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市民社会と法('12)

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主任講師
道幸 哲也 (北海道大学名誉教授)
加藤 智章 (北海道大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(水曜)11時15分~12時00分
第2学期:(土曜)0時45分~1時30分

講義概要

市民社会において発生する日常的な法律問題を、法哲学、刑事法、民事法、労働法、社会保障法の観点から検討します。具体的には5人の講師が1人3章ずつ担当しています。3章のうち、1章はある領域の全体的状況の説明を、あと2章は、一般の人が興味をもつテーマにつき法的な考え方がわかる個別的な論点を検討しています。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成24年度
科目区分
コース科目(社会と産業コース(導入科目))
〔2009年度~2015年度〕共通科目(一般科目)
〔2008年度以前〕共通科目(一般科目)
科目コード
1128264
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月29日(土曜)4時限(13時15分~14時05分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月28日(日曜)6時限(15時35分~16時25分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)78.3点
(平成28年度 第2学期)74.9点
備考
 
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授業の目標

本講義は、初学者むけの法学入門です。その主要な目的は、①法学の基礎知識を教える、ことと②具体的なケースや問題を通じて法的なものの考え方を伝える、ことにあります。
市民生活において発生する身近な紛争をどうやって解決するか、紛争の背景にある利害状況はどうなっているか、また解決の基準はなにかを考えます。

履修上の留意点

テキストをあらかじめ読み、関連する条文を調べておいてください。理解が深まります。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 法的な世界の成り立ち 特に18世紀以降近代法が成立して以来21世紀の現在に至るまで続いて来た法の発展と変容の歴史を辿りながら、今日の私たちを取り巻いている法的な世界の成り立ちと基本的な性格をまとめ、これから学んでゆく法的な世界の基本的な有り様について考えます。

【キーワード】
法の網の目、法の支配、法と法律
長谷川 晃
(北海道大学教授)
長谷川 晃
(北海道大学教授)
2 法と権利保障 そのように成立してきた近現代の法的な世界の基軸となっているのが市民の権利保障であることに焦点を当て、特に憲法を中心とした権利保障の一般的な意義や様々な生活領域における個別具体的な法律を通じた権利保障のあり方について概観し、権利保障をめぐる法的な世界と私たちの生活との関係を考えます。

【キーワード】
権利=法、権利保障、法文化
長谷川 晃
(北海道大学教授)
長谷川 晃
(北海道大学教授)
3 諸法の相互関係と法の解釈 政治・経済・社会関係の全般に亘る私たちの生活の複雑化に対応して様々に専門分化している現代法の全体を一瞥しながら、それを特に市民の視点からどのように総合的に展望し、各自の身近な生活の中に生かしてゆくべきかを考えます。

【キーワード】
法体系、法理念、法解釈
長谷川 晃
(北海道大学教授)
長谷川 晃
(北海道大学教授)
4 「刑法」のある風景
-刑法の役割-
成熟した近代社会では、社会で起きる様々な「紛争」について、解決のためのルールが前もって定められている。ルールの違反者には、法的制裁(サンクション)が課せられる。そのうち最も強力なのが刑罰であり、その要件と効果(刑罰)を定める法律が「刑法」であるが、犯罪成立要件は明確に定められていなければならない(罪刑法定主義)。これら刑法に固有の基本的な原則を、判例の事例などをとおして学習する。

【キーワード】
犯罪、刑罰、サンクション、法益、罪刑法定主義、類推解釈の禁止、遡及処罰の禁止、刑事手続
白取 祐司
(神奈川大学教授)
白取 祐司
(神奈川大学教授)
5 正当防衛と緊急避難 刑法の犯罪構成要件にあたる行為をした場合でも、それが緊急やむを得ないと認められるときは、刑法上「違法性」がないとされ、無罪になる。違法論は、何が犯罪かという本質にかかわる議論である。また、緊急避難は、緊急やむを得ない場合の行為について、違法性を否定する理論である。いずれも、違法性が否定される代表的な事由であり、この2つを具体的事例をとおして学習する。

【キーワード】
違法性阻却事由、正当防衛、防衛の意思、偶然防衛、挑発防衛、原因において違法な行為、緊急避難、カルネアデスの板
白取 祐司
(神奈川大学教授)
白取 祐司
(神奈川大学教授)
6 「情報」を盗むことの刑法的意味 刑罰を科すのは、たんにルールに違反したからというより、刑法(法律)が守ろうとしている利益(法益)を侵害したからである。この法益は、時代によって変遷する。明治時代につくられた現行刑法では、「情報窃盗」を有罪にできない。法益保護を理由に解釈あるいは立法でこれを処罰すべきか。慎重な検討が必要になる。

