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現代社会の児童生徒指導('17)

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主任講師
古賀 正義 (中央大学教授)
山田 哲也 (一橋大学大学院教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(日曜)20時45分~21時30分
〔再放送〕(木曜) 6時00分~6時45分
第2学期:(木曜)13時00分~13時45分

講義概要

児童生徒指導あるいは生活指導は、学校教育において、教科指導と並ぶ重要な教育活動である。今日、こうした指導は問題行動への対応という治療的予防的側面のみならず、全ての児童生徒を対象に、集団活動を通した社会的リテラシーや市民性の形成というより開発的側面への理解を必要としている。
講義では、児童生徒指導の意義・目的、児童生徒理解の方法、児童生徒集団の理解、教師の組織的指導方法など指導実践の最新の課題を解説するとともに、問題行動に対する具体的な指導法、また集団活動を通した社会性形成の方法、さらに家庭や地域社会、NPO等の教育関連諸機関と連携した実践といった今日的な諸課題についても取り上げる。全体を通して、受講する教師の皆さんをはじめ教育関係者の方々を意識しつつ、現代社会の中での児童生徒指導の意義を論じる。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成29年度
科目区分
コース科目(心理と教育コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(心理と教育コース)
〔2008年度以前〕 専門科目(発達と教育専攻)
科目コード
1529161
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月23日(日曜)1時限(9時15分~10時05分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月21日(日曜)3時限(11時35分~12時25分)
単位認定試験
平均点
備考
 
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授業の目標

児童生徒指導は、いうまでもなく児童生徒を客観的に理解することから始まる。そのために、現代社会を生きる児童生徒の特質を理解する方法や資料・情報を収集する方法を具体的な課題を通して学ぶとともに、彼らの意識や行動、態度の背後に、それらを規定している今日の社会的文化的諸条件が存在していることも理解して、現実的な児童生徒指導を進めていくための学究的視点を得ることを目的とする。さらに、教職の必修選択科目として、教育現場の実態を踏まえた指導方法の実践的理解も深めていきたい。

履修上の留意点

貧困格差社会を生み出す近年の急激な社会変化に呼応して学校を取り巻く社会・情報環境の変化も大きくなり、それに連れて、児童生徒の意識や行動、生活様式も変化して、新たな学校教育問題も発生している。こうした状況下では、現場に立つ教育関係者も新しい児童生徒理解の方法や指導方法、学校での組織的対応に迫られているといえる。受講生には、現職の教員や保育士、また教員志望の人たちなどが多いと思われ、さらには保護者、青少年育成や児童福祉などに携わっている人々も受講すると思われるので、現代社会の中の児童生徒指導に関わる諸問題をわかりやすく解説していきたい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 児童生徒指導と現代の学校教育 急速な情報・社会環境の変化の中で、子ども・若者の問題行動を改善・予防するばかりでなく、学校における児童生徒指導を通して、社会参加・参画可能な資質を形成していくことが求められている。指導の現代的な意義と学校教育の役割の変化を概観する。

【キーワード】
日本型循環モデルの瓦解、市民性教育、生徒指導提要、開発的指導
古賀 正義
(中央大学教授)
古賀 正義
(中央大学教授)
山田 哲也
(一橋大学大学院教授)
2 児童期・青年期の社会的心理的特徴と自己形成 子ども・若者にとって児童期から青年期に至る時期は、社会の担い手として自己を形成してゆくことが周囲から期待され、発達に伴う心身の変化も著しい時期である。ここでは社会的・心理的な側面から児童生徒が成長する時期を区分し、その特徴について考える。

【キーワード】
ライフサイクル、発達、自己形成
山田 哲也
(一橋大学大学院教授)
山田 哲也
(一橋大学大学院教授)
3 児童生徒集団の構造と機能 スマホなど情報ツールの拡大に伴って、子ども・若者のコミュニケーション能力の不足や仲間関係づくりの困難さがたびたび指摘されている。スクールカーストやキャラ化の進む教室内での生徒集団の構成のされ方を今日的に理解する。

【キーワード】
準拠集団化の変容、キャラ化、「優しい関係」、集団の力学
古賀 正義
(中央大学教授)
古賀 正義
(中央大学教授)
4 児童生徒理解の方法と教育相談 児童生徒の抱える問題の原因を「心の歪み」に求める声が拡大するとともに、臨床的な相談活動・カウンセリングマインドばかりでなく、ソーシャルスキルを育成する実践的学習を取り入れる必要性が指摘されるようになった。ここでは、児童生徒指導における教育相談の役割と、その中心にある「児童生徒理解」の方法について考える。

【キーワード】
児童生徒理解、教育相談、心理主義、観察法
田中 理絵
(山口大学准教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
5 教師・生徒関係の今日的特質 子ども・若者の価値観が私生活化・個人化するに伴って、校内暴力の認知の増加など教室の秩序を維持する規律統制的な方法が容易には受け入れられなくなっている。学力に伴う生徒文化の違いや学級の荒れの出現などを概観しつつ、教師・生徒関係の変容をめぐる今日的課題を検討する。

