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メディア論('18)

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主任講師
水越 伸(東京大学大学院教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(2018年度)
第1学期:(金曜)23時15分~24時00分

講義概要

21世紀に入って約20年が経過した。メディアは、伝統的な新聞やテレビのようなマス・コミュニケーションの媒体から、モバイル・メディアとSNSに象徴されるような人々が情報を享受すると同時に表現するための媒体へと、なおかつあらゆる社会領域に浸透しそれらを統率する普遍性を帯びた存在へと、変貌した。この変貌は、自我やコミュニティから民族、国家にいたるまで、あらゆることがらに影響を与えつつある。そうしたなかで、私たちはメディアについての新たな思想・理論を必要としている。この講義では、コミュニケーションの媒(なかだち)であるメディアを、歴史/空間という二つの軸で位置づけ、テクノロジー、リテラシー、モビリティ、観光、ワークショップなどに関する学問領域との交流のなかから、新しいメディア論の相貌を描き出していく。
※詳しくはシラバス

開設年度
2018年度
科目区分
コース科目(情報コース(専門科目))※共用科目(社会と産業・人間と文化)
〔2009年度~2015年度〕専門科目(情報コース)※共用科目(社会と産業・人間と文化)
〔2008年度以前〕専門科目(情報コース)※共用科目(社会と経済・産業と技術・人間の探究)
科目コード
1570315
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2018年度 第1学期:2018年8月5日(日曜)2時限(10時25分~11時15分)
単位認定試験
平均点
備考
 
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授業の目標

(1)メディア論の基礎的素養を学び、メディアと人間、社会の関係を多元的に理解できるようになること。(2)現代のメディアが抱えるさまざまな問題を構成的にとらえ、それらに当事者意識を持って取り組もうとするメディア・リテラシー(メディアの読み書き能力)を養うこと。

履修上の留意点

日常生活で当たり前のように思われていることがらを批判的にとらえなおすことができるセンスと、学問をたんなる「勉強」としてとらえるのではなく、歴史的、あるいは空間的な想像力をめぐらして、現実社会に対して働きかけるための「批判的実践知」としてとらえる度量を持つ学生の履修を期待している。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 メディア論の視座 コミュニケーションの媒(なかだち)や媒介性に着目するメディア論の意義や、メディアをめぐる問題の所在をしめす。歴史軸と空間軸でメディアをとらえなおし、新たなメディア論を模索するという全体構成を説明する。放送大学というメディアを通してメディア論を学ぶという特殊な状況を活かしたスタイルや道具立てを説明する。

【キーワード】
日常生活、コミュニケーション、メディア、情報技術、社会
水越 伸
(東京大学大学院教授)
水越 伸
(東京大学大学院教授)
2 テレコミュニケーションの諸相:19世紀における時間と空間の変容 元来、telegraph(電信)は遠くに向けて(=tele)書かれたもの(=graph)、telephone(電話)は遠くまで音を伝えるもの(=phone)を意味する。電信や電話だけでなく、蓄音機やレコード、写真や映画などが相次いで登場した19世紀、こうしたメディアが人間の身体をいかに拡張し、時間や空間との関わり方にいかなる変容をもたらしたのか、その歴史を概観する。

【キーワード】
通信/交通、時間/空間、聴覚/視覚、新聞の大衆化
飯田 豊
(立命館大学准教授)
飯田 豊
(立命館大学准教授)
3 メディア論の系譜Ⅰ 19世紀における電気技術の社会化、とくに交通と通信の変容を踏まえて、20世紀初頭のヨーロッパおよびアメリカで登場してきた、身体や空間をめぐる思想や理論の系譜をたどる。新しいメディアが社会に登場するたび、その時代を生きる人々のあいだで、メディア論的思考は断続的に覚醒していたことを説明する。

【キーワード】
SF的想像力、群衆/公衆/大衆、マス・コミュニケーション研究
飯田 豊
(立命館大学准教授)
飯田 豊
(立命館大学准教授)
4 「テレビジョン」の考古学:20世紀型メディアの生成 20世紀はテレビをはじめとするマス・メディアが圧倒的な影響力を持った時代だった。しかし元来、television(テレビ)は遠く(=tele)を視ること(=vision)を実現する技術の総称であり、さまざまな発展の道筋が開かれていた。「ラジオ」や「テレビ」の輪郭が大きく揺らいでいる今だからこそ、放送史よりも広い歴史的構図のなかで、その成立過程を概観する。

【キーワード】
ラジオ、テレビジョン、放送/通信、メディア考古学
飯田 豊
(立命館大学准教授)
飯田 豊
(立命館大学准教授)
5 メディア論の系譜Ⅱ アメリカのマス・コミュニケーション研究、ドイツのフランクフルト学派、カナダのトロント学派(マーシャル・マクルーハンなど)、イギリスのバーミンガム学派(カルチュラル・スタディーズ)、そして戦後日本の知的伝統をたどりながら、メディア論に関わる思想や理論を説明する。

【キーワード】
ベンヤミン、マクルーハン、ウィリアムズ、ホール、清水幾太郎、加藤秀俊
飯田 豊
(立命館大学准教授)
飯田 豊
(立命館大学准教授)
6 メディアをめぐる歴史的想像力 2~5回を踏まえ、混沌としたデジタル・メディア社会の行方を見通すうえで、〈理論〉と〈現実〉、〈過去〉と〈現在〉を往復する歴史的想像力の重要性を説明する。また、20世紀に輪郭をなしたメディア論が、近年のメディア状況のなかで直面している課題についても概観する。

