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乳幼児心理学('16)

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主任講師
山口 真美(中央大学教授)
金沢 創(日本女子大学教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(木曜)7時30分~8時15分
第2学期:(日曜)0時45分~1時30分(10月8日より放送)

講義概要

視覚と聴覚という基礎的なメカニズムの発達から、社会性の萌芽や言語の発現へと続く、乳幼児の心理の発達段階について、最新の知識を踏まえながら、学んでいく。実際の実験場面を検討しながら、子ども達の持つ意外な潜在能力について理解を深めつつ、発達にはなにが必要なのかを理解し、最後にはこれらの心理学の知識を生かした、現場での実践について学習する。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成28年度
科目区分
コース科目(心理と教育コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(心理と教育コース)
〔2008年度以前〕 専門科目(発達と教育専攻)
科目コード
1529080
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月25日(火曜)4時限(13時15分~14時05分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月25日(木曜)1時限(9時15分~10時05分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)61.3点
(平成28年度 第2学期)63.2点
備考
「乳幼児心理学('12)」の単位修得者は履修不可
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授業の目標

乳幼児における心理メカニズムの発達を学び、あわせて乳幼児を対象とした心理学の方法を学ぶこと。視覚・聴覚という基礎的なメカニズムからどのように社会性と言語の萌芽へと続いて行くのか、その発現過程を詳細に検討した、さまざまな実験を学びながら、乳幼児の心理メカニズムについて学習して行く。このような新しい知識を得た上で、さまざまな個性を持つ乳幼児の理解をめざす。

履修上の留意点

実験でわかった結果(乳幼児の心理の発達過程)だけを単純に覚えるのではなく、どのようにしてそれぞれの発達メカニズムが解明されたのかを、実験心理学の方法の理解を通じて、そのプロセスをしっかりと頭に入れてほしい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 新しい乳幼児心理学の概要 乳幼児の認知能力を計測する実験の方法について解説する。乳幼児は大人のように、言葉を駆使して自らの意思を表現することができない。こうした乳幼児を対象に、言語を使用せずに実験する方法が考えられてきた。

【キーワード】
選好注視法、馴化・脱馴化法
山口 真美
(中央大学教授)
金沢 創
(日本女子大学教授)
山口 真美
(中央大学教授)
金沢 創
(日本女子大学教授)
2 視力の発達 視覚にかかわる脳の発達に伴い、発達していく基礎的な視覚能力について解説していく。縞視力に代表される視力などはその典型であるが、視力以外にも、コントラスト感度の発達やチラツキに対する感度の発達など、脳の発達と直接リンクした視覚発達は物体の認知や社会性の認知の制約となる重要な能力である。

【キーワード】
視力、コントラスト感度、時間周波数
金沢 創
(日本女子大学教授)
金沢 創
(日本女子大学教授)
3 色がわかること 色を見る能力とそのメカニズム、そしてその発達について解説する。色を見ることは、単純に網膜レベルで成立するものではなく、照明と物体表面を分離し、面が持つ物理的な質感を推定するいわゆる色恒常性や明るさの恒常性の能力とかかわる。ここでは、主に色恒常性や、色カテゴリを弁別する能力について解説する。

【キーワード】
色の恒常性、錐体細胞、色カテゴリ
山口 真美
(中央大学教授)
山口 真美
(中央大学教授)
4 顔をみること 顔の認知は、プリミティブなものであれば新生児にも可能といわれる。一方、目鼻の顔部分の詳細な配置に基づく人物同定は、人見知りの始まる7ヶ月ごろにようやく可能となる。近年発展してきた乳児の脳科学研究の成果も含め、社会性の基礎となる顔認知について解説する。

【キーワード】
顔認知、顔模式図形、顔の動き
市川 寛子
(東京理科大学講師)
市川 寛子
(東京理科大学講師)
5 言語の獲得(1)
音声知覚の発達
こどもは生活環境にあることばを母語として自然に身につけていく。その最初のステップとなる母語に適した音声知覚様式の獲得過程を、実証的研究を交えて紹介する。あわせて、養育環境にいる大人の語りかけが担う役割を解説する。

【キーワード】
初期の音声知覚能力、知覚の最適化、乳児への語りかけ
麦谷 綾子
(NTTコミュニケーション科学基礎研究所主任研究員)
麦谷 綾子
(NTTコミュニケーション科学基礎研究所主任研究員)
6 言語の獲得(2)
音から言葉へ
こどもの語彙獲得の前提となる単語切り出し能力、語に意味を付与する能力の芽生えを解説し、日本語の自然発話データから初期の語彙獲得過程を紹介する。あわせて、乳幼児期の急激な語彙獲得の背景にあるメカニズムを解説する。

