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分子分光学('15)

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主任講師
濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授)
安池 智一 (放送大学准教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(月曜)13時00分~13時45分
第2学期:(日曜)19時00分~19時45分

講義概要

分光学は「見るという行為」を突き詰める学問である。目的に応じてエネルギー・時間・空間の観点で高度化した光を用いることにより、肉眼の限界を超えて自然の本性に迫ることが可能となる。本講義では、適宜必要となる光学・電磁気学・量子力学・量子化学の知識を整理しながら、特に分子を観測する分光法について学ぶ。分子を見るために高度な発展を遂げた分光手法の適用領域は、生命機能を含む物質科学全般に拡がっている。それらの応用事例についても学び、最先端の物質科学研究を概観する。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成27年度
科目区分
コース科目(自然と環境コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(自然と環境コース)
〔2008年度以前〕専門科目(自然の理解専攻)
科目コード
1562746
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月23日(日曜)8時限(17時55分~18時45分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月21日(日曜)2時限(10時25分~11時15分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)62.1点
(平成28年度 第2学期)58.3点
備考
 
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授業の目標

量子力学に基づいた分子の構造と性質、光と分子の相互作用を理解する。分子の量子的な性質を利用した各種の測定法の原理とその適用例を学ぶことによって分子に対する理解を深める。これらを通じて、分子に基づいて様々な現象を理解するものの見方を習得する。

履修上の留意点

「初歩からの物理」「初歩からの化学」を予め履修していることが望ましい。また,「物理の世界」も参考になろう。量子力学についてより詳しく学びたければ,併せて「量子と統計の物理」を履修するとよい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 序論
-光と物質
光は電磁波であると同時に光子と呼ばれる粒子の集まりである。光の色は、波動描像では電磁波の振動数、粒子描像では光子のエネルギーと関係する。分子の観測手段には、顕微鏡や回折法に加えて、光を当てて減少した特定の色成分から分子の情報を得る分光法がある。電子のような物質粒子にも波と粒子の二重性があり、光と相補的な測定手段として利用される。

【キーワード】
光の波動性と粒子性、物質波、ミクロの世界の観測法
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
2 ミクロの世界の力学 ミクロの世界を支配する量子力学の要点を学ぶ。ド・ブロイの物質波のアイディアを元に、シュレーディンガー方程式を導く。箱の中の粒子の問題を例にとって、エネルギー準位が離散化されることを学ぶ。ベクトル空間でシュレーディンガー方程式を書き下し、量子力学の体系を概観する。

【キーワード】
シュレーディンガー方程式、箱の中の粒子、重ね合わせの原理とベクトル空間、固有値問題、交換関係と不確定性原理
安池 智一
(放送大学准教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
3 光と分子の相互作用 分子は多数の荷電粒子で構成されているため、電磁波である光と相互作用する。このことを利用して、光を用いた分子のエネルギー準位の構造の観測が可能となる。光と分子の相互作用の基礎を学び、スペクトル強度の理解に必要な遷移双極子モーメントの概念を理解する。

【キーワード】
電磁ポテンシャル、ゲージ変換、相互作用表示、時間依存摂動論、誘導吸収と誘導放出、自然放出、遷移双極子モーメント
安池 智一
(放送大学准教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
4 原子の量子力学と周期表 量子力学を水素原子に適用し、典型的な原子軌道の形の特徴をつかむ。軌道近似とパウリの排他原理から一般の原子の基底電子配置が予言できること、すなわち化学の根幹をなす周期表が多体系の量子力学によって理解できることを学ぶ。

【キーワード】
原子軌道、スピン、波動関数の対称性、軌道近似、パウリの排他原理、Aufbau原理
安池 智一
(放送大学准教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
5 分子の対称性 比較的小さな分子は、ある種の変換に対して不変、すなわち対称性を持つ。分子を不変に保つ変換は点群と呼ばれる群をなすことが知られている。この点群の知識を用いると、分子の様々な性質を対称性によって分離して扱い、統一的に理解できることを学ぶ。

【キーワード】
対称操作、群、表現、指標
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
6 分光測定法 第7章以降で述べる様々な分光法における実際の測定に必要な光源や検出器について概説する。とくに、近年の分光学において欠かすことのできない重要な光源であるレーザーについて、その発振原理や短パルス化について基本的な概念を理解する。

