授業科目一覧
プログラム
メニューここまで

教育心理学特論('18)

※印刷用にはシラバスPDF版新規ウィンドウ をご利用ください
主任講師
三宅 芳雄 (放送大学客員教授)
白水 始 (東京大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(日曜)16時00分~16時45分

講義概要

教育心理学の中心的な課題は人がいかに学ぶのかその仕組みを解明し、優れた教育の実現に資することである。この講義では学習を人の活動の一環として成立する、できることの範囲を広げる過程、として捉え、その仕組みを明らかにし、人の学習が効果的に成立するための環境について論じていく。特に、人の活動を広く文化、社会環境の中で相互作用として捉え、それを成立させる意識的、無意識的な認知過程の解明を基軸にして学習の仕組みを明らかにし、そこからよりよい教育環境の構築をどう実現していくのかを論じる。例えば、協調的な活動を促す学習環境である知識構成型ジグソー法がどのような活動の認知過程を導き、それがどのような学びを実現するのかを取り上げていく。
※詳しくはシラバス

開設年度
2018年度
科目区分
人間発達科学プログラム
臨床心理学プログラム
科目コード
8920761
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2018年度 第1学期:2018年7月28日(土曜)8時限(17時55分~18時45分)
単位認定試験
平均点
備考
 
このページのトップへ本文ここまで

授業の目標

人の活動、学習の認知過程の捉え方、発達教育の基礎的、実践的な研究を学ぶことで、現実生活の中での複雑な学習の実態を把握し、よりよい学習教育環境を身近に構築し、実践的に研究を行うための基礎を身につける。

履修上の留意点

心理学、教育学の素養があることが講義を効果的に履修する上で役に立つが、特定の予備知識を前提としない。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 学びの実践科学としての教育心理学 「人はいかに学ぶのか」その仕組みを明らかにし、よりよい教育学習環境の実現に貢献するという教育心理学研究の中心的な課題について述べる。また、知識や理解の社会的構成という考え方に触れ、経験から経験則を作り、他者との違いを材料に経験則をよりよく作り変え続けていくという人の学び続ける仕組みについて解説する。本講義の構成についても述べる。

【キーワード】
概念変化、知識と理解の社会的構成
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
白水 始
(東京大学教授)
2 活動の認知過程:学ぶことと分かること 学びという活動をその認知過程に立ち戻って考察し、人が様々な経験をして生活している中で、おもには頭の中で起きていること、起こしていることを捉える「認知的な」過程に焦点を当て、人がいかに学ぶものかを整理する。その中で、「活動」「枠組み」「表象」などの認知過程を語るための用語を紹介しつつ、なぜ「学び」について考える時、その背後にあって外からはよく見えない認知過程を考える必要があるのかを解説する。

【キーワード】
認知過程、表象、活動
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
白水 始
(東京大学教授)
3 人が自然に学ぶ仕組み 実験室的なアプローチ、そして小さな子どもの世界に迫るようなアプローチから人が「学ぶ」際の認知過程の特徴を整理しながら、「人は活動の中で学ぶ」ということの意味と効果を探る。人はその場の目的に従って、内的なリソースと外的リソースとを相互作用させながら認知活動を行っている。学ぶとはこの相互作用の取り方を豊かにして知り、自覚的に行えるようになっていくことだと言える。

【キーワード】
スキーマ、メタ認知、表象書き換え理論
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
白水 始
(東京大学教授)
白水 始
(東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
4 経験から作る素朴概念 概念変化と呼ばれる枠組みで発達心理学者が進めてきた研究の主要な所を紹介しながら、人が経験を通じて分かり、分かったことを作り変えてよりよくしていくプロセスについて考える。人は、小さい時から身の回りで起きることを観察して、一定の規則性を捉えようとする傾向を持っている。こういう分かり方を「経験則」、あるいは「素朴概念」と呼ぶ。ここでは物理学、生物学、天文学それぞれの素朴概念を扱う。

【キーワード】
素朴概念、概念発達の枠組み
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
齊藤 萌木
(東京大学特任助教)
齊藤 萌木
(東京大学特任助教)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
5 職場で必要から学ぶ 生活経験、特に職場での人の学びに着目して、人が「必要に迫られて」経験則を作り変えていく道筋を明らかにする。その人が置かれた状況がその人の学びを大きく規定する面があるというものの見方は、教育のデザインを考える上でも大いに役に立つ。

【キーワード】
ストリート・マス、定形的/適応的熟達化、正統的周辺参加
白水 始
(東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
白水 始
(東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
6 学びの動機づけ 学びの動機付けについての様々な考えを整理しておく。人の学びは必要に迫られてのみ起こる受身的なものなのか、そうではなくて人には知的好奇心、外的報酬によらない学ぶことそのものへの欲求があるのか、あるいはもし知的好奇心があるとしたらそれは内在的なもので外から伸ばすことはできないのか、これらは人の持つ潜在的な学ぶ力について考える上で重要な論点のひとつである。

