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宇宙とその進化('15)

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主任講師
吉岡 一男 (放送大学名誉教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(火曜)13時00分~13時45分
第2学期:(月曜)20時45分~21時30分

講義概要

宇宙は超高温・超高密度の状態からビッグバンで始まり、現在の状態に至ったと考えられている。この宇宙の進化に対する現代の宇宙科学の知見を講義する。最初に、宇宙の進化に対する古代ギリシャ時代から現代までの科学の考え方を辿る。また、現代の知見を得るもととなる情報を与える現代の宇宙の観測を概観する。その後、恒星の進化、銀河の進化、宇宙全体の進化の3つの側面から宇宙の進化をおもに理論的に辿る。結論のみではなく、そのような知見がどのような物理法則をもとにどのような根拠で得られてきたのかをできるだけ教養学部の枠内で分かりやすく解説する。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成27年度
科目区分
コース科目(自然と環境コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(自然と環境コース)
〔2008年度以前〕専門科目(自然の理解専攻)
科目コード
1562762
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月26日(水曜)4時限(13時15分~14時05分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月25日(木曜)5時限(14時25分~15時15分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)71.0点
(平成28年度 第2学期)81.1点
備考
 
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授業の目標

宇宙の進化について、教養学部としてのレベルで必要な知識を身に付ける。すなわち、恒星の進化と銀河の進化およびそれらを含む宇宙全体の進化の基本的な知見とそれらの知見に至った観測的および理論的根拠を学ぶ。さらに、宇宙の進化の本質とその原動力についても学ぶ。ただし、物理学や数学等の専門的な知識を必要とする定量的な詳しい内容までは踏み込まず、教養学部の物理学や数学等の知識で理解できる範囲の全体的な流れを把握することを目標とする。

履修上の留意点

導入科目の「初歩からの宇宙の科学」を履修して宇宙やその観測についての全体的な知識を得た後に、本科目を履修すると理解しやすいであろう。また、専門科目の「太陽系の科学」と並行して履修すると、さらに理解が深まるであろう。本講義の内容にかかわる参考書としては、『シリーズ現代の天文学』(評論社刊)第1巻『人類の住む宇宙』や他の巻がよい参考になるだろう。さらに、大学院科目「宇宙・自然システムと人類」は、より高度な参考になるだろう。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 宇宙の進化説の発展 本講義の導入として、宇宙の進化について人類がどのように考えてきたかを概観する。また、本講義の全体的な流れとそれぞれ章での留意点についても述べる。

【キーワード】
宇宙観とその変遷、恒星の進化、銀河の進化、宇宙の進化
吉岡 一男
(放送大学名誉教授)
吉岡 一男
(放送大学名誉教授)
2 電磁波による宇宙の観測 可視光を始めとした電磁波による宇宙の観測の原理とその例について述べる。その中で、光学望遠鏡の性能や大気圏外での観測あるいは熱放射の性質についても説明する。

【キーワード】
可視光、光学望遠鏡、角分解能、大気の窓、電波、赤外線、紫外線、X線、ガンマ線
吉岡 一男
(放送大学名誉教授)
吉岡 一男
(放送大学名誉教授)
3 電磁波以外の手段による宇宙の観測 電磁波以外の手段である宇宙線やニュートリノや重力波による宇宙の観測の原理とその例について述べる。とくにこれらの手段は、宇宙の激しい現象や天体の内部の情報を得るのに適していることを説明する。

【キーワード】
宇宙線、空気シャワー、ニュートリノ、カミオカンデ、重力波、レーザー干渉計型重力波検出器
吉岡 一男
(放送大学名誉教授)
吉岡 一男
(放送大学名誉教授)
4 恒星の誕生と原始星の進化 ヘルツシュプルング・ラッセル図を導入し、分子雲から星が誕生する過程を学ぶ。原始星の進化、原始惑星系円盤、林の道筋について述べる。

【キーワード】
HR図、星の誕生、原始星の進化、原始惑星系円盤、林の道筋
有本 信雄
(国立天文台名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授)
有本 信雄
(国立天文台名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授)
5 主系列星から赤色巨星までの進化 恒星の内部構造を決定する基本法則を導入し、主系列星内部での核融合反応と等温コアの成長、赤色巨星進化、ヘリウムフラッシュについて述べる。連星系の進化を理解する。

【キーワード】
主系列星、陽子-陽子連鎖反応、CNOサイクル反応、赤色巨星、ヘリウムフラッシュ、連星系の進化
有本 信雄
(国立天文台名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授)
有本 信雄
(国立天文台名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授)
6 赤色巨星以降の進化 赤色巨星以降の複雑な進化について学ぶ。水平分枝星、漸近分枝進化、ダストの形成と放出、惑星状星雲の形成について述べる。軽い星の末路、重い星のたまねぎ構造について述べる。

