授業科目一覧
基盤科目
コース科目
卒業研究(全科履修生のみ)
夏季集中科目
メニューここまで

市民のための健康情報学入門('13)

※印刷用にはシラバスPDF版新規ウィンドウ をご利用ください
主任講師
戸ヶ里 泰典 (放送大学教授)
中山 和弘 (聖路加国際大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(木曜)8時15分~9時00分
第2学期:(日曜)16時45分~17時30分

講義概要

私たちが健康的な生活を進めていくうえで、「情報」は必要不可欠なものとなっている。生活を送る上で私たちは様々な選択に迫られるが、こうした選択(意思決定)を助けてくれるのが情報である。かつて健康に関する情報は一部の専門家の手に握られており、私たち市民の手に渡るのは新聞やテレビや雑誌などを通じてしか手に入れることができなかった。しかし昨今はインターネットの発達によって大量の健康に関する情報を手に入れることができるようになり、よりよい意思決定に結び付つけるべく情報を見極めなければならなくなった。その一方で、私たち市民は保健医療のサービスを受ける際も、主体性を求められ、かつてのように医師をはじめとした専門家の判断に任せるのではなく、賢いサービスユーザー、良識ある一個の社会人として判断し行動することが求められるようになっている。この授業では、受講者が一社会人として健康に関する情報を探し、理解し、活用する力として近年脚光を浴びているヘルスリテラシーを身につけるべく、換言すれば「健康を決める力」をつけるべく、「情報」から「保健医療」さらに「コミュニティ(共同体)」にいたるまで健康にかかわる意思決定に役立つ知識やものの見方・考え方、そしてスキルを習得することをねらいとする。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成25年度
科目区分
コース科目(生活と福祉コース(導入科目))
〔2009年度~2015年度〕基礎科目
〔2008年度以前〕 共通科目(一般科目)
科目コード
1234102
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月26日(水曜)2時限(10時25分~11時15分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月25日(木曜)3時限(11時35分~12時25分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)83.8点
(平成28年度 第2学期)89.0点
備考
 
このページのトップへ本文ここまで

授業の目標

この授業では、受講者が、自身の健康を決める力を身につけ、健康にかかわる問題が起きて選択にせまられた時に、こうした力を活用しよりよい生活を送れるようになることを最終目標とする。

履修上の留意点

特になし。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 健康における情報と意思決定 メディアにあふれる健康や医療の情報から、適切な情報を探し、理解し、活用する力が自らの健康を決定していることを学習する。わたしたちのふだんの行動が健康に影響しているからで、その影響の大きさについて知る。また、医療は不確実なものであるために、どのような情報が信頼できるものなのか、情報とリスクについても概説する。

【キーワード】
情報、コミュニケーション、ヘルスリテラシー、意思決定、健康を決める力、ライフスタイルと健康、EBM、確率とリスク
中山 和弘
(聖路加国際大学教授)
中山 和弘
(聖路加国際大学教授)
2 より良い意思決定とは何か 健康や医療においては情報に基づく意思決定が重要である。本章では、まず情報とは何かについて、データや知識との違いや知識の持つ重要性などから解説する。その情報を用いて、その人に合ったよりよい意思決定をするために、どのような意思決定の方法があるのか、そのとき必要になること、葛藤やジレンマ、支援の必要性について学習する。

【キーワード】
データと情報と知識、選択肢、意思決定、ベネフィットとリスク、期待価値と期待効用、意思決定支援
中山 和弘
(聖路加国際大学教授)
中山 和弘
(聖路加国際大学教授)
3 信頼できる情報とは(1)
エビデンスに基づいた情報
治療から健康法にいたるまで、保健医療サービスはエビデンスと呼ばれる科学的根拠に基づいて行われている。エビデンスには、低いランクから高いランクまでレベルが存在している。情報がどのランクなのかを踏まえることでより良い意思決定に近づくことができる。エビデンスはどこを探せば出てくるのか、ランクはどのように見抜けば良いのか、そしてエビデンスを利用する際にどのような注意点があるのか、具体例を交えながら説明していく

【キーワード】
科学的根拠(エビデンス)、エビデンスレベル、 EBM、有意確率
戸ヶ里 泰典
(放送大学教授)
戸ヶ里 泰典
(放送大学教授)
4 信頼できる情報とは(2)
ナラティブ情報
患者やその家族が経験を語ることをナラティブ( Narrative)と呼ばれている。かつてナラティブは医療を混乱させるものとして、排除される傾向にあった。しかし近年ではナラティブに光が当てられてきている。ナラティブに基づいた医療( Narative Based Medicine)と言われる用語も出現してきている。ここでは、ナラティブとは何かに始まり、ナラティブがなぜ医療者・患者・市民にとって重要であるのか、どのように活用するのか説明する。

