授業科目一覧
基盤科目
コース科目
卒業研究(全科履修生のみ)
夏季集中科目
メニューここまで

日本の教育改革('15)

※印刷用にはシラバスPDF版新規ウィンドウ をご利用ください
主任講師
小川 正人 (放送大学教授)
岩永 雅也 (放送大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(木曜)15時15分~16時00分

講義概要

2000年前後からの構造改革、経済のグローバル化、2009年の民主党政権誕生と2012年の自民党の政権復帰等、2000年以降の大きな社会経済・政治の大変動の下で、近年、教育政策が大きく変化し、多様な教育改革が試みられている。これまでの教育改革は、教育内容を中心とした部分的見直しを特徴としたのに対して、今次の教育改革は、教育の構造改革と称され、学力観の転換や教育課程の見直しと共に、教育活動とその成果を誰がどのように適切に管理していくのかという教育の統治(ガバナンス)のあり方を見直すために、学校教育制度、教育行政手法等も同時に大きく改革しようとする特徴をもっている。その試みは、社会経済・政治からの「外圧」だけではなく、1950年代に確立し継続してきた教育制度が60年を経て「内在」的にも様々な問題を抱える中で問われてきた課題への模索でもある。
本科目では、国レベルの教育政策の変化と主要な領域の教育改革を概説しその取り組みの課題を考えていく。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成27年度
科目区分
コース科目(心理と教育コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(心理と教育コース)
〔2008年度以前〕 専門科目(発達と教育専攻)
科目コード
1528998
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成28年度 第2学期:平成29年1月24日(火曜)2時限(10時25分~11時15分)
平成29年度 第1学期:平成29年7月26日(水曜)6時限(15時35分~16時25分)
単位認定試験
平均点
(平成27年度 第2学期)69.4点
(平成28年度 第1学期)69.4点
備考
 
このページのトップへ本文ここまで

授業の目標

今日の教育政策や教育改革に関する基本的知識等を身につけ、新聞・テレビ等の教育関係の報道内容を理解できるようにしたうえで、教育政策や教育問題をめぐる主要な論点・争点に対して自分で判断し自分の意見をまとめることができるような学習に資することをめざす。

履修上の留意点

本科目に関係する科目として「教育の社会学('15)」「生涯学習を考える('17)」「学校と法('16)」「現代日本の教師-仕事と役割-('15)」等が開講されているので、自分の関心に沿って受講することが望ましい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 戦後日本の教育改革の展開
-沿革と課題-
戦後日本の画期となる教育改革の展開を学ぶ。戦後初期の教育改革、1970年代から1980年代の量的拡大から質的転換を図ろうとし生涯学習社会の提唱と「自由化」改革の端緒をつくった臨教審改革、2000年代以降に本格化する教育の構造改革の試み等、それら諸改革の背景とその歴史的位相を考える。

【キーワード】
戦後教育改革、米国教育使節団報告書、憲法・教育基本法体制、後発効果、社会的選別機能、臨教審、21世紀型学力、教育の構造改革
小川 正人
(放送大学教授)
小川 正人
(放送大学教授) 岩永 雅也
(放送大学教授)
2 国の教育行政機関と教育改革の政治過程 国の教育政策決定過程と行政運営の実際をそれに携わる政府(内閣、文部科学省等)や政党等の活動を通して学ぶ。同時に、戦後長期間に亘った自民党政権下(一党優位体制)における教育政策決定のしくみと過程の特徴を概観した後、2001年以降の中央省庁再編等によって、政権交代(2009年、2012年)を跨いで進展した政治主導による教育改革の政治過程の変容を追いながら国の教育政策決定のあり方について考える。

【キーワード】
文部科学省、政権与党、文教族、教育下位政府(教育業界)、中央省庁再編、内閣府、政治主導
小川 正人
(放送大学教授)
小川 正人
(放送大学教授)
3 国と地方の教育行財政改革 戦後初期の教育改革によって創設され近年まで維持されてきた国と地方を通じた教育行財政制度の仕組みと特徴を学ぶ。その上で、その教育行財政制度が2000年前後以降の政治、社会経済等の変化の下、どのような改革論議の中に置かれどう改革されてきたのかを確認し、今日の教育行財政制度の基本的課題を考える。

