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人的資源管理('18)

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主任講師
原田 順子 (放送大学教授)
平野 光俊 (神戸大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(日曜)16時45分~17時30分

講義概要

人的資源管理とは、継続的事業体(going concern、 Betrieb(ドイツ語))において、人を対象とした管理の仕組みを総称した概念である。市場において営利を目的として事業を営む企業の経営においては、この人的資源管理がいち早く発達し、経営学の中でも多くの知識が蓄積されてきた。人的資源管理の変遷、役割等について、企業経営の基本的概念とともに説明していく。また、関連する現代的トピックも取り上げて多面的に学習する。
※詳しくはシラバス

開設年度
2018年度
科目区分
社会経営科学プログラム
科目コード
8930775
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2018年度 第1学期:2018年7月28日(土曜)3時限(11時35分~12時25分)
単位認定試験
平均点
備考
「人的資源管理('14)」の単位修得者は履修不可
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授業の目標

この授業は、Ⅰ.人的資源管理の基礎知識(第1-2回)、Ⅱ.人的資源管理の制度と機能(第3-9回)、Ⅲ.多様な労働者たち(第10-15回)、の3部構成となっている。「基礎」から「応用」まで段階をおって学習し、人的資源管理の全体像を理解することを目標とする。

履修上の留意点

人的資源管理に対する真摯な関心と基礎的知識を有する方に履修を薦めたい。放送教材からも多くを学んでいただきたい。また、印刷教材の各章末に参考文献を示したので、それらを手掛かりにさらに学習を深めることが望ましい。
<履修制限:「人的資源管理('14)」の単位修得者はこの授業を受講できない。>

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 企業経営と人的資源管理 人的資源管理とは、継続事業体(going concern)である企業で働く人々を対象とした管理の仕組みを総称した概念である。企業は、経営資源の投入(インプット)→技術的変換(スループット)→産出(アウトプット)という変換過程を管理し付加価値を生み出している。投入する経営資源にはヒト、モノ、カネ、情報などがあるが、ヒトは他の資源と違い、自ら意思・選好・欲求を持つ生身の人間である。したがって人的資源管理は、働く人々の意識や態度および行動に働きかける必要があり、企業の戦略達成および競争力向上という「経営の視点」と、組織に参加する個人の意欲や成長といった「人の視点」をうまく接合していくことがポイントとなる。この回では、企業経営の中で人的資源管理がどのような役割を果たしているかについて、戦略、組織、人的資源(従業員)、人的資源管理の補完性という観点から整理する。同時に人的資源管理の活動や機能を概観する。

【キーワード】
戦略、組織、人的資源、協働、人的資源管理の3機能、組織行動論
平野 光俊
(神戸大学教授)
平野 光俊
(神戸大学教授)
2 日本型人的資源管理の変遷 この回では、第1に、高度経済成長期に原型がつくられ、安定成長期に全面的展開を遂げた日本企業の正社員の人的資源管理の「日本型」なる特質を論ずる。第2に、日本型人的資源管理を特徴づける様々な人事施策の束が、どのような補完性を発揮し、経営パフォーマンスに結びついたのかを組織モードの双対原理を用いて検討する。第3に、平成雇用不況期から現在に至る間に、これまでの人的資源管理の補完性は失われてしまったのか、あるいは新しい補完性を見出したのかについて検討し、日本型人的資源管理の変遷を跡づける。

【キーワード】
知的熟練、組織モード、双対原理、補完性、人事部
平野 光俊
(神戸大学教授)
平野 光俊
(神戸大学教授)
3 モチベーションとリーダーシップ 人的資源管理論と関わりの深い学問領域の一つに、組織行動論がある。組織行動論は組織の中の集団や個人の行動を理解しようとするものであり、行動科学の中から生まれ、人間の心理に注目するところに特徴がある。人はなぜ働くのか、働くことのどこに喜びを見出すのかといった問いに答えようとするものだといえる。この回では、その代表的な研究テーマであるモチベーションとリーダーシップについて学んでいく。

