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臨床心理学研究法特論('18)

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主任講師
小川 俊樹 (放送大学客員教授、筑波大学名誉教授)
望月 聡 (法政大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(木曜)15時15分~16時00分

講義概要

臨床心理学領域における研究を行う上での方法論、さまざまな研究法について解説する。具体的な研究法として、心理学のすべての分野に通じる観察法や実験法、調査法等、そして主として臨床心理学分野に特化した面接法や事例研究法、神経科学的方法等について説明する。また、心理療法(心理面接)、アセスメント、発達心理臨床、病院心理臨床、産業心理臨床などの臨床心理学の各領域に特徴的な研究法について解説する。なお、臨床心理学研究の特徴と して、クライエントの利益を優先すること、プライバシーを含む倫理的な問題を常に念頭におくことが重要である。
※詳しくはシラバス

開設年度
2018年度
科目区分
臨床心理学プログラム
科目コード
8950636
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2018年度 第1学期:2018年7月27日(金曜)6時限(15時35分~16時25分)
単位認定試験
平均点
備考
 
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授業の目標

臨床心理学領域におけるさまざまな研究を行う上での方法論と、研究の重要性、および困難さを理解することを目標にする。臨床心理学においては、しばしば臨床実践と調査・研究とが対極的に考えられることが多い。臨床実践においては、調査・研究が現場から遊離したものと考えられ、他方調査・研究においては客観性や普遍性のないものと考えられやすい。本研究法では、究極的には、クライエントの利益に還元されることが優先されることを心がけながら、臨床実践を念頭においた研究方法について学ぶ。なお、臨床心理学研究法特論は、本プログラムの目指している、臨床心理士受験資格の選択必修科目(A群)となっている。

履修上の留意点

・「臨床心理学特論('17)」「臨床心理面接特論('13)」は、本特論とともに、臨床心理学の基礎となる科目である。
・臨床心理学的研究を進める際の基礎知識として、臨床心理学プログラムが開講している、以下の科目も併せて受講するのが望ましい。「投影査定心理学特論('15)」「心理・教育統計法特論('15)」 

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 臨床心理学研究①:方法と分野 この回では、臨床心理学の研究に必要な方法論を概観するとともに、一般の心理学研究法とは異なる臨床心理学研究法の特質について学ぶ。また、実地心理臨床の場での研究に由来する特有の研究法についても、臨床心理学の諸分野の理解とともに、理解を深める。さらに、研究を実施し、心理臨床に関わる際の倫理について解説する。

【キーワード】
臨床の意味、臨床法、病理法、比較法、臨床心理学の諸分野、研究倫理と臨床倫理
小川 俊樹
(放送大学客員教授、筑波大学名誉教授)
小川 俊樹
(放送大学客員教授、筑波大学名誉教授)
ゲスト:針塚 進(九州大学名誉教授)
2 臨床心理学研究②:研究の成立と過程 研究が研究として成り立つための諸条件や研究の進め方について解説する。臨床心理学領域における主要な研究法である、量的研究法、質的研究法、事例研究法の特徴とその研究の進め方のうち、特に「研究のかたちをつくる」までの過程を学び、対比的に理解を深める。あわせて、研究遂行に関わる倫理についても触れる。

【キーワード】
研究とは何か、研究のかたち、リサーチ・クエスチョン、研究デザインの立案、研究倫理
望月 聡
(法政大学教授)
望月 聡
(法政大学教授)
3 研究の方法論①:量的研究 数量的研究について、解説する。具体的には調査法の実際を紹介し、調査に必要な質問紙の構成や尺度選択の指針などについて概説する。

【キーワード】
量的研究、信頼性、妥当性、横断調査、縦断調査
大塚 泰正
(筑波大学准教授)
大塚 泰正
(筑波大学准教授)
4 研究の方法論②:質的研究 研究対象の現象の背後にある重要な鍵概念を抽出したり、現象の構造的特徴を記述できるモデルや仮説を構築することに主眼をおいた「質的研究」の特徴について、研究例を通して概説する。

【キーワード】
質的研究法、数量化、GTA(グラウンデッド・セオリー・アプローチ)、主題分析、解釈学的現象学アプローチ
名取 琢自
(京都文教大学教授)
名取 琢自
(京都文教大学教授)
5 研究法①:面接法 面接法について、臨床的面接法と調査的面接法について取り上げる。前者では査定面接について、その主な視座について論じ、具体的な構造化、半構造化面接について解説する。後者では調査面接の方法について、仮説を生み出すタイプと仮説を確かめるタイプの面接法について具体的に説明する。

【キーワード】
臨床的面接、調査的面接、構造化、半構造化面接
永井 撤
(首都大学東京教授)
永井 撤
(首都大学東京教授)
6 研究法②:観察法 観察法の中で自然的観察法と実験的観察法について論じている。それぞれの中で、観察者の観察形態による参与観察と被参与観察、さらに観察方法、観察の記録方法について解説し、具体的な臨床的乳幼児観察についての方法を取り上げる。