【キーワード】
情報、秘密、営業秘密、電磁的記録、窃盗、使用窃盗、企業秘密漏示罪、不正アクセス罪
白取 祐司
(神奈川大学教授)
白取 祐司
(神奈川大学教授)
7 私たちの生活と民法 民法は、私たちの法律関係を規律するもっとも基本的な法律です。この民法の体系と概要、民法典の沿革、民法の基本原則、私権行使の原則を説明します。

【キーワード】
公法と私法、一般法、特別法、任意規定、強行規定、所有権絶対の原則、私的自治の原則、契約自由の原則、過失責任の原則、一般条項、信義則、権利濫用
松久 三四彦
(北海学園大学法科大学院教授)
松久 三四彦
(北海学園大学法科大学院教授)
8 売買をめぐる法律関係 私たちの日常生活においてもっとも頻繁におこなわれもっとも重要な役割をはたしている売買契約について、その基本的な仕組みと、生じやすい典型的な問題を説明します。

【キーワード】
手付、動産、不動産、即時取得、登記、対抗要件、対抗問題、数量指示売買、隠れた物の瑕疵、瑕疵担保責任
松久 三四彦
(北海学園大学法科大学院教授)
松久 三四彦
(北海学園大学法科大学院教授)
9 損害賠償義務
-不法行為法の基本的な仕組み-
一般の不法行為の要件・効果を説明し、どのような場合に損害賠償義務が発生し、その賠償額はどのように算定されるかを理解していただきます。

【キーワード】
故意、過失、権利侵害、違法性、因果関係、過失相殺
松久 三四彦
(北海学園大学法科大学院教授)
松久 三四彦
(北海学園大学法科大学院教授)
10 労働条件はどのように決まっているか 非正規労働者やワーキングプア層の増大がどのような労働法上の問題を提起しているかとともに労働条件の決定の仕組みとして、労働契約、、就業規則、労働協約との相互関係を検討する。特に、就業規則の法的効力について詳しく検討する。

【キーワード】
生存権、団結権、労働契約、労働協約、就業規則、労働基準法、労働契約法
道幸 哲也
(北海道大学名誉教授)
道幸 哲也
(北海道大学名誉教授)
11 新しい職場の人権
-労働者人格権とプライヴァシー権-
最近急増する、セクハラ・パワハラをめぐる裁判を素材にそれを制約する法理としての労働者人格権の内容を解説する。同時に、このようなハラスメントをしない、させない工夫や法的な解決の限界等についても考える。

【キーワード】
労働者人格権、プライヴァシー、セクハラ、パワハラ、職場いじめ、自己決定権、身体情報
道幸 哲也
(北海道大学名誉教授)
道幸 哲也
(北海道大学名誉教授)
12 雇用終了をめぐる法律問題 雇用終了のパターンとして、使用者の意思による解雇、労使双方の合意による合意解約、労働者の意思による辞職があり、それらの違いについて解説する。さらに、雇用期間満了に伴う更新拒否のケースについてもふれる。

【キーワード】
解雇、合意解約、辞職、退職強要、労働契約法、整理解雇、有期雇用、試用期間
道幸 哲也
(北海道大学名誉教授)
道幸 哲也
(北海道大学名誉教授)
13 社会保障のグランドデッサン 社会保障制度の全体像を理解するために、社会保障制度審議会勧告に基づく枠組、その後の歴史的な経緯の紹介に併せて、少子高齢化の進行、国民医療費の動向、消えた年金記録問題、貧困率などを取り上げる。

【キーワード】
社会保険から社会保障へ、50年勧告、皆年金皆保険、世帯単位・個人単位、95年勧告
加藤 智章
(北海道大学教授)
加藤 智章
(北海道大学教授)
14 医療保障のあり方
-保険診療をめぐる当事者関係を中心に-
被保険者証を提出する意義を出発点として、保険診療をめぐる当事者関係を中心とした医療保険制度を検討する。これにくわえて、公費負担医療や生活保護法における医療扶助を概観し、医療需要の側面から、医療保障のあり方を検討する。

【キーワード】
療養の給付に要する費用、第三者支払方式、償還払い方式、代理受領方式、公費負担医療
加藤 智章
(北海道大学教授)
加藤 智章
(北海道大学教授)
15 業務上外の認定と障害者福祉 業務災害か否かは、給付の内容が大きく異なるうえに、労働法にも関連するひろがりのある問題である。特に、近年その重要性を増していると思われるメンタル不調について考察する。次に、障害者福祉という視点から、何らかの事故や疾病等により、障害を負うに至った場合、特に社会福祉の領域ではいかなる施策が実施されているかを検討する。

【キーワード】
業務災害、非災害性疾病、ストレス-脆弱性理論、自立支援給付、雇用義務制度、障害者雇用納付金
加藤 智章
(北海道大学教授)
加藤 智章
(北海道大学教授)
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