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非ユークリッド幾何と時空('15)

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主任講師
橋本 義武 (東京都市大学教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(月曜)8時15分~9時00分
第2学期:(木曜)13時45分~14時30分

講義概要

ユークリッドの幾何学は天文学と並ぶ古代の叡智の結晶であり長い歴史を通じて西洋のすべての学問の模範であったが、自らの内に平行線の公理の独立性の問題と三大作図問題というアポリアを抱えていた。19世紀においてそれぞれの難問は非ユークリッド幾何、ガロア理論の誕生によって乗り越えられる。こうして現れたビジョンが現代数学の源流となったのである。
この講義では、準備として平面と球面の幾何を概観したのち非ユークリッド幾何と双曲三角法を取り扱う。そして非ユークリッド幾何のモデルの一つである二葉双曲面を媒介として、特殊相対論の舞台でもあるミンコフスキー空間の幾何へと考察を進めていく。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成27年度
科目区分
コース科目(自然と環境コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(自然と環境コース)
〔2008年度以前〕専門科目(自然の理解専攻)
科目コード
1562770
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月23日(日曜)4時限(13時15分~14時05分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月21日(日曜)6時限(15時35分~16時25分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)49.2点
(平成28年度 第2学期)49.9点
備考
 
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授業の目標

三角法、球面三角法、双曲三角法の類似点と相違点を理解する。
非ユークリッド幾何のさまざまなモデルに親しむ。
特殊相対論の数理的基礎、特にミンコフスキー空間の基本事項について学ぶ。

履修上の留意点

「入門線型代数」「入門微分積分」を履修することが望ましい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 天文学と幾何学 天文学と幾何学は最古の科学と言えるだろう。天文学は「予言とその成就」、幾何学は「定理とその証明」という説得の形式を持っていた。古代における天文学と幾何学の成果は、それぞれプトレマイオス(トレミー)の天動説とエウクレイデス(ユークリッド)の「原論」に結実した。

【キーワード】
定理と証明、「原論」
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
2 ユークリッド幾何 幾何学が古代において確立しえたのは、「図形は誰にでも描ける」ということによる。しかし、たとえば「三直線が一点で交わる」というような命題は、いくら正確に作図しても誤差は0ではないので、本当に正しいのかどうかはわからない。この問題を乗り越えたのが、「定理とその証明」という対話的形式であった。

【キーワード】
作図、定理、証明、公理
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
3 平行線の公理と三大作図問題 学問の模範としての完璧さを誇ったユークリッドの幾何学にも二つのアポリアがあった。平行線の公理の独立性と三大作図問題である。19世紀に入って、平行線の公理の問題は非ユークリッド幾何を、三大作図問題はガロワ理論を生んだ。現代においてこの2つは相互作用して、人類に新しいヴィジョンを与えている。

【キーワード】
平行線の公理、角の三等分・立方体倍積・円積問題
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
4 三角関数と平面三角法 すべて多角形は三角形に分割され、三角形は2つの直角三角形に分割される。直角三角形について徹底的に知るならば、私たちは図形を知ることになるだろう。直角三角形の角と辺の関係を与えるのが三角関数である。これにより、三角形の合同条件の示唆する公式が余弦定理・正弦定理という形で具体化する。

【キーワード】
直角三角形、三角関数、ピタゴラスの定理・余弦定理・正弦定理
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
5 球面三角法 球面上の大円を、平面において直線の果たした役割を果たすものと見立てると、球面上でも平面と同様に幾何学を展開することができる。球面上にも余弦定理・正弦定理の対応物が存在する。これらは、天文学や航海術に応用された。

【キーワード】
球面三角形、球面上のピタゴラスの定理・余弦定理・正弦定理
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
6 いろいろな地図投影法 完全な地図は存在しない。地図の図法には、角度を正確にあらわすもの、面積を正確にあらわすもの、中心からの方位や距離を正確にあらわすもの、などがある。これらの事実は、距離空間という現代数学における図形概念に関わっている。

【キーワード】
図法、座標、距離空間
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
7 双曲面と双曲線関数 球面上には平行線の対応物が存在しなかった。一方、直線Lとその上にない点Pに対し、Pを通りLに平行な直線が無限に存在するような幾何学がある。そのような幾何学を、球面と似た方程式で表される双曲面という図形の上で実現する。球面幾何では三角関数が活躍したが、双曲面上の幾何では双曲線関数が活躍する。

【キーワード】
平行線、双曲面、双曲線関数
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
8 双曲三角法 双曲平面上にも直線、長さ、角に相当する概念があり、三角関数と双曲線関数によって記述された余弦定理・正弦定理の対応物がある。このようにして双曲平面上の三角法を展開することができる。

【キーワード】
双曲平面上のピタゴラスの定理・余弦定理・正弦定理
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
9 クライン円板と双対性 双曲面の「地図」としてクライン円板というものがある。これは、双曲面上の直線を円板内の線分で表すものである。距離や角の大きさは同一ではない。クライン円板上で、直角5角形や直角6角形について調べる。また、双曲余弦定理の双対について述べる。

【キーワード】
クライン円板、一葉双曲面、双対双曲余弦定理、直角5角形、直角6角形
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
10 ポアンカレ円板と立体射影 双曲面にも角の大きさを正確に反映した「地図」がある。それはポアンカレ円板というもので、球面の場合と同様にして立体射影によって与えられる。ポアンカレ円板上で双曲幾何を展開する。

【キーワード】
ポアンカレ円板、立体射影、光錐面
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
11 半球面・半平面上の双曲幾何 ポアンカレ円板以外にも、角の大きさを正確に反映した双曲面の「地図」がある。一つは半球面という「地図」であり、これはクライン円板とポアンカレ円板の間をつなぐ役割を果たす。また、半球面から立体射影によって半平面という「地図」も得られる。

【キーワード】
半球面、半平面
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
12 地動説・慣性・光 ガリレオは自作の望遠鏡によって木星の衛星を発見。地球以外の星の周りを回っている星を自分の目で見てしまったことによって、彼にとって地動説は天体の運動の計算法を超えたリアリティーとなった。ガリレオは光速の測定を試みたが失敗に終わる。ガリレオの死後、レーマーが光速の見積もりに成功。その方法をもしガリレオが知ったならば驚きのあまり言葉を失ったことであろう。

【キーワード】
ガリレオ、地動説、木星の衛星、光速の測定
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
13 光速と同時性 光は波の性質をもつ。波の速度は媒質に対するものである。光は真空中をも伝わる。一方、真空の速度を考えることはできない。これらを考え合わせると、光速は互いに等速直線運動する観測者に対して同じ値であるはず。これを受け入れるためには、同時性の概念を考え直さなければならない。この作業を行ったのがアインシュタインの特殊相対性理論である。

【キーワード】
光、波の速度、天球とエーテル、真空、同時性
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
14 ミンコフスキー空間と時空 特殊相対性理論における光の幾何学を記述するのがミンコフスキー空間である。ローレンツ変換は、ミンコフスキー空間上の図形を「形を変えずに」動かす。

【キーワード】
ミンコフスキー空間、ローレンツ変換
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
15 光錐面とトレミーの定理 第1回の講義で言及したトレミーの名を冠する定理がある。円に内接した四角形の4辺と2つの対角線の長さの関係を記述した公式である。ふしぎなのは、四角形が円に内接しなくてもこの6つの量の間には関係があるということだ。トレミーの定理はミンコフスキー空間上の定理として一般化される。

【キーワード】
トレミーの定理、光錐面、ホロ円、行列式
橋本 義武
(東京都市大学教授)
橋本 義武
(東京都市大学教授)
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