【キーワード】
義務教育費国庫負担制度、県費負担教職員制度、義務教育の構造改革、出口管理型教育行政、教育振興基本計画、総額裁量制、人事権委譲、条例による事務処理特例
小川 正人
(放送大学教授)
小川 正人
(放送大学教授)
4 自治体教育行政と教育委員会制度改革 教育行政の民主化・分権化の象徴ともいえる教育委員会制度の歴史と近年の改廃論議の経緯、直近の制度改革について学ぶ。教育委員会制度は、地域社会が主体となって地域の学校・教育を管理経営するしくみとして戦後教育改革によって誕生した。しかし、その後の政治・社会の変化の下で様々な論議と制度改革を経て今日に至っている。近年の改廃論議と直近の制度改革を踏まえて今後の自治体教育行政のあり方について考える。

【キーワード】
行政委員会、教育委員会法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)、地方分権改革、教育再生実行会議
小川 正人
(放送大学教授)
小川 正人
(放送大学教授)
5 幼児教育改革と幼保一体化 幼稚園・保育所の幼児教育・保育は、都市圏での保育所待機児童の増大と全国的な少子化という大きな流れを背景に、幼稚園と保育所を一体とすることと公的投資を増やすことなどの課題を20年来抱えてきた。2012年8月に「子ども・子育て支援法」が成立し、幼保の一体化が幼保連携型認定こども園を中心に進み始め、公的投資も増えていく見込みである。その質的向上が求められる。

【キーワード】
幼稚園、保育所、認定こども園、子ども・子育て支援、幼保一体化、幼児教育、保育
無藤 隆
(白梅学園大学教授)
無藤 隆
(白梅学園大学教授)
6 幼小・小中・中高の連携・接続・一貫教育 校種間の連携・接続はまず中高の間の中等教育学校の設立が制度化された。ついで、小中の間の連携・接続からさらに一貫教育の可能性が目指されている。幼児教育(幼稚園と保育所)と小学校の間の連携はカリキュラムの接続の推進へと向かっている。学校校種毎の改革が進む中で校種間のつながりを改善することはトータルとしての学力と人間的成長を学校教育が保証するための手立てとして大きな意義を担うようになってきた。

【キーワード】
中等教育学校、小中接続、小中一貫、幼小接続、幼稚園、保育所、小学校、中学校、高等学校、校種間連携
無藤 隆
(白梅学園大学教授)
無藤 隆
(白梅学園大学教授)
7 学校を巡る改革の動向と教育課程 国際的な学力調査により国の学力水準を測定することが世界的に定着した。それは教育が国力の基礎だという認識が定着したからである。特に、OECD諸国において、基礎学力に関わる調査に加えて、知的道具の活用を中心とする学力の見方が打ち出され、PISA調査として具体化された。そこでの学力の見方は日本の学習指導要領の改訂にも生かされている。また文科省は「全国学力・学習状況調査」を毎年行い、基礎学力とPISA型の学力の把握に努めるようになった。さらに今後、21世紀型学力の構想を巡って、その発展が検討されている。

【キーワード】
学力、基礎学力、学力調査、PISA、全国学力・学習状況調査、21世紀型学力
無藤 隆
(白梅学園大学教授)
無藤 隆
(白梅学園大学教授)
8 「開かれた」学校づくりの動向と課題 公立義務教育学校は、地域の文化と子育ての中核的な存在で常に地域との係りの中でそのあり方が問われてきた。特に、1980年代以降、家庭や地域社会等が大きく変容する下で、公立学校を巡って様々な改革論議がなされ、保護者・子どもの地位・発言権の確保の課題や保護者・地域の学校参加・連携協力等による「開かれた」学校づくりなどが試みられてきている。それら近年の動向を学びながら、今後の保護者・地域との係りと「開かれた」学校づくりの課題を考える。

【キーワード】
学校部分社会論、子ども人権オンブンズパーソン、学校内第三者機関、いじめ防止対策推進法、学校参加、学校評議員(制度)、学校運営協議会(コミュニテイ・スクール)
小川 正人
(放送大学教授)
小川 正人
(放送大学教授)
9 教員を巡る制度改革 近年の教員を巡る制度改革の中で最も重要な改革は、義務教育費国庫負担制度の改革であった。教員の給与・財源を概観し、国庫負担制度の改革の背景を検討するとともに、メリハリのある給与への移行という観点から始まった能力による評価と教員管理のシステム、学校組織の変革の流れをたどる。同時に、地方分権、公務員改革という制度変革が、教員にはどのように表れてくるのかについて考える。

