授業科目一覧
基盤科目
コース科目
卒業研究(全科履修生のみ)
夏季集中科目
メニューここまで

社会と銀行('14)

※印刷用にはシラバスPDF版新規ウィンドウ をご利用ください
主任講師
吉野 直行 (慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(水曜)22時15分~23時00分
第2学期:(水曜)7時30分~8時15分

講義概要

1980年代後半のバブル経済から1990年代にかけて、日本の金融機関は混乱から大変革の時代を経験した。変化は不良債権処理、金融再編、情報化という技術進歩、それに金融規制の局面において著しかった。2008年からの、アメリカのサブプライムローン問題、最近のユーロ危機が加わった。そうした変化の中で、この科目では、消費者にとっての銀行、企業にとっての銀行、決済ネットワークのノードとしての銀行、資産運用市場における銀行、グローバル競争下の銀行、ヨーロッパの銀行によるギリシャ国債などの保有、財政危機と銀行行動など、銀行の役割と社会の中での機能について考える。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成26年度
科目区分
コース科目(社会と産業コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(社会と産業コース)
〔2008年度以前〕専門科目(社会と経済専攻)
科目コード
1639285
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月23日(日曜)4時限(13時15分~14時05分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月21日(日曜)6時限(15時35分~16時25分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)79.1点
(平成28年度 第2学期)77.6点
備考
「社会と銀行('10)」の単位修得者は履修不可
このページのトップへ本文ここまで

授業の目標

この科目では、伝統的な金融論の枠組みを越えて、幅広い視点から銀行の業務と社会的役割について再考し、ダイナミックに変化する現代社会における銀行の存在意義と公共性について考察することを目標とする。受講者は、金融論の文献に登場する銀行ではなく、生身の人間の集団としていまに生きる銀行の姿を理解し、その将来を展望する作業に参加して欲しい。

履修上の留意点

放送大学の科目としては「経済学入門」と「現代経済学」を履修していることが望ましいが、預金や住宅ローンを通じて銀行と取引のある人、企業経営において日常的に銀行と接している、政策的視点から銀行業に関心のある人、資産運用について考えている人など、銀行に何らかの関心のある人はすべてこの科目の受講資格がある。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 日本の資金循環
-お金の流れ
多くの人は経済といえばお金を連想するが、お金とはいったい何だろうか。わたしたちが銀行に預け入れたお金はどこへ行くのだろうか。金融機関はビジネスであると同時に、どのような公共的役割を担っているのだろうか。金融機関は何を仲介しているのだろうか。金融の流れと実体経済とはどのように関連しているのだろうか。銀行が国債を購入したり、企業に資金を貸し出す動きと、経済への影響を考察する。

【キーワード】
お金とは何か、金融仲介機能、実体経済と金融
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
2 金融システムにおける銀行の役割 多くの金融機関や金融市場とそれを支える法律や制度が集まって金融システムは構成されている。その中で銀行が果たしている役割は何だろうか。銀行が扱うサービスはなぜ金融商品と呼ばれているのか。金融システムを特徴づける言葉としての直接金融と間接金融とはどのような意味なのだろうか。金融市場と銀行の関係についても言及したい。

【キーワード】
金融システム、銀行が扱う金融商品、直接金融、間接金融
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
3 消費者と銀行 消費者にとって銀行はお金を預ける場所であり、お金を借りる場所でもある。銀行の消費者向けのサービスにはどのようなものがあるのか。銀行が扱う預金商品と投資信託商品はどう異なるのだろうか。住宅ローンや個人向けローンを借りるときの注意点はどのようなことだろうか。ATMでの送金はどのように行われているのだろうか。

【キーワード】
預金商品、投資信託商品、住宅ローン、個人向けローン、利用上の注意
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
4 信託ビジネスとは 信託ビジネスとは何だろうか。高齢社会において消費者の資産運用ニーズはどう高まっているのだろうか。それに信託商品はどう応えられるのだろうか。なぜ預金と信託は区別された別の商品となっているのだろうか。信託サービスに必要な専門性とは何だろうか。信託勘定の収益状況を分析し、今後の課題を探ってみよう。

【キーワード】
専門的な業務、増加する資産運用需要、収益状況、今後の課題
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
5 企業と銀行 銀行とまったく取引のない企業は存在しない。企業に対して銀行はどのようなサービスを提供してくれるのだろうか。銀行の企業向け貸出にはどのような種類と特徴があるのだろうか。地方自治体など公共法人と銀行はどのような取引をしているのだろうか。外国にある商業銀行と投資銀行の区別は日本ではどうなっているのだろうか。企業の投資活動と銀行による貸出の関係についても解説する。

【キーワード】
企業向け貸出、資金決済サービス、公共法人等との取引
前多 康男
(慶應義塾大学教授)
前多 康男
(慶應義塾大学教授)
6 資金決済ネットワーク たとえ個別の銀行は倒産することがあっても、資金決済ネットワークは崩壊してはならないと言われる。小切手、手形、銀行間の資金決済、日本銀行との関係など、資金決済ネットワークはどのような仕組みで、誰によって担われているのだろうか。電子マネーの利用はどの程度進んだのだろうか。また、今後銀行以外の企業による送金業務への新たな参入は起こるのだろうか。

