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西洋哲学の起源('16)

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主任講師
荻野 弘之 (上智大学教授)
桑原 直己 (筑波大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(金曜)13時00分~13時45分
第2学期:(月曜)20時45分~21時30分

講義概要

前6世紀から4世紀にかけての古代ギリシア・ローマ時代の哲学、およびキリスト教の自己理解とギリシア哲学の摂取・変容によって展開をとげた西洋中世哲学(15世紀まで)の基本線を、歴史を辿りながら概観する。各時代の鍵となる重要な思想家の特徴を理解し、いくつかの基本概念を学ぶ。また哲学の背景となる古代の自然宗教や一神教の伝統(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)との関係も視野に入れる。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成28年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(導入科目))
〔2009年度~2015年度〕共通科目(一般科目)
〔2008年度以前〕共通科目(一般科目)
科目コード
1740016
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月23日(日曜)8時限(17時55分~18時45分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月21日(日曜)2時限(10時25分~11時15分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)73.0点
(平成28年度 第2学期)73.5点
備考
 
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授業の目標

哲学を学ぶ上で、西洋哲学の源流となった古代ギリシア思想(特にプラトン、アリストテレス)を理解することは必須の素養である。そこで展開される様々な問題設定、諸概念、発想などは今なお哲学的思考の豊かな源泉である。またキリスト教をはじめとする宗教思想との密接な関係を有する中世哲学も、西洋文化全体の理解のためにも欠かせない重要な意味を持っている。授業では、事項や年代を羅列的に暗記するのではなく、人類にとって普遍的な意味を持つ問題を掘り下げて考えるヒントになるつもりで、共に考えてもらいたい。

履修上の留意点

時間に余裕があれば、発展的学習として、参考文献で示されている重要な思想家の実際の著作(邦訳)にふれてみるとよい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 古代ギリシア哲学の誕生
-ソクラテス以前
前6世紀初頭から5世紀にかけて、神話的思考を脱却しつつ登場した様々な思想家の系譜とその特質を概観する(ミレトス派、ヘラクレイトス、エレア派、原子論者など)。

【キーワード】
「哲学は驚きに始まる」、イオニア自然学、ミレトス派、万物の原理、「万有は神々に充ちている」、ピタゴラス派、輪廻転生、宇宙の音楽、「万物は流転する」、ロゴス、エレア派、永劫回帰、原子論
荻野 弘之
(上智大学教授)
荻野 弘之
(上智大学教授)
2 ソフィストとソクラテス
-自然から人間へ
前5世紀後半のアテネを舞台に活躍した「ソフィスト」と呼ばれる一群の啓蒙思想家たちの運動と、ソクラテスの哲学について考える。

【キーワード】
ソフィスト、詭弁、弁論術、相対主義、啓蒙思潮、ソクラテス、無知の自覚、善く生きる、魂の配慮
荻野 弘之
(上智大学教授)
荻野 弘之
(上智大学教授)
3 プラトンの生涯と哲学(1)
-対話劇とアポリアの意味
「対話篇」と呼ばれる独自の戯曲形式で語られるプラトン哲学の特徴の要諦、ソクラテスとの関係、また徳と知識をめぐる倫理学的問題の幾つかを検討する。

【キーワード】
対話篇、主知主義、徳、「何であるか」の問い、アポリア(行き詰まり)、論駁
荻野 弘之
(上智大学教授)
荻野 弘之
(上智大学教授)
4 プラトンの哲学(2)
-イデア論と魂の不滅
プラトン哲学の核心として語られることの多い「イデア論」とは何か。中期~後期作品を中心に、魂不滅の教説、魂の三部分の議論と合わせて、その哲学的含意に迫る。

【キーワード】
魂の不滅、想起説、イデア原因論、3つの比喩(太陽、線分、洞窟)、美の階梯、第三人間論
荻野 弘之
(上智大学教授)
荻野 弘之
(上智大学教授)
5 アリストテレスの哲学(1)
-その生涯と著作、論理と自然理解
「万学の祖」と呼ばれるアリストテレスの哲学体系、著作の性格、哲学の方法論などを概観した後に、論理学と自然理解を中心に、その思想の重要な側面にふれる。

【キーワード】
範疇(カテゴリー)、推論の構造、目的論、観照と実践
荻野 弘之
(上智大学教授)
荻野 弘之
(上智大学教授)
6 アリストテレスの哲学(2)
-徳と幸福
アリストテレスの実践哲学を概観する。行為と選択の究極目的としての幸福、人柄の徳と知性に関わる徳の相補関係など、倫理学の基本問題をめぐって克明に記述する経験主義的方法と、成熟した人間理解を堪能する。

【キーワード】
最高善、幸福、観照、人柄の徳、知性に関わる徳、選択・願望・熟慮、中庸、賢慮
荻野 弘之
(上智大学教授)
荻野 弘之
(上智大学教授)
7 ヘレニズム時代の哲学
-生の技法
前3~1世紀にかけて、小ソクラテス派を皮切りに、エピクロス学派、ストア学派、懐疑主義などによる哲学の新しい展開を跡づける。またこの時代に出現した文献学や自然科学の状況についても一瞥する。