【キーワード】
ナラティブ、闘病記、闘病ブログ、ナラティブに基づいた医療
戸ヶ里 泰典
(放送大学教授)
戸ヶ里 泰典
(放送大学教授)
ゲスト:星野 史雄(元東京家政大学非常勤講師)
5 インターネット上の保健医療情報の見方探し方 インターネットは私たちの生活の中で欠かせないものとなってきている。インターネットを利用することは、健康につながっていることも示されている。その一方でインターネットには様々な情報があふれ、信頼できない情報を提供するサイトもまた多く存在している。こうしたインターネット上の健康情報の見方や情報の手に入れ方については様々な注意が必要である。いかにして注意し、いかにしてうまく利用するかを説明する。

【キーワード】
インターネット、ソーシャルメディア、ソーシャルサポート、ICT、情報格差、健康格差、アクセシビリティ、ユーザビリティ
中山 和弘
(聖路加国際大学教授)
中山 和弘
(聖路加国際大学教授)
6 医療の質を評価する視点 質の高い医療とはどのようなものであろうか? 個人の健康や満足度を高めることが医療の目的だとすると、医療の結果としての個人の健康や満足度を測定すればよいのかもしれない。しかし、その過程で適切とはいえない治療が行われていたら、それは質の高い医療と言えるだろうか? 本章では、医療の質を評価する視点について、また、医療技術が開発される段階で、医療技術の有効性をいかに評価するか、その方法論を検討する。

【キーワード】
医療の質、無作為化比較試験、第三者評価、クリティカル・パス
山本 武志
(札幌医科大学准教授)
山本 武志
(札幌医科大学准教授)
ゲスト:緒方 泰子(東京医科歯科大学教授)
7 健康情報のコミュニケーションとヘルスリテラシー 前章まで、主に情報の見方や探し方について述べてきたが、情報は集めるだけでなく、知識として理解し、自分や周囲の人々の健康の維持・改善のために活用できなければ意味がない。健康や医療に関する情報を集め、理解して活用するためのスキルや能力を、ヘルスリテラシーと呼ぶ。この章では、本講義のキーワードの1つでもあるヘルスリテラシーとは何か、ヘルスリテラシーが高いとどのような良いことがあるのか、低いとどんな問題があるのかを解説する。

【キーワード】
ヘルスコミュニケーション、ヘルスリテラシー、Healthy People
石川 ひろの
(東京大学大学院准教授)
石川 ひろの
(東京大学大学院准教授)
8 患者・医療者関係の変化と協働の医療 医療というサービスや職業としての特殊性から、医療における対人関係、特に患者と医師との関係は、古くから議論されてきた。近年、その関係が大きく変化している。患者中心の医療や協働の医療などのモデルが提唱され、患者-医療者間での情報や意思決定の共有が重視されるようになった。本章では、古典的な患者-医療者関係のモデルと特徴を紹介した上で、こうした変化について情報とコミュニケーションという観点から解説する。

【キーワード】
患者-医師関係、協働の医療、父権主義、インフォームド・コンセント、事前指示
石川 ひろの
(東京大学大学院准教授)
石川 ひろの
(東京大学大学院准教授)
9 専門家とのコミュニケーション実践法 近年、診療ガイドラインの公開やクリニカルパスの使用など、患者が医療者と協働して治療のプロセスに積極的に参加することのできる機会が増えてきている。本章では、診療ガイドラインおよびクリニカルパスとは何か、患者や市民にとってどのような意義をもつかについて解説する。その上で、このような医療者との情報共有のための新しいツールの利用を含め、医療機関において、医療者とうまくコミュニケーションをとっていくために、私たちはどのようなことができるか考える。

【キーワード】
診療ガイドライン、クリニカルパス、患者医師間コミュニケーション、Shared Decision Making
石川 ひろの
(東京大学大学院准教授)
石川 ひろの
(東京大学大学院准教授)
ゲスト:山口 育子(NPO法人ささえあい医療人権センターCOML)
10 医療安全とコミュニケーション 医療は人々の健康を守り、寿命の延長の一助となる役割を果たしてきた。その一方で臨床的医原病といわれるように、医療そのものが害を及ぼす可能性を孕んでいる。リスクを伴う治療法の意思決定には、正確でわかりやすい情報提供が必要だが、医療専門職はコミュニケーションのための十分な教育を受けていない。安全な医療が提供されるために教育や医療の現場で取り組まれている様々な方略について提示し、議論する。

