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認知心理学('13)

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主任講師
高野 陽太郎 (東京大学名誉教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(水曜)14時30分~15時15分
第2学期:(土曜)0時45分~1時30分

講義概要

認知心理学は、人間の心の働きを情報処理プロセスとして理解しようとする心理学です。人間は、目や耳などの感覚器官から環境についての情報を入力し、それを選別したり、貯蔵したり、加工したりして、環境に適応するための行動という形で出力します。この授業では、そうした情報処理のプロセスについて、認知心理学ではどのようなことが明らかになってきたのかを調べます。話の中心は、人間の情報処理の特色になっている高次認知(記憶・言語・思考など)です。また、目で見ることも手で触ることもできない心の働きをどのように研究するのかという研究方法の問題、あるいは、認知心理学の研究がどのように役立つのかという実用の問題についても考えてみることにします。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成25年度
科目区分
コース科目(心理と教育コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(心理と教育コース)
〔2008年度以前〕 専門科目(発達と教育専攻)
科目コード
1528904
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月30日(日曜)2時限(10時25分~11時15分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月23日(火曜)4時限(13時15分~14時05分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)79.4点
(平成28年度 第2学期)78.2点
備考
 
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授業の目標

この授業の最大の目標は、人間の認知を実現している仕組み、および、その特性について、知識を広げ、理解を深めることです。何故そのような仕組みになっているのかという認知の適応的な機能についても考えてみたいと思います。また、欲を言えば、研究方法が適切かどうかという観点から学問的な知見を吟味する習慣も身につけることができればと思っています。

履修上の留意点

この科目では、放送教材と印刷教材の内容は、完全に同じではありません。「話の大筋は同じで、取り上げる研究例や実例が少し違う」という場合が多いのですが、内容がかなり異なる回も幾つかあります。1つ1つの事項について、できるだけ丁寧に説明をしようとすると、どうしてもスペースが足りなくなってしまうので、この科目では、両方を合わせて、認知心理学の全体像が掴めるようにしたいと考えています予習は必要ではありませんしかし放送教材を視聴した後印刷教材を読んで復習をすることは、理解を広げたり深めたりすることに役立つでしょう。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 認知心理学のプロフィール 第1回は、認知心理学の紹介です。認知心理学というのはどのような心理学なのか、大局的な視点から俯瞰します。研究の対象、認知研究の歴史、認知を理解するための概念的な枠組みなどについてお話をします。

【キーワード】
情報処理パラダイム、適応論パラダイム、概念装置
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
2 認知心理学の研究方法 五官では直接捉えることのできない精神活動をどのようにして科学的に研究するのかは、心理学にとって、常に直面し続けなければならない重要で困難な問題です。五官では捉えられない精神活動の最たるものである心的イメージの研究を例にとって、この問題に認知心理学がどう対処してきたのかを調べます。

【キーワード】
研究法、反応時間、イメージ
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
3 知覚 この回から、認知プロセスを入力から出力まで順に追っていくことになります。まず最初は、情報を入力するプロセスである知覚です。主に視知覚を対象にした研究を取り上げ、環境についての有用な情報を得るために、知覚プロセスがどのような情報処理をしているのかを検討します。

【キーワード】
立体視、恒常性、補完、運動からの構造復元
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
4 注意 感覚器官からは絶えることなく大量の情報が流れ込んできます。とても全ての情報を処理することはできません。環境について重要な事柄を知らせてくれる情報を選り分ける必要があります。それが注意です。情報をどのように選別するのか、人間はどれぐらいの処理能力を持っているのかといった問題を検討します。

【キーワード】
選択的注意、分割注意、注意の容量、視覚的注意
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
5 記憶1:さまざまな記憶 人間の記憶は1つではありません。さまざまな種類の記憶があります。この回では、記憶の全容を概観するために、どのような種類の記憶があるのかを紹介します。

【キーワード】
長期記憶、作動記憶、手続き記憶、宣言記憶
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
6 記憶2:記憶の適応的な特性 この回では、記憶がどのように適応に役立っているのかを考えます。記憶については、非常に多くの現象が知られていますが、その多くは、環境への適応という観点から見ると、その意味を理解することができます。

【キーワード】
符号化特定性原理、処理水準、目撃証言
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
7 記憶3:知識の構造 宣言的記憶の中で、知識がどのように構造化されており、どのように想起され、どのように忘却されるのかを考えてみます。

【キーワード】
意味ネットワーク、スキーマ、カテゴリ、活性化、意味
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
8 思考1:演繹的推論 環境を正確に認知するためには、複雑な情報処理が必要になる場合もあります。そのような情報処理が推論です。高度の推論能力は、人間の認知の際立った特色であり、非常に柔軟性の高い適応行動を可能にしています。その一方で、組織的な偏りが生じる場合もあることが知られています。

【キーワード】
三段論法、信念バイアス、選択問題
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
9 思考2:帰納的推論 帰納的推論は、環境の中の規則性を見出すことによって、環境によりよく適応することを目的とした情報処理です。この回では、帰納的推論に関する代表的な研究を紹介します。

【キーワード】
確証バイアス、基準率無視、ヒューリスティクス
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
10 思考3:意思決定と問題解決 この回では、推論以外で特に研究が進んでいる高度な情報処理として、意思決定と問題解決を取り上げます。複数の選択肢がある場合に、どれを選ぶかという情報処理が意思決定、記憶から答を探し出すことのできない問題について、答を得るための情報処理が問題解決です。

【キーワード】
フレーミング効果、プロスペクト理論、機能的固着
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
11 言語1:心理言語学 言語については、言語学という分野がありますが、認知心理学には、言語を研究対象とする心理言語学という分野があります。この回では、心理言語学が言語のどのような面を研究しているのかを紹介します。

【キーワード】
言語習得、臨界期仮説、言語相対性仮説
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
12 言語2:理解と産出 人間が言語をどのように理解し、どのように産み出すのかという問題についての心理学的な研究を紹介します。音声の知覚、文字の認知、単語の認知、文の理解、文の産出などのトピックを取り上げます。

【キーワード】
カテゴリカル知覚、音素修復、単語優位効果
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
13 学習 認知心理学では、知識や技能を身につけていくプロセスも研究されてきました。高度の技能を身につけた熟練者と初心者を比較した研究も行われてきました。この回ではそうした研究を紹介します。また、学習を行なう神経回路のモデルについても簡単に紹介します。

【キーワード】
熟達化、熟練者、並列分散処理
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
14 社会的認知 人間にとって、他の人間、および、人間がつくる社会集団は、環境の中の非常に重要な部分です。人間の認知は、人間集団の中で適応的な行動をとるために発達してきたという側面もあります。この回では、認知心理学と社会心理学の境界領域で研究されてきた、人間についての認知を取り上げ、過去の研究成果を概観します。

【キーワード】
二過程モデル、帰属、対応バイアス、ステレオタイプ
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
15 実生活との接点 最後の回では、認知の研究が実生活とどのような関係を持っているのかを考えてみます。実生活と関係のあるさまざまな研究を概観した上で、外国語使用に伴う思考力の低下という現象を少し詳しく論じ、この研究が現実の国際交流の中で持つ意味を考えてみます。

【キーワード】
外国語副作用
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
高野 陽太郎
(東京大学名誉教授)
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