【キーワード】
実体理論、プロセス理論、欲求、期待、職務特性、配慮、構造づくり、変革型リーダー
三輪 卓己
(京都産業大学教授)
三輪 卓己
(京都産業大学教授)
4 人事等級制度 人的資源管理の基本システムである人事等級制度の設計原理を能力主義(職能資格制度)、職務主義(職務等級制度)、役割主義(役割等級制度)の比較から解説する。次に近年の日本企業の人事等級制度の実態を管理職と非管理職に分けて確認する。また、キャリア発達との適合性を条件としたときの人事等級制度設計の合理性を検討する。最後に多国籍内部労働市場のインフラとしてグローバル・グレーディング制度について検討する。

【キーワード】
職能資格制度、職務等級制度、役割等級制度、グローバル・グレーディング制度、多国籍内部労働市場
平野 光俊
(神戸大学教授)
平野 光俊
(神戸大学教授)
5 人事考課制度 人事考課制度とは、定期的に企業が従業員の働きぶりを評価する制度であり、その結果に基づいて従業員の処遇を決定するとともに、その働きぶりを改善して企業の目的達成に結び付けていこうとするものである。日本ではかつて、職能資格制度に基づく人事考課制度が普及していたのであるが、近年では、大企業を中心として職務(役割)等級制度に基づく人事考課制度が増加している。この回では、それら二つの人事考課制度について、その特徴や意義を詳しくみていくことにしたい。

【キーワード】
成績考課、能力考課、情意考課、考課ランクの分布制限、目標による管理、コンピテンシー
三輪 卓己
(京都産業大学教授)
三輪 卓己
(京都産業大学教授)
6 賃金制度 日本企業では、長い間職能給を中心とした能力主義の賃金制度が普及していたのであるが、1990年代以降の成果主義人事制度の広がりに伴い、職務給や役割給を中心とした制度が増加している。この回では、それぞれの制度の特徴や意義を整理したうえで、これからの企業や組織に求められる賃金、報酬について展望していく。

【キーワード】
内部公平性、外部競争性、職能給、職務給、役割給、業績連動型賞与
三輪 卓己
(京都産業大学教授)
三輪 卓己
(京都産業大学教授)
7 キャリア開発 グローバル化やマクロ経済の変動に応じて、企業は戦略や組織を変えていかなければならない。そういった企業の環境適応行動は個人のキャリアにも大きな影響を与える。実際、出向や転職などキャリア上の大きな変化に遭遇することも珍しいことではない。誰もが長い職業人生の中で、役割、人間関係、日常生活、ものの見方や考え方など様々な領域で大きな変化に見舞われ、能力不足や新しい環境への不適応などキャリアの危機に遭遇する。この回では、発達心理学やカウンセリング心理学をベースとするキャリア研究の知見の人的資源管理への応用を学ぶとともに働く人々の適応的なキャリア開発のあり方を検討する。

【キーワード】
組織内キャリア、キャリア・アンカー、トランジション、非連続な異動、キャリア・ドメイン、エンプロイアビリティ保障
平野 光俊
(神戸大学教授)
平野 光俊
(神戸大学教授)
8 労使コミュニケーション 企業は多くの利害関係者に囲まれた存在である。中でも労働者との関係は重要である。円滑な労使関係を築くことは経営を安定させるための必須条件であると言えよう。その前提となる労使コミュニケ―ションと現代的な課題を解説する。

【キーワード】
経営資源、離脱・発言・忠誠、労働組合、労使協議制、労使紛争
原田 順子
(放送大学教授)
原田 順子
(放送大学教授)
9 長時間労働とワーク・ライフ・バランス 日本では長時間労働が一向に改善されない。その原因は現行のいわゆる36協定の実効力の弱さにある。長時間労働の是正に向けた労働時間規制の改正は、労働者の心身の健康を確保するとともに、仕事と私生活の調和を図り、性別や年齢、障害の有無等にかかわらず、すべての人々の活躍を推進するうえで重要な課題である。現在、政府は罰則付きの時間外労働の限度を法律に規定しようとしている。企業においても、多様な制約を持つ従業員のワーク・ライフ・バランス実現に向けて人的資源管理と働き方の改革が求められる。

