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教育心理学概論('14)

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主任講師
三宅 芳雄 (放送大学客員教授)
三宅 なほみ (元東京大学教授)平成27年5月ご逝去
放送メディア
ラジオ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(木曜)9時45分~10時30分
第2学期:(土曜)14時30分~15時15分

講義概要

人は、生まれ落ちたときからすぐ、身の回りを探索しながら少しずつ世の中の成り立ちを理解して行く。そう準備されて産まれて来るともいえる。やがて子どもは、自分一人で学んだことを、親や兄弟、回りの他人など他者との関わりの中で徐々に拡げて、今まで遭遇したことがない状況にも対応できるようになって行く。本講義では、こういう人が賢くなる根本的な原理を見直して、そこから人の学びを引出す仕組みとその効果について考えよう。あなたなら、誰に対してどういう学びの場をデザインしたいか、あなたなりの「教育心理学」を作り上げて欲しい。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成26年度
科目区分
コース科目(心理と教育コース(導入科目))
〔2009年度~2015年度〕共通科目(一般科目)
〔2008年度以前〕 共通科目(一般科目)
科目コード
1118129
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月27日(木曜)5時限(14時25分~15時15分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月27日(土曜)2時限(10時25分~11時15分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)76.6点
(平成28年度 第2学期)76.5点
備考
 
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授業の目標

この講義の目標は、あなたなりの「教育心理学」を育て、あなた自身が学び続ける社会の一員になることである。講義前半では人が賢くなる仕組みを扱う。その中からあなたが納得できるものを選び出し、それらを組み合せて全体を理解しよう。そうした上で、後半で出て来る「人の賢さを育てる試み」に触れ、得られるヒントを組み合せて学びの場を設計し、実際実践して理解の程度を確かめることを目指そう。そういうサイクルを回し続けることで、私たちは、一人ひとり、学びのモデルを作り変え続ける持続的な学び手になれるだろう。

履修上の留意点

心理と教育コースのカリキュラムを構成する中心的な科目の一つである。履修を前提とする関連科目はないが、他の導入科目とともに専門科目を履修するために履修しておくことが望ましい。この講義を履修して理論的研究者のものの考え方や、実践的研究者の目の付けどころそれぞれの強みを良く吟味しておくと、より高度な実践研究に取組むための、良い準備になるだろう。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 実践の科学としての教育心理学 教育心理学の基本には「人はいかに学ぶか」という問いがある。人が賢くなる仕組みがわかれば、私たちは今日の自分を昨日の自分より賢くすることができるからである。本講義では、人が生まれながら持っている自分自身を賢くする仕組みに立ち戻り、それらをどう理解し、活用するか、その具体的な方法を探る。本章では、本講義のねらいと構成を解説している。

【キーワード】
実践の科学、経験則、社会構成主義
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
2 活動の認知過程:学ぶことと分かること この章では、人の学習の多様で複雑な姿を捉えるための理論的な枠組みを検討していく。人の学習は人の活動を通してそこに作り出される文化に影響をあたえるが、一方で人の学習もまた作り出された文化に影響される関係にある。ここでは、人の学習を文化というシステムの一環として捉えていくことを視野において、その理論的な枠組みを検討していく。

【キーワード】
活動、単位、構造、意図、目標、音声表象、視覚表象、認知的道具
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
3 人が自然に学ぶ仕組み 人は活動の中で学ぶということの意味と効果を探る。私たちは普段生活している中でいつも新しい「問題」に遭遇し、その問題を解きながら新しいことを学んでいる。人が日常的に「賢く」振舞ったり、「賢くな」かったりする例をいくつか見ながら、人の認知過程の特徴を整理し、人がどのようにしてうまく学び続けられるのか考えていこう。

【キーワード】
トップダウンの過程、ボトムアップの過程、スキーマ、制約、確証バイアス
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
4 小さい子どもの自然な学び この章では、乳児、幼児の頃、既に起きている学びを扱う。小さな子どもの世界に戻って、彼らがそもそも身の回りで起きる様々な現象を捉える仕組みを持っていること、そういった仕組みを使って、世の中を一定の方向で捉えること、いわば「世界のモデル」を持って、これから起きることを予測しつつ「学びの土台」を作り上げる様子を探る。

【キーワード】
単純化へのバイアス、本質主義、表象書き換え理論
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
5 経験から作る素朴理論 人は、小さい時から身の回りで起こることを観察し、一定の規則性を捉えようとする。こういう、自分の経験に基づいて自分なりに作り上げて予測に使うわかり方を「経験則」、経験則が集まったものを「素朴理論」と呼ぶ。ここでは物理学、生物学、天文学などに関わる素朴理論が科学的概念にどのように変わるのか「概念変化」という研究の枠組みを問題にしていく。

