授業科目一覧
基盤科目
コース科目
卒業研究(全科履修生のみ)
夏季集中科目
メニューここまで

都市・建築の環境とエネルギー('14)

※印刷用にはシラバスPDF版新規ウィンドウ をご利用ください
主任講師
梅干野 晁 (放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(火曜)16時00分~16時45分
第2学期:(金曜)7時30分~8時15分

講義概要

これからの地球環境時代、環境負荷の小さい安全で快適かつ健康的な環境共生社会を実現しなければならない。それには、これまでの機能性、利便性優先の都市生活に対するパラダイムシフトと、バナキュラー建築を原点とした環境と共生した都市・建築のあり方が求められてくる。本講義では、このような視点に立って、環境共生社会の実現のために、街づくりに焦点を当てて、環境、特に熱環境とエネルギーについて考える。
第1章~第7章:はじめに都市・建築と気候・風土との関係を概観する。そのうえで、都市環境問題、特にヒートアイランド現象と日常の生活空間における熱環境の実態を明らかにし、今なぜ熱環境が問題なのかを考える。さらに、都市及び建築を支えるエネルギー施設について理解しながら、都市から建築におけるエネルギーの流れを把握する。
第8、9章:都市生活のライフスタイルのパラダイムシフトは必須である。ここの2章では、都市・建築環境の主体である人間と環境のかかわりについて理解を深める。そしてさらに、これからの都市・建築環境とのかかわり方について考える。
第10章~第15章:環境共生社会を実現するために、建築外部空間に着目し、街づくりの基本的な考え方と設計規範を述べたうえで、日射・日照調整、通風計画、都市・建築緑化、クールスポットの形成などの具体的な手法やスマートコミュニティなどについて必要な知識を取得する。
放送教材では、日本の気候風土と大きく異なる砂漠地域の沿岸都市アブダビとオアシスのアルアイン(アラブ首長国連邦)を比較対象として紹介しながら講義を進める。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成26年度
科目区分
コース科目(社会と産業コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(社会と産業コース)
〔2008年度以前〕専門科目(産業と技術専攻)
科目コード
1639358
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月25日(火曜)1時限(9時15分~10時05分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月24日(水曜)3時限(11時35分~12時25分)
単位認定試験
平均点
(平成28年度 第1学期)70.2点
(平成28年度 第2学期)75.7点
備考
このページのトップへ本文ここまで

授業の目標

街づくりにあたっては、今まで慣れ親しんでいるその土地の気候・風土や、その土地の持つポテンシャル見抜かねばならない。そのために人間と環境とのかかわりと、環境、すなわち、気候・風土、自然エネルギーについての深い理解を得ることを目標とする。環境負荷の少ない快適な街づくりを実現するための具体的な技術を理解しながら、地球環境時代の街及びライフスタイルはどうあるべきかを自分の問題としてとらえ、街づくりに活かしてほしい。

履修上の留意点

具体的な建築外部空間の写真や3D-CADに加えて、熱環境を可視化した赤外線放射カメラによる熱画像やシミュレーション結果の3D画像などを示しながら講義を進める。目に見えない熱環境やエネルギーを少しでも感性を奮い立たせて理解していただきたいと思う。この授業を通して、都市・建築、そして街の環境には、目に見えない熱、空気、音などが日常の生活を大きく規定し、街づくりと深く関わっていることに気づいてほしい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 都市・建築を環境とエネルギーから考える はじめに本講義のねらいと全体の構成を説明する。本講義の問題提起として、都市に着目し、日本の都市環境の実態を明らかにしたうえで、今なぜ、熱汚染なのかを考える。さらに、今日の地球環境時代における環境共生社会を実現するうえで、街づくりのために建築外部空間に焦点を当てる意義について述べる。

【キーワード】
環境共生社会、都市環境問題、街づくり、建築外部空間、バナキュラー建築、国際建築様式
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
2 気候と都市・建築 都市・建築はもともと地域の気候・風土に根ざしたものである。環境共生社会の実現には、この原点に帰る必要があろう。地域の気候・風土を理解し、そのポテンシャルを最大限に生かした街づくりが求められる。
はじめに、日本の位置を確認するとともに、世界の都市と比較しながら日本の気候特性を把握し、さらに環境設計の視点から、地域性も踏まえて気候特性を読み解く。

【キーワード】
緯度、日照時間、気温・湿度、降水量、積雪量、クリモグラフ
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
3 都市気候とヒートアイランド 都市に形成される特有な気候、都市気候について、その形成要因と特徴を概観する。
次に、ヒートアイランド現象に着目し、衛星と航空機リモートセンシングによる画像を示しながら、大都市と小都市におけるヒートアイランド現象の実態をとらえる。ヒートアイランド現象の主要因が土地被覆の改変であることを示すとともに、今なぜ、ヒートアイランド現象なのかを考える。

【キーワード】
都市気候、ヒートアイランド、リモートセンシング、熱画像、土地被覆の改変、人工排熱
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
4 生活空間の熱環境 はじめに、人体の熱平衡と熱的な快適性との関係について考え、熱放射の評価指標として平均放射温度について理解する。その上で、生活空間における熱環境の実態を熱画像によって可視化するとともに、建築外部空間に放出される人工排熱について把握する。さらに、冷房がヒートアイランド現象の形成要因になるのかどうかを議論する。

【キーワード】
生活空間、熱的快適性、平均放射温度、人工排熱、熱中症
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
5 生活を支える都市エネルギー施設 都市で生活を営むには様々なエネルギーが必要であり、安定的に供給して需要に供し、不要物を確実に排出するには都市固有の都市施設が社会のルールに基づいて建設整備される必要がある。
5章から7章にかけては様々な角度から都市施設について解説する。特に、5章では、人間生活の基本であると同時にエネルギー供給とも関係の深い水と廃棄物の都市内施設について紹介し、都市の熱エネルギー利用の側面からこれらの施設との関係を日本と欧州の比較をしながら解説する。

