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動物の科学('15)

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主任講師
二河 成男 (放送大学教授)
東 正剛 (北海道大学名誉教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(土曜)13時00分~13時45分
第2学期:(水曜)20時45分~21時30分

講義概要

動物とは、他の生物が作った有機物を摂食して生きている多細胞生物の総称である。最も祖先的なカイメンから、多様な昆虫、運動性にすぐれた脊椎動物など、実に多彩な種類が存在する。本講義では、私たち人間を含めて、動物たちがどのようにこの地球上で生きているのか。そして、その基盤となる生殖、発生、感覚受容、行動といった生理的な機構がどのようなものかを紹介する。そして、動物の姿を科学的に理解することは、私たち人間自身を理解する上で極めて有用であることを示す。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成27年度
科目区分
コース科目(自然と環境コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(自然と環境コース)
〔2008年度以前〕専門科目(自然の理解専攻)
科目コード
1562720
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月25日(火曜)2時限(10時25分~11時15分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月24日(水曜)5時限(14時25分~15時15分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)67.3点
(平成28年度 第2学期)74.7点
備考
「動物の科学('09)」の単位修得者は履修不可
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授業の目標

動物は、私たち人間とこの地球環境を共有し、その食を支え、時には愛情を注ぎうる相手である。現代の生物科学や医学の発展にも多大な役割を担ってきた。これら人も含めた動物の生活様式や、生理機構を理解することが、授業の目標の一つである。そして、このような人間も含めた動物そのものの姿を基盤として、環境や食といった現代的な諸問題を、人間に取っての有用性という視点からだけではなく、より広い視点から、科学的に思考する能力を習得する。

履修上の留意点

本講義を履修するにあたっては、導入科目の「初歩からの生物学」を履修しておくこと、あるいは同水準の生物学を学んでいることを前提としている。また、本講義と専門科目の「植物の科学」は、いわば姉妹講義の関係となっている。さらには、導入科目の「生物環境の科学」、専門科目の「生命分子と細胞の科学」「生物の進化と多様化の科学」、そして総合科目の「暮らしに役立つバイオサイエンス」は、生物科学の関連した科目として設置されている。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 多様な動物の世界 動物とはどのような生物をさすのか、そして、動物はどのような特徴を共有するのか、動物の起源、進化、分類はどこまであきらかになっているのかといった、動物学の全般的な内容について説明する。まずは、動物という生き物のイメージをふくらませるところから始めよう。

【キーワード】
動物の定義、多細胞体制、従属栄養生物、感覚、運動、動物の起源、進化、分類体系
二河 成男
(放送大学教授)
二河 成男
(放送大学教授)
2 野生動物の進化と系統 生物は共通の祖先から種分化をくり返しながら多様化してきた。その一方で、異なる大陸や島の間では、祖先が違う系統の間でよく似た形態や行動を示す動物もみることができる。ここでは、野生動物の種分化、適応放散、収斂進化について解説し、系統分類をしばしば混乱させる収斂進化を見抜くことに貢献してきた分子系統学の方法と成果を紹介する。

【キーワード】
生殖隔離、種分化、適応放散、収斂進化、北方獣類、アフリカ獣類、南米獣類
東 正剛
(北海道大学名誉教授)
東 正剛
(北海道大学名誉教授)
3 家畜動物の起源と育種 人間が利用する目的で野生動物から遺伝的に改良された動物を家畜という。ここでは、様々な家畜動物の起源とその利用の方法、そして、育種のための、基本的な遺伝学的手法や人工授精技術について紹介する。

【キーワード】
家畜、育種、表現形分散、遺伝分散、環境分散、遺伝率、異系交配、近親交配、雑種強勢、人工授精
東 正剛
(北海道大学名誉教授)
東 正剛
(北海道大学名誉教授)
4 動物の運動 動物は、捕食や逃避などのために、運動の能力を利用している。その特徴は、特定の動作を短時間に繰り返すような反復した動きにある。このような動きを可能にしているのが、筋肉である。動物の動く目的や筋肉の微細構造について解説する。

【キーワード】
運動、筋肉、アクチン、ミオシン、鞭毛、繊毛
二河 成男
(放送大学教授)
二河 成男
(放送大学教授)
5 動物の子孫の残し方 子孫を残す生殖のしくみは、無性生殖と有性生殖に分けられる。動物の多くは、有性生殖の仕組みを保持している。有性生殖の本質は、異なる2種類の配偶子、動物なら精子と卵子が形成され、異なるタイプの配偶子が出会い、受精することによって、新たな命が動き始めるところである。ここでは、動物における生殖について、有性生殖の仕組みを中心に紹介する。

【キーワード】
有性生殖、性決定、配偶子形成、減数分裂、受精
二河 成男
(放送大学教授)
二河 成男
(放送大学教授)
6 動物の発生 受精卵という1個の細胞が分裂を繰り返しながら、分化し、胚、幼生を経て成体となる。この複雑な過程を発生という。どのようにして、発生の過程で動物の体制が形成されていくかを解説する。また、体の様々な軸や構造の形成と、タンパク質や遺伝子の関係についても解説する。

【キーワード】
発生、体制、ボディプラン、胚、予定運命図、背腹軸、頭尾軸、左右軸、Hox遺伝子群、細胞の分化、幹細胞
二河 成男
(放送大学教授)
二河 成男
(放送大学教授)
7 動物の表現型可塑性とその進化 生物の形質は、遺伝子がすべてを決めているわけではなく、環境に応じて適切な表現型を発現する精巧なシステムを有している。この性質は「表現型可塑性」と呼ばれ、全ての生物に備わっているものである。ここでは、動物における表現型可塑性の例を示しながら、どのような仕組みで環境に応答した表現型が発現するのかを解説する。

