取り組んだテーマと考察をめぐって、言語および人間と社会についてのさまざまな観察と考察を辿っていく。
後半の目標は、経験論との関係のもとで「言語哲学」を理解することである。前半と同様に、思想家の名やその代表的なテーゼを確認するだけでなく、個々の思想家の思考を実際に追体験しながら、言語をめぐる哲学的思考の営みというものの意義と重要性を跡付けていく。

履修上の留意点

教科書を読み、放送を聴講したうえで、各自よく考え、紹介される参考文献などと対話することが求められる。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 イギリス経験論のアクチュアリティー
-デカルトとホッブズの衝撃
「経験論」とは何か。21世紀に生きるわれわれとどんな関係があるのか。なぜイギリス経験論に着目するところから始めるのかを理解する。

【キーワード】
要素還元主義、トランス・サイエンスの領域、観念論、経験論、形而上学、共通基準、信約、懐疑主義、モラル・サイエンス、寛容
勢力 尚雅
(日本大学教授)
勢力 尚雅
(日本大学教授)
2 ロックと道徳感覚学派
-経験をどう反省してどんな秩序が生まれるのか
経験を認識するために欠くべからざるものとデカルトが考える「観念」は、経験の中でつくられる。そう考えたジョン・ロックの思考の特徴と帰結、そして、ロックの所説に対する批判的応答として、シャフツベリ、ハチスンの議論を考察する。

【キーワード】
単純観念、複合観念、精神(知性)、反省、抽象、一般観念と一般名辞、人格、労働、所有、社会契約、自然な情愛、形成的自然、道徳的感覚(モラル・センス)
勢力 尚雅
(日本大学教授)
勢力 尚雅
(日本大学教授)
3 ヒュームによる蓋然的推理批判
-何かを「信じる」とき、何が生じているのか
経験を反省し秩序をつくる主体とは何か。われわれがもつさまざまな信念と、それを形成する蓋然的推理を批判したヒュームの議論とねらいについて考える。

【キーワード】
「生得的」、「存在するとは知覚されること」、定義の吟味、蓋然的推理批判
勢力 尚雅
(日本大学教授)
勢力 尚雅
(日本大学教授)
4 ヒュームの懐疑論と寛容論
-想像力と言語はどのような関係にあるか
ヒュームの経験論は懐疑論に陥ったと批判されることがある。しかし、その懐疑は「人間の科学」という企てと背中合わせのプロセスである。「人間的自然」を生成の相で描こうとしたヒュームの懐疑と科学についての議論を考察する。

【キーワード】
懐疑、ジレンマ、想像力と言語、コンヴェンション、批評、寛容な対話
勢力 尚雅
(日本大学教授)
勢力 尚雅
(日本大学教授)
5 スミスにおける道徳哲学の展開
-交換性向と適切さの感覚は何を生むのか
われわれは想像力と経験に導かれて、どのような感覚を磨きながら、どのような生活様式に縛られるようになるか。ヒュームの始めた道徳哲学を引き継ぎ、多様な観察に基づいて推測を重ねたアダム・スミスのいくつかの議論を考察する。

【キーワード】
改良、適切さ、商業社会、分業、ルソー、相互の共感、インパーシャル・スペクテイター、生活改善、疎外論、ストア派
勢力 尚雅
(日本大学教授)
勢力 尚雅
(日本大学教授)
6 ベンサムの言語論とミルの道徳科学
-古典的功利主義を支える経験論は何か
古典的な功利主義を代表する二人の人物、ジェレミー・ベンサムとジョン・スチュワート・ミルの議論をたどり、彼らが直面した状況と問題を視野に入れながら、イギリス経験論から功利主義がどのように生まれてきたかについて理解する。

【キーワード】
フィクション、功利の原理、功利計算、間接的立法、道徳科学、具体的演繹法、中間公理、逆演繹法(歴史的方法)、思弁的能力の状態、自由論、ロマン主義
勢力 尚雅
(日本大学教授)
勢力 尚雅
(日本大学教授)
7 パースの実験主義とジェイムズのプラグマティズム これまでの章で見てきたイギリス経験論(とくにその言語論と学問的方法論)は、アメリカで「プラグマティズム」と呼ばれる経験論へと受け継がれる。その提唱者であるパースとジェイムズの議論を比較検討しながら、彼らの経験論を考察する。

