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博物館展示論('16)

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主任講師
稲村 哲也 (放送大学教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(火曜)15時15分~16時00分

講義概要

この講義では、人類の遺産、歴史、文化、自然や科学が、いかにして博物館の展示として表現されるのかを、事例を通じて理解するとともに、展示のもつメッセージ性について学ぶ。まず、博物館の種類、展示の種類、展示の構造などの概要を学んだあと、日本と世界の博物館の事例を通して、まず博物館展示の多様な特徴を理解する。さらに、博物館の設立や特別展、リニューアルなどの過程やその背景を知り、多様な展示を比較しながら、展示のコンセプトやメッセージがどのように表現されるのかを理解する。また、博物館展示と社会との相互作用や、展示にこめられたメッセージ性や政治性について考える。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成28年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(人間と文化コース)
〔2008年度以前〕専門科目(人間の探究専攻)
科目コード
1554875
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成28年度 第2学期:平成29年1月25日(水曜)4時限(13時15分~14時05分)
平成29年度 第1学期:平成29年7月27日(木曜)6時限(15時35分~16時25分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)70.2点
備考
 
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授業の目標

まず、博物館の展示とは何かを理解し、多様な博物館の展示の手法、工夫、技術等について、事例を通して学ぶ。また、博物館の展示のコンセプトやメッセージが実際にどのようにして具現化されるのかを、博物館の設立、特別展示、リニューアルなどを通じて学ぶ。さらに、展示制作者(発信者)が、研究をどのように展示に活かすのか、観覧者(受信者)や社会とどのように向き合うのか、それをコンセプトにどのように組み込み、展示に反映させるのか、などの動的な営みについても学ぶ。最後に、国家や社会の体制、大きな歴史的な脈絡のなかで、博物館展示がどのようなメッセージ性や政治性をもつのかについて考える。

履修上の留意点

単位認定試験には、映像教材からも比較的多く出題する。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 展示論とは・展示の構想と具現化
-リトルワールド本館展示
第1章では、まず、博物館展示とは何か、また、展示の多様な手法や特徴を整理して理解する。事例では、担当講師がその開設に携わった野外民族博物館リトルワールドの基本構想、本館展示のコンセプトの検討、その具現化までの過程を通じ、具体的な展示制作の流れについて学ぶ。

【キーワード】
展示の理論と実践、博物館の分類、展示の分類、コンセプト、メッセージ、展示の政治性、テーマ、展示の階層構造
稲村 哲也
(放送大学教授)
稲村 哲也
(放送大学教授)
2 現地調査と展示の具現化
-リトルワールド野外展示
本章では、リトルワールド野外展示場の3つの展示、アイヌ・コタン、ネパールの仏教寺院、ペルーのアシエンダ(大農園)領主邸宅の事例を通じて、展示のコンセプト、調査や収集の実際、さまざまな人との協力、状況に応じた判断と工夫など、博物館の展示活動全般に通じる事柄について学び、考察する。

【キーワード】
アイヌ・コタン、シェルパ、仏教寺院、チベット仏教、アシエンダ、インディオ(先住民)、日本人移民
稲村 哲也
(放送大学教授)
稲村 哲也
(放送大学教授)
3 国立博物館の展示
-東京国立博物館と九州国立博物館
展示は、博物館活動のなかでも中心的位置を占める重要なテーマである。本章では、独立行政法人国立文化財機構が設置する「国立博物館」の中でも、最古の東京国立博物館と最新の九州国立博物館の平常展示を取り上げ、それぞれの展示の概要や展示室の構造を理解したうえで、両者を比較し、展示の意味を考察する。

【キーワード】
平常展、総合文化展、テーマ展、文化交流展、コンセプト優先型、モノに語らせる、モノで語る
井上 洋一
(東京国立博物館学芸企画部長)
稲村 哲也
(放送大学教授)
井上 洋一
(東京国立博物館学芸企画部長)
4 博物館のリニューアル
-国立科学博物館と静岡科学館
博物館の展示は、規模の差はあるにしても、何らかの形でリニューアルされていくのが一般的である。本章では、国立科学博物館と静岡科学館を取りあげ、博物館のリニューアルの実際について学び、リニューアルは何故必要なのか、リニューアルする際に考えなければいけなことは何か、などについて考える。