【キーワード】
義務教育費国庫負担制度、メリハリのある給与、教員評価、教育委員会制度、公務員制度改革
油布 佐和子
(早稲田大学教授)
油布 佐和子
(早稲田大学教授)
10 教員養成の改革
教員の資質向上策は、常に教育改革の中心的課題である。我が国の、大学における開放制・免許主義の原則に基づく教員養成の現代的課題と、2006年中教審答申およびその制度改革(教職実践演習設置、教職大学院開設、教員免許更新制度導入)について概観する。また、高い資質を有する教師の養成の内容について、海外の動向も紹介しながら、改革の状況を検討し、どのような教員が期待されているのかを考える。

【キーワード】
中央教育審議会、教育実践演習、教職大学院、免許更新制度、専門職規準、アクレディテーション
油布 佐和子
(早稲田大学教授)
油布 佐和子
(早稲田大学教授)
11 後期中等教育の多様化 後期中等教育、つまり高校教育のシステムは、戦後の単線化を基軸とする学校制度の中で、普通科の増設、コンプリヘンシブ化など、総合化政策の基調にあった。しかし、臨教審改革以降は政策に大きな変化が生じ、高校教育に多様化の方向性が強まってきた。ここでは、1980年代以降の後期中等教育政策の転換と、それによる高校教育の変化を俯瞰する。

【キーワード】
後期中等教育、高等学校、普通科、職業科、総合制高校、専門高校、単位制
岩永 雅也
(放送大学教授)
岩永 雅也
(放送大学教授)
12 高等教育改革の背景 戦後長い間、日本の教育は「初等中等は一流だが高等は三流」という国際的評価を受けてきた。そうした日本の大学教育への批判は、大学内部からも学園紛争のような形で、すでに1970年代初頭には噴出していたのである。1980年代に始まる教育改革の一つの重要な領域として高等教育が上がってきたのも、そうした背景からすれば当然のことだったのである。ここでは、日本の高等教育改革の背景を、歴史的な視点も交えながら見ていく。

【キーワード】
大学、新制大学、私学、マスプロ教育、定員超過、進学率、短期大学、科学技術人材養成
岩永 雅也
(放送大学教授)
岩永 雅也
(放送大学教授)
13 高等教育における制度改革 日本における高等教育レベルでの本格的な改革は、ようやく1990年代に入って始まったといってよいだろう。大学審議会の設置、設置基準の大綱化、遠山プラン等々、日本の高等教育システムの根幹に関わる制度上の施策が矢継ぎ早に現実のものとなっていった。ここでは、そうした高等教育改革の経緯と展開、そして諸施策の結果とその影響について詳細に検討していく。

【キーワード】
大学設置基準、大綱化、アクレディテーション、大学評価、学位授与機構、遠山プラン、国立大学法人化、現代GP
岩永 雅也
(放送大学教授)
岩永 雅也
(放送大学教授)
14 教育改革と生涯学習 1980年代後半の臨教審答申と、それを受けて成立した90年の「生涯学習振興法」により、生涯学習体系への移行という国の教育改革政策はきわめて明確なものとなった。それに伴って、地域の現場では教育委員会による社会教育行政と、首長部局による生涯学習行政との並立という状況が出来した。そこで何が変わり、どのような状況が生じたのか、学習者にとってそれにはどのような意味があったのかを明らかにした上で、現在の生涯学習行政について検討する。

【キーワード】
「46答申」、臨教審、新自由主義、教育改革、セーフティネット論、 「生涯学習振興法」、首長部局
岩永 雅也
(放送大学教授)
岩永 雅也
(放送大学教授)
15 日本型教育改革のゆくえ 日本における近代以降「第三の教育改革」といわれる1970年以降の教育改革について、その意味と意義、他の諸国における教育改革との共通点と相違点などを踏まえた上で、今後の日本の教育システムの問題点と課題、そしてその改革の方向性と可能性について、多角的に議論する。

【キーワード】
中央教育審議会、教育改革国民会議、教育基本法改正、私事化
岩永 雅也
(放送大学教授)
岩永 雅也
(放送大学教授)
小川 正人
(放送大学教授)
このページのトップへ本文ここまで
授業科目案内 教養学部 放送大学