【キーワード】
為替取引、日銀ネット、システミックリスク、預金保険、電子マネー
翁 百合
(日本総合研究所主席研究員・理事)
翁 百合
(日本総合研究所主席研究員・理事)
7 短期金融市場 短期金融と長期金融とは何に基づく区別だろうか。短期金融市場にはどのような種類があり、どのような構造を成しているのだろうか。ドルなどの外国為替市場には誰が参加し、その意義はどう評価できるのだろうか。短期金融市場における銀行の役割とは何だろうか。日本銀行の金融政策は短期金融市場にどのような影響を及ぼすのだろうか。

【キーワード】
短期金融市場の種類と構造、外国為替市場の意義、市場における銀行の役割
福田 慎一
(東京大学教授)
福田 慎一
(東京大学教授)
8 日本銀行と金融政策 日本銀行は発券銀行であり、銀行の銀行であり、政府の銀行だと言われる。日本銀行の仕事は何だろうか。日本銀行は自由にお金を発行できるのだろうか。日本銀行の貸借対照表を見てみよう。日本銀行はどのような政策手段を用いて、何を目標として金融政策を行うのだろうか。

【キーワード】
日本銀行の仕事、日本銀行の貸借対照表、金融政策の目的、金融政策の手段
福田 慎一
(東京大学教授)
福田 慎一
(東京大学教授)
9 バブル・不良債権・預金保険機構 1980年代後半からの日本経済のバブル現象とそれに続くバブル崩壊はどのように進行したのだろうか。金融機関が抱えた大量の不良債権はどう処理され、金融機関の破綻処理はどう進められたのだろうか。公的資本増強はどのような効果を持っていたのだろうか。預金保険機構に求められる新たな役割とは何だろうか。バーゼル自己資本比率規制の強化とは、どのような内容かを解説したい。

【キーワード】
バブルの生成と崩壊、金融機関の破綻処理、不良債権問題、公的資本増強、預金保険機構の役割
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
10 デリバティブ
-新しい金融手法の発達
不動産貸付、企業向け貸出、債券、株式などを食材になぞらえれば、金融派生商品(デリバティブ)は華麗な料理に例えられるかもしれない。リスク分散や資産の流動化など、どのような目的でデリバティブは作られ、金融工学理論はどのような役割を果たしたのか。デリバティブの構造に立ち入り、新しい金融手法の発達が銀行にもたらす役割の変化に注目する。

【キーワード】
資産流動化市場、貸出債券市場、デリバティブの構造、市場における銀行の位置
前多 康男
(慶應義塾大学教授)
前多 康男
(慶應義塾大学教授)
11 金融再編とメガバンク 2000年以降の日本では、大型金融再編が相次ぎ、4大メガバンクが誕生した。銀行に規模の利益はあるのだろうか。金融持株会社の意義はどこにあるのだろうか。メガバンクはどのような国際的な活動を行っているのだろうか。メガバンク化は国際的にも進展しているのだろうか。メガバンクの収益率を見てみよう。

【キーワード】
金融再編、メガバンクグループ、国際的な活動、収益状況
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
12 インターネット銀行 90年代以降金融機関に起こった大きな変化の1つは情報化だった。銀行と消費者や企業の間にはどのようなネットワークが拡大し、情報化によって店舗やアクセス市場はどう変化してきたのだろうか。インターネット銀行の新しさはどこにあるのだろうか。対面取引が減っていくことで、信用基盤や金融機関の安全性に心配はないのだろうか。セキュレティ(安全性)の確保のためには、インターネット金融取引では、どのような注意が必要であるかを解説する。

【キーワード】
情報化と銀行、インターネット銀行、ネットワークの拡大、信用と安全性、決済手段
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
13 地域金融の役割と中小企業金融 日本の企業の99%以上は中小企業だと言われる。中小企業貸出は大企業貸出や定型化された債券市場とどのように異なるのだろうか。地域銀行にはどのような種類があり、どのような特徴を持っているのだろうか。リレーションシップバンキングはなぜ見直されているのだろうか。この分野における公的金融機関の役割は何だろうか。

【キーワード】
地域銀行の種類、リレーションシップバンキング、公的金融機関の役割、中小企業金融
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
14 金融監督と金融制度改革 日本の金融市場にとって1990年代は混乱から大変革に至った激動の時代だった。規制緩和はどう進められ、その効果はどう評価されるのだろうか。バブル崩壊後、日本の金融制度改革はどう進められたのだろうか。経営健全性規則、金融商品取引法などは何を目指し、どのような市場の姿を期待しているのだろうか。

【キーワード】
不良債権問題、自己資本比率規制、早期是正措置、金融検査、業務範囲規制の緩和、金融商品取引法
翁 百合
(日本総合研究所主席研究員・理事)
翁 百合
(日本総合研究所主席研究員・理事)
15 グローバル競争時代の銀行 グローバルな決済の動きについて概観する。その中でも、海外との外国為替取引について説明する。日本から海外への資金の流れ、海外直接投資、ポートフォリオ投資(債権・株式)、銀行貸出の動きを見る。また、アジア地域とアメリカ・ヨーロッパとの間の資金の流れについて説明し、アジアの高い貯蓄を如何にアジア域内で循環させるか、さらに、日本の金融業が、アジアを含む海外で活発に活動できるための方策について説明する。

【キーワード】
グローバル化、日本から世界への資金の流れ、直接投資、ポートフォリオ投資、金融規制、アジア戦略
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
吉野 直行
(慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
このページのトップへ本文ここまで
授業科目案内 教養学部 放送大学