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ヘルスリサーチの方法論('13)

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主任講師
井上 洋士(放送大学客員教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(土曜)6時45分~7時30分

講義概要

健康や保健医療に関する研究には、基盤となるアプローチがあるのと同時に、多様な研究方法が存在する。調査研究について大別すれば、量的研究や質的研究があり、またそれらを組み合わせた方法論的トライアンギュレーションも存在する。また、たとえば量的研究においても、介入的研究や質問紙による調査、Web調査なども存在する。本科目では、研究遂行のためのガイドとなるべく、健康や保健医療の研究のアプローチの基礎について概略を紹介し、一部の方法については具体的に言及する。保健・医療・看護・健康に関連する学生をコアターゲットとして考えているものの、福祉、生活、心理、教育、社会など、幅広い領域の学生も受講できるよう、また内容的にも各自の研究に十分役立つよう、工夫してある。
※詳しくはシラバス

開設年度
2013年度
科目区分
生活健康科学プログラム
科目コード
8910626
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2017年度 第2学期:2018年1月19日(金曜)2時限(10時25分~11時15分)
2018年度 第1学期:2018年7月28日(土曜)3時限(11時35分~12時25分)
単位認定試験
平均点
(2016年度 第2学期)77.0点
(2017年度 第1学期)74.8点
備考
 
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授業の目標

健康や保健医療に関する基本的な研究アプローチのうち、主要なものについての基本的理解を深めること、及び大学院における実査や論文作成等の研究を実施するにあたり、本科目で学んだ事項を発展的に応用し、研究テーマの焦点を絞って、そのテーマに合った方法を選択する実践的な力を培っていくことを目標とする。

履修上の留意点

他の生活健康科学プログラム関係の科目と並行して学ぶことが望ましい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 ヘルスリサーチと方法論 本科目での学び方について解説をする。特に、「研究とは何か」を改めておさえたうえで、ヘルスリサーチないしは保健・医療・福祉分野での調査研究について、その位置づけや方法論、流れについて概説をする。また、「私の疑問」をリサーチ・クエスチョンにし、さらに洗練させて研究課題へと具体化させる過程についても紹介する。

【キーワード】
ヘルスリサーチ、研究、リサーチ・クエスチョン、内的妥当性、外的妥当性
井上 洋士
(放送大学客員教授)
井上 洋士
(放送大学客員教授)
2 健康関連の理論・モデル と研究への適用 健康という現象を研究としてどのようにとらえるのか、理論やモデルと、それらの研究への適用について紹介し、受講者各自が研究を実施するにあたり「どのように光を当てるのか」を模索する契機とする。また、健康行動や健康教育にかかわる研究について頻繁に用いられる理論・モデルのいくつかについても紹介する。

【キーワード】
健康、健康行動、理論、モデル、概念、健康信念モデル、計画的行動理論、自己効力感
井上 洋士
(放送大学客員教授)
井上 洋士
(放送大学客員教授)
3 健康分野での文献検索とクリティーク ヘルスリサーチを進めていく上で、健康や医療、看護分野での文献や論文を探してレビューすることは不可欠である。ここでは、文献の種類や探し方を紹介する。さらに、収集した文献を概観するにあたっては、たえず批判的な目を持つ必要があると言われるが、その意味や、文献クリティークの視点について紹介する。

【キーワード】
文献の種類、文献検索、検索エンジン、クリティーク
伊藤 美樹子
(滋賀医科大学教授)
伊藤 美樹子
(滋賀医科大学教授)
4 健康や病い・障害の研究デザイン 健康や病いの研究のうち、「人」を対象とするものにおいては、患者など、その当事者そのものを念頭におくことが多い。しかし実際には、家族や地域の人々などを対象とする研究も含まれる。ここでは、研究対象をどうとらえるのかを考えていく。調査研究におけるサンプリングなど、研究デザインの構築の仕方についても言及する。

【キーワード】
研究デザイン、研究計画(どう立てていくか)、量的方法、質的方法
伊藤 美樹子
(滋賀医科大学教授)
伊藤 美樹子
(滋賀医科大学教授)
5 ヘルスリサーチにおける質的研究 ヘルスリサーチにおいて質的研究にはどのような役割があるのか、どのような場合に質的研究を選択するとよいのか、質的研究により厚みが出る研究テーマはどういうものなのかについて説明する。また、研究テーマなどにより、どの方法を選択したらよいかを考える。

【キーワード】
質的データ、実践科学、専門性への問い直し
木下 康仁
(立教大学教授)
木下 康仁
(立教大学教授)
6 グラウンデッド・セオリー・アプローチと健康・看護領域での活用 看護研究などでよく用いられるグラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)の概説と、この手法を選択する場合の注意点、実践研究例を紹介する。また、グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)を実践するにあたり、学ぶべきこと、姿勢などについても考える。

