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生物環境の科学('16)

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主任講師
加藤 和弘 (放送大学教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(金曜)23時15分~24時00分
第2学期:(月曜)13時45分~14時30分

講義概要

生物のそれぞれの個体を取り巻く全てのもの、すなわち環境は、生物の生息のありようを大きく左右する。環境の構成要素として、非生物的な条件がもっぱら認識されるが、周囲にいる他の生物もまた、環境の構成要素である。というのは、生物はほとんどの場合単独では生きておらず、同種あるいは他種の生物と密接な関係を保ちながら生きているからである。本講では、生物の生息に影響を及ぼす環境条件について、生物的条件や景観に関わる条件なども含めて説明する。さらに、長期的な視点に立った場合に、環境が進化や種分化にどのように関わり得るのか、その概要を紹介する。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成28年度
科目区分
コース科目(自然と環境コース(導入科目))
〔2009年度~2015年度〕共通科目(一般科目)
〔2008年度以前〕共通科目(一般科目)
科目コード
1760017
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月30日(日曜)7時限(16時45分~17時35分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月23日(火曜)1時限(9時15分~10時05分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)70.4点
(平成28年度 第2学期)71.2点
備考
 
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授業の目標

・生物にとっての環境とはどのようなものであるのか、生物的環境も含めて理解すること。
・生物個体の相互の関係が、生物の生息、生存にとって重要であることの概要を把握すること。
・人間が他の生物の生活に大きな影響を及ぼしていることについて、都市、農村、河川などにおける具体例を通じて認識を深めること。
・生物にとっての環境を理解することは、生物の進化を考える上で不可欠であることを学習すること。

履修上の留意点

本講義を履修するにあたっては、学部での導入科目の「初歩からの生物学」を履修しておくこと、あるいは同水準の生物学を既習していることが望ましい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 生物にとって環境とは何か 野外での生物の生息状況を考える際には、「環境」という言葉あるいはその考え方が決まって登場する。いったい「環境」とはどのようなものだろうか。具体的に、何をどのように考えればよいのだろうか。本科目で生物にとっての環境について学習するにあたり、最初に関連する必要な用語や考え方(概念)を紹介し、学習の出発点としたい。

【キーワード】
環境、主体、個体群、群集、生息場所、ビオトープ、ランドスケープ、生態系
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
2 気候と生物 地球全体を通してみると、気候の違いに対応した生物相が見られる。共通の気候のもとで成立する一定の外観を持つ植生(植物群系)と、その上で維持されている他の生物群集をあわせてバイオームと呼ぶ。世界におけるバイオームの分布が気候とどのように関係しているかを説明した上で、主なバイオームについて紹介する。また、気候以外に生物の地球規模での分布を規定する地史的な要因についても概説する。

【キーワード】
気候帯、植物群系、バイオーム、生物圏、気温、降水量、生物地理区
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
3 地形と生物 同一の気候帯でも、生息する生物は場所によって異なることがある。そのような違いをもたらす要因の中から、地形とそれに関連する環境条件を取り上げる。山地、河川の水辺、海岸の砂浜を例に、生物相の場所による違いがどのようにしてもたらされるのかを紹介する。

【キーワード】
山地、垂直分布、砂浜、河川の水辺、比高、地形
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
4 植生と植生遷移 植物は、他の生物が利用する有機物を生産するとともに、それらが生きていくための空間的な構造をも作り出す。そこで、ある土地における生物群集や生態系のあり方を理解するためには、そこにおける植物のありようを理解することが重要である。植物は通常、複数の種の個体が集団となって成育している。この集団が植生である。植生のあり方の概要を示すとともに、時間の経過に伴って植生がその生育環境とともに変化していく過程である植生遷移についても紹介する。

【キーワード】
植生、植物群落、植物群落の分類、相観、植生遷移、極相、樹冠ギャップ
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
5 植生と動物との関係 従属栄養生物である動物にとって、植物は有機物の供給のおおもとである。また、多くの動物は、植物が成長することで形作られた空間や、植物体そのものを、生活の場として利用している。従って植生のありかたは、多くの動物にとって重要な環境条件となる。植生のあり方と動物群集の関係について具体的に解説するとともに、植生の状態に応じて動物の生息状況が実際に変化している様子を示す。

【キーワード】
植食動物、種子散布、花粉、デトリタス、腐食連鎖、植生の構造
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
6 水域生態系における生産者と分解者 水中では、付着藻類と植物プランクトンが主な生産者である。どちらも、肉眼では個々の個体がほとんど識別できない微生物が中心である。分解者としても、水中では細菌など微生物の役割が大きい。分解者がいなければ死骸や糞が分解されず、植物に必要な栄養分が循環しなくなるのは陸上と同じだが、水中では、食物網において分解者が捕食者に食べられる過程の重要度が高い。