【キーワード】
医療コミュニケーション、医療安全、臨床的医原病、意思決定
山本 武志
(札幌医科大学准教授)
山本 武志
(札幌医科大学准教授)
ゲスト:橋本 廸生(日本医療評価機構執行理事)
11 代替医療・健康食品との付き合い方 現代医療ではなく、民間療法やサプリメントなどの健康食品を使用したり、併用する人が増えている。例えばがん患者の約半数はこうした補完代替医療を行っていると言われている。しかしそのほとんどは有効性と安全性の検証は十分に行われていない。一方で、病だけでなく心身を含め人間を包括的に診る医療が期待されており、代替医療への注目も高まっている。こうした代替医療や健康食品とはどのようにすればうまく付き合っていくことができるのか、わかりやすく説明する。

【キーワード】
代替医療、健康食品、がん、民間療法、統合医療、全人的医療
津野 陽子
(東京大学政策ビジョン研究センター特任助教)
津野 陽子
(東京大学政策ビジョン研究センター特任助教)
ゲスト:本江 朝美(横浜創英大学教授)
12 ヘルスプロモーションと地域づくり 健康とは身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態を言い、単に疾病あるいは病弱でないということではないと言われている。どうすれば病気にならずに済むのかだけでなく、どうすれば健康になれるのかを考えることも重要である。こうした中ヘルスプロモーションと呼ばれる世界的な健康づくりの戦略が提示されている。このヘルスプロモーションと、その骨子である個人の能力の向上と、地域環境づくりの重要性について説明する。

【キーワード】
ヘルスプロモーション、ヘルシーシティ、ヘルシーピープル、エンパワメント、健康生成論
津野 陽子
(東京大学政策ビジョン研究センター特任助教)
津野 陽子
(東京大学政策ビジョン研究センター特任助教)
13 生活習慣と環境を変える方法 より健康的な生活を送るために、例えば、食べ過ぎ、運動不足、喫煙、飲酒といった病気になりやすい生活習慣を修正していく必要がある。あるいは、より健康的なライフスタイルや考え方にシフトさせていく必要がある。こうした変化は病院に行き薬をもらうことでは生じない。エビデンスに基づいたりナラティブに基づく情報も重要であるし、心がけも重要である。どのようにすればライフスタイル、さらには身の回りの環境も変化させることができるのかを説明する。

【キーワード】
ライフスタイル、健康行動、セルフケア、行動変容、自己効力感、行動の意思決定理論
津野 陽子
(東京大学政策ビジョン研究センター特任助教)
津野 陽子
(東京大学政策ビジョン研究センター特任助教)
14 人と人とのつながりと健康 人と人とのつながりが広いほど健康で長生きであることが分かっている。また、信頼関係が強かったり、お互いに助け合う(ソーシャルキャピタルが高い)土壌で生活するほどそこの住民は健康になると言われている。さらに、こうした地域=コミュニティは物理的な地域を超え web上にもある。特にソーシャルメディアを通じての情報交換や支援関係は健康に関する側面においても新たな展開を迎えており、その可能性と注意点について解説していく。

【キーワード】
ソーシャルサポート、ソーシャルネットワーク、ソーシャルキャピタル、ソーシャルネットワークサービス(SNS)
中山 和弘
(聖路加国際大学教授)
戸ヶ里 泰典
(放送大学教授)
中山 和弘
(聖路加国際大学教授)
戸ヶ里 泰典
(放送大学教授)
15 健康を決める力とは 健康につなげていくための知識と見識を身につけるべく、情報を探し、理解し、活用するスキルであり力であるヘルスリテラシーを軸に保健・医療にかかわるミクロからマクロまでの様々なトピックを14回にわたって扱ってきた。昀終回では、私たちの健康を決める力とは何かについてこれまでの講義内容を俯瞰したうえで改めて考えていきたい。

【キーワード】
健康、情報、意思決定、ヘルスリテラシー、医療安全、ソーシャルキャピタル
戸ヶ里 泰典
(放送大学教授)
中山 和弘
(聖路加国際大学教授)
石川 ひろの
(東京大学大学院准教授)
山本 武志
(札幌医科大学准教授)
津野 陽子
(東京大学政策ビジョン研究センター特任助教)
戸ヶ里 泰典
(放送大学教授)
中山 和弘
(聖路加国際大学教授)
石川 ひろの
(東京大学大学院准教授)
山本 武志
(札幌医科大学准教授)
津野 陽子
(東京大学政策ビジョン研究センター特任助教)
このページのトップへ本文ここまで
授業科目案内 教養学部 放送大学