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東アジア近世近代史研究('17)

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主任講師
吉田 光男 (放送大学名誉教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(水曜)0時00分~0時45分

講義概要

中国・朝鮮の近世史と近代史について、宋・明・清・近代・現代、朝鮮王朝・開化期・植民地期について、各時期・各地域の政治・経済・社会などがもつ歴史的意味を、最新の研究成果に基づいて講義する。
※詳しくはシラバス

開設年度
2017年度
科目区分
人文学プログラム(旧文化情報学プログラム)
科目コード
8980039
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2017年度 第2学期:2018年1月19日(金曜)3時限(11時35分~12時25分)
2018年度 第1学期:2018年7月28日(土曜)4時限(13時15分~14時05分)
単位認定試験
平均点
(2017年度 第1学期)75.4点
備考
 
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授業の目標

①東アジア(中国・朝鮮)における近世から近代までの歴史研究を跡づけ、研究的展望を得る。
②各地域・時代がもつ歴史的意味を、政治・経済・社会の諸側面から考察する。
③東アジア史研究の方法を学ぶ。

履修上の留意点

特になし。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 東アジア近世近代史を学ぶにあたって 中国史・朝鮮史のとらえ方や研究方法について、時代区分論などを中心として総合的に講義する。

【キーワード】
近世、史料、先行研究
吉田 光男
(放送大学名誉教授)
夫馬 進
(京都大学名誉教授)
川島 真
(東京大学教授)
三ツ井 崇
(東京大学准教授)
吉田 光男
(放送大学名誉教授)
夫馬 進
(京都大学名誉教授)
川島 真
(東京大学教授)
三ツ井 崇
(東京大学准教授)
2 中国近世と科挙 前近代における中国社会がヨーロッパ、日本のそれと大きく異なることになったのは、科挙制度があったことが大きな要因である。誰もが科挙を通じて高級官僚となるなど栄達できたのは、中国近世の特色の一つである。しかしその社会はその実、身分制社会であり階級社会であった。中国社会に様々な影響を与えた。科挙の仕組み、社会への影響を明清時代に即して述べる。

【キーワード】
科挙、中国近世、捐納、進士、身分制社会
夫馬 進
(京都大学名誉教授)
夫馬 進
(京都大学名誉教授)
3 中国近世の官職授与制 古来、「士は仕なり」とされるとおり、士とは職事を担当する者であった。臣下として仕事をする者のことであった。では中国では君主と臣下とは何を媒介として繋がっていたのか、なぜ宋代以降には人々は科挙に狂奔して官僚になろうとしたのか。官職授与制という言葉をキーワードにして、この問題を考えてみよう。

【キーワード】
官職授与制
夫馬 進
(京都大学名誉教授)
夫馬 進
(京都大学名誉教授)
4 中国近世の士大夫政治と皇帝専制政治 宋代には君主独裁政治が始まるが、明代になると独裁政治が始まる。これは洪武帝(朱元璋)によって創られたものであり、正徳帝、嘉靖帝の時代に最も顕著になった。一方、科挙制度によって生み出された士大夫による士大夫政治が行われ専制政治を牽制する。これが最も顕著になるのが万暦帝の時代に現れた東林党による政治である。清代になると士大夫政治というべきものは行われなくなる。

【キーワード】
君主独裁政治、士大夫、洪武帝(朱元璋)、正徳帝、嘉靖帝、康煕帝、雍正帝、奏摺制度、宦官
夫馬 進
(京都大学名誉教授)
夫馬 進
(京都大学名誉教授)
5 中国近世の対外関係
通説では清末まで、東アジアでは中国を中心とした冊封体制とが続いていたとされる。明代には確かに朝貢と冊封を重ね合わせて対外政策を立案した。しかしそれは宋代以降の近世中国にあっては例外であり、清朝は冊封にはなはだ不熱心であった。「日本(倭(日本))の琉球併合」以後間もなくして、朝鮮と琉球には外交が杜絶し、これは日本による「琉球処分」が一貫して続いたことは、冊封体制というものがこの時代になかったことを示す。

【キーワード】
日本、朝鮮、琉球、冊封、朝貢
夫馬 進
(京都大学名誉教授)
夫馬 進
(京都大学名誉教授)
6 中国近世の訴訟と社会 中国では孔子の教えに従って、伝統的に訴訟は避けられた。ところがやはり宋代から訴訟が盛んに起こされているという史料が現れる。明代になると郷村で里老という民間人に初審をゆだねた。明末には訟師秘本という訴訟のためのマニュアル本が飛ぶように売れ、訟師が活躍した。清末『巴県档案』によれば、四川省重慶では間違いなく訴訟社会が出現していた。爆発的に訴訟が多発したのには、専制政治が関係している。

【キーワード】
無訟の理念、訟師、訟師秘本、均分相続、寡婦、宗族、『巴県档案』
夫馬 進
(京都大学名誉教授)
夫馬 進
(京都大学名誉教授)
7 高麗から朝鮮への王朝転換 高麗から朝鮮への王朝転換の意味を、鄭道伝の国家構想と具体的な政治過程を通して見てゆく。歴史学的手法により、史料に基づく実証を根拠として、従来の政治史的理解のもっている問題点を検討し、実態にせまる道筋を示してみる。