【キーワード】
自然科学系博物館、博物館のリニューアル、展示のリニューアル、展示の再利用、メインテナンス
近藤 智嗣
(放送大学教授)
稲村 哲也
(放送大学教授)
近藤 智嗣
(放送大学教授)
5 特別展の構想と具現化
-科博のグレートジャーニー展
本章では、国立科学博物館における特別展「グレートジャーニー」を取り上げ、この展覧会の作成過程を見ていきながら、コンセプトに沿った展示物の選定、展示方法のポイント、効果的な展示方法がどのように組み立てられていくかを具体的に学ぶ。更に展示の評価をどのように行うかについても理解する。

【キーワード】
人類の移動拡散、空間構成の工夫、イラスト・絵の活用、展示品選定の方法、グラフィックの工夫、ミニチュアやレプリカの活用、ケースの工夫、照明の工夫
関野 吉晴
(武蔵野美術大学教授)
稲村 哲也
(放送大学教授)
関野 吉晴
(武蔵野美術大学教授)
6 民族文化の展示
-国立民族学博物館の舞台裏
近年、世界の民族学博物館では、展示のコンセプトや構成などが多様になっている。本章では、日本の国立民族学博物館で行われてきたいくつかの展示実践の事例を通じて、それらがどのような内容のもので、どのような研究をベースとし、どのような経緯で生まれたものであるのかなど、展示の背景について考える。

【キーワード】
民族学(文化人類学)、モノの収集、常設展示、企画展示、アフリカ展示、日本展示、アマゾン、イメージの世界
池谷 和信
(国立民族学博物館教授)
稲村 哲也
(放送大学教授)
池谷 和信
(国立民族学博物館教授)
7 大学博物館の展示とその役割
-国立大学と私立大学
近年、大学博物館の重要性が大きくなっているが、大学博物館が学内及び社会に対して果たしている役割や意義は何だろう。大学博物館の展示のコンセプトや特徴は、大学によってどのように異なるだろう。本章では、国立4大学、私立2大学の事例を取り上げ、それらについて比較し、考える。

【キーワード】
学術標本、大学総合博物館化、研究・教育、知の蓄積と継承、フィールド・サイエンス
稲村 哲也
(放送大学教授)
稲村 哲也
(放送大学教授)
8 歴史系博物館の展示
-国立歴史民俗博物館と地方の博物館
本章では、まず国立歴史民俗博物館と東北歴史博物館の展示を比較検討し、歴史系博物館の展示のコンセプトとそのメッセージ性や政治性について考える。また、吹田市立博物館と知多市歴史博物館を取り上げ、地域密着型の歴史系博物館の特徴やその役割、また市民との共同などについて学ぶ。

【キーワード】
歴史系博物館、博物館の政治性、展示の政治性、地域の歴史、エミシ、地域密着、市民参画、ボランティア
稲村 哲也
(放送大学教授)
稲村 哲也
(放送大学教授)
9 沖縄の博物館
-固有の歴史と戦争体験をめぐる博物館展示
本章では、沖縄県立博物館・美術館と県平和祈念館を中心に、沖縄の歴史、文化、現状、戦争体験などが、展示にどのように表現されるのかを紹介し、博物館展示の意義と内容について考える。また、沖縄本島や離島(石垣島)の他の博物館も取り上げ、それらの博物館の展示が相互に補い合っていることについても学ぶ。

【キーワード】
琉球王国、沖縄戦、琉球政府、戦争体験、住民証言、いのちのことば、平和の礎、総合展示、部門展示
園原 謙
(沖縄県立博物館・美術館班長)
稲村 哲也
(放送大学教授)
園原 謙
(沖縄県立博物館・美術館班長)
10 アイヌ民族と北海道の博物館
—展示をめぐる立場と視点
博物館はアイヌ民族の歴史や文化をどのように展示してきたのだろうか。そこには博物館が乗り越えなければならないどのような課題があるのだろうか。本章では、主に北海道博物館のリニューアルを通じて、考える。また、北海道の他の博物館のアイヌ文化展示も取りあげ、博物館展示の相互補完的な関係についても学ぶ。

