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西洋芸術の歴史と理論('16)

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主任講師
青山 昌文 (放送大学教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(土曜)15時15分~16時00分
第2学期:(水曜)10時30分~11時15分

講義概要

芸術は、単に好き嫌いで話が済むような趣味の世界のものではありません。芸術は、世界の様々な素晴らしいものが沢山詰まったものであり、世界の奥深いものが凝集しているものなのです。この講義は、芸術のこのような本質を、古代ギリシアから現代までの多くの傑作を現地に訪ねて現場で語りながら、分かりやすく語ります。文学や演劇についても言及しますが、テレビの長所を生かして、講義の主軸は建築を含む美術とし、芸術のもっている深い意味を明らかにしてゆきます。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成28年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(人間と文化コース)
〔2008年度以前〕専門科目(人間の探究専攻)
科目コード
1554867
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月30日(日曜)8時限(17時55分~18時45分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月23日(火曜)2時限(10時25分~11時15分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)79.6点
(平成28年度 第2学期)82.4点
備考
「芸術の理論と歴史('02)」「芸術の理論と歴史('06)」「芸術史と芸術理論('10)」の単位修得者は履修不可
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授業の目標

芸術が、好き嫌いのレベルを超え、感覚的な趣味のレベルを超えた、奥深いものであるということが分かるようになることが、この講義の第一の目標です。そのために、プラトンやアリストテレスの美学・芸術理論のあらましを述べ、古代から現代までの各時代の芸術が、いかに同時代の哲学・思想と根本的に結びついていたか、ということを明らかにしてゆきます。講義でお見せする芸術作品は、ほとんど全てが人類の至宝というべき素晴らしい傑作であり、その傑作を傑作たらしめているものの根源が分かるようになることが、この講義の最終目的です。

履修上の留意点

大学院講義の「美学・芸術学研究('13)」が、美本質論・芸術本質論・美術論・音楽演劇論・文学論・映画論・建築論などの体系的美学・芸術学の講義であるのに対して、この「西洋芸術の歴史と理論('16)」は、原始美術から21世紀の現代芸術までを総覧する歴史的視点に立った講義です。尚、この講義は、以前の「芸術の理論と歴史('02)」「芸術の理論と歴史('06)」「芸術史と芸術理論('10)」においてお見せした貴重な海外ロケ映像の大部分を再利用しているためもあって、これらの以前の3つの講義と内容が重複しています。そのために、これらの以前の3つの講義の何れかを単位取得された方は、再履修不可となっていますので、ご注意ください。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 芸術とは何か
-芸術の見方・味わい方-
芸術の見方・味わい方について述べたあと、原始美術からミュケナイ美術までを振り返り、その後に、ギリシア美術のパルテノン神殿を採り上げて、このヨーロッパ古典古代の大芸術作品が、民主主義の政治家ペリクレスの政治的理想を芸術において表現するものでもあったということを明らかにします。

【キーワード】
趣味、主観、普遍性、ギリシア美術、パルテノン神殿
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
2 プラトン美学
-文学の深い可能性-
哲学史に名高い詩人追放論を採り上げて、プラトンがなぜあれほどまでに芸術を攻撃したのかを明らかにし、その後で、プラトンの詩的霊感論に着目して、ギリシアにおける文学の社会的位置と、プラトン美学の真の意義を明らかにします。

【キーワード】
プラトン、詩人追放論、ホメロス、霊感、イデア、ミーメーシス
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
3 アリストテレス芸術哲学
-演劇の哲学的普遍性-
芸術の全てを一貫する原理論としての、アリストテレスの芸術ミーメーシス哲学を考察し、その深い意義を明らかにします。その後、アリストテレスの高名な悲劇の定義を採り上げて、カタルシスなどの演劇美学概念の意味を明らかにしてゆきます。

【キーワード】
アリストテレス、ミーメーシス、世界、内在、カタルシス
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
4 ロマネスク美術
-超越のプラトン主義-
ロマネスク美術の根底に、プラトン哲学的な超越性が存在していることを、シトー派のベルナールの哲学において明らかにし、そのことをシトー派ロマネスク美術の傑作であるル・トロネやセナンクの修道院建築の現場に立って具体的に解説します。また、モワサックの教会についても考察します。

【キーワード】
ロマネスク美術、シトー派、ベルナール、ル・トロネ、モワサック
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
5 ロマネスク美術
-輪廻転生のプラトン主義-
ロマネスク美術には、異教的・土着的・民衆的な性格も見受けられます。シトー派とは全く異なるショーヴィニーの代表的ロマネスク教会の現場に立って、そのことを具体的に解説し、あわせてその土着的な輪廻転生観がプラトン哲学にも通底していることを明らかにします。

