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暮らしに役立つバイオサイエンス('15)

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主任講師
岩橋 均 (岐阜大学教授)
重松 亨 (新潟薬科大学教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(土曜)11時15分~12時00分
第2学期:(火曜)22時15分~23時00分

講義概要

“バイオサイエンス”は人類の歴史の中で、より豊かな暮らしを求めたときに始まった科学と考えられます。そして、“バイオサイエンス”の中で、重要な位置を占めるのが微生物学で、約6000年前から人類は微生物を利用してきたと言われています。本講義では、微生物の定義、姿、環境に占める位置を先ず学び、暮らしに貢献する微生物を人類はどのように利用し、どのように利用しようとしているのかを解説します。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成27年度
科目区分
コース科目(全コース開設(総合科目))
〔2009年度~2015年度〕総合科目
〔2008年度以前〕専門科目(その他)
科目コード
1847503
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月30日(日曜)8時限(17時55分~18時45分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月23日(火曜)2時限(10時25分~11時15分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)77.4点
(平成28年度 第2学期)82.5点
備考
 
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授業の目標

「微生物」は、味噌、酒などの醸造食品、抗生物質、化成原料などの有用物質生産、病原性大腸菌等による疾患、汚染物質の分解等の排水処理等など、様々な分野で我々の暮らしと深く関わっています。このことを知り、各人の「微生物」に対する理解を深め「微生物」に対する科学的概念の構築を促します。

履修上の留意点

特になし。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 バイオサイエンスの主役、微生物とは バイオサイエンスの主役とも言える微生物は、目に見えない程小さい生物の総称です。動物や植物のように日頃、目にする事はありません。時にはキノコのように我々の前に姿を現し、赤潮などのように存在を確認できることはあります。微生物の姿を観察し、どのような種類の微生物がいるかを学びます。

【キーワード】
微生物、バイオサイエンス、バクテリア、アーキア、ユーカリア
岩橋 均
(岐阜大学教授)
岩橋 均
(岐阜大学教授)
2 微生物の利用と微生物の発見 微生物利用の歴史は古く、ワインなどのアルコール飲料、豆科植物を利用した圃場への施肥など、微生物の存在を認識することなく、人類は利用してきました。初めて微生物を観察したのは17世紀に入ってからです。その後、微生物の理解は、生物の自然発生説を否定し、微生物学は近代生物学の発展に大きく貢献してきました。微生物学の「いにしえ」を学びます。

【キーワード】
微生物利用技術、発酵・醸造食品、微生物学、微生物の分類
重松 亨
(新潟薬科大学教授)
重松 亨
(新潟薬科大学教授)
3 自然界の微生物 微生物は自然界のいたる所に存在します。そして、生態系を構成する一員となっています。微生物は過酷な環境下でも上手に適応しながら生きています。本講義では、微生物がどのような場所に住んでいるのか、一般的な微生物から始まり、空飛ぶ微生物、深海微生物、極限環境微生物を学びます。

【キーワード】
環境と微生物、深海微生物、極限環境微生物
安部 博子
(産業技術総合研究所主任研究員)
安部 博子
(産業技術総合研究所主任研究員)
4 微生物から食品を守る 自然界のいたる所に微生物がいることは既に学びました。人類は微生物を利用する一方で、食品を微生物から守る必要もありました。微生物はどのような条件で生育し、食品を汚染するのかを学びます。さらに、微生物から食品を守る方法を学びます。

【キーワード】
微生物制御、化学的環境因子、物理的環境因子、増殖抑制、除菌、殺菌、滅菌
井口 晃徳
(新潟薬科大学助教)
井口 晃徳
(新潟薬科大学助教)
5 微生物を利用した伝統食品 中央アジアの遊牧民が家畜の乳をしぼり、放置したところ、酸味をもつ液体になっていました。最初の発酵食品と言われています。ワインやヨーグルトのように、多くの発酵食品はある一定の条件に、食材を温めることで生産されます。このとき微生物が食材に働きかけ、別の食材を我々に提供してくれます。このとき、微生物はどのような働きをしているのかを学びます。

【キーワード】
伝統食品、発酵食品、乳酸菌、酵母、酢酸菌
岩橋 均
(岐阜大学教授)
岩橋 均
(岐阜大学教授)
6 微生物を用いた匠の時代 食酢やビールは、単に食材を温めるだけで生産することは至難の業です。一度、アルコールやブドウ糖に変化させた後に、微生物によって新たな食材へと変化させていきます。人類は単純な発酵から、複雑な発酵技術を開発しました。これは、ある食材を微生物から守り、目的の微生物だけを生育させるという、高度な技を必要としていました。微生物などを組み合わせて、目的の食材に変化させる匠の技を学びます。

【キーワード】
味噌、醤油、日本酒、麹、複発酵
岩橋 均
(岐阜大学教授)
岩橋 均
(岐阜大学教授)
7 匠から技術へ、微生物工業の夜明け フレミングによるペニシリンの発見は、食品を提供する微生物から、医薬品や工業品を提供してくれる微生物へ、微生物を利用したバイオサイエンスの発展のきっかけとなりました。医薬品を生産するために、微生物の育種技術や微生物を大量に効率よく生育させる発酵技術が開発されたからです。多くの製品が我々の暮らしに供給され始めました。微生物の育種技術や発酵技術を匠の技と比較しながら学びます。

