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現代生物科学('18)

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主任講師
加藤 和弘 (放送大学教授)
二河 成男 (放送大学教授)
放送メディア
オンライン
配信期間(2018年度)
第1学期:平成30(2018)年4月5日(木)~8月31日(金)

講義概要

現代における生物学の進展を踏まえ、生物とそれに関わる諸現象の理解のために重要な事項を講義する。生物に特徴的な現象として、遺伝情報の伝達、エネルギー代謝、物質収支の動的平衡、そして自然選択による進化などがある。分子、細胞、器官、個体、個体群、群集といった生物界の主要な階層に着目しつつ、これらについて論じる。また、現代の生物学と人間生活との関連について、特に生物多様性の観点から説明する。
※詳しくはシラバス

開設年度
2018年度
科目区分
自然環境科学プログラム
科目コード
6960030
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
 
単位認定試験
平均点
 
備考
「現代生物科学('14)」の単位修得者は履修不可
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授業の到達目標

「生物多様性」および「生物界の階層性」そして「生物進化」を基本にすえて、今日の生物学を大学院修士レベルで理解させる。また、今日問題となっている生物多様性の危機の現状と理由について、人間と生物の関わりのあり方に着目して理解させる。

成績評価の方法

各回の授業の最後に、小テストを実施する。小テストの配点は1回あたり4点とする(計15回、60点)。授業の途中に1回、最終回終了時に1回、記述式のレポート課題を課す。配点は各20点とする(計2回、40点)。小テストとレポートの点数を合計し、100点満点で評価する。小テストの出題、ならびにレポートの課題の提示は、オンライン教材の中で行う。
※オンライン上の学習で評価します。放送授業と異なり、通信指導や学習センターにおける単位認定試験は行いません。また、単位修得できなかった場合の再試験制度もありません。

履修上の留意点

学部における科目の「初歩からの生物学」「生物環境の科学」「生命分子と細胞の科学」「生物の進化と多様化の科学」「植物の科学」「動物の科学」などを履修しておくことが望ましい。
※次の本をご自身で用意する必要があります。大学より受講生の方へお送りすることはいたしません。
  松本 忠夫、二河 成男著『現代生物科学-生物多様性の理解-』
  (放送大学教育振興会、2014年、 ISBN978-4-595-14029-7)\3,240(税込)
※本科目の受講には、インターネットなどの受講環境が必要です。詳細は本学ホームページをご参照ください。

シラバス

テーマ 内容 担当講師名
(所属・職名)
1 生物多様性とは 多数の生物種が絶滅に瀕する現状を憂え、生物多様性という考え方が世界的に定着しつつある。生物の多様性が生じた主な理由として、無機環境の多様性、生活資源の獲得様式の多様性、生物間の相互作用、地球史に関わる理由が考えられる。これらについて説明するとともに、関連する事項として、生物多様性の階層性、生物の分類体系、さらに、多様性の基盤となる生物が獲得するエネルギーおよび物質について述べる。

【キーワード】
生物多様性、無機環境の多様性、エネルギー源、炭素源、個体、個体群、生態系、遺伝的多様性、分類体系
加藤 和弘
(放送大学教授)
2 生命分子が創出する生物多様性 生物のからだや細胞を構成する有機物は、タンパク質、糖、脂質、核酸などの巨大な分子が多い。これらの分子は、アミノ酸、単糖、脂肪酸、ヌクレオチドなど、ごく限られた種類の小さな分子が、規則正しく結合したものである。ここでは、それら生物体を構成する巨大分子の基本構造、機能、多様性、その細胞内での合成機構について学ぶ。

【キーワード】
分子、タンパク質、脂質、糖、核酸、酵素、遺伝子、転写、翻訳
二河 成男
(放送大学教授)
3 細胞レベルで見た生物多様性 細胞は自身の持つ遺伝情報を利用して、機能を発現している。ヒトの個体を構成する細胞では、全く同じ遺伝情報を保持するにも関わらず、200種類以上の異なる細胞へと分化する。これら細胞の機能の違いは、発現している遺伝子の違いに大きく依存している。ここでは、細胞とは何か、個体内の細胞種の多様性、多様な細胞を生み出す基盤となる遺伝子発現調節のしくみについて学ぶ。

【キーワード】
細胞、細胞種の多様性、細胞分化、遺伝子発現
二河 成男
(放送大学教授)
4 多様な微生物の世界 遺伝子情報解読の技術革新により、これまでの技術で培養や同定の困難であった微生物を、遺伝子の塩基配列情報を利用して、同定できるようになった。その結果、極めて多様な微生物が、さまざまな地球環境中に存在することが明らかになった。ここでは、細菌(真正細菌)や古細菌において、その検出方法や、生物種の多様性、生態的特性について学ぶ。

【キーワード】
細菌(真正細菌)、古細菌、リボソームRNA、独立栄養生物
二河 成男
(放送大学教授)
5 植物の多様な繁殖様式 植物では、動物とは個体性が大きく異なり、動物には見られない多様な性表現が存在する。ここでは、被子植物にみられる性表現と受粉様式の進化を解説するとともに、それには動物の影響が大きかったことを紹介する。また、植物が動物からの摂食に耐えるためのさまざまな適応戦略を説明する。