【キーワード】
アイヌ文化、時代性、通史展示、アイヌ民族の歴史、アイヌ民族の現在、無形文化の展示、テーマ別展示
出利葉 浩司
(北海道博物館学芸員)
稲村 哲也
(放送大学教授)
出利葉 浩司
(北海道博物館学芸員)
11 北米の博物館
-カナダ、アルバータ州の博物館を中心に
博物館の展示は学芸員だけによって作られるのではない。館外の人びとと共同で作りあげることがある。作る人が異なれば、価値観も異なり、「展示物」や、それをもとに「いいたいこと」も異なる。本章では、主にカナダのアルバータ州の2つの博物館の事例を通じて、こうした問題にどのように対応すべきかを考える。

【キーワード】
先住民、神話、ティピ、円形の広場、伝承活動、儀式、語り、博物館資料
出利葉 浩司
(北海道博物館学芸員)
稲村 哲也
(放送大学教授)
出利葉 浩司
(北海道博物館学芸員)
12 南米の博物館
-ペルーにおける考古学と博物館
本章では、古代アンデス文明の膨大な文化遺産を抱える、ペルー共和国を対象として、国家、個人、研究者などさまざまな主体による博物館の設立、運営、展示活動とその背景について知る。考古資料の性質、研究の進展・動向、社会状況などが博物館のあり方に大きく影響することについても学ぶ。

【キーワード】
アンデス文明、考古資料、ナショナル・アイデンティティ、天野コレクション、遺跡博物館、クントゥル・ワシ遺跡、東京大学古代アンデス調査団
鶴見 英成
(東京大学総合研究博物館助教)
稲村 哲也
(放送大学教授)
鶴見 英成
(東京大学総合研究博物館助教)
13 ヨーロッパの博物館
-ミュージアム展示の新たな方向性
ミュージアムはヨーロッパで始まり、日本には、明治政府による国造りの一環として取り入れられた。現代のヨーロッパでは、民族、移民、差別、個人など身近なテーマを取り上げ、市民参加や情報公開も積極的に行われている。本章では、ドイツ、イギリス、ベルギーにおけるミュージアムの展示から何が見えるか検証する。

【キーワード】
負の遺産、ナチス、日常性、個人、移民、偏見、ヨーロッパ民俗学、市民参加、情報公開
高橋 貴
(愛知大学教授、日本展示学会会長)
稲村 哲也
(放送大学教授)
高橋 貴
(愛知大学教授、日本展示学会会長)
14 アフリカの博物館
-南アフリカの野外博物館を中心に
ともすれば展示される側として見られがちなアフリカで、どのような展示が主体的に展開されているのだろうか。本章では、主に南アフリカのンデベレ民族のカルチュラル・ビレッジを取り上げ、ナショナル・アイデンティティ、観光など、展示における今日的な問題について考察する。

【キーワード】
植民地、独立、ナショナル・アイデンティティ、国立博物館、ンデベレ民族、カルチュラル・ヴィレッジ、観光、アフリカ美術、作者名
亀井 哲也
(中京大学教授)
稲村 哲也
(放送大学教授)
亀井 哲也
(中京大学教授)
15 アジアの博物館
-インドネシアとモンゴルの博物館を中心に
本章では、まずインドネシア国立博物館を取り上げ、植民地からの独立と博物館展示の関係について学ぶ。ついで、モンゴルの国立博物館と極西部のカザフ民族居住地区のバヤンウルギー博物館を取りあげ、社会主義下のマイノリティと博物館展示、民主化・市場経済化による博物館展示の大きな変化などについて考える。

【キーワード】
植民地、国民統合、社会主義、革命のイデオロギー、民主化と博物館、チンギス・ハーン、マイノリティ、チベット仏教、イスラーム
稲村 哲也
(放送大学教授)
稲村 哲也
(放送大学教授)
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