授業科目一覧
基盤科目
コース科目
卒業研究(全科履修生のみ)
夏季集中科目
メニューここまで

力と運動の物理('13)

※印刷用にはシラバスPDF版新規ウィンドウ をご利用ください
主任講師
米谷 民明 (東京大学名誉教授)
岸根 順一郎 (放送大学教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(土曜)8時15分~9時00分
第2学期:(土曜)18時15分~19時00分

講義概要

近代物理学の出発点は、ガリレイとニュートンに始まる「力学」にある。それ以来、19世紀までに発展しつづけた古典物理学は、20世紀に入って相対論と量子論を柱とする「現代物理学」によって乗り越えられ、現在の物質と宇宙の理解のための土台になっている。しかし、現代物理学においても、古典力学の展開の過程で生み出された数々の概念と方法論が、展開のための基礎として生きている。また、我々が日常親しんでいる物理現象の理解には、依然として古典力学が欠かせない。本科目では、運動と力の捉え方から始めて、運動方程式の意味、取り扱い方、典型的運動の解析、さらに解析力学と呼ばれる力と運動のより一般的な見方と数学的方法を学び、最後に古典力学と相対性理論と量子論との関係についても触れる。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成25年度
科目区分
コース科目(自然と環境コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(自然と環境コース)
〔2008年度以前〕専門科目(自然の理解専攻)
科目コード
1562630
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月25日(火曜)7時限(16時45分~17時35分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月24日(水曜)4時限(13時15分~14時05分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)62.2点
(平成28年度 第2学期)61.6点
備考
 
このページのトップへ本文ここまで

授業の目標

力学の基礎概念に親しむだけでなく、運動方程式を具体的な問題に応用して運動を解く手法を習得すること、典型的運動の詳しい解析を通じて、様々な異なったスケールで出現する多様な運動の特徴に親しむこと、さらに、相対論や量子論を理解するのに必要な基礎概念を習得すること、などを目標とする。

履修上の留意点

力学は物理学を学ぶ上で土台になる科目である。放送大学学部導入科目「物理の世界」を履修していることが望ましい。「物理の世界」を履修していない場合でも、同程度以上の知識を持つことを前提とした講義であることを念頭におくこと。また、数学については、微分積分、ベクトルと線形代数の初歩に関しての理解および計算力を前提とする。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 力と物理学の世界 力は自然界で起こっているすべての現象を支配している。この章では、力と運動についての認識の歴史を概観するとともに、力と運動の物理を学ぶことの意味を考える。どんな問題を調べるにしても、力と運動は物理科学への出発点だ。これから物理学を本格的に学ぶための基礎的事項について最初の土台固めから始めよう。

【キーワード】
プリンキピア、力、座標系と位置ベクトル、次元と単位
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
2 運動をどう表現するか 運動を調べるという観点から、ベクトルをどう取り扱うかについてさらに立ち入って調べる。運動を表すには、異なった座標系の間の関係をできるだけ明確に表現することが大事である。座標系の変換を通して、ベクトルの2種類の積(内積と外積)を導入し、その役割や応用を学ぶ。

【キーワード】
ベクトルの合成、座標系の変換、基底ベクトル、内積と外積
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
3 力とはどういうものか 力に関する経験を調べ直すと、力もベクトルであることがわかってくる。力とは何か、どのような種類があるのか、どう扱うのか、を考えながら、力と運動の関係を理解するための準備を進める。

【キーワード】
力のつりあい、内力と外力、力のモーメント、仮想仕事の原理
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
4 力と運動の法則 前章までで力と運動の関係を調べる準備が整った。この章では、ニュートンがまとめあげた運動の基本法則を学び、力が満たす一般的性質である作用反作用の法則と、万有引力やクーロン力が満たしている性質である中心力について、運動の立場からの意味を考えよう。それが運動量と角運動量の保存則だ。

【キーワード】
慣性の法則、ガリレイ変換、運動方程式、運動量と角運動量の保存則
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
5 仕事とエネルギー 運動量と角運動量に加えて、力と運動を特徴づけるのに重要な概念がエネルギーだ。仕事とエネルギーの関係、運動方程式とエネルギーの関係について学ぶ。そこから、エネルギーの保存則を理解し、さらにこの立場から仮想仕事の原理を拡張した運動を調べるための新たな見方に進む。