【キーワード】
表現型可塑性、表現型多型、直接発生、間接発生、性決定、多型現象、環境適応
三浦 徹
(東京大学大学院教授)
三浦 徹
(東京大学大学院教授)
8 動物の神経細胞のかたちとはたらき 動物は、外界の環境を感覚神経で受け取り、その情報を脳内で処理した後に、環境に適応した行動を取ることにより生活を営む。これを可能にするため、動物は中枢化した「脳」という構造を進化させてきた。ここでは、脳を形作る主要な構成要素である神経細胞(ニューロン)の基本的な構造と機能について、脊椎動物を例に解説する。

【キーワード】
中枢神経系、神経細胞の構造、ニューロン、静止膜電位、活動電位
岡 良隆
(東京大学大学院教授)
岡 良隆
(東京大学大学院教授)
9 生体情報を伝える神経系と内分泌系 神経系は、主に電気信号を作り出すことによってはたらく。一方、内分泌系はホルモンを全身の血流を介して広く行き渡らせることによってはたらく。このように異なる特徴を持ちながらも、両者は動物の生体情報を伝えるという点では、分子的な仕組みやそのはたらきにおいて多くの共通点をもっている。これらの神経系と内分泌系が協調して働く仕組みを学ぶ。

【キーワード】
シナプス、神経伝達、神経分泌、神経修飾、脳下垂体、ホルモン
岡 良隆
(東京大学大学院教授)
岡 良隆
(東京大学大学院教授)
10 親による子供への投資と性選択 多くの動物では、子供への投資量は雄親よりも雌親に偏っている。このような親の子供への投資量の雌雄差は行動や形態の性差、つまり性的二型を生み出す根本的な要因と考えられている。ここでは特に、動物の進化を考える上で親による子供への投資がいかに重要であるかを学ぶ。

【キーワード】
同性内性選択、雌雄間性選択、繁殖戦略、優良資源仮説、優良遺伝子仮説、雄の魅力仮説、フィッシャーの性比理論、投資
東 正剛
(北海道大学名誉教授)
東 正剛
(北海道大学名誉教授)
11 動物の社会生態 動物には集団を形成し、その個体間で様々な協力行動をするものたちがいる。そのような協力行動はいかなる背景の元に成立しているのであろうか。そして、協力行動の結果、それぞれの種固有の社会生態が成立しているが、その進化はどのようなものだろうか。ここでは、最近、大きく進展をとげた社会生物学の要点を講義する。

【キーワード】
協力行動、利他行動、社会進化、血縁選択、分業、カースト分化
三浦 徹
(東京大学大学院教授)
三浦 徹
(東京大学大学院教授)
12 動物の脳とその機能 脳が大きくなることによって、動物は知能や行動というすばらしい能力を獲得してきた。また、ヒトに進化することによって「精神」と呼ばれるものも兼ね備えてきた。ここでは、脳の働き、神経の機能、ヒトが持つ特殊な能力、モデル動物を用いた遺伝子と各能力との関係などについて、例とともにわかりやすく紹介する。

【キーワード】
神経細胞、脳機能、精神活動、言語野、記憶
石浦 章一
(同志社大学特別客員教授、東京大学名誉教授)
石浦 章一
(同志社大学特別客員教授、東京大学名誉教授)
13 動物の行動生理 動物の行動は、ホルモンと呼ばれる細胞が分泌した物質によって規定される場合がある。性に応じた行動や、ストレス応答などがその代表例である。脊椎動物を例にとって、内分泌器官のはたらきと動物の行動との関係を紹介する。

【キーワード】
ホルモン、自律神経、神経伝達物質、ヒトの行動、アセチルコリン、ドーパミン
石浦 章一
(同志社大学特別客員教授、東京大学名誉教授)
石浦 章一
(同志社大学特別客員教授、東京大学名誉教授)
14 動物の免疫応答 脊椎動物の免疫応答はほぼ無限に多様な病原体を特異的に排除できる。これには自然免疫系による適応免疫系の発動が大きく貢献しており、T細胞受容体、B細胞受容体、MHCタンパク質が重要である。ここではこれらのタンパク質を生み出す分子基盤と、抗原への特異性を生み出すメカニズムの理解を目指す。

【キーワード】
T細胞、B細胞、T細胞受容体、B細胞受容体、MHCタンパク質、クローン選択、免疫記憶、自己免疫寛容、遺伝子再編成、HIV
東 正剛
(北海道大学名誉教授)
東 正剛
(北海道大学名誉教授)
15 応用動物科学の課題:人獣共通感染症 20世紀半ば頃から新しい人獣共通感染症が現れ、しばしば世界的な大流行を起こすようになった。その病原体はウイルス、プリオン、細菌、原虫、条虫などさまざまであり、動物は伝播に関わるだけでなく、ウイルスなどの病原性を高めてしまうこともある。ここでは、5つの典型的な人獣共通感染症を詳しく学ぶ。

【キーワード】
人獣共通感染症、パンデミック、インフルエンザウイルス、伝達性海綿状脳症、プリオン、ボツリヌス菌、マラリア原虫、エキノコックス、終宿主、中間宿主
東 正剛
(北海道大学名誉教授)
東 正剛
(北海道大学名誉教授)
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