【キーワード】
経験則、素朴理論、フレームワーク、断片的知識、領域固有性
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
6 対話で理解が深化する仕組み 人が問いを共有した時その問いへの答えとしてそれぞれが考える案を交換し合うこと、言い換えれば知的な解を求める対話の中で、自らの賢さの質を上げて学んで行く仕組みを建設的相互作用と呼ぶ。社会的構成主義の学習観を背景に、このような学習の仕組みを紹介し、それを活用した「協調的学習過程」を取り上げる。

【キーワード】
建設的相互作用、協調学習過程、機能と機構の階層
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
7 遊びから学ぶ 人は、遊びながらでも学ぶ。この章ではそういう場面を作り出し、観察してそこで置きている事を分析した研究例を紹介しよう。そこで、自発的な創意工夫がどのような意味を持つのか、また、社会的な相互作用との関わりも視野に入れながら、学びと動機づけとの関係について考えてみよう。

【キーワード】
好奇心、内発的動機付け、外発的動機付け、社会的な相互作用
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
8 日常経験から学ぶ 人はもともと自分にとって意味のある生活や仕事の場の中でうまく学んでいく。これまで「学校的な学び」で考えられてきたよりずっと有能であり、かつ自らの有能さを育て続けることができる存在である。そのような日常生活の中での学習の実態を子供達の「路上計算」など文化人類学的な研究から紹介しよう。

【キーワード】
日常生活の中での学習、路上計算、文化人類学
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
9 熟達する、職場で学ぶ 人が現実の生活の場面で必要とする専門的な力は「学校」で学ぶだけでは獲得できないことが普通である。学校はむしろそのような専門的な力を仕事の場で学んでいくための準備の場になっている。専門的な力は時間のかかる熟達の過程である。このような熟達の過程で何が起こっているのか、また職場という現実社会の中で成立する学習について検討していこう。

【キーワード】
熟達化、専門家の研究、定型的熟達化、適応的熟達化
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
10 問題を見つけて、解きながら学ぶ この章では、The Jasper Project という一連の教材の一つを紹介し、問題を見つけて、解きながら、何が学べるかを見て行く。学校で学ぶ課題はそのものも、場面をうまく設定すれば、子どもたち自身が見つけてその解き方を工夫し合って、いろいろな答えの出し方をして、その答えの出し方をみんなで楽しむ授業が可能になる。

【キーワード】
The Jasper Project、マイクロワールド、Learning by Design
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
11 結果の予測を積み重ねて科学する 子どもの経験則は、新しく起きる現象の結果がどうなるか、予測する力を持っている。そのような子供の力に依拠し、「新しく遭遇する現象」について予測することを繰り返し行うことによってで、教室の中で科学を学ぶ活動を引き起こす実践例を二つ取り上げ検討する。

【キーワード】
仮説実験授業、WISEプロジェクト
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
12 知識を統合して新しい答えを作る この章では、学習指導要領や教科書にある典型的な学校型の学びを対象に、対話で学ぶ原理を持ち込んで、一人ひとりの経験則や、教科書に説明してある一つひとつの断片的な知識を自分たちで集め統合して答えを作る活動に仕立て上げ、一人ひとりの主体的な学びを支援する「知識構成型ジグソー法」を紹介する。

【キーワード】
協調学習、建設的相互作用、知識構成型ジグソー法
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
13 テクノロジーの時代の学習と教育 インターネットとコンピューターに代表される現代のテクノロジーは人の生活を大きく変えつつある。そのような社会の変化に伴い、人の活動も変わり、学習の姿も変わってくる。また、意図的な学習支援の場としての学校も変わらざるを得ない。これまで学校がはたしてきた役割と、今の時代に要請される学びのゴールについて、さまざまな角度から比較しながら検討する。

【キーワード】
徒弟制時代、訓練可能性、公教育制度時代、生涯学習時代、Alternative School
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
14 学びと評価を近づける 評価というと、どうしても「決められたゴールに到達したかをテストで測ること」と考えてしまう。しかし、今までに取り上げてきた教育実践は、いずれも従来ののテストでは簡単に計れない学力や知力の獲得を目指している。この章ではまず評価とは何かを見直し、21世紀型と呼ばれる学力についての最近の考え方を基礎に、変革的な形成的評価を検討していく。

【キーワード】
評価の三角形、21世紀型スキル、形成的評価
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
15 学習の実践的な研究のこれから
-21世紀の学びに向けて
この章では学習、教育の主要な研究者の考え方を紹介しつつ、それに添って私たち二人の著者のコメントを加えて行く。そこから、あなた自身の取組みたい教育の実践、学習研究の具体像が生まれてくることを期待している。

【キーワード】
 
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 なほみ
(元東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
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