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生物の進化と多様化の科学('17)

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主任講師
二河 成男 (放送大学教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(土曜)23時15分~24時00分
第2学期:(火曜)20時45分~21時30分
〔再放送〕(金曜)1時30分~2時15分

講義概要

地球上で誕生した生物は、40億年近くかけて進化してきた。その結果、今日では大きな生物多様性が見られるようになった。この生物の変遷について、生物の誕生から、細胞の進化、様々な生物の繁栄と絶滅、植物や動物の多様化、そして人類の誕生に至るまでを紹介する。また、このような生物の進化のしくみについて、ダーウィンが明らかにした自然選択説、木村資生による分子進化の中立説といった、基本的な理論についての説明や、最近の知見である、形態やゲノムの進化機構、あるいは寄生や共生といった生物間の関係の進化と変遷についても合わせて紹介する。このように本講義では、「進化学」の入門として、生物の進化とそれに伴う生物の多様化について総合的にみていく。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成29年度
科目区分
コース科目(自然と環境コース(専門科目))※共用科目(生活と福祉)
〔2009年度~2015年度〕専門科目(自然と環境コース)※共用科目(生活と福祉)
〔2008年度以前〕専門科目(自然の理解専攻)※共用科目(生活と福祉)
科目コード
1562851
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月29日(土曜)8時限(17時55分~18時45分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月24日(水曜)2時限(10時25分~11時15分)
単位認定試験
平均点
備考
 
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授業の目標

生物がもつ独特の性質である進化するという特徴、その結果として、生物界が多様化していく現象に関して、基本的なしくみを学ぶ。さらに、化石となった過去の生物、現在の地球上で暮らす生物がどのような進化の道筋をたどってきたか、そして生物の進化は遺伝情報の進化でもあることから遺伝情報そのものについての進化についても、具体例を通して学んでもらう。

履修上の留意点

本講義を履修するにあたっては、学部での導入科目の「初歩からの生物学」を履修しておくこと、あるいは同水準の生物学を既習していることが望ましい。また、「生物環境の科学('16)」「生命分子と細胞の科学('13)」「動物の科学('15)」「植物の科学('15)」も合わせて学習するとよい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 生物の進化と多様化 地球上の生物は共通の祖先に由来する。そして、その共通の祖先から、現在の地球に生きるたくさんの生物種が生じた。この生物の多様化の筋道とそのしくみを明らかにすることが、進化生物学の課題である。ここでは、この生物の変遷の歴史を概観し、生物の進化を調べる方法と、生物学における「進化」という言葉の意味について解説する。

【キーワード】
進化、多様化、化石、分類、生物種、種分化、地質年代、系統樹、DNA
二河 成男
(放送大学教授)
二河 成男
(放送大学教授)
2 自然選択と適応 生物はその生息する環境に適した特徴をもつ。このような特徴は進化によって生じたものであり、そのような進化を引き起こす原因は自然選択である。どのような条件の時に自然選択による進化が起こるのか。具体例を交えて、どのようにして環境に適した特徴が、自然選択によって進化するのかを紹介する。また、進化は遺伝情報の変化を伴うことから、遺伝子と突然変異についてもその基礎を解説する。

【キーワード】
自然選択、適応、変異、遺伝、人為選択、集団、DNA、突然変異
二河 成男
(放送大学教授)
二河 成男
(放送大学教授)
3 中立進化と偶然 生物のもつ遺伝情報に生じた突然変異には、生存や繁殖に対して、有利でも不利でもない中立な性質を持つものがある。そのような突然変異は、自然選択よりも、遺伝的浮動という偶然によって進化の方向が左右される。これは分子進化の中立説として知られている。この回では中立説と中立進化を基盤とする分子時計について解説する。

【キーワード】
分子進化の中立説、遺伝的浮動、偶然性、固定、分子時計
二河 成男
(放送大学教授)
二河 成男
(放送大学教授)
4 生命の誕生 地球上で生命はどのようにして誕生したのか。生物が共通にもつ化学的な特徴や遺伝子のはたらきから、この未解決の問題について考察する。

【キーワード】
化学進化、ミラーの実験、自己複製、リボザイム、RNAワールド、タンパク質ワールド
二河 成男
(放送大学教授)
二河 成男
(放送大学教授)
5 ミクロな生物の進化 生物は、その共通の祖先から、まずは、真正細菌、古細菌、真核生物の3つの生物群に分かれた。これらの生物群の進化的な関係と、真核生物のもつ細胞である、真核細胞の誕生と多様化について解説する。

【キーワード】
共通祖先、原核細胞、真核細胞、真正細菌、古細菌、真核生物、ドメイン、細胞小器官、細胞内共生
二河 成男
(放送大学教授)
二河 成男
(放送大学教授)
6 カンブリアの大爆発と多細胞動物の起源 化石を手がかりとして、生物の歴史を解き明かすのが、古生物学である。ここでは、カンブリア紀やそれ以前の動物の化石から、動物の誕生と、その後に起こった「カンブリアの大爆発」という、動物の爆発的な多様化について概観する。