【キーワード】
単語の切り出し、語彙獲得のメカニズム
麦谷 綾子
(NTTコミュニケーション科学基礎研究所主任研究員)
麦谷 綾子
(NTTコミュニケーション科学基礎研究所主任研究員)
7 動きがわかること 動きを見ることから発達は始まり、形を見る能力を促進する効果がある。にもかかわらず、発達障害では動きを見ることに障害が見られることが多い。運動視の能力をささえる頭頂葉へと至る背側系と、形態視をささえる側頭葉へと至る腹側系の関係を解説する。

【キーワード】
腹側経路、背側経路、運動視
金沢 創
(日本女子大学教授)
金沢 創
(日本女子大学教授)
8 空間にかかわることの発達 運動発達に伴う、空間を見る能力の発達について解説する。網膜の2次元に限定された情報から、3次元に広がる世界を認知することは、自由に物をつかんで世界の中で動き回るために、不可欠な能力である。この発達過程を、脳の発達ともあわせて解説する。

【キーワード】
頭頂葉、奥行き知覚、空間認知
山口 真美
(中央大学教授)
山口 真美
(中央大学教授)
9 知識の発達 近年の種々の研究から、乳児が、自分と他者の違いや自分に関する自己の領域、物体の基本的な性質や運動などの物理の領域、他者との関係や他者の心や意図などの社会の領域について素朴な知識の集合を持っていることが示されている。乳児期におけるこれらの知識発達について、実証的な研究を交えながら解説する。

【キーワード】
知識領域、自己、物理領域の知識、社会領域の知識
板倉 昭二
(京都大学大学院教授)
板倉 昭二
(京都大学大学院教授)
10 社会性の発達(1)
乳児期からの発達
乳児は他者の目や視線を敏感に検出し、情報を読み取る能力をもっている。他者が何を見ているか、いま何に注意を向けるべきかを理解する能力は、その後のコミュニケーション能力の発達の基盤となる。実験的研究を紹介しながら、その発達過程を解説する。

【キーワード】
視線、視線追従、共同注意、心の理論
市川 寛子
(東京理科大学講師)
市川 寛子
(東京理科大学講師)
11 社会性の発達(2)
乳児期から幼児期へ
対人関係における社会的相互作用は、他者の認知、思考の制御、場面の推論能力、ふりなどの想像力など、多くの機能が複合することにより可能となる、総合的な発達にかかわる。自己像認知や抑制機能など、具体的な能力を検討した研究を紹介しながら、その発達を解説していく。

【キーワード】
自己像認知、表情認知、抑制機能
市川 寛子
(東京理科大学講師)
市川 寛子
(東京理科大学講師)
12 音楽認知の発達 こどもたちは、幼いころから音楽のメロディーやリズムに親しむ。また、どの文化にも子守歌や遊び歌といった、乳幼児に聞かせるための歌が存在する。こどもと音楽との親和性に焦点をあて、乳児期の音楽認知能力や、音楽の発達へのかかわりを解説する。

【キーワード】
音楽、対乳児歌唱、未熟児の音楽療法
麦谷 綾子
(NTTコミュニケーション科学基礎研究所主任研究員)
麦谷 綾子
(NTTコミュニケーション科学基礎研究所主任研究員)
13 食の発達 食は生きるための基本である。胎児から乳幼児にかけて、食はどのように発達するのか、そのメカニズムを探る。乳児は危険な食物を避けるために、基本として新しい食物への新規性恐怖をもつ。どのように食を与えて発達を促すべきかについて解説する。

【キーワード】
新規性恐怖
山口 真美
(中央大学教授)
山口 真美
(中央大学教授)
14 障害と発達 発達障害の様々なタイプを概観し、自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの概念を整理する。その上で、自閉症という病気が見いだされた歴史的経緯を解説する。発達障害児の社会適応のためには、早期発見と早期介入が重要となるが、M-CHATをはじめとする早期発見のための様々なテストを解説し、中でも共同注意の重要性について考えていく。また、認知行動療法に基づく介入の有効性についても概観する。

【キーワード】
発達障害、自閉症、M-CHAT、共同注意
金沢 創
(日本女子大学教授)
金沢 創
(日本女子大学教授)
15 まとめ : 乳幼児心理学の現在と未来 従来の発達心理学の枠組みを超えて、脳科学、認知科学、工学などを総合した新しい乳幼児心理学を解説する。医療や教育に対し、実験室で得られた結果を展開する発達健診などを参考に、乳幼児心理学の展望を解説し、新しい視点からさまざまな個性をもつ乳幼児の理解のしかたについて提示する。

【キーワード】
脳科学、認知科学、教育学
山口 真美
(中央大学教授)
金沢 創
(日本女子大学教授)
山口 真美
(中央大学教授)
金沢 創
(日本女子大学教授)
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