【キーワード】
動機付け
白水 始
(東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
白水 始
(東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
7 対話で理解が深化する仕組み やりとりを通じて知識が社会的に構成されていくプロセスとメカニズムに着目する。このプロセスとメカニズムについて、収斂的概念変化と建設的相互作用という2つの異なる説明の仕方を取り上げながら、どんな状況でも複数人で問題解決をしさえすれば理解の深まりが見込めるのか、あるいは問題の質によって変ってくるのかについても検討したい。

【キーワード】
収斂的概念変化、建設的相互作用
白水 始
(東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
白水 始
(東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
8 学びの仕組みを教室に持ち込む 「建設的相互作用」を引き起こす学習環境デザインの条件を基に準備された「知識構成型ジグソー法」という授業の型枠を紹介する。認知、学習について分かってきたことを踏まえ、人が潜在的に持っている学びの力を信じて、それをより引き出せるような環境をデザインしたら、どのような可能性が見えるだろうか。

【キーワード】
協調学習、知識構成型ジグソー法
飯窪 真也
(東京大学特任助教)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
飯窪 真也
(東京大学特任助教)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
9 対話的な学びの中で何が起こっているか(1) 知的にタフな高校生の事例を紹介する。事例から、対話的な学びの中では、一人ひとりが自分なりのプロセスで理解を深めていること、一人ひとりの理解の差異が互いに学びのリソースとなっていること、だから対話的な学びがうまくいく場合、全体としてみれば共通のレベルまで理解が深まっているが、一人ひとりのこだわりや視点の多様性は維持されていることを示す。

【キーワード】
協調学習、知識構成型ジグソー法、高等学校、古典、世界史
齊藤 萌木
(東京大学特任助教)
飯窪 真也
(東京大学特任助教)
齊藤 萌木
(東京大学特任助教)
飯窪 真也
(東京大学特任助教)
10 対話的な学びの中で何が起こっているか(2) 第10回の講義では、高校生に比べると知的にタフでない小中学生の事例を使って、彼らの学習を支える授業デザインの工夫について検討したい。小中学生の場合でも、一人ひとりが互いの理解の違いをリソースにしながら、自分なりのプロセスで理解を深めている。こうした対話的な学びを効果的に引き起こすには、目の前の子たちが何を考えて、どう学んでいるかを定期的に見とりながら、「一人では十分な答えが出ない課題をみんなで解こうとしている」状況の設定が鍵となる。

【キーワード】
協調学習、知識構成型ジグソー法、小中学校、理科、国語
飯窪 真也
(東京大学特任助教)
齊藤 萌木
(東京大学特任助教)
飯窪 真也
(東京大学特任助教)
齊藤 萌木
(東京大学特任助教)
11 学びのプロセスを評価する 一連の学習活動のまとまりに着目して、子どもたちの理解の多様性とその多様な深まり方を示す。学びのプロセスを評価してみると、授業デザインにおいて暗黙の前提となりがちな学びについての素朴なイメージを問い直すきっかけになる。

【キーワード】
仮説実験授業、学習評価、単元
齊藤 萌木
(東京大学特任助教)
齊藤 萌木
(東京大学特任助教)
白水 始
(東京大学教授)
12 学びと評価を近づける 「評価」という営みを通じて私たちが行っていることの意味を再整理しながら、子どもたちが自分で考え、考えを作り変えていくことを支援できるような学びの評価のあり方について考える。

【キーワード】
学習プロセスの評価、評価の三角形、21世紀型スキル
白水 始
(東京大学教授)
齊藤 萌木
(東京大学特任助教)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
白水 始
(東京大学教授)
齊藤 萌木
(東京大学特任助教)
13 学びの研究史から学ぶ 教育の心理学に基づいて大きく学校の教育を変えるための研究者のアプローチやその背景にあるものの見方がどのように変ってきたのかを紐解く。その際、一つの軸は何が証拠となるのかの見方の変化であり、もう一つの軸は誰が賢くなるべきかの変化である。

【キーワード】
ジャスパープロジェクト、ワイズプロジェクト、知識構築プロジェクト
白水 始
(東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
白水 始
(東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
14 教室で質の高い学びを実現し続けるために 教育の質を上げるために、様々な立場の人たちを巻き込みながら、それぞれが賢くなり続けるシステムをどのようにデザインしていくかという新しい課題について、私たちが今取り組んでいる試みから見えてきていることを紹介する。

【キーワード】
デザイン社会実装研究(DBIR)、CoREF
飯窪 真也
(東京大学特任助教)
飯窪 真也
(東京大学特任助教)
白水 始
(東京大学教授)
15 21世紀の学びを支える「実践学」作りに向けて 21世紀に求められる新しい学びのゴールについて整理し、その先に人の認知過程について掘り下げる研究と、学校や社会における学びを変えようとする研究で、それぞれどんな問うべき問いが見えてきつつあるのか、先輩研究者の立場から感じていることを紹介してこの講義の結びとしたい。

【キーワード】
21世紀型スキル、学習ゴール
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
白水 始
(東京大学教授)
三宅 芳雄
(放送大学客員教授)
白水 始
(東京大学教授)
このページのトップへ本文ここまで
授業科目案内 大学院 放送大学