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イランとアメリカ('17)

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主任講師
高橋 和夫 (放送大学教授)
放送メディア
オンライン
配信期間(2018年度)
第1学期:平成30(2018)年4月5日(木)~8月31日(金)

講義概要

イランとアメリカの関係を歴史的文脈に位置づけ、その将来を展望する。具体的には、2015年7月のイランの核開発問題に関する包括的合意によって注目される同国とアメリカの関係を概観する。イランの歴史から説き起こしイラン人の歴史認識を紹介する。なぜならば、それがイランの行動を説明する重要な要因であるからだ。歴史的な背景を押さえたうえで、議論は20世紀中盤からのイランとアメリカの関係を振り返る。そこでの大きな事件は1953年のCIAによる民主的に選ばれたモサデク政権の転覆工作であり、1979年から1980年にかけて起こったテヘランのアメリカ大使館人質事件である。こうした経緯を踏まえて醸成された深い不信感にもかかわらず、2015年には両国は上述の歴史的な合意に達した。なぜか。そのために払われた両国政府の外交的努力を跡付ける。同時に合意後の情勢を展望する。イラン・アメリカ関係を語りつつ、現代の国際政治の特徴そのものを論じたい。
※詳しくはシラバス

開設年度
2017年度 ※第2学期開設
科目区分
社会経営科学プログラム
科目コード
6930018
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
 
単位認定試験
平均点
 
備考
 
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授業の到達目標

イラン・アメリカ関係を歴史的な文脈に位置づけ、双方の視点から客観的に分析する観点への到達を目指す。

成績評価の方法

成績評価は、2回の中間レポートと最終レポートの評価により行う。レポートはネットにより提出を求める。中間レポート 30%×2=60%、最終レポート 40%
※オンライン上の学習で評価します。放送授業と異なり、通信指導や学習センターにおける単位認定試験は行いません。また、単位修得できなかった場合の再試験制度もありません。

履修上の留意点

学部科目の「現代の国際政治('18)」「国際理解のために('13)」「世界の中の日本('15)」や「パレスチナ問題('16)」などの事前の履修が望ましい。
レポートの課題図書として次の本を必要とする。高橋和夫著『イランとアメリカ』(朝日新聞出版、2013年)kindle版 \540
※本科目の受講には、インターネットなどの受講環境が必要です。詳細は本学ホームページをご参照ください。

シラバス

テーマ 内容 担当講師名
(所属・職名)
1 トランプ大統領とイラン 2016年11月の大統領選挙で当選した新大統領のイラン政策は何か。大統領選挙で主要候補者によって語られたイラン政策は何か。アメリカ大統領選挙後のイラン・アメリカ関係を論じる。

【キーワード】
ドナルド・トランプ、マティス国防長官、ケリー国土安全保障長官、海兵隊
高橋 和夫
(放送大学教授)
2 キュロスとゾロアスター 現代のイラン人の歴史認識を規定する古代ペルシア帝国の栄光と、その後世に与えた影響を論じる。

【キーワード】
キュロス革命、バビロン捕囚、キュロスの円筒印章、マギ
高橋 和夫
(放送大学教授)
3 ペルシアとイスラム 多くのイラン人のアイデンティティーの核心にあるシーア派意識の源泉に迫る。またイラン人が、最初からシーア派を選んだとする説に反論する。

【キーワード】
アラビアン・ナイト、アビケンナ、オマル・ハイヤーム、アーノルド・トインビー
高橋 和夫
(放送大学教授)
ゲスト:稲垣 肇(MIHO MUSEUM学芸部副部長・研究主任)
4 熊と獅子の間で ナポレオンのインドへの野心が、中東をヨーロッパの国際政治の舞台にした。ナポレオンの没落後は英露の両帝国がイランやアフガニスタンの覇権を争った。イランは、イギリスとロシアによる直接支配は免れたものの、強い影響下に置かれた。つまり半植民地的な状況下にあった。南部での石油生産は、イランを大産油国にはしたが、石油はイギリスの支配下にあった。1920年代に成立したパフラヴィー朝のレザー・シャーはドイツと接近して、両国の影響力を削ごうとした。