【キーワード】
仕事、エネルギー、保存力、安定と不安定、ラグランジュ方程式
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
6 典型的な粒子運動を調べる1 自然界に遍在する運動形態である振動現象について系統的に学ぶ。調和振動(単振動)から出発し、摩擦による減衰振動、外力による強制振動の運動方程式の解析法を学ぶ。さらに、非線形振動の具体例とその意義にも触れる。

【キーワード】
調和振動、減衰振動、強制振動、非線形振動
岸根 順一郎
(放送大学教授)
岸根 順一郎
(放送大学教授)
7 典型的な粒子運動を調べる2 人工衛星や天体の運行の問題の解析を通して万有引力が引き起こす運動を詳しく調べる。ケプラー問題はクーロン斥力による散乱現象にも応用できる。本章では、科学史的にも極めて重要な意義を持つこれらの問題を解析する。

【キーワード】
ケプラー問題、天体の軌道、ラザフォード散乱
岸根 順一郎
(放送大学教授)
岸根 順一郎
(放送大学教授)
8 典型的な粒子運動を調べる3 静電プリズム、ローレンツ顕微鏡、小惑星探査機のイオンエンジンなどの応用例を題材として、電磁場中での荷電粒子の3次元運動について学ぶ。また、電磁場中の荷電粒子の運動をラグランジュ形式に基づいて捉えなおす。これによって、磁場がベクトルポテンシャルによって記述される必要性を学ぶ。

【キーワード】
ローレンツ力、サイクロトロン運動、ベクトルポテンシャル
岸根 順一郎
(放送大学教授)
岸根 順一郎
(放送大学教授)
9 多粒子系の運動 星団や銀河に代表される重力多体系の運動を題材として、相互作用する多粒子からなる系の運動を解析する方法を学ぶ。特に、保存則の重要性を強調する。また、燃料ガスを噴射しながら推進するロケットの加速機構についても触れる。

【キーワード】
重心運動と相対運動、ビリアル定理、ロケットの推進
岸根 順一郎
(放送大学教授)
岸根 順一郎
(放送大学教授)
10 剛体の運動 変形しないマクロな連続体である剛体の運動を、前章で展開した多粒子系の論理に基づいて解析する。特に回転運動の記述法を詳しく学び、角運動量の意味を理解する。一般論を学んだあと、おもちゃやコマの動きといった身近ではあるが複雑な剛体運動の理解を試みる。

【キーワード】
剛体、慣性モーメント、コマの運動
岸根 順一郎
(放送大学教授)
岸根 順一郎
(放送大学教授)
11 連続体の力と運動 変形する物体に働く力と運動を連続体近似で調べる。弾性体の歪と応力、弾性体を伝わる波、非圧縮性流体のつりあいと流れ、などについて考え方の基礎を学び、具体例で日常親しんでいる現象を理解する。

【キーワード】
歪テンソル、応力テンソル、波動方程式、流体のオイラー方程式、ベルヌーイの定理
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
12 運動する座標系 非慣性系での運動方程式を座標系の変換により導く。遠心力やコリオリ力などについて、具体例で理解を深める。また、等価原理の意味を理解し、一般相対性理論とのつながりについて知る。

【キーワード】
慣性力、回転座標系、遠心力、コリオリ力、等価原理
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
13 作用原理の展開 5章で触れたラグランジアンの方法の発展として、作用原理に基づき、運動についての新たな見方(一般に「解析力学」とよばれる)に進むための基礎を述べる。この方法をいくつかの応用、および、保存則と対称性との関係の理解などへの応用を通じて学ぼう。

【キーワード】
ラグランジアン、一般化座標、相空間、ハミルトン方程式、対称性と保存則
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
14 力と運動の見方を発展させる 作用原理の展開によって学んだ見方をさらに発展させ、相空間やハミルトンの方程式の取り扱いを拡張し、ハミルトン・ヤコビの方法という運動の取り扱いに関する新しい考え方に進む。

【キーワード】
拘束条件、ハミルトン・ヤコビ方程式、作用変数と角変数
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
15 古典力学の深まりと現代物理 前章に続き、古典力学の見方のさらなる展開を学ぶ。最後に「力と運動の物理」のまとめとして、古典力学の到達点と限界は何かを理解し、現代物理学への飛躍とは何か、そこにおいてこれまで学んできた考え方が果たす役割を学ぶ。

【キーワード】
正準形式、ポアソン括弧、正準変換、相対性理論、量子力学
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
米谷 民明
(東京大学名誉教授)
このページのトップへ本文ここまで
授業科目案内 教養学部 放送大学