【キーワード】
ロマネスク美術、柱頭彫刻、輪廻転生、ショーヴィニー
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
6 ゴシック美術
-内在のアリストテレス主義-
ゴシック美術の根底に、アリストテレス哲学的な内在性が存在していることを、シュジェールの宣言文書において明らかにし、そのことをゴシック美術の傑作であるアミアンやサンドニの教会の現場にたって具体的に解説します。

【キーワード】
ゴシック美術、シュジェール、ステンド・グラス、アミアン、サンドニ
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
7 イタリア・ルネサンス美術
-ルネサンスの新プラトン主義-
フィチーノの『プラトン『饗宴』注解』を読んで、ルネサンスの新プラトン主義美学を考察し、ボッティチェリの《春》と《ヴィーナスの誕生》がその新プラトン主義美学に見事に即していることを明らかにします。また、ミケランジェロの詩並びに美術作品における新プラトン主義についても考察します。

【キーワード】
フィチーノ、新プラトン主義、ボッティチェリ、ミケランジェロ
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
8 イタリア・ルネサンス美術
-ルネサンスの政治思想-
メディチ家の活動を中心にイタリア・ルネサンスについて年代順に見て行きます。そののち特にミケランジェロとメディチ家の重層的な関係について考察して、ミケランジェロの《ダヴィデ》像自体と、《ダヴィデ》像がおかれていた場がもっていた強烈な政治的意味を明らかにします。

【キーワード】
《ダヴィデ》、ミケランジェロ、メディチ家、シニョリーア広場
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
9 北方ルネサンス美術
-宗教改革と芸術-
ルターの図像論とカールシュタットの原理主義的図像否定論を考察し、ルターの親友クラーナハの描いたルター肖像画の政治的意味や、クラーナハ的女性裸体像の特質を明らかにしたあと、デューラーの美学と彼の作品について、その深い意義を考えてみます。

【キーワード】
ルター、カールシュタット、クラーナハ、デューラー、自然模倣
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
10 バロック美術
-対抗宗教改革の芸術戦略-
宗教改革に対抗してカトリック教会が定めた『聖人の取り次ぎと崇敬、遺物、聖画像についての教令』を読んで、対抗宗教改革の理念を確認し、その理念の代表的実践者であるベルニーニの《聖女テレサの法悦》などの作品のもっている情動的でベル・コンポスト的な性格を明らかにします。

【キーワード】
カトリック、聖画像、ベルニーニ、情動、ベル・コンポスト
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
11 ロココ美術
-ディドロ美学と市民の芸術-
史上初の本格的な美術批評家であるディドロの美学が、近代の主観主義を超える美学であって、今日的な意義をもっている美学であることを明らかにした後、彼の批評したシャルダンやフラゴナール、更にはヴァトーやブーシェ達の美術作品のもっている意味を、作品を前にして具体的に考えてみます。

【キーワード】
ディドロ、関係の美学、存在充実、シャルダン、ブーシェ
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
12 19世紀美術
-革命の時代の芸術-
古典的伝統的絵画の常識を徹底的に転倒させたクールベの《石を割る人々》や《オルナンの埋葬》などの作品がもっている芸術的革命性や、彼の《画家のアトリエ》の政治的理念について具体的に考えてみます。また、マネの作品の芸術上の革命性についても具体的に考察します。

【キーワード】
クールベ、主題のヒエラルキー、マネ、平面性
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
13 20世紀美術
-戦争の世紀の芸術-
20世紀最大のアーティストであるピカソの最も有名な作品《ゲルニカ》について、その豊かな意味を考えてみます。また、シャガールの作品が持っている、20世紀的な深い意味についても作品を前にして具体的に考えてみます。

【キーワード】
ピカソ、《ゲルニカ》、シャガール、再制作、宗教
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
14 現代の芸術
-死の影の下の芸術-
第二次世界大戦後のアートシーンを代表するウォーホルの芸術が、単なる表層の戯れに止まるものではなくして、現代社会における死の遍在を鋭く見据えた深い意味をもっていることを明らかにし、あわせてキーファーやアバカノヴィッチのアートの深い現代性についても考えてみます。

【キーワード】
ウォーホル、個性、オリジナリティー、死、キーファー
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
15 今日の芸術
-危機の時代の芸術-
今日の社会の危機的な諸問題を見据えた芸術である現代芸術を採り上げ、クリストの芸術のもっている深い社会的歴史的意味を考察します。また、村上隆などの、21世紀の日本の現代芸術についても考えてみます。

【キーワード】
危機、社会、クリスト、村上隆、《五百羅漢図》
青山 昌文
(放送大学教授)
青山 昌文
(放送大学教授)
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