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化学結合論-分子の構造と機能('17)

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主任講師
橋本 健朗 (放送大学教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(火曜)10時30分~11時15分
第2学期:(土曜)15時15分~16時00分

講義概要

分子が示す様々な機能は、分子の構造と電子状態によって決まる。これらは化学結合論により関係づけられる。本科目では、共有結合・イオン結合・配位結合といった代表的化学結合とそれらができる仕組み、分子の立体構造、さらに分子間相互作用を、電子の振る舞いにまで踏み込み、量子力学の観点から整理する。その上で、機能性材料の設計指針となる分子および分子集合体の構造形成・機能発現の原理、放射線による化学結合の破壊と生体影響、生体分子の構造と機能および医薬品の働きの学習を通して、化学結合を総合的、俯瞰的に理解する。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成29年度
科目区分
コース科目(自然と環境コース(導入科目))
〔2009年度~2015年度〕共通科目(一般科目)
〔2008年度以前〕共通科目(一般科目)
科目コード
1760076
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月23日(日曜)1時限(9時15分~10時05分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月21日(日曜)3時限(11時35分~12時25分)
単位認定試験
平均点
備考
 
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授業の目標

1.原子や分子の大きさ、電子の振る舞いの特徴、化学結合ができる仕組みを理解する。
2.炭素化合物の構造多様性とその原因を結合論、原子軌道、分子軌道の観点から理解する。
3.材料として機能する分子とその集合体の構造、電子状態と機能の関係を具体例を通じて理解する。
4.分子レベルでの遺伝の仕組み、放射線による化学結合の破壊とその生体への影響を理解する。
5.生体物質の化学結合、構造、機能、反応および医薬品の働きを理解する。

履修上の留意点

特になし。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 原子、分子の世界 実験結果に基づき、電子などミクロな世界での粒子の運動状態の記述には、従来の物理学に代わる新しい理論が必要であることを示す。水素原子の離散的なエネルギー準位、電子の波動性と粒子性の二面性が重要である。原子の大きさ、励起エネルギーのオーダーも押さえる。

【キーワード】
光子、エネルギー準位、量子数、プランク定数、物質波、ボーア半径
橋本 健朗
(放送大学教授)
橋本 健朗
(放送大学教授)
2 量子化学の基礎 量子力学の基礎方程式(シュレーディンガー方程式)を作り、その性質を調べ、さらに理論に基づく予想と実験とを比較する。シュレーディンガー方程式を境界条件のもとに解くと、波動関数と離散的なエネルギー準位が得られる。水素原子が離散的エネルギー準位を持つ理由を電子の運動と結びつけて理解する。

【キーワード】
波動関数、変数分離解、シュレーディンガー方程式、ハミルトニアン、固有値方程式、固有値、確率密度、独立粒子近似
橋本 健朗
(放送大学教授)
橋本 健朗
(放送大学教授)
3 水素原子・水素様原子 水素原子の状態は、三つの量子数で指定される。波動関数は原子軌道と呼ばれ、量子数の組み合わせに応じて名前がついている。原子軌道は、動径成分と角度成分の積で与えられ、動径成分は軌道の広がりを、角度成分は軌道の方向を担う。節の数と形状、それらの量子数依存性を押さえる。

【キーワード】
原子軌道、主量子数、方位量子数、磁気量子数、縮重、動径成分、角度成分(球面調和関数)
橋本 健朗
(放送大学教授)
橋本 健朗
(放送大学教授)
4 原子と周期表 原子の姿を掴む。周期表を俯瞰的に見て、元素の並び方の規則を読み解く。元素の性質の原子番号依存性とその理由を解き明かす。水素様原子に多電子効果を取り込む考え方と、その結果が種々の原子の類似点、相違点(元素の多様性)にどうつながるのかを学ぶ。

【キーワード】
遮蔽効果、有効核電荷、電子スピン、電子配置、構成原理、パウリの原理、フントの規則、周期律
橋本 健朗
(放送大学教授)
橋本 健朗
(放送大学教授)
5 化学結合ができる仕組み 化学結合ができる仕組みを、量子力学に基づいて説明する。分子軌道法の考え方、結合性軌道、反結合性軌道、分子の電子配置を理解する。本章で学ぶ原理、規則を活用して、二原子分子ができるのか、できないのかを予想する。また、相対的な二原子分子の結合の強さを理論的に説明できるようになる。

【キーワード】
分子軌道法、軌道相互作用、結合性軌道、反結合性軌道、ポテンシャルエネルギー曲線
橋本 健朗
(放送大学教授)
橋本 健朗
(放送大学教授)
6 共有結合とイオン結合 二つの原子の原子軌道から、どのように分子軌道が構成されるかを予想するには、理論に裏付けられた簡単な指針がある。軌道相互作用と電子配置を合わせると、結合の強さや、分子内の電荷の偏りが説明できる。量子化学を活用して、化学結合の多様性とその原因を理解する。