【キーワード】
自然的観察法、実験的観察法、参与観察法、演繹的観察、帰納的観察
永井 撤
(首都大学東京教授)
永井 撤
(首都大学東京教授)
7 研究法③:事例研究法 事例研究法は臨床心理学において最も重要な研究法の1つである。この回では、知識伝達と技術習得の違い、概念的知識と手続き的知識の違いに注目しながら、臨床の場において人間を統合的にとらえる実践的方法として洗練されてきたこの方法の意義と限界について検討する。

【キーワード】
事例研究、臨床の知、事例検討
名取 琢自
(京都文教大学教授)
名取 琢自
(京都文教大学教授)
8 研究法④:神経心理学的研究法 近年注目を浴びている神経科学的研究のうち、心理臨床の場においても神経心理学的な考え方や研究法の重要性は高まっている。神経心理学的検査、神経心理学的評価、認知(神経心理学的)リハビリテーションについて解説する。また、認知症および軽度認知障害について触れる。

【キーワード】
機能局在、神経心理学的検査、神経心理学的評価、認知リハビリテーション、シングルケーススタディ、グループスタディ、認知症
望月 聡
(法政大学教授)
望月 聡
(法政大学教授)
9 研究法⑤:実験法 臨床心理学においても、実験による研究は重要である。実験研究を実施する際の基本概念(実験群・統制群など)についても説明する。

【キーワード】
仮説、実験法と病理法、独立変数と従属変数、剰余変数、群間デザインと群内デザイン、一事例実験
小川 俊樹
(放送大学客員教授、筑波大学名誉教授)
小川 俊樹
(放送大学客員教授、筑波大学名誉教授)
10 研究法⑥:効果判定法 心理療法の効果について、効果量という指標を用いてその成果を問うメタ分析についての考え方、過程(プロセス)を問うプロセス研究の考え方を概説する。さらに、脳画像研究を用いた最近の効果研究について述べる。

【キーワード】
心理療法の効果、メタ分析、効果量、エビデンスに基づく実践、プロセス研究、脳機能画像に示される心理療法の効果
望月 聡
(法政大学教授)
望月 聡
(法政大学教授)
11 研究領域①:心理面接(心理療法) 心理面接(心理療法の面接)は臨床心理学にとって最も重要な研究対象であるが、その研究を適切に行うことはそう簡単ではない。この回では心理面接に対して可能な研究方法を概観し、最近の研究例、そして心理面接研究にとってきわめて重要な倫理的課題について考察する。

【キーワード】
行動・反応カテゴリー、評価と測定、研究倫理
名取 琢自
(京都文教大学教授)
名取 琢自
(京都文教大学教授)
12 研究領域②:心理アセスメント(心理診断) 心理アセスメントは、これまでも臨床心理学的研究の中核的領域となっている。この回では、研究の基盤となっている各種の心理アセスメント技法について理論的理解を深めるとともに、今日の心理アセスメントの現況について解説する。

【キーワード】
心理アセスメントと心理診断、アセスメント面接、関与しながらの観察、心理検査、テスト・バッテリー、アセスメントの文化差、コンピュータ解釈
小川 俊樹
(放送大学客員教授、筑波大学名誉教授)
小川 俊樹
(放送大学客員教授、筑波大学名誉教授)
13 研究領域③:発達・教育心理臨床 発達心理臨床と教育心理臨床領域について概観する。前者では主に心理臨床に役立つ発達理論を解説し、後者では教育現場における心理臨床の実践について、その対象について取り上げる。さらに支援の方法について、教育、表現、洞察モデルという視点から具体的な技法について研究方法を解説する。

【キーワード】
愛着行動、発達障害、特別支援教育、SST、遊戯療法、箱庭療法、精神分析的遊戯療法、母子平行面接
永井 撤
(首都大学東京教授)
永井 撤
(首都大学東京教授)
14 研究領域④:医療・保健心理臨床 医療・保健心理臨床に関わる研究を理解する上で必要な、医学分野における臨床研究、疫学研究やその研究デザインについて解説する。また、大学生やコミュニティに住む一般の人々など、非臨床群を対象とした臨床心理学研究の方法であるアナログ研究についても解説する。最後に、医療・保健領域への臨床心理学の拡がりについても触れる。

【キーワード】
臨床研究、疫学研究、異常心理学、精神病理学、病態心理学、アナログ研究
望月 聡
(法政大学教授)
望月 聡
(法政大学教授)
15 研究領域⑤:産業心理臨床 この回では、職場のストレスやメンタルヘルスに関する臨床心理学的研究の理論や方法について解説する。具体的には、働く人たちのストレスの現状や職場のストレスの理論モデルについて理解するとともに、これらの背景を踏まえたわが国における職場のメンタルヘルス対策の実際について紹介する。また、2015年に実施が義務化されたストレスチェック制度についても解説する。

【キーワード】
ストレス、メンタルヘルス、職業性ストレスモデル、心理学的ストレスモデル、ストレスチェック
大塚 泰正
(筑波大学准教授)
大塚 泰正
(筑波大学准教授)
ゲスト:森田 由美子((株)C's PORT)
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