【キーワード】
水平分枝星、漸近分枝星、惑星状星雲、白色矮星、たまねぎ構造
有本 信雄
(国立天文台名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授)
有本 信雄
(国立天文台名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授)
7 超新星爆発、中性子星、ブラックホール 重い星の末路は生まれたときの質量に応じて、白色矮星、中性子星、ブラックホールに分かれる。超新星爆発のメカニズム、元素合成、パルサー、ブラックホールについて述べる。

【キーワード】
Ⅰa型超新星、Ⅱ型超新星、元素合成と物質循環、中性子星、ブラックホール
有本 信雄
(国立天文台名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授)
有本 信雄
(国立天文台名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授)
8 銀河の世界 銀河がどのような姿をしているのか、またどのような基本的な性質が観測されているかを理解する。天の川銀河の構造を理解し、円盤渦巻銀河、楕円銀河の形態、光度分布の特徴について学ぶ。銀河の質量の大半を占める暗黒物質について考察する。

【キーワード】
銀河、光度関数、暗黒物質
山田 亨
(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授)
山田 亨
(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授)
9 宇宙の大規模構造 天の川銀河を含む局所銀河団の構成と、局所銀河団周辺の宇宙の銀河分布構造について理解する。銀河団について、質量、構造、高温ガスの存在、重力レンズ現象、暗黒物質の存在などについて学ぶ。宇宙の大規模構造とその成り立ちについても学習を進める。

【キーワード】
銀河、銀河団、暗黒物質、宇宙の大規模構造
山田 亨
(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授)
山田 亨
(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授)
10 銀河宇宙史 宇宙における銀河の形成・進化の歴史を理解する。現在~80億年前、80~100億年前、100~120億年前の時代に分けて、観測される銀河の進化の全体的な様子を学ぶ。楕円銀河、円盤銀河についてその形成と進化についての考察を行う。

【キーワード】
赤方偏移、星形成率、星質量、銀河進化、銀河形成
山田 亨
(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授)
山田 亨
(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授)
11 銀河の形成と進化 銀河の形成過程について学ぶ。宇宙の平均的な星形成史、星質量進化史を理解し、銀河の形成が宇宙における構造形成全体と密接に関係していることを理解する。銀河中心の巨大ブラックホールの存在について学び、クェーサー現象と銀河との関係を考察する。宇宙最初期の銀河形成についての研究成果に触れる。

【キーワード】
銀河形成史、冷たい暗黒物質モデル、巨大ブラックホール、最遠方銀河、宇宙再電離
山田 亨
(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授)
山田 亨
(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授)
12 一般相対論的宇宙モデル 一般相対論とは何かをごく簡単に概観した後、一般相対論的宇宙モデルの帰結である宇宙膨張の概念を紹介する。広く用いられている「宇宙は点から始まった」という表現は、かなり誤解されていることを合わせて説明する。

【キーワード】
一般相対論、宇宙原理、アインシュタイン方程式、フリードマン方程式、膨張宇宙
須藤 靖
(東京大学教授)
須藤 靖
(東京大学教授)
13 膨張宇宙の発見とビッグバンモデル 一様等方宇宙モデルとその中の物質進化を結びつけたビッグバンモデルを紹介する。特にその観測的証拠であるハッブルの法則、ビッグバン元素合成、宇宙マイクロ波背景輻射を説明した後、それらから導かれる宇宙の性質を論ずる。

【キーワード】
ビッグバンモデル、αβγ理論、ハッブルの法則、ビッグバン元素合成、宇宙マイクロ波背景輻射、宇宙の組成
須藤 靖
(東京大学教授)
須藤 靖
(東京大学教授)
14 宇宙史概観:始まりから現在まで ミクロな世界を記述する物理法則とマクロな宇宙の進化の関わりに注目しながら、140億年におよぶ宇宙の歴史を概観する。

【キーワード】
インフレーション、4つの相互作用、ビッグバン元素合成、宇宙の晴れ上がり
須藤 靖
(東京大学教授)
須藤 靖
(東京大学教授)
15 新しい宇宙観 質量にして約5%の元素、25%の冷たいダークマター、70%の宇宙定数の3つが宇宙の主成分である。この標準宇宙モデルによって、宇宙の大局的な進化はほぼ矛盾無く説明される。しかし、宇宙の組成を知ることは、宇宙のさらなる理解に向けての第一歩に過ぎない。今後の宇宙論研究の方向性をかなり個人的な意見を交えながら展望する。

【キーワード】
人間原理、マルチバース、太陽系外惑星、トランジット惑星、ハビタブル惑星、ペールブルードット、レッドエッジ
須藤 靖
(東京大学教授)
須藤 靖
(東京大学教授)
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