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ヨーロッパ文学の読み方―古典篇('14)

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主任講師
宮下 志朗 (放送大学名誉教授)
井口 篤 (慶應義塾大学准教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(火曜)13時00分~13時45分

講義概要

ヨーロッパの古典作品を対象として、その作品の本質に迫る一節を(いくつか)取り上げて、具体的に解説・評釈をほどこす試み。今回は「古典編」と題して、ギリシア・ローマからルネサンスまでのテクストを選んでいる。なお、広義の「文学」作品を対象としており、哲学・歴史学などとの架橋もめざしている。
※詳しくはシラバス

開設年度
2014年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(人間と文化コース)
〔2008年度以前〕専門科目(人間の探究専攻)
科目コード
1554760
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2017年度 第2学期:2018年1月21日(日曜)1時限(9時15分~10時05分)
2018年度 第1学期:2018年7月29日(日曜)3時限(11時35分~12時25分)
単位認定試験
平均点
(2016年度 第2学期)73.2点
(2017年度 第1学期)73.8点
備考
 
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授業の目標

単なる概説ではなく、テクストの一節の濃密な読みから出発して、その作品の全体像に、あるいはその作品を生んだ時代の様相に迫ることで、学習者に対して、この作品を読んでみたいという強烈な動機付けを与え、古典と主体的に接してもらうこと。

履修上の留意点

英語の作品に関しては、原文の引用がなされることもあろうが、それ以外の言語による作品については、基本的には、もっぱら日本語訳を介しての解説・評釈となる。関連科目としては、「文学のエコロジー('13)」「世界文学への招待('16)」などがある。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 ギリシア・ローマ(1)
ホメロス『イリアス』
「怒りを歌え、ムーサよ」という呼びかけで始まる『イリアス』は戦いの文学ととらえられることが多いが、名誉・祖国・友情等のための戦いと殺戮の果てには大いなる赦し合いが輝いている。至高の叙事詩をとおしてギリシア人の人間理解を考える。

【キーワード】
長編物語の方法、リング・コンポジション、遅延の技法
中務 哲郎
(京都大学名誉教授)
中務 哲郎
(京都大学名誉教授)
2 ギリシア・ローマ(2)
ヘロドトス『歴史』
小国ギリシアはなぜ大帝国ペルシアに勝てたのか。ヘロドトスはペルシア戦争の記述を軸に、全世界の地理・歴史・風俗・伝承を語りつつ、自然界人間界を覆う神の叡智を明らかにしていく。トゥキュディデスの個別史の対極にあるヘロドトスの魅力を味わう。

【キーワード】
物語的な歴史、神の嫉妬、運命の車輪
中務 哲郎
(京都大学名誉教授)
中務 哲郎
(京都大学名誉教授)
3 ギリシア・ローマ(3)
ソポクレス『アンティゴネ』
「逆賊を葬ってはならぬ」という国の掟を犯して兄を埋葬したため、アンティゴネは生きながら穴蔵に閉じ込められる。この劇に「自然法と国の掟の対立」を見たヘーゲルはじめ、様々な解釈を誘う問題劇を鑑賞する。

【キーワード】
国家の法と自然の法、オイディプス伝説、破滅する人間
中務 哲郎
(京都大学名誉教授)
中務 哲郎
(京都大学名誉教授)
4 ギリシア・ローマ(4)
ギリシアの小説
叙事詩・抒情詩・演劇・散文(哲学・歴史・弁論)と次々に新ジャンルを開拓してきたギリシア文学は、最後に古代小説を生み出した。その起源を考察した後、現存する五作品の中、牧歌小説『ダフニスとクロエ』と最高傑作『エチオピア物語』を中心に味わう。

【キーワード】
若者の恋愛の発見、牧歌小説の祖、in medias res
中務 哲郎
(京都大学名誉教授)
中務 哲郎
(京都大学名誉教授)
5 ギリシア・ローマ(5)
ウェルギリウス『アエネイス』
『アエネイス』は、『イリアス』や『オデュッセイア』を徹底的に研究し、模倣した叙事詩ですが、そのすぐれた独自性は歴史と神話を融合した点にあります。本作品のなかで、ローマの歴史がどのように扱われているかについて注目します。

【キーワード】
ローマ、叙事詩、歴史と神話の融合、予言
日向 太郎
(東京大学准教授)
日向 太郎
(東京大学准教授)
6 ギリシア・ローマ(6)
オウィディウス『変身物語』
『変身物語』は神話の宝庫であり、ヨーロッパの諸芸術の形成に深くかかわってきました。今も多くの読者を惹き付けてやまない理由は、変身という主題の面白さもさることながら、巧みな物語叙述にあります。作品中、変身場面がどのように扱われているかについて注目します。