【キーワード】
初期映画研究、ソフトウェア・スタディーズ、メディア・イベント、スクリーン・スタディーズ
飯田 豊
(立命館大学准教授)
飯田 豊
(立命館大学准教授)
水越 伸
(東京大学大学院教授)
7 東アジアのメディアの発展と現状 日本が位置づく東アジアのメディアの発展と現状を、中国、香港、台湾を中心に概観する。近代化の過程で登場した新聞、ラジオ、テレビなどのマス・メディアからネットやモバイルにいたるまでのメディアの発達を、総合的にとらえる。

【キーワード】
東アジア、中国、香港、台湾、中国語圏、マス・メディア、デジタル・メディア
劉 雪雁
(関西大学准教授)
劉 雪雁
(関西大学准教授)
8 東アジアをめぐるメディア論的思考 東アジアにおけるメディア論、コミュニケーション論などは欧米の影響を受けて発達してきたが、古代以来の独自のメディア観、コミュニケーション観もゆるやかに共有されている。また、同じ文化を有する中国語圏内においても、体制の違いにより異なるメディア現象が併存している。そのことを踏まえつつ、東アジアの多元的で、相対的に独自のメディア論のありようを探る。

【キーワード】
文化中国、メディアの政治経済学、華人ネットワーク、「喉と舌」論
劉 雪雁
(関西大学准教授)
劉 雪雁
(関西大学准教授)
9 観光:空間のメディア・イメージ論 20世紀以降の人類は、多くの場所を、メディアによって媒介されたイメージとしてとらえてきた。国際的な移動がさかんになり、モバイル・メディアやSNSが普及した今、そのイメージはリアルと結びつき、複雑な発展を遂げている。京都・嵐山における観光と異文化理解をめぐるワークショップを取り上げて説明する。

【キーワード】
イメージ、リアル、観光、異文化理解、場所、ワークショップ
劉 雪雁
(関西大学准教授)
劉 雪雁
(関西大学准教授)
10 観光をめぐるメディア論的思考 「観光」に焦点をあて、メディアが媒介するイメージ(ステレオタイプ)と現実の相関関係を理論的にあきらかにする。その相関関係に、モバイル・メディアやSNSの発達、グローバルな人や物の移動がいかなる影響を与えてきたかを検討していく。

【キーワード】
観光学、旅行研究、イメージ論、モバイル・メディア、SNS
劉 雪雁
(関西大学准教授)
劉 雪雁
(関西大学准教授)
11 メディアをめぐる空間的想像力 7~10回を踏まえ、混沌としたグローバル社会の行方を見通す上で、〈空間〉と〈イメージ〉を往復する空間(地理)的想像力の重要性を説明する。また、メディアと空間に関わる古典的文献の紹介をおこなう。

【キーワード】
異文化コミュニケーション、モビリティ(移動)研究、ポストモダン地理学
劉 雪雁
(関西大学准教授)
劉 雪雁
(関西大学准教授)
水越 伸
(東京大学大学院教授)
12 新しいメディア論の相貌(1) 2~11回を踏まえたメディア論の現状を確認した上で、12回と13回では新たなメディア論の相貌を描き出すことを試みる。12回は、現代社会でメディアに関して生じている問題の幅広さ、根深さを指摘した上で、メディア論の内部で生じつつある新たな研究動向を明らかにしていく。

【キーワード】
ICA、IAMCR、メディア人類学、ニュー・カルチュラル・スタディーズ
水越 伸
(東京大学大学院教授)
水越 伸
(東京大学大学院教授)
13 新しいメディア論の相貌(2) 12回に引き続き、新たなメディア論の相貌を描き出す試み。ここでは近年、メディア論と関わりが深くなりつつある二つの関連分野、すなわち科学技術社会論とデザイン論を取り上げ、それらとメディア論に通底する問題意識や方法論を検討していく。

【キーワード】
科学技術コミュニケーション論、科学技術社会論、情報デザイン、コミュニケーション・デザイン
水越 伸
(東京大学大学院教授)
水越 伸
(東京大学大学院教授)
14 新しいメディア論を身につけるために 新しいメディア論はどのような方法論によって可能になるのだろうか。単体のメディアの影響や効果ではなく、複合化、環境化したメディアを批判的にとらえるための方法として、介入型、参加型の「批判的メディア実践」を紹介する。講師がデザインし、実施したワークショップを概説しながら、その可能性と課題を探る。

【キーワード】
ワークショップ、異化作用、リフレクション、協働、コミュニティ
水越 伸
(東京大学大学院教授)
水越 伸
(東京大学大学院教授)
15 課題と展望 これまでの授業をふり返り、メディア論の構図を整理したうえで、残された課題を示す。そして現代のメディアが抱えるさまざまな問題を構成的にとらえ、それらに当事者意識を持って取り組むことの重要性を示す。最後に、21世紀メディア社会をどう生きるか、その参考になる提言をおこなう。

【キーワード】
21世紀、メディア社会、批判的メディア実践
水越 伸
(東京大学大学院教授)
水越 伸
(東京大学大学院教授)
飯田 豊
(立命館大学准教授)
劉 雪雁
(関西大学准教授)
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