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物質・材料工学と社会('17)

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主任講師
谷岡 明彦 (東京工業大学名誉教授)
里 達雄 (東京工業大学名誉教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(平成29年度)
第1学期:(月曜)16時00分~16時45分
第2学期:(木曜)7時30分~8時15分

講義概要

人間活動の基盤である科学・技術を支えているのが材料である。それは社会においてどのように使われているのか、社会のシステムを構成する製品の中に使われている材料について知る。そして、その材料の素材である金属材料、半導体材料、陶器やセメント、ガラスなどの無機材料、プラスチックなど炭素を中心とする有機材料などがどのような機能を持つために利用されているのか、その仕組みを学び、さらにその機能を発揮すべく創出される本質を学ぶ。
※詳しくはシラバス

開設年度
平成29年度
科目区分
コース科目(社会と産業コース(専門科目))※共用科目(自然と環境)
〔2009年度~2015年度〕専門科目(社会と産業コース)※共用科目(自然と環境)
〔2008年度以前〕専門科目(産業と技術専攻)※共用科目(自然の理解)
科目コード
1639560
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
平成29年度 第1学期:平成29年7月30日(日曜)4時限(13時15分~14時05分)
平成29年度 第2学期:平成30年1月23日(火曜)6時限(15時35分~16時25分)
単位認定試験
平均点
備考
 
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授業の目標

この科目は放送大学に学ぶ学生の専門科目として深い教養を養うことを目的とするだけでなく、一般の大学の工学部や高等工業専門学校の学生に将来の展望を描く上で役立ててもらうことも目的とする。現代の産業社会、個人生活に有用な、施設、設備、製品などがどのような材料により構成されているか、その機能は何か、それを支える原子・分子との関連は何かを概観することを目的とする。

履修上の留意点

理数系科目の素養が無くても社会経験があれば理解できるように、身近なところから説き起こし、楽しく学習できるように配慮する。一般的な章では、対象とする製品、設備などに必要な代表的機能を主題として選び、製品に対する機能の役割、機能を支える原子・分子の性質との関連を述べ、それがどのように製造されたかを述べ、最後に、これらの議論を理解するために「基礎ワンポイント」コーナーを通して学ぶ。社会と産業コースの中では唯一化学産業・素材産業に関する工学を扱った科目である。化学と物理の基礎については自然と環境コースで学習してほしい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 現代社会と物質・材料工学 日本の産業の実勢を述べ、その中で鉱工業の役割の大きさを認識し、そこで行われている生産はほとんど材料に関係していることを知る。本講義では、現象から本質へ、トップダウンすることにより、材料に対する認識を容易にすることを論ずる。原子・分子や結晶を理解するために、元素周期表の重要性を解説する。

【キーワード】
材料産業、技術の伝承、材料の機能、結晶と原子・分子、周期表
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授) 
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
2 橋梁・構造物 社会基盤であるインフラの要として、橋梁、構造物を取り上げ、どのような材料が使われ、また、機能が活かされているのかを学ぶ。橋梁の例として明石海峡大橋を、構造物の例として東京スカイツリーに着目し、形状や構造を理解する。また、構成材料として、鉄鋼材料や高強度鋼の強度特性の特徴やコンクリートについて学ぶ。基礎事項として結合様式などを学ぶ。

【キーワード】
引張強さ、降伏強さ、耐候性、鉄鋼、高張力鋼、コンクリート、金属結合、共有結合、結晶構造
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:二羽 淳一郎(東京工業大学教授)
3 鉄道とその車両 大量輸送手段として鉄道を取り上げ、近年の高速新幹線を例に構成材料や材料機能を紹介する。特に、鉄鋼材料や鋳鉄の強度や耐摩耗性について学ぶ。また、高速走行や走行制御を可能とする車両の軽量化に寄与するアルミニウム合金の高強度化について学ぶ。一方、超高速のリニアモーターカーに活用されている磁性材料や超伝導材料について磁化挙動と材料の観点から学ぶ。

【キーワード】
軽量性、強度、耐摩耗性、疲労特性、成形性、高炭素鋼、特殊鋼、アルミニウム合金、磁化特性
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
4 自動車Ⅰ
車体構造と材料
自動車について、はじめに車体構造と主な構成材料ならびにそれらの変遷を学ぶ。車体には安全性、燃費効率、排ガス低減、デザイン性の観点から軽量性、高強度化、高成形性などが求められることを学び、材料がどのように開発されてきたかを学ぶ。基礎事項として金属の結晶粒径や集合組織について理解を深める。

【キーワード】
軽量性、高強度化、成形性、剛性、ハイテン、アルミニウム合金、集合組織、相変態、析出強化
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:神戸 洋史(日産自動車)、吉永 直樹(新日鐵住金)
5 自動車Ⅱ
エンジン・二次電池・燃料電池
自動車のエンジン、二次電池、燃料電池を取り上げ、それらの仕組み、構造、構成材料について学ぶ。エンジンについては、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、EVの構造、仕組みと使用材料について学ぶ。さらに、二次電池や燃料電池の主要部の材料と使用理由や今後の開発の要点などを学ぶ。基礎事項として、電池反応、セパレータ材などについて理解を深める。

【キーワード】
燃料製造、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、カルノーサイクル、排ガス除去、電池反応、燃料電池
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
6 車とインフラにおける有機材料 近年、地球温暖化対策、災害からの防御、地球規模での渇水化対策が求められ、軽量で機能性に富んだ有機材料の重要性が増している。ここでは高分子の合成や物性について学んだあと、具体的例としてタイヤや免振装置のゴム、家屋建築の木材、断熱材や衝撃吸収用高分子、海水を真水にする逆浸透膜について知識を深める。