【キーワード】
ナポレオン、グレート・ゲーム、緩衝国、大使館政治の時代、神の息吹、第三国政策
高橋 和夫
(放送大学教授)
5 アメリカの鷲づかみ 英露の圧力をかわすためにイランは、最初はドイツと接近した。そして第二次世界大戦中に英ソによる分割占領を受けると、アメリカに接近した。第二次世界大戦後の1951年にイランのモサデク首相は南部の石油産業を国有化する。しかし、1953年にはアメリカの介入によりモサデクは失脚する。そしてアメリカはイランの石油産業に権益を確保した。アメリカという大鷲がイランをつかみ上げた。

【キーワード】
分割占領、アゼルバイジャンとクルディスターン、モサデク、石油産業の国有化、クーデター
高橋 和夫
(放送大学教授)
6 血染めの白色革命 シャーの上からの改革「白色革命」は宗教勢力を含む国民の激しい抵抗を受けた。しかしシャーはデモ隊を虐殺して、その権力を固めた。この血染めになった改革の意味を考える。

【キーワード】
水主と農村、土地改革、革命の起源、ホメイニーの真意
高橋 和夫
(放送大学教授)
7 ペルシア湾岸の憲兵 石油収入をつぎ込んで軍事力を増強したシャーは、イギリス撤退後のペルシア湾岸地域でアメリカの憲兵として大きな役割をになった。

【キーワード】
イギリスの撤退、建国2500年祭、ドファール、バルザーニー
高橋 和夫
(放送大学教授)
8 革命 1978年に始まった革命状況は1979年には王制の崩壊をもたらした。まず革命運動の進展を跡付ける。また革命に関する議論を比較する。そして最後に革命の周辺諸国への影響を考える。

【キーワード】
コム、アバダン、ナジャフ、ノーフル・ル・シャトー、ウィラーヤティ・ファギーフ
高橋 和夫
(放送大学教授)
9 イラン・イラク戦争 イラン・イラク戦争の展開、そのイラン国内への影響、そして周辺諸国への影響を考える。

【キーワード】
ホラム・シャフル、フーニン・シャフル、革命防衛隊、フランケンシュタイン
高橋 和夫
(放送大学教授)
10 冷戦の終結と湾岸戦争 冷戦の終結と湾岸危機と湾岸戦争の関係を解説する。湾岸危機は冷戦の終結の産物ではない。湾岸戦争は冷戦の終結の影響を受けたという議論を展開する。

【キーワード】
ゴルバチョフ、ペレストロイカ、湾岸危機、シュワルツコフ将軍、湾岸戦争
高橋 和夫
(放送大学教授)
11 悪の枢軸と核疑惑 ブッシュ息子大統領期のイラン・アメリカ関係を跡付ける。そこに長い影を落としたのはアメリカ同時多発テロ以降のアメリカのアフガニスタン戦争とイラク戦争であった。

【キーワード】
ブッシュ・ドクトリン、悪の枢軸、大量破壊兵器、アルカーイダ
高橋 和夫
(放送大学教授)
12 こぶしを開くなら オバマ政権とイランとの間の外交的努力の軌跡をたどる。

【キーワード】
オバマの就任演説、ノールーズのメッセージ、イラン「人脈」、ツイッター外交
高橋 和夫
(放送大学教授)
13 合意の後に イランと6大国の間の合意の内容を紹介する。次に、その評価を提示する。そして最後にアメリカ議会の合意への反対を、いかにオバマ政権が封じたのかを論じる。

【キーワード】
条約、エグゼクティブ・アグリーメント、ベンとジェリー
高橋 和夫
(放送大学教授)
14 ニトロゼウス 合意にもかかわらずイランとアメリカの関係は複雑である。協力する場面と対立する場面があるだろう。その対立する場面の一つがサイバー空間である。この空間での両国関係を論じる。

【キーワード】
スタックスネット、オリンピック作戦、サンズハック、ニトロゼウス
高橋 和夫
(放送大学教授)
ゲスト:後藤 信介(小樽市役所職員)、小沢 知裕(放送大学大学院教育支援者)
15 キュロスとジェファーソン イラン・アメリカ関係を考える際の重要なポイントの一つは、アメリカのイラン人社会である。大変に成功し、次第に影響力を高めつつある。

【キーワード】
キュロスの円筒印章、キュロスの教育、アメリカ合衆国憲法、トーマス・ジェファーソン、アメリカのイラン人社会
高橋 和夫
(放送大学教授)
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