【キーワード】
カンブリアの大爆発、多細胞動物、ドウシャンツオの化石生物群、エディアカラ化石生物群、酸素濃度
大野 照文
(三重県総合博物館長)
大野 照文
(三重県総合博物館長)
7 顕生代の絶滅事件
~オルドビス紀末を例に~
地球上の生物は、カンブリア紀以降、5度の大量絶滅によってその数や多様性を失った。これらの大量絶滅は、3つの時期、多様性が減少する絶滅期、その状態が維持される生き残り期、そして多様性が回復する回復期に分けることができる。オルドビス紀末の大量絶滅を例にこれらのことを説明する。

【キーワード】
大量絶滅、絶滅期、生き残り期、回復期、オルドビス紀
大野 照文
(三重県総合博物館長)
大野 照文
(三重県総合博物館長)
8 植物の陸上進出と多様化 水中生活をしていた緑藻類から、陸上の植物は進化した。この植物の陸上への進出を可能としたのは、乾燥や重力といった環境への耐性の獲得である。陸上への進出に伴って、植物の細胞や組織はどのように進化したか。そして、陸上に進出後、どのようにして現在の多様な植物が誕生したかを解説する。

【キーワード】
頂端分裂組織、配偶体、胞子体、気孔、水通導組織、コケ植物、維管束植物、種子植物
長谷部 光泰
(基礎生物学研究所教授)
長谷部 光泰
(基礎生物学研究所教授)
9 花の進化
~陸上植物の生殖器官の進化~
被子植物の生殖器官である花はどのように進化してきたか。花を持たない植物の生殖器官と比較することから、このことについて概観する。

【キーワード】
花、造精器、造卵器、胞子嚢、接合藻類、コケ植物、小葉類、シダ類、裸子植物、被子植物
長谷部 光泰
(基礎生物学研究所教授)
長谷部 光泰
(基礎生物学研究所教授)
10 動物の発生と進化 動物のからだの形や基本設計は、実に多様である。これらの進化を理解するために、動物のからだの形成とその制御に関する知見を踏まえて進化を考察する、進化発生学的な視点が役に立つ。この回では、動物の系統関係と形態との関係を概観し、進化発生学を通して見えてきた、動物の進化と発生の関係について考察する。

【キーワード】
発生、発生プログラム、ボディプラン、Hox遺伝子群、遺伝子発現調節
工樂 樹洋
(理化学研究所ユニットリーダー)
工樂 樹洋
(理化学研究所ユニットリーダー)
11 ゲノムの進化と生物の多様化 生物進化の過程で、各生物の設計図ともいえるゲノムもまた進化してきた。突然変異や遺伝子重複だけでなく、ゲノム全体の重複や、発現調節領域の獲得や喪失、個々の遺伝子の喪失、利己的因子の増幅などが、生物の表現型の進化との関係が見えてきた。ここでは、実例をあげながら、ゲノム進化の特徴を解説する。

【キーワード】
遺伝子重複、ゲノム重複、遺伝子発現調節、転移因子、エピゲノム
工樂 樹洋
(理化学研究所ユニットリーダー)
工樂 樹洋
(理化学研究所ユニットリーダー)
12 寄生
~その生態と進化~
一生、あるいは生活環のある時期に、他の生物に寄生する生物を寄生生物とよぶ。寄生生物では、体の構造や機能が退化してしまう例がよく知られている。一方で、寄生している寄主の構造や行動を改変する能力を進化させている。これら寄生に伴う生物の進化について概観する。

【キーワード】
寄生、宿主特異性、操作、延長された表現型、虫こぶ、ボルバキア
深津 武馬
(産業技術総合研究所首席研究員)
深津 武馬
(産業技術総合研究所首席研究員)
13 内部共生がもたらす進化 地球上の生物は、異なる生物種であっても、お互いが様々な形で関わり合っている。中でも他の生物の体内に入り込む内部共生や細胞内に入りこむ細胞内共生という生物の関係は、最も密接な生物間の関係である。このような共生関係がどのように進化するのか、そして、共生する宿主や共生体がどのように進化するのかを紹介する。

【キーワード】
内部共生、細胞内共生、相利、片利、宿主、共生体
深津 武馬
(産業技術総合研究所首席研究員)
深津 武馬
(産業技術総合研究所首席研究員)
14 性と進化 どうして、多くの生物が、性という性質をもつのだろうか。この回では、どのように性が進化してきたのか、性があることによって生物にどのような変化が生じるのかを考察する。

【キーワード】
有性生殖、無性生殖、減数分裂、性染色体、組み換え
二河 成男
(放送大学教授)
二河 成男
(放送大学教授)
15 人類の進化 他の類人猿と分岐後、ヒトの祖先は独自の進化をたどって、現代人であるHomo sapiensとなった。その進化的変遷と、ヒトに特徴的な形質の進化過程について解説する。

【キーワード】
ヒト科、化石人類、現生人類、アフリカ起源説、二足歩行、脳
二河 成男
(放送大学教授)
二河 成男
(放送大学教授)
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