【キーワード】
叙事詩、神話、叙述の技法
日向 太郎
(東京大学准教授)
日向 太郎
(東京大学准教授)
7 中世・ルネサンス(1)
『トリスタンとイズー』
ケルトの伝説に起源を有するという、マルク王の妻イズーと、マルク王の甥トリスタンの、媚薬ゆえの愛は、ヨーロッパ中に伝承されていった。「騙し」に着目して、ベルールの『トリスタン』を読むが、各国版の差異にも注目しつつ、この物語の本質に迫ってみたい。

【キーワード】
トリスタン伝説、ケルト、アーサー王伝説、曖昧な宣誓
宮下 志朗
(放送大学名誉教授)
宮下 志朗
(放送大学名誉教授)
8 中世・ルネサンス(2)
ダンテ『神曲』
どうしてダンテは『神曲』を書いたのか。そして、どうして読み継がれたのか。この作品の魅力の広がりや、恋愛論と知性論としての読み方の可能性を、21世紀の読者の視点から考えてみたい。具体的には、地獄編冒頭、フランチェスカ、ウリッセの物語とベアトリーチェ像をとりあげたい。

【キーワード】
恋愛、知性、幸福、中世の宇宙観、彼岸
村松 真理子
(東京大学教授)
村松 真理子
(東京大学教授)
9 中世・ルネサンス(3)
ボッカッチョ『デカメロン』
ダンテから下ることわずか一世代で書かれた『デカメロン』だが、共同体の危機の時代にこそ、女性読者のための娯楽文学という設定が生まれ、豊かな文体と多様な人間的価値観が可能もしくは必要となったことの意味を、今日の状況から読み直してみたい。具体的には特に、第一日序と、女性主人公の物語をいくつか紹介したい。

【キーワード】
危機、笑い、物語の力
村松 真理子
(東京大学教授)
村松 真理子
(東京大学教授)
10 中世・ルネサンス(4)
ジェフリー・チョーサー『カンタベリ物語』
14世紀後半のイングランドにおいて多様なジャンルの詩作品を生み出したジェフリー・チョーサーの作品群には、同時代の社会状況やヨーロッパ文学・思想の先達たちの刻印が消しがたく押されている。この講義ではチョーサーの代表作『カンタベリ物語』を大きな歴史的コンテクストの中で創造的な翻訳をする作家として位置づけつつ読む。

【キーワード】
ジェフリー・チョーサー、『カンタベリ物語』、古典古代、翻訳
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
11 中世・ルネサンス(5)
『マージェリー・ケンプの書』
15世紀のイングランドに生きた敬虔な女性マージェリ・ケンプの自伝『マージェリ・ケンプの書』を読むことで、中世後期ヨーロッパの神秘主義について知識を深めるとともに、敬虔な一般信徒の女性が自らの信仰を実践する際にどのような困難がつきまとったのかについて考察する。

【キーワード】
号泣、神秘主義、ロラード、トマス・アランデル
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
12 中世・ルネサンス(6)
フランソワ・ヴィヨン
パリ大学出のインテリでありながら、さまざまな事件・犯罪にかかわり、たびたび入獄するも、その都度釈放を勝ち取った男。しかも、その間、『形見分け』『遺言』『隠語詩篇』など、わすれがたい作品を残してくれた男。ヴィヨンの謎と魅力にせまる。

【キーワード】
詩人・犯罪者、二重言語、恩赦嘆願、バラッド
宮下 志朗
(放送大学名誉教授)
宮下 志朗
(放送大学名誉教授)
13 中世・ルネサンス(7)
『ティル・オイレンシュピーゲル』
各地に出没しては、ことばの表層をとらえていたずらをしでかし、放逐されて、どこかに去っていくティル・オイレンシュピーゲル。このトリックスターの物語の成立の謎を探ると同時に、フラマン語・フランス語・英語という、もう一つの系統についても紹介する。

【キーワード】
トリックスター、ことばの表層ゲーム、スカトロジー
宮下 志朗
(放送大学名誉教授)
宮下 志朗
(放送大学名誉教授)
14 中世・ルネサンス(8)
ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル』
巨人王と家来たちを主人公とした、言語遊戯や目録などの一見すると雑ぱくな要素に満ちた、この物語のおもしろさを伝えるとともに、その背後にいかなる思想やアクチュアリティが込められているのかについて、『第一の書 ガルガンチュア』を読みながら考えたい。

【キーワード】
ユマニスト作家、巨人親子の物語、香具師の口上
宮下 志朗
(放送大学名誉教授)
宮下 志朗
(放送大学名誉教授)
15 古典を読む喜び 担当講師はいずれも、よの古典作品を対象にして研究・翻訳を実践している。各人の経験に基づいて、古典を読むことの喜びや、苦しさについてざっくばらんに語りあう。なお、「印刷教材」には、古典を読むことについての、各人のエッセイを掲載する。

【キーワード】
古くて新しい「古典」、原点と翻訳
担当講師全員 担当講師全員
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