【キーワード】
ヘレニズム、エピクロス派、ストア派、懐疑主義、文献学
荻野 弘之
(上智大学教授)
荻野 弘之
(上智大学教授)
8 帝政ローマ時代の哲学
-救済と超越
紀元後、帝政ローマ時代に入って起こってきたギリシア哲学の変容と展開を概観する。特に実践的性格の強いローマ・ストア主義、折衷主義的色彩の中期プラトン主義、新ピタゴラス主義、形而上学的体系と自己への回帰を目指す新プラトン主義など、超越や救済を志向する新しい思想の動向を注視する。

【キーワード】
ローマ・ストア主義、中期プラトン主義、新ピタゴラス主義、新プラトン主義、超越と救済、発出と回帰、降霊術
荻野 弘之
(上智大学教授)
荻野 弘之
(上智大学教授)
9 「旧約聖書」
-キリスト教の前史としてのユダヤ教
「旧約聖書」およびユダヤ教について、キリスト教の前史として、イエスを理解する土台である限りにおいて概観する。その際、キリスト教徒がイエスの前表として理解した「イザヤ書」における「主の僕の歌」と、イエスが十字架上で唱えていた「詩編22編」に特に注目する。

【キーワード】
ユダヤ教、モーセ、十戒、バビロン捕囚、メシア、第2神殿、律法、預言者、イザヤ書、苦難の僕、代理贖罪、詩編
桑原 直己
(筑波大学教授)
桑原 直己
(筑波大学教授)
10 イエスとキリスト教の成立 キリスト教そのものの意味について明らかにする。キリスト教とは、「イエスがキリスト(メシア)である」とする信仰をその本質とする。それゆえ、まずイエスとその背景について歴史的な概観を与えた上で、そのイエスが「キリストである」ということの意味を明らかにする。さらにその上で、初期キリスト教の展開について概観する。

【キーワード】
キリスト、イエス、サドカイ派、パリサイ派、熱心派(ゼーロータイ)、12使徒、復活体験、使徒的伝承、殉教、ミラノ勅令
桑原 直己
(筑波大学教授)
桑原 直己
(筑波大学教授)
11 教父の世界 ギリシア・ローマ以来の古代哲学がキリスト教と出会うことにより、新たな段階を迎えた西洋の知的世界を代表する教父の世界を概観する。ヘレニズム的教養とキリスト教との統合、教義の確立、修道制の成立といった場面での教父たちの活動を、東方ギリシア教父、西方ラテン教父とに区分して整理する。

【キーワード】
自由学芸、教父、アレクサンドレイア学派、アンティオケイア学派、キリスト論、隠修士、共住修道院、ロゴス・キリスト論、グノーシス主義
桑原 直己
(筑波大学教授)
桑原 直己
(筑波大学教授)
12 中世初期の哲学 中世初期から都市が発達する11・12世紀までの西欧知的世界の展開を概観する。農業経済を基本とする中世初期にはベネディクト型修道院が西欧の知的世界を支えていたが、都市の発達という11・12世紀の時代の変化を背景に初期スコラ学が成立し、それぞれの知的伝統を代表するカンタベリーのアンセルムス、ペトルス・アベラルドゥス、クレルヴォーのベルナルドゥスの活躍に注目する。

【キーワード】
封建社会、ベネディクト型修道院、聖なる読書、カロリング・ルネサンス、「修道院神学」対「初期スコラ学」、普遍論争
桑原 直己
(筑波大学教授)
桑原 直己
(筑波大学教授)
13 盛期スコラ学とイスラム哲学 盛期スコラ学について、その展開した場である大学、その担い手を輩出した托鉢修道会、その背景をなしていたイスラム哲学およびアリストテレス哲学の西欧世界への流入といった事項を概観する。その上で、ボナヴェントゥラを中心とするフランシスコ会士たち、ドミニコ会側からはアルベルトゥス・マグヌスの哲学的立場を概観する。

【キーワード】
大学、講義、討論、フランシスコ会、ドミニコ会、イスラム哲学、アリストテレス・ショック、ラテン・アヴェロエス主義、知性単一説、オックスフォード学派
桑原 直己
(筑波大学教授)
桑原 直己
(筑波大学教授)
14 トマス・アクィナス トマス・アクィナスの生涯と哲学とを概観する。特にトマスによるキリスト教的なアリストテレスの受容と変容との様態を、形而上学、知性論、倫理学の各場面において明らかにする。

【キーワード】
ドミニコ会、パリ大学、現実態・可能態、本質と存在、自存する存在そのもの、存在の類比、能動知性、知性的魂、性向としての徳
桑原 直己
(筑波大学教授)
桑原 直己
(筑波大学教授)
15 中世後期の諸思潮 中世後期の諸思潮を、ドゥンス・スコトゥスからウィリアム・オッカムにかけての後期スコラ学の展開、マイスター・エックハルトからベギン「新しい敬虔」の運動、そしてニコラウス・クザーヌスへといたる神秘思想の展開という二つの流れのもとに概観する。

【キーワード】
存在の一義性、このもの性 haecceitas、主意主義、オッカムの剃刀、唯名論、神の絶対的能力、「新しい敬虔」
桑原 直己
(筑波大学教授)
桑原 直己
(筑波大学教授)
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