【キーワード】
都市施設、地域冷暖房、欧州の熱供給施設、複合エネルギー利用
金島 正治
(日本大学特任教授)
金島 正治
(日本大学特任教授)
6 建築を取巻くエネルギー施設 建築で利用されるエネルギーは都市に設置された各種のエネルギー施設を通じて個別の建築に導入される。建築サイドでは、安全で安定してエネルギーを受けるとともに、建築内で発生する不要物を適切な方法で都市の施設に戻す必要がある。そのため、建築内には様々な建築設備が設置され、居住者が安全で健康な生活を営めるような仕組みが構築されねばならない。各エネルギーがどのように取り入れられて利用されているか、効率的に利用するためにどのような工夫がなされているか、エネルギー利用を削減する工夫にどのようなものがあるかを解説する。

【キーワード】
建築設備、エネルギー変換、運営管理、自然エネルギー利用
金島 正治
(日本大学特任教授)
金島 正治
(日本大学特任教授)
7 都市・建築におけるエネルギー利用 都市のエネルギー消費の変遷を通して、生活の質の変化とエネルギー消費量の変化を確認する。さらにエネルギーを利用する場所や利用レベルの調整により様々な施設間の相互融通利用などの可能性について確認する。

【キーワード】
エネルギー消費動向、省エネルギー、エネルギー利用の流れ、エネルギーの安全・安定供給
金島 正治
(日本大学特任教授)
金島 正治
(日本大学特任教授)
8 人間と環境 環境の定義を明確にした上で、環境の基本的な性質を述べ、もっとも身近な環境―建築環境―と人の身体との関係を概観して、人間と環境とがどのような関係にあるかを考える。

【キーワード】
入れ子構造、建築環境、体内環境、脳環境情報、学習
宿谷 昌則
(東京都市大学教授)
宿谷 昌則
(東京都市大学教授)
9 これからの人間と環境との係わり方
-エクセルギーで読む環境づくり
本章では、エクセルギーと呼ばれる熱力学概念を紹介し、人の体温調節機構がエクセルギーの観点から見て、どのように理解することができるかを概説する。

【キーワード】
エクセルギー、資源性、環境、消費、放射温度
宿谷 昌則
(東京都市大学教授)
宿谷 昌則
(東京都市大学教授)
10 熱環境・エネルギーの基本
-太陽放射
建築外部空間の熱環境を規定するもっとも主要なものが太陽放射である。はじめに太陽放射について基礎知識を得たうえで、建築外部空間における微気候形成の基本となる太陽放射の熱収支について理解する。さらに日常生活と太陽放射との関わりを日射と日照として認識したい。最後に街づくりと深く関わる太陽位置を知る方法を習得する。

【キーワード】
太陽放射、熱収支、日照と日射、建築外部空間、日影図
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
11 街づくりのための環境設計 環境共生社会における街づくりのための環境設計について、その基本的な考え方を確認したうえで、具体的な設計手法として最も基本的な日射・日照調整と街の通風計画をとりあげ、それぞれの設計規範、具体的な方法とその効果などについて解説する。

【キーワード】
地域の気候特性、環境設計、日射調整、照り返し、通風計画
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
12 都市・建築緑化と街づくり 気候・風土と都市・建築緑化との関係を考えながら、都市・建築緑化の意義を明確にする。さらに、具体的な手法を整理し、それぞれの環境調整効果をまとめる。最後に、屋上緑化をとりあげ、屋上緑化の具体的方法と、断熱効果。焼け込み防止効果との関係を定量的に議論する。

【キーワード】
都市緑化、建築緑化、グリーンアーキテクチュア、街づくり、環境調整効果、屋上緑化
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
13 街にクールスポットをつくる 日本の夏の生活環境を理解した上で、街に涼しい生活空間(クールスポット)をつくり出すための設計の規範を示す。クールスポットをつくり出すための具体的な方法として、蒸発冷却、冷熱源としての大地の利用、蓄冷、大気放射冷却に着目し、それらの効果についての知識を得る。さらに蒸発冷却による具体的な事例を取り上げ、その効果を議論する。

【キーワード】
クールスポット、蒸発冷却、大気放射冷却、蒸発冷却壁体
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
14 これからのエネルギー利用を考える 施設の全運営期間について評価するライフサイクルによる考え方を紹介し、エネルギー使用量の評価にとどまらず、地球温暖化に大きな影響を及ぼすCO2ガスに代表される温暖化ガス排出量による評価についても解説する。さらに社会的な評価の動向についても学ぶ。

【キーワード】
ライフサイクル(LCC.LCCO2)、温室効果ガス(GHG)、スマートコミュニティー、企業の社会的責任(CSR)
金島 正治
(日本大学特任教授)
金島 正治
(日本大学特任教授)
15 これからの街づくりに向けて これからの街づくりに向けて、今日の都市を改めて問い直し、そのキーワードのひとつにヒートアイランド現象があることを提起する。さらに、これからの街づくりの具体的アプローチとして、都市・建築緑化による街づくりの提案事例ををとりあげて、街の熱環境の予測・評価について議論する。なお、放送教材では、実験都市マスダール(アブダビ)などの新しい街づくりの事例も紹介する。

【キーワード】
環境共生都市・建築、脱ヒートアイランド、都市・建築緑化、街づくり
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
梅干野 晁
(放送大学客員教授、東京工業大学名誉教授)
このページのトップへ本文ここまで
授業科目案内 教養学部 放送大学