【キーワード】
抗生物質、ペニシリン、微生物工業、発酵工学、育種、培養装置
髙橋 淳子
(産業技術総合研究所主任研究員)
髙橋 淳子
(産業技術総合研究所主任研究員)
8 生産する微生物 発酵槽の開発と培養工学の進展、育種学の進展により、微生物を小さな工場にして、多くの工業製品が生産され始めました。味の素などの調味料、ペニシリンに代表される抗生物質など、暮らしに役立つ製品が次々に生産されています。どのようにして微生物工場を設計し、生産しているのかを学びます。

【キーワード】
アミノ酸発酵、フィードバック阻害、代謝制御、アナログ耐性
岩橋 均
(岐阜大学教授)
安部 博子
(産業技術総合研究所主任研究員)
岩橋 均
(岐阜大学教授)
9 変換する微生物 微生物工場が有する機能の一部だけを利用して、物質を変換することも可能です。飲料の甘み成分として利用される異性化糖はブドウ糖を果糖に変換して甘みを増してくれます。変換技術や変換技術の主役となる微生物酵素の生産を学びます。

【キーワード】
酵素、物質変換、微生物酵素の生産
重松 亨
(新潟薬科大学教授)
重松 亨
(新潟薬科大学教授)
10 分解する微生物 微生物のもっとも得意とする技は、物質を分解する事です。元々自然界で活躍していた分解力を、人類は暮らしの中に取り入れました。排水処理や有害物質の分解処理などです。日頃、目にすることはありませんが、我々の暮らしと環境を陰で支える、微生物の分解力を学びます。

【キーワード】
物質循環、環境汚染、環境浄化、活性汚泥
髙橋 淳子
(産業技術総合研究所主任研究員)
髙橋 淳子
(産業技術総合研究所主任研究員)
11 遺伝子組換え微生物の登場 20世紀後半に革新的な技術が登場します。遺伝子の操作技術です。遺伝子とは生物の設計図ですが、これを書き換えることが可能になりました。その結果、微生物の生産、変換、分解能力が格段に向上しました。遺伝子操作技術の基本原理を学び、遺伝子組換え微生物をどのように設計、利用していくかを学びます。

【キーワード】
遺伝子、DNA、プラスミド、形質転換、遺伝子組換え
重松 亨
(新潟薬科大学教授)
重松 亨
(新潟薬科大学教授)
12 遺伝子組換え(微)生物を用いた新しい技術 遺伝子組換え技術により、ブタのインシュリンを毎日利用していた糖尿病患者は、微生物が生産するヒト・インシュリンを利用できるようになりました。こうして始まったバイオ医薬品は、タンパク質工学の進歩に伴って抗体医薬品へと発展しました。一方、遺伝子組換え技術を応用した食品も登場してきました。このように、遺伝子組換えによって可能になった新しい技術を学びます。

【キーワード】
バイオ医薬品、サブユニットワクチン、抗体医薬品、遺伝子組換え食品添加物、遺伝子組換え作物
重松 亨
(新潟薬科大学教授)
重松 亨
(新潟薬科大学教授)
13 解読される微生物遺伝子 遺伝子操作技術は、目的遺伝子の増幅を容易にし、遺伝子の構造解読が進んでいます。さらに、今世紀に入ると、バイオサイエンスがナノテクノロジーやインフォマティクスと融合し、微生物を中心に飛躍的に遺伝子の解読が進んでいます。生物学そのものも変わりつつあります。その変化を学びます。

【キーワード】
微生物ゲノム、DNAシーケンシング、環境メタゲノム解析、遺伝子診断
井口 晃徳
(新潟薬科大学助教)
井口 晃徳
(新潟薬科大学助教)
14 現代のバイオサイエンス関連産業 暮らしの中で微生物がその役割を果たしていることは、これまでに学びました。それでは、グローバルに展開される現代産業の中で、バイオサイエンス関連産業はどのように貢献しているのでしょうか。伝統発酵食品から始まる微生物を主役とするバイオサイエンス関連産業の復習をしながら、産業への貢献を学びます。

【キーワード】
レッド・ホワイト・グリーンバイオテクノロジー、バイオサイエンス関連産業、サービス産業
岩橋 均
(岐阜大学教授)
岩橋 均
(岐阜大学教授)
15 バイオサイエンスをささえる微生物に与えられた課題 食品から始まった微生物の利用技術は、医薬品を中心とした工業技術、環境技術へと発展して来ました。現在は、化成品生産への期待、バイオエタノールで知られるエネルギー生産への期待が高まっていますが、本当に可能なのでしょうか。現在の技術では何ができて何ができないのか、何を解決しなければならないのかを学びます。

【キーワード】
難培養性微生物、名古屋議定書、生物多様性、遺伝資源、カルタヘナ議定書、遺伝子組換え
重松 亨
(新潟薬科大学教授)
重松 亨
(新潟薬科大学教授)
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