【キーワード】
36協定、ワーク・ライフ・スピルオーバー、クロスオーバー、働き方改革、管理職の家庭と仕事の両立支援行動
平野 光俊
(神戸大学教授)
平野 光俊
(神戸大学教授)
10 雇用区分の多元化と人材ポートフォリオ この回では、多元化する雇用区分とその組み合わせを最適化する人材ポートフォリオという考え方を学ぶ。人材ポートフォリオはどのような基準で構築したらよいのか、また雇用区分間の転換制度をどのように設計すべきなのかという問題を、内部労働市場論と取引費用の経済学の知見を援用しながら理論的に検討した三層労働市場モデルを解説する。そのうえで、限定正社員の増加や同一労働同一賃金など、近年、日本企業の内部労働市場で起こっている変化とそれに伴う人的資源管理の新たな課題を整理する。

【キーワード】
基幹化非正規、限定正社員、三層労働市場モデル、同一労働同一賃金、衡平理論
平野 光俊
(神戸大学教授)
平野 光俊
(神戸大学教授)
11 女性労働者と雇用 現代社会における女性労働者は男性労働者と異なる特徴がある。例をあげると、雇用形態、就業時間、労働力率、管理職比率等の点で、男性と差異がみられる。雇用面における女性労働者の現状と課題を学習する。

【キーワード】
年齢階級別労働力率、M字の谷、機会/結果の均等、ポジティブアクション、コース別人事管理、ワーク・ライフ・バランス
原田 順子
(放送大学教授)
原田 順子
(放送大学教授)
12 知識労働者 21世紀は知識社会だといわれている。知識社会とは、人々の持つ知識が主たる生産手段となる社会であり、創造的、あるいはユニークな製品やサービスの提供が企業の競争力となる社会である。ここで取り上げる知識労働者とは、そうした新しい製品やサービスを生み出す労働者なのであり、これからの企業の中核的な人材だといえる。彼(彼女)らの活躍や成長を促す人的資源管理について考えていきたい。

【キーワード】
研究開発技術者、IT技術者、コンサルタント、自律性、組織間移動、人的ネットワーク、市場志向の人的資源管理、組織志向の人的資源管理
三輪 卓己
(京都産業大学教授)
三輪 卓己
(京都産業大学教授)
13 感情労働者 現在、わが国の第3次産業従事者は全労働者の7割を占めるに至っており、外国人観光客に対応する観光関連領域や高齢化社会を支える看護・介護領域などで対人サービスに従事する人たちはますます増加していくことが予想される。難しい対応を迫られることもある対人サービス従事者がやりがいをもって働くにはどうすればいいのか、労働の特性である感情労働に焦点をあてて考える。

【キーワード】
サービス、感情労働、バーンアウト、支援行動
野村 佳子
(摂南大学准教授)
野村 佳子
(摂南大学准教授)
14 グローバル人材の育成 1985年のプラザ合意以降、円高の影響により、多くの日本企業が海外へ進出している。2000年以降、日本企業の海外展開は益々拡大する傾向にある。そのような中、日本企業はどのようなヒトの問題に直面し、どのような取り組みを行っているのであろうか。ここでは、特にグローバル人材の育成に焦点を当て説明する。

【キーワード】
日本企業の海外進出、人材についての課題、グローバル人材、育成プログラム
中村 志保
(立命館大学准教授)
原田 順子
(放送大学教授)
中村 志保
(立命館大学准教授)
原田 順子
(放送大学教授)
15 共的セクターの人々 私的セクター(企業)、公的セクター(行政)に加え、共的セクター(例:ボランティア団体)の存在感が増している。組織のミッション(使命)と戦略は、組織構造と人的資源管理に影響を与える重要な要素である。では、ミッションの異なる組織では、その人的重管理の様相はどのように異なり、どのような特徴がみられるのか。ボランティア団体を例に共的セクターについて考える。

【キーワード】
組織ミッション(使命)、共的セクター、ボランティア活動、アソシエーション(組合、協会)
原田 順子
(放送大学教授)
原田 順子
(放送大学教授)
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