【キーワード】
電磁波の波長と分子運動、計測、光源、検出器、レーザー
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
7 電子分光1
-光電子分光
光電子分光法とは、光電効果を利用して分子の電子構造を直接観測することが可能な分光法である。分子の電子構造を特徴づける分子軌道について学び、その結合性・反結合性について理解する。実測の光電子スペクトルに基づいて、分子内の化学結合についての議論が可能であることを学ぶ。

【キーワード】
光電効果、二原子分子のハミルトニアン、ボルン・オッペンハイマー近似、分子軌道、二原子分子のAufbau原理と化学結合
安池 智一
(放送大学准教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
8 電子分光2
-紫外・可視分光
紫外可視領域の電磁波の光子エネルギーは数eVに相当し、電子がその運動形態を変化させるのに必要なエネルギーに対応する。電子遷移の選択則について学び、光によって誘起される電子励起の特徴をつかむ。また、π共役系の電子励起を簡便に扱うことのできるヒュッケル法について学ぶ。

【キーワード】
電子励起状態、遷移モーメント、電子励起の選択則、フランク・コンドン因子、ヒュッケル法
安池 智一
(放送大学准教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
9 振動分光1
-分子振動の理論
赤外領域の電磁波の光子エネルギーは分子振動のエネルギーに対応する。微小振動近似の下で、二原子分子の分子振動は調和振動子に帰着し、正確に解くことができる。多原子分子の場合には、微小振動を仮定しても個々の原子の変位が結合し複雑な振動を示すが、基準座標の導入によって独立な調和振動子の重ね合わせと見なせることを理解する。

【キーワード】
調和振動子の量子論と古典論、基準座標
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
10 振動分光2
-赤外・ラマン分光法
分子振動の観測手段として、赤外吸収法とラマン散乱法について学ぶ。光の吸収過程と散乱過程の違いを理解し、両手法における選択則の違いを、分子の対称性による基準振動の分類に基づいて議論する。

【キーワード】
赤外吸収、ラマン散乱、振動遷移の選択則、グループ振動
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
11 回転分光 吸収スペクトルのマイクロ波・遠赤外線領域には、分子の純回転運動が反映される。回転運動によるエネルギー準位について学び、分子の構造とスペクトルの関係を理解する。

【キーワード】
角運動量、慣性モーメント、回転定数、振動回転スペクトル
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
12 電子スピンと核スピン 量子力学的な粒子は、内部自由度としてスピンを持つ。スピン間の相互作用を利用することで、電子や原子核が存在する局所的な環境に関する情報を得ることができることを理解する。複雑な生体関連物質の立体構造解析への応用事例についても学ぶ。

【キーワード】
スピン角運動量、磁気モーメント、Zeeman効果、ESR、 NMR
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
13 電子線回折とX線回折 物質内の原子間隔と同程度の空間スケールの波長を持つ波を照射すると、原子による回折が顕著となり原子配置の情報を得ることができる。Braggの回折条件について学び、X線や中性子線を用いた結晶構造解析の基礎原理を理解する。

【キーワード】
回折、Bragg反射、動径分布関数、Laueの条件、単位格子、Miller指数
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
14 時間分解分光 短パルスレーザーによって、フェムト秒の時間スケールで起こる分子の運動や化学反応を時々刻々追跡することが可能である。短パルスレーザーによる量子波束の生成および観測手法を理解し、超高速分光の応用例を学ぶ。

【キーワード】
短パルスレーザー、ポンプ・プローブ法、波束の生成と観測、コヒーレント状態
安池 智一
(放送大学准教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
15 空間分解分光 エネルギー領域の拡大、時間分解能の向上に加えて、近年とくに意識されるようになった空間分解能を持つ分光法について学ぶ。顕微鏡の原理を学ぶことによって光学顕微鏡の空間分解能の限界を理解し、光学顕微鏡の制限を超えた高い空間分解能を実現するいくつかの手法について学び、各々の特徴を理解する。

【キーワード】
回折限界、顕微分光法、近接場
安池 智一
(放送大学准教授)
濱田 嘉昭
(放送大学名誉教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
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