【キーワード】
学校のコンサマトリー化、反学校文化、学級崩壊、ジレンマ・マネージャーとしての教師
古賀 正義
(中央大学教授)
古賀 正義
(中央大学教授)
6 学校という社会空間と生徒の社会化 子どもは、学校という社会空間において、個人と環境がダイナミックに作用しあうプロセスを経験することを通して、「自由を行使しうる主体」へと社会化されてきた側面がある。ここでは、学校という社会空間が含み持っていた社会化機能を明らかにし、これを生かしていくことを提案する。

【キーワード】
教師のリーダーシップ、制度的な指導関係、特別活動、学級・生徒会活動、「自由を行使しうる主体」の形成
金子 真理子
(東京学芸大学教授)
金子 真理子
(東京学芸大学教授)
7 不登校問題と子どもの居場所 不登校には様々なタイプがあり、心理的な葛藤を抱える事例のみを強調すると実態を捉え損ねるおそれがある。ここでは不登校が生じる背景を整理し、不登校経験者の生きづらさとかれらへの望ましいサポートのあり方について考える。

【キーワード】
不登校、フリースクール、社会的排除・包摂
山田 哲也
(一橋大学大学院教授)
山田 哲也
(一橋大学大学院教授)
8 児童虐待問題と教師の対応 近年、児童虐待が社会問題として広く認識されるにつれ、各種法制度の整備に基づき、学校にも早期発見の努力義務や関係機関への通告義務が課せられている。学校は児童および家庭の変化に気付きやすい場であることから、今後、ますますその役割期待が寄せられる。児童虐待の現代的特徴について理解したうえで学校に期待される役割と教師の対応についてみていく。

【キーワード】
児童虐待、早期発見・早期対応、教師の役割と限界
田中 理絵
(山口大学准教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
9 いじめ問題と学校の責任 いじめが生じる背景を整理し、問題の予防と発見・改善に教師が果たす役割について学ぶ。また、いじめをめぐる近年の法制度の整備を題材に、いじめ問題に対する社会的な責任の所在がどのように議論されたかを検討する。

【キーワード】
いじめと子ども集団、教師の責任、いじめ防止対策推進法
山田 哲也
(一橋大学大学院教授)
山田 哲也
(一橋大学大学院教授)
10 非行問題の現在と「健全育成」の課題 今日非行発生数は減少傾向にあるが、万引きなど初発型非行をはじめとした問題行動の課題は依然解消されていない。非行サインの理解や防止啓発の実践は学校教育にとってどのようにあるべきか。ラベリングや徳目主義などをこえた非行問題への正確な理解と矯正の実践の意義を考える。

【キーワード】
凶悪化言説、初発型非行、ボンドセオリー、矯正教育の技法
古賀 正義
(中央大学教授)
古賀 正義
(中央大学教授)
11 社会的リテラシーや市民性をはぐくむ児童生徒指導の実践 グローバル化が進む日本社会では、子ども・若者の市民性を育成し、新たな社会の形成者として社会参加参画の能力をはぐくむことが求められている。総合的な学習の時間などを使った体験学習やボランティア(社会参加)活動、異年齢集団活動など、すべての児童生徒を対象とした社会体験活動の方法、その有効性と課題を論じる。

【キーワード】
シチズンシップ教育、経験学習、サービスラーニング、ケイパビリティの要請
古賀 正義
(中央大学教授)
古賀 正義
(中央大学教授)
12 児童生徒理解と教師集団・教育行政による体制づくり 児童生徒に適切な指導を行うためには、学校現場と教育行政、様々な専門機関が連携し、多様な課題に応答できる組織体制づくりが不可欠である。ここでは児童生徒理解の視点から、学校内外の諸機関の望ましい連携のあり方について考える。

【キーワード】
複雑化する子ども問題、学校と諸機関の連携、領域横断的な対応、チームとしての学校
山田 哲也
(一橋大学大学院教授)
山田 哲也
(一橋大学大学院教授)
13 学校・家庭の連携と児童生徒理解 学校と家庭が連携して児童生徒の教育を行うことが求められているが、教師と保護者の関係性は、必ずしも相互信頼に基づくものにはなっているとはいえない。ここでは、教師と保護者が、児童生徒理解を互いに深め、教育のあり方をともに考えうるパートナーとしての関係性を築くための視点について考える。

【キーワード】
学校と家庭の連携、開かれた学校、モンスターペアレント、不信、親の学校参加、PTA
金子 真理子
(東京学芸大学教授)
金子 真理子
(東京学芸大学教授)
14 NPO・地域社会とのネットワーキングと児童生徒への教育的支援 相対的貧困や排除が強まる現代社会では、児童生徒の成長や発達にかかわるNPO・行政機関など多くの組織や地域社会がネットワークを組んで問題の改善にあたる必要がある。地域包括型の支援を基盤とした教育指導の可能性と現状から見た課題を考える。

【キーワード】
ネットワーク組織としての学校、NPO、地域包括型支援
古賀 正義
(中央大学教授)
古賀 正義
(中央大学教授)
15 現代社会の変容と児童生徒理解 子ども・若者の生活世界の今日的変化は、ネット社会や格差社会の進展と不可分なものであり、そのことを踏まえて、児童生徒の正確な理解と指導実践の構築を図ることが必要である。「小さな社会としての学校」の再考を教育的に問いかける。

【キーワード】
格差社会、グローバル化と情報化の進展、学校が果たす役割の再考
山田 哲也
(一橋大学大学院教授)
山田 哲也
(一橋大学大学院教授)
古賀 正義
(中央大学教授)
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