【キーワード】
性表現、被子植物、受粉様式、適応戦略
大原 雅
(北海道大学教授)
6 植物の個体発生と環境適応 植物は固着生物なので、環境に対して柔軟に適応する能力が進化の過程で発達した。中でも植物の生活を支えている光合成に関しては、環境適応が必須のため、光合成器官である葉の発生は、外界の環境に適応して実に大きな可塑性を発揮する。葉の発生の可塑性と生態環境への適応との関係について、発生を制御する遺伝子の働きも含めて、現在の理解を紹介する。

【キーワード】
環境適応、光合成、葉、生態環境、発生、可塑性
大原 雅
(北海道大学教授)
7 動物の多様な繁殖様式 通常の動物は雌雄の性があり、それらが出す配偶子によって有性生殖を行うが、中には性を必要としない単為生殖、多胚生殖、幼形生殖などを行うものがいる。また、親による子の保護様式と関係して、卵生、卵胎生、胎生などが見られる。そして哺乳類では雌親による妊娠、授乳が発達している。ここでは、このように多様な動物の繁殖様式を説明する。

【キーワード】
有性生殖、親による子の保護、卵生、胎生、繁殖様式
加藤 和弘
(放送大学教授)
8 動物個体の発生と環境適応 動物の中には、発生・発育過程において環境の影響を受けて、その形態や性質が大きく変化するものたちがいる。生存のための環境適応と解釈される。また、繁殖における戦略として性転換をする魚類、さらには昆虫類の環境適応としての多型現象にも触れる。そして、そのような多様な形態や性質をもたらす進化的要因および体内メカニズムについて説明する。

【キーワード】
個体発生、性転換、多型現象、環境適応、可塑性
三浦 徹
(東京大学教授)
9 動物の多様な社会 動物社会がいかにして成立しているのかについて、特に環境との関連で説明する。真社会性生物は、集団の中に少数の生殖者そして多数のワーカーや兵隊など非生殖者といったカースト分化が見られることを特徴としている。ここでは、カースト分化がもたらされた進化的要因およびカースト分化の分子生物学的メカニズムについておもにシロアリを例にして説明する。

【キーワード】
動物社会、真社会性生物、カースト分化、シロアリ
三浦 徹
(東京大学教授)
10 植物群落の動態 大地に固着した植物は同種および異種個体が群落を形成するが、その特徴を説明する。植物群落が時間経過とともに変化していく様相を遷移というが、それがなぜ起こるかについて解説する。さらに、植物遷移の知見の応用例として、生態系の再生について説明する。

【キーワード】
植物群落、遷移、生態系再生
大原 雅
(北海道大学教授)
11 動植物と微生物との共生関係 共生とは異種の生物が一緒に暮らしている現象をいう。特に他の生物体内に別の生物が入り込んでいる場合は、内部共生といい、その生物間相互作用は興味深いものが多い。ここでは、植物や動物と微生物の間の共生を例にとり、共生関係にある生物間の利害関係と、共生に伴う新規な生物機能の獲得について学ぶ。

【キーワード】
内部共生、相利共生、根粒菌、腸内細菌、共生細菌
二河 成男
(放送大学教授)
12 動物の多様性と、人類による生物相の攪乱 生物の多様な種は、それぞれが利用する食物や空間の様相に応じて多様な形態、行動を示す。同所的に生息する種は相互に関係を持ちつつ生息するが、そこに他所から新たな種が持ち込まれると、時に元からいた種に対して捕食者や競争者となり、種間の関係の様相が変化して在来の生物相に大きな影響が生じる。こうした外来種の現状とそれらが引き起こす諸問題について、日本における現状を概観し、対策についても紹介する。このほか、限られた面積の生息場所における種数のあり方を説明する島嶼生物地理学の考え方についても触れる。

【キーワード】
動物群集、食物、種間競争、外来種、侵略的外来種、島における種数
加藤 和弘
(放送大学教授)
13 ランドスケープの構造と生物多様性 生物の生息・生育の有無や程度は、個々の場所における条件だけでは決まらない。その場所を取り巻く空間のあり方にも影響を受ける。なぜそのようなことが起こるのか、その理由を説明するとともに、広がりを持った空間の中で起こる現象を捉えるための枠組みの一つとして、ランドスケープ・エコロジーの考え方を紹介する。

【キーワード】
パッチ、コリドー、マトリクス、景観(ランドスケープ)
加藤 和弘
(放送大学教授)
14 ランドスケープの構造と生物多様性(続き) 人間の活動によって改変された土地では、生物の生息に適した土地はもっぱらパッチ状に残存する。パッチ状の生物生息地がどのような属性を備えることで、生物の生息が容易になるのかを、実際の調査事例に基づき説明する。また、パッチをつなぐ役割を果たすコリドーの存在や状態、さらにはパッチを取り巻くマトリクスのあり方が、生物生息地としてのパッチの価値をどこまで向上させ得るかについても、最近の研究事例に則して紹介する。

【キーワード】
連結性、生息場所面積、SLOSS問題、境界効果、生態的回廊、マトリクス
加藤 和弘
(放送大学教授)
15 生物多様性と人類 現在の地球における生物多様性に対しての人為の影響はたいへん大きい。今日、絶滅の危機に瀕している生物も多い。そのような生物多様性の危機の現状を説明し、なぜそうした絶滅が起こるのかを考える。生物多様性を保全すべき理由についても改めて考える。その上で、生物多様性の保全や保護のためになされている取り組みの一端を紹介する。

【キーワード】
生物多様性、絶滅危惧種、生息場所の孤立化、外来種、撹乱、人間と自然との関わりの変化、生態系サービス、世界自然遺産
加藤 和弘
(放送大学教授)
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