【キーワード】
アブダクション、実験主義(科学の方法)、記号、純然たる遊び、習慣化する傾向、偶然、希望、合理的感情、プラグマティズム、仲介者、純粋経験、根本的経験論
勢力 尚雅
(日本大学教授)
勢力 尚雅
(日本大学教授)
8 現代的な経験論の源流 フランツ・ブレンターノとエルンスト・マッハの哲学を概観することにより、現代的な経験論の源流を見出し、近代と現代の英米哲学の結節点がどこにあるのかを探る。とりわけ、マッハの極端な経験論が後代に広範な影響を与えていることを確認する。

【キーワード】
ブレンターノ、マッハ、志向性、形而上学の駆除、反ニュートン力学、感性的諸要素の関数的連関、中性的一元論、世紀末ウィーン
古田 徹也
(専修大学准教授)
古田 徹也
(専修大学准教授)
9 言語哲学の源流 論理学的研究を基にした言語哲学(分析哲学)の源流となるゴットロープ・フレーゲの議論を跡づけ、経験論との立場の違いを確認する。

【キーワード】
フレーゲ、ラッセル、分析哲学、言語論的転回、名辞論理、命題論理、述語論理、概念記法、論理主義、ラッセルのパラドックス、反心理主義
古田 徹也
(専修大学准教授)
古田 徹也
(専修大学准教授)
10 前期ウィトゲンシュタイン 前期ウィトゲンシュタインの主著『論理哲学論考』の議論の枠組みを跡づけることで、この著作が引き起こした「言語論的転回」の内実を確認する。

【キーワード】
ウィトゲンシュタイン、『論理哲学論考』、思考の限界、言語の限界、写像理論、トートロジー、矛盾、ナンセンス・無意味・有意味、日常言語、相対性・絶対性、「語りえぬものについては、沈黙せねばならない」
古田 徹也
(専修大学准教授)
古田 徹也
(専修大学准教授)
11 言語と世界のつながり 論理学的研究を基にした形式的な言語理論と、現実の経験的世界とのつながりについて、バートランド・ラッセルとウィトゲンシュタインがどのような思考を展開したのかを探る。

【キーワード】
ラッセル、ウィトゲンシュタイン、言語の創造性、認識論、センスデータ論、中性的一元論、要素命題の相互独立性、ザラザラした大地
古田 徹也
(専修大学准教授)
古田 徹也
(専修大学准教授)
12 論理実証主義 現代の言語哲学と経験論が融合した立場である「論理実証主義(論理的経験論)」の成り立ちと内実を跡づける。

【キーワード】
エイヤー、カルナップ、哲学の科学化、エルンスト・マッハ協会、ウィーン学団、分析性と総合性、規約主義、要素還元主義、錯覚論法、検証主義、反形而上学
古田 徹也
(専修大学准教授)
古田 徹也
(専修大学准教授)
13 言語観の転換へ 経験論と言語哲学のかかわりをめぐる20世紀半ば~後半の代表的な議論を確認することで、感覚的経験を組織化する枠組みとしての言語観から転換する端緒を探究する。

【キーワード】
クワイン、デイヴィドソン、オースティン、全体論、概念枠相対(絶対)主義、認識論的ニヒリズム、ノイラートの船、所与の神話、枠組みと内容の二元論、錯覚論法批判
古田 徹也
(専修大学准教授)
古田 徹也
(専修大学准教授)
14 言語ゲーム論と言語行為論 言語を「行為」という観点から捉え直す、後期ウィトゲンシュタインの言語ゲーム論とJ・L・オースティンの言語行為論のアウトラインを辿る。

【キーワード】
後期ウィトゲンシュタイン、オースティン、言語ゲーム、家族的類似性、規則のパラドックス、反心理主義、言語行為論、事実確認的と行為遂行的、偽と不適切、発話行為・発話内行為・発話媒介行為、慣習性と即興性
古田 徹也
(専修大学准教授)
古田 徹也
(専修大学准教授)
15 経験と言語
-ロマン主義と世紀末芸術との邂逅を題材に
経験論から言語哲学へと論じてきた各論を、ロマン主義や世紀末ウィーンの芸術・哲学と関連づけて捉え直すことで、経験論と言語哲学の関係性と、今日におけるアクチュアリティーを考え、経験と言語のつながりについて討論する。

【キーワード】
ロマン主義、世紀末芸術、世紀末ウィーン、永遠のコミュニケーション、わざ言語、経験から学ぶ、空気を読む、言葉を探す責任、日常性
勢力 尚雅
(日本大学教授)
古田 徹也
(専修大学准教授)
勢力 尚雅
(日本大学教授)
古田 徹也
(専修大学准教授)
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