【キーワード】
重合反応、水素結合、ゴム弾性、エネルギー弾性、振動吸収、可塑性、浸透圧
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:高田 十志和(東京工業大学教授)、秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
7 航空機・宇宙ロケット 航空宇宙分野で使用される材料とそれらの特徴を学ぶ。ここでは、航空機の機体やジェットエンジン、また、宇宙ロケットの構造とそれらを構成する材料について学ぶ。航空機や宇宙ロケットには燃料や運搬効率の点からより軽量で高強度材が求められる。このような観点から変遷があり、近年、高強度アルミニウム合金や炭素繊維が使用されている状況を学ぶ。

【キーワード】
耐熱性、高強度、軽量性、破壊靭性、疲労強度、耐衝撃性
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:正木 彰樹(IHIジェットサービス)
8 ファッションと航空機 天然繊維である木綿、絹、羊毛の構造や機能を探求する。化学繊維である、ポリエステル、ナイロン、ポリアクリロニトリルの製造法を学ぶ。繊維が紡績や織・編により布になることを学習する。ポリアクリロニトリルからカーボンファイバーを製造し、織・編技術を用いて航空機に利用される過程を学ぶ。これらの材料に関連する分子の構造、元素の性質を検討する。

【キーワード】
繊維の構造、高分子合成法、紡糸法、炭素化、紡績、織と編、複合材料
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:鞠谷 雄士(東京工業大学教授)
9 発電・エネルギーキャリア 火力発電、原子力発電、太陽光発電、風力発電などの仕組み、発電機、蒸気タービン、ガスタービンの概要を学び、さらに、原子力発電の仕組みや廃棄物処理などについても学ぶ。再生可能エネルギー変換の技術を概観し、そこで使われる材料、機能を学ぶ。電力のエネルギー貯蔵、水素のエネルギー利用、化学物質への変換、輸送の技術、などを学び、低炭素社会を展望する。

【キーワード】
燃焼と動力、核分裂反応、エネルギー変換効率、風力発電、ソーラーパネル、単結晶、エネルギー貯蔵、水素社会、低炭素社会
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:小長井 誠(東京工業大学名誉教授)、秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
10 家電製品 LED及び太陽電池の仕組みを学び半導体のp-n接合での光電変換を利用したものであることを学習する。光触媒の原理から陶磁器やガラスの汚れ防止に利用されていることを学習する。エアコンと冷蔵庫を作動させるヒートポンプの熱力学などを学び、ポンプを動かすモーターの原理と磁性材料などを学習する。

【キーワード】
p-n接合、光電変換、光触媒、ヒートポンプ、代替フロン、家庭用交流モーター、磁石用合金、スピンと磁性
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:中島 章(東京工業大学教授)、秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
11 情報機器Ⅰ
電子材料
テレビ、パソコン、スマートフォンなどの情報機器に使用される、電子材料を学ぶ。基盤単結晶生成、半導体素子蒸着、電子回路焼付け、などがどのようなプロセスで行われているかを紹介する。基本的なシリコントランジスター素子の機能、原理を学ぶ。

【キーワード】
半導体物性、p-n接合、微小化、レジスト、レーザー
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:森 健彦(東京工業大学教授)、秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
12 情報機器Ⅱ
ディスプレイ
ディスプレイ材料の原理を学ぶ。液晶は電気信号に応じて分子配向を変えるから、その熱、電圧、光特性を学ぶ。また偏光フィルムの構造や光の偏光原理も学ぶ。複写機の仕組みと、省エネルギーへの取り組みを知る。印刷技術がディスプレイのカラーフィルターにも貢献していることや有機EL、導電性高分子の構造や機能なども解説する。

【キーワード】
偏光、分子配向、物質の相、液晶、高分子膜、フォトニックス材料、色素、インクジェット、LCA
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:バッハ・マーティン(東京工業大学教授)、秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
13 医療・介護 人工透析、カテーテル、人工心臓などに高分子材料が使用されている。介護に不可欠な紙おむつでも高分子材料独特の機能性を利用している。ここでは、材料の役割とその機能を高分子の分子構造から解き明かし、材料をどのように構成すればこのような機能が生かされ役立つか学習する。

【キーワード】
分離機能、抗血栓性、ぬれ特性、高分子ゲル、高吸水性、高分子電解質
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:大塚 英幸(東京工業大学教授)
14 材料評価とコンピュータ設計 分析装置の進歩は著しく、機能表面の構造や原子の分布を評価して材料設計に反映している。これらの分析の手法や原理を学ぶ。また、材料は一般に複数の化合物を使用し、最適な構造や機能を果たしている。最適な設計をするために、化合物分子の構造や動的挙動を計算したり、シミュレートすることが行われている。その方法についても学ぶ。

【キーワード】
XRD、TEM、SEM、IR、分子軌道法、分子動力学
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
15 明日の材料開発 資源問題、リサイクルを見据えた新しい材料設計の研究事例を探求する。材料設計における環境規制、安全規制の重要性を認識する。省エネ、省資源に関して現在の材料の問題点を指摘し、望まれる未来の材料を論ずる。JISだけではなく国際的標準規格であるISOについても学ぶ。

【キーワード】
都市鉱山、リサイクル、汎用元素の利用、膨潤接着剤、REACH規制、省エネ法、材料の社会的受容、JIS規格、ISO、3Dプリンティング、IoT、ビッグデータ
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
谷岡 明彦
(東京工業大学名誉教授)
里 達雄
(東京工業大学名誉教授)
ゲスト:秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
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