【キーワード】
軌道相互作用、軌道相関図、占有数、結合次数、極性、共有結合、イオン結合
橋本 健朗
(放送大学教授)
橋本 健朗
(放送大学教授)
7 有機化合物:混成軌道がもたらす構造多様性 混成軌道の考え方を基に、有機化合物の炭素-炭素単結合、二重結合、三重結合がどのように形成されるのか、分子の立体構造と結合の種類にどんな関係があるのかを理解する。また非共有電子対の立体構造への影響も学ぶ。二つの電子に占有された軌道と隣の原子の空軌道の相互作用による配位結合も理解する。

【キーワード】
オクテット則、sp3混成軌道、sp2混成軌道、sp混成軌道、σ結合、π結合、立体配座、非共有電子対、VSEPR理論、遷移金属錯体
佐藤 総一
(首都大学東京准教授)
佐藤 総一
(首都大学東京准教授)
8 分子間相互作用と固体、液体 結晶の種類、構造、性質を分子間相互作用及び化学結合をもとに理解する。金属の電子状態は、原子軌道が無限に繋がったという考えを基にしたバンド理論で説明される。不純物半導体は、構成原子の電子構造の類似点、相違点を巧みに利用している。原子と固体の電子構造を結びつけて、化学の理解を深める。

【キーワード】
分子結晶、共有結晶、イオン結晶、金属結晶、ファンデルワールス力、水素結合、自由電子、バンド理論、半導体
橋本 健朗
(放送大学教授)
橋本 健朗
(放送大学教授)
9 π共役系と色素 我々の身の回りの製品は、たくさんの色で彩られている。π結合が共役したπ電子系からなる色素が、多彩な色の表現を可能にしている。π共役系が、吸収する可視光の波長を精密に制御でき、無数の色を作れる理由について量子化学的な観点から理解する。また、色の表現だけに留まらない機能性色素にもふれる。

【キーワード】
ヒュッケル分子軌道法、HOMO-LUMO遷移、染料、顔料、フォトクロミズム
西長 亨
(首都大学東京准教授)
西長 亨
(首都大学東京准教授)
10 分子結晶と有機半導体 π共役系の分子結晶では、その配列構造が結晶内でのπ電子の移動経路を決めており、電気伝導性に大きな影響を与えていることを理解する。また、適度に相互作用したπ共役系分子の集合体は、外部刺激に応答して伝導度を発現し、軽量で柔軟性の高い様々な半導体素子への応用が可能であることを学ぶ。

【キーワード】
分子結晶、半導体、有機光導電体、 有機エレクトロルミネッセンス、 有機電界効果トランジスター、 有機薄膜太陽電池
西長 亨
(首都大学東京准教授)
西長 亨
(首都大学東京准教授)
11 電離放射線の生体影響Ⅰ 電離放射線とは、原子に電離作用を及ぼす放射線の総称である。本章では、電離放射線の種類と物理化学的性質、電離放射線が化学結合を崩壊させる過程を学ぶ。さらに、生物の遺伝の仕組みを学び、電離放射線が生体に影響を及ぼすメカニズムを理解する。

【キーワード】
電離放射線、遺伝子、DNA
廣田 耕志
(首都大学東京教授)
廣田 耕志
(首都大学東京教授)
12 電離放射線の生体影響Ⅱ 電離放射線によって引き起こされる障害に、しきい値が存在する「確定的影響」としきい値が存在しない「確率的影響」があり、その違いについて学ぶ。また、電離放射線の強さを表す様々な単位について学び、電離放射線の強さによる生体影響の違いについて理解する。

【キーワード】
電離放射線、確定的影響、確率的影響、シーベルト(Sv)
廣田 耕志
(首都大学東京教授)
廣田 耕志
(首都大学東京教授)
13 タンパク質の構造 タンパク質は、多数のアミノ酸が直鎖状に重合した分子であるが、多くの場合、折りたたまれたかたちで存在する。タンパク質の構造中では、水素結合によって形成されたαヘリックス、βシートとよばれる特徴的な構造(二次構造)がみられることや、タンパク質の立体構造の分類法等を本章で学習する。

【キーワード】
アミノ酸、水素結合、αヘリックス、βシート、一次構造、二次構造、三次構造、四次構造
三島 正規
(首都大学東京准教授)
三島 正規
(首都大学東京准教授)
14 生命機能とタンパク質の立体構造 細胞内でおこる様々な化学反応において、触媒として働いているのが酵素である。酵素の多くはタンパク質であり、触媒として機能する際には、多様な化学結合が重要な役割を果たしている。本章ではDNAポリメラーゼを例にとり、酵素による触媒(本章の例ではDNA伸長)メカニズムを解説する。

【キーワード】
酵素、DNA伸長、DNAポリメラーゼ、求核置換反応
三島 正規
(首都大学東京准教授)
三島 正規
(首都大学東京准教授)
15 タンパク質の立体構造と医薬品 医薬品は、一般に、体内で特定のタンパク質に結合し、そのタンパク質が生体内で果たしている機能に影響を及ぼすことで、薬としての作用を現す。医薬品とタンパク質との結合では、さまざま化学結合が形成されているが、本章ではサリドマイドとノイラミニダーゼ阻害剤を例に解説する。

【キーワード】
サリドマイド、セレブロン、ユビキチン、プロテアソーム、インフルエンザ、ノイラミニダーゼ阻害剤
三島 正規
(首都大学東京准教授)
橋本 健朗
(放送大学教授)
三島 正規
(首都大学東京准教授)
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