【キーワード】
グラウンデッド・セオリー・アプローチ、概念、カテゴリー、切片化
森 真喜子
(国立看護大学校教授)
森 真喜子
(国立看護大学校教授)
7 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチと健康領域での活用 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)は、GTAとどこが違うのか、どういった場合にM-GTAが適しているのかについて紹介する。また、M-GTAを実施する際の心構えと学ぶべきことについても考えていく。

【キーワード】
多重的同時比較、理論生成、実践的活用、一般化可能性
木下 康仁
(立教大学教授)
木下 康仁
(立教大学教授)
8 ヘルスリサーチにおける量的研究:質問紙調査を中心に 質問紙調査、いわゆるアンケート調査を主軸とする量的研究について、その役割・意義について概要を説明する。また、質問紙調査遂行のプロセスについて概観していく。

【キーワード】
量的調査、配表、質問紙、質問文、回収率、統計ソフト
井上 洋士
(放送大学客員教授)
井上 洋士
(放送大学客員教授)
9 ヘルスリサーチにおける介入研究 健康領域での介入的な研究は、準実験的研究とも呼ばれるものが多い。ここでは実験研究についてまず述べるが、実験研究の限界と、それゆえ行われる準実験的研究について、紹介する。具体的には、実施の仕方や留意点、限界などを紹介しつつ、その意義を検討していく。

【キーワード】
実験研究、介入研究、準実験的研究、介入、対照群、無作為割付、バイアス、交絡因子
井上 洋士
(放送大学客員教授)
井上 洋士
(放送大学客員教授)
ゲスト:三浦 佐智子(東京都町田市南つくし野小学校主任養護教諭)
10 統計を使って研究を進め「考える」とは 量的な実験や研究の結果はデータ化されている。研究計画の段階で研究目的にあがっている変数を測定するため、調査票を作成したり、測定機器を用いた。調査や実験が終わって、各対象者と変数のデータセットを作成して、さあ何をしようか、というところからこの回では扱っていく。全体を通して統計を使って「考える」とは何かについて説明をしていく。

【キーワード】
統計、分析、有意差、関連性、相関、尺度開発
戸ヶ里 泰典
(放送大学教授)
戸ヶ里 泰典
(放送大学教授)
11 質の高い研究を目指すための諸アプローチ ヘルスリサーチにおいて質の高いものを目指すための諸アプローチについて扱う。具体的には、近年注目されている、量的研究と質的研究との組み合わせ、すなわち方法論的トライアンギュレーション、紙ベースではなくインターネットを通じたWeb調査の実施、既存の調査データを用いて別の研究目的を設定して研究を進める2次分析、そしてシステマティック・レビューについてである。それぞれのメリット・デメリットについても紹介する。

【キーワード】
方法論的トライアンギュレーション、Web調査、2次分析、副次的研究、システマティック・レビュー
井上 洋士
(放送大学客員教授)
井上 洋士
(放送大学客員教授)
ゲスト:島 忍(東京地下鉄株式会社産業保健師)
12 研究における倫理的配慮 倫理、尊厳、人権という研究理論で使われる言葉を理解した上で、研究理論の基本的ルールであるインフォームド・コンセントと個人情報保護について、さらに安全性や科学性への配慮について考察する。また、こうした考察の基礎をなす倫理原則を検討する。

【キーワード】
倫理、尊厳、人権、インフォームド・コンセント、個人情報保護
樽井 正義
(慶應義塾大学教授)
樽井 正義
(慶應義塾大学教授)
13 当事者参加型リサーチ ヘルスリサーチでは近年、調査研究を研究者が請け負う形ではなく、調査研究の計画立案からまとめと成果発表に至るまで、研究者と当事者が協働で行う方式で進める当事者参加型リサーチが注目されている。この回では、その基本的な考え方と具体的な実践方法について、日本とオーストラリアでの例をもとに紹介する。

【キーワード】
当事者参加型リサーチ、アクション・リサーチ、エンパワーメント、協働、コンフリクト
井上 洋士
(放送大学客員教授)
井上 洋士
(放送大学客員教授)
ゲスト:高久 陽介(NPO日本HIV陽性者ネットワークジャンププラス事務局長)
14 ソーシャルマーケティングと研究への導入 健康領域の研究において、ソーシャルマーケティングの概念が導入されることが増えてきている。そこで、ソーシャルマーケティングの基本的な考え方を紹介するとともに、ソーシャルマーケティングに基づき保健医療領域での研究をしていくことの意義について考える。実際の研究例についても触れていく。

【キーワード】
ソーシャルマーケティング、形成調査、プロセス評価、アウトカム評価
木原 雅子
(京都大学准教授)
木原 雅子
(京都大学准教授)
15 ヘルスリサーチの成果の還元 ヘルスリサーチについて、実践をしていく上でのアプローチをここまで紹介したが、この回では、研究成果をどのようにまとめて世に還元したらいいのかについて触れる。最後に、まとめと今後の取り組み方について述べる。

【キーワード】
研究成果、発表、論文、査読、学会
井上 洋士
(放送大学客員教授)
井上 洋士
(放送大学客員教授)
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