【キーワード】
付着藻類、植物プランクトン、動物プランクトン、微生物、一次生産、分解
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
7 生物的環境 生物は、その周囲の他の生物と関わりあいながら生きている。個々の生物にとって、周囲に生息する他の生物もまた、環境を構成する重要な要素である。生物どうしの関係は、その関わり合う生物にとって、有益であったり生存に不可欠であったりするが、逆に有害な場合も少なくない。生物とその周囲に生息する他の生物との種々の相互関係に注目し、それらが生物の生存にどのような影響を及ぼしているかを解説する。

【キーワード】
捕食者、種間競争、資源、共生、種子散布、生態系エンジニア
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
8 生態系における撹乱 生物の中には、生息場所における生物相の消失(撹乱)と再生の過程が繰り返される中で、生き続けることができる種類もある。増水に伴う裸地化とその後の再生を繰り返す河川の水辺は、高い頻度で撹乱が起こる代表的な場所である。他の例も交えながら、「撹乱」と、その背景にある生物種間の競争について説明する。

【キーワード】
撹乱、中規模撹乱仮説、河川の水辺、撹乱依存種、植生遷移、種間競争
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
9 景観生態学的要因 ある場所に生息、生育する生物の種類や量は、その場所の環境条件によって左右されるが、それだけではない。その場所を取り巻く空間のあり方にも影響される。なぜそのようなことが起こるのだろうか。本章では、ある場所を取り巻く空間の様子が、その場所の生物の生息、生育に影響を与える理由と、そのような空間を評価するための考え方を、説明する。

【キーワード】
生息地の面積、資源、移入、孤立性、島嶼生物地理学、メタ個体群、境界効果
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
10 人間による環境改変1 : 都市化 人間の活動は、生物多様性を損ない、より単調な生物相をもたらすことが多い。この回では、都市化による影響を取り上げる。都市化が生物多様性の低下に結びつく理由、都市化に伴う生物多様性や生物相の変化のあり方、都市に生息・生育する生物の特徴について、考えていただきたい。

【キーワード】
都市化傾度、生物学的均一化、都市に特徴的な生物、資源の利用可能性、生息場所
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
11 人間による環境改変2 : 農村の場合 都市だけでなく、農業基盤や社会基盤の整備に伴う土地や水路の人工化が進んだ農村でも、生物多様性の低下が顕著にみられる。しかし一方で、伝統的な農法や土地管理のもとで高い生物多様性が保たれてきた農村もある。日本の里山を例に、どのようにして高い生物多様性が保たれてきたかを、ここまでに説明した内容を踏まえて紹介する。

【キーワード】
里山、植生管理、中程度の撹乱、生物の移動可能性、生息場所のモザイク
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
12 人間による環境改変3 : 河川の改変とその生物への影響 河川もまた、人間の活動によって大きく様相が変えられた空間である。河川の生物に対する人為的な影響としては、水質汚濁や富栄養化、そして酸性化などが注目を集めやすい。しかし、そのような変化だけが生物に影響を与えるのではない。河川の生物にとっての環境条件として何が重要であり、生物にどのような影響をもたらすのかを整理して紹介する。

【キーワード】
河川、水の化学性、水文学的条件、流速、堆積物、川岸の状態
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
13 生物多様性と進化 地球の生物圏には多様な生物種が生きている。種の多様性は、遺伝的な多様性の上に成り立っている一方、多様な種の存在が可能であることの背景として生息場所の多様性も重要である。こうした多様性は今日、人間による活動の結果として全地球的に危機にさらされている。ここでは、生物多様性とその起源、および関連する考え方について説明する。

【キーワード】
種の多様性、遺伝的多様性、群集の多様性、生態系サービス、進化
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
14 生物の進化1 : 種分化と種間関係 生物の種間には、時に密接な関係が存在する。ある種において他種との関係で有利になる形質が進化し、これに対応する形で相手方の種の形質も進化したと考えられる例は多々ある。密接な関係を持った複数の種が、互いに影響を及ぼしあいながら共に進化していく過程は共進化とよばれ、種の多様化が生じる要因の一つとされている。共進化に関わると考えられる種間関係の例を取り上げ、種間関係から種分化や種の多様化に至る過程について考える。

【キーワード】
生物的環境、種間関係、相利共生、片利共生、進化的軍拡競争
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
15 生物の進化2 : 孤立した生物生息場所が持つ意味 孤立した個体群が長期にわたって存続できた場合には、その個体群の遺伝的な状態が徐々に変化し、時には新たな生物種の分化へと至ることがあり得る。このような現象が実際に起こったと考えられるのが、海洋の中に孤立して存在する海洋島である。人為的な影響が小さな海洋島では固有性の高い生物が多く見られる。海洋島を例に挙げながら、生物生息場所の地理的な隔離が生物の進化にどのように結びつくのかを考える。

【キーワード】
海洋島、地理的隔離、種分化、適応放散、創始者効果
加藤 和弘
(放送大学教授)
加藤 和弘
(放送大学教授)
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