【キーワード】
儒学、士大夫、士族、官僚、中央集権、冊封
吉田 光男
(放送大学名誉教授)
吉田 光男
(放送大学名誉教授)
8 朝鮮社会と士族 朝鮮近世の社会的特質の一つである「士」と呼ばれる階層が、政治・文化・経済面で支配力をもった。朝鮮王朝は出発点から、学問知を立身出世の基礎としており、その中で士族と呼ばれる人々が出現する。「士」の歴史的性格を通して朝鮮時代後期社会を考える。

【キーワード】
市場、交易、商品、生産、消費
吉田 光男
(放送大学名誉教授)
吉田 光男
(放送大学名誉教授)
9 朝鮮時代後期の地域社会
-良民化と氏族化
中央集権的な朝鮮王朝の支配システムの中で、住民と地域社会がどのような関係をもっていたかを手がかりとして、当時の歴史社会的性格の読み取りを行う。戸籍などの史料に基づいて地域の状況を復元し、数量的な側面を重視して歴史を考えるという方法を提示してみたい。

【キーワード】
良民、士族、集落、両班、戸籍、氏族、移動
吉田 光男
(放送大学名誉教授)
吉田 光男
(放送大学名誉教授)
10 清朝の動揺と社会変動
-一九世紀の中国
18世紀に全盛期を迎えた清朝は、19世紀に入るとその開発も限界に達して、社会にさまざまな問題が拡がる。イギリスのもたらしたアヘンは大きな問題となるが、それがきっかけでアヘン戦争が起き、清は欧米諸国と新たな関係を築くことになった。19世紀半ば以降、世界全体が条約に基づく関係を結ぶ中で、清は「近代」という時代に向けてどのような対応をするのか、を把握したい。

【キーワード】
白蓮教徒の乱、アヘン戦争、太平天国、アロー戦争、同治中興、洋務、清仏戦争、冊封朝貢関係
川島 真
(東京大学教授)
川島 真
(東京大学教授)
11 辛亥革命と「中国」の国家建設 日清戦争で敗れた清が、戊戌変法で挫折しながらも、義和団戦争後に近代国家建設を本格化させ、それが一つの原因となって辛亥革命を経て滅亡し、中華民国が建国される過程を扱う。この過程で明確になった政治的対立軸は、20世紀前半の中国政治を考察する上で重要なものである。これらを学習することで、混乱していると思われがちなこの時代の中国を見据える視座を涵養したい。

【キーワード】
日清戦争、義和団戦争、光緒新政、日露戦争、辛亥革命、中華民国
川島 真
(東京大学教授)
川島 真
(東京大学教授)
12 中華民国の国家建設と国際政治 第一次世界大戦から日中戦争勃発の時期を扱う。中国国内では、国民革命を経て中華民国北京政府から南京国民政府へと政権が交代するが、近代的な国家の建設事業は継続され、特に統一政権となった国民政府は積極的に国民養成を進めていった。また、戦争はナショナリズムの強化も含めて、国家建設に大きな影響を与えていったのである。

【キーワード】
第一次世界大戦、パリ講和会議、ワシントン体制、国民革命、国民政府、満洲事変、日中戦争
川島 真
(東京大学教授)
川島 真
(東京大学教授)
13 戦後中国への道程 第二次世界大戦中、連合国の四大国の一員となった中国が戦争の終結が近づくにつれてその国際的地位を低下させ、戦争に勝利したにもかかわらず、内憂外患に直面していたことをまず理解したい。次に、戦時中の戦後構想における東アジアの中国と実際の戦後中国の相違、また戦後直後の中国国内の国共内戦等の混乱の状況とその背景を把握し、共産党が勝利する過程、理由を理解したい。

【キーワード】
四大国の一員、治外法権撤廃、カイロ宣言、ポツダム宣言、国共内戦、憲政移行、中華人民共和国
川島 真
(東京大学教授)
川島 真
(東京大学教授)
14 近代朝鮮の文化と政治 朝鮮近代史の性格を文化とその政治的背景との関連においてとらえ返すことを目的とする。とりわけ、近代朝鮮のナショナリズムと日本の植民地統治などの問題に、文化問題がどのようにかかわったかについて、複数の事例を挙げながら考えてみたい。

【キーワード】
文化、ナショナリズム、国民国家、植民地支配、文化政策、文化運動
三ツ井 崇
(東京大学准教授)
三ツ井 崇
(東京大学准教授)
15 植民地期朝鮮における「近代」 近年、日本の植民地支配の性格を問う際、「支配-抵抗」といった二項対立を止揚し、統治権力と被支配者との間の複雑な関係性に注目する視点が提起されている。とりわけ植民地期朝鮮における「近代」の性格をめぐる様々な議論が、このような視点を喚起するものとして注目される。本章ではこれらの議論で提起されているいくつかの論点に沿って、植民地期朝鮮の「近代」の性格を考え、植民地期朝鮮社会を動態的に把握するための手がかりを得たい。

【キーワード】
植民地近代性、植民地近代化、植民地主義、ナショナリズム、近代主義、対日協力
三ツ井 崇
(東京大学准教授)
三ツ井 崇
(東京大学准教授)
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