授業科目一覧
基盤科目
コース科目
卒業研究(全科履修生のみ)
夏季集中科目
メニューここまで

現代フランス哲学に学ぶ('17)

※印刷用にはシラバスPDF版新規ウィンドウ をご利用ください
主任講師
戸島 貴代志 (東北大学教授)
本郷 均 (東京電機大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(木曜)23時00分~23時45分

講義概要

フランスの現代哲学は、多様な展開を見せる。この講座では、その諸相を押さえるために、ベルクソン、サルトル、メルロ=ポンティ、フーコー、リクールの5人に絞って取り上げ、お話しする。この哲学者たちは、さまざまな立場を代表する人物であり、この人たちが、現実といかに格闘し、いかに思索をつむいでいったか、これを学ぶことによって、受講者自らが哲学するときにも、道しるべとなる人たちである。彼らの哲学を学ぶことを通じて、みずから哲学することへと誘うことができれば、と考えている。
※詳しくはシラバス

開設年度
2017年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(人間と文化コース)
〔2008年度以前〕専門科目(人間の探究専攻)
科目コード
1554905
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2017年度 第2学期:2018年1月23日(火曜)7時限(16時45分~17時35分)
2018年度 第1学期:2018年8月1日(水曜)1時限(9時15分~10時05分)
単位認定試験
平均点
(2017年度 第1学期)63.5点
備考
 
このページのトップへ本文ここまで

授業の目標

代表的な哲学者の思想を理解し、その思想が、どのような時代状況の中で、どのような課題と相対することによって現れてきたのかを理解することが、第一の目標である。それが、西洋哲学のより大きな文脈の中で、どのような問題を提起することになっているのか、このことを理解することが、第二の目標である。そして、このような理解の上に立って、受講者それぞれの現在にあって、それぞれの哲学からどのような可能性を見いだすことができるかを考えること、これが最終的な目標である。

履修上の留意点

特になし。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 現代フランス哲学概観 ベルクソンの哲学を境に、フランス哲学は〈近世〉のそれから〈現代〉のそれへと大きく流れを変える。この意味でベルクソン哲学を源流と見た場合の、現代フランス哲学の全体像を、「実存思想」「構造主義」「解釈学」「現象学」のそれぞれの視点から概観する。

【キーワード】
直接性、生、実存、ニヒリズム、現象学、事象そのものへ、構造
戸島 貴代志
(東北大学教授)
戸島 貴代志
(東北大学教授)
2 源流としてのベルクソン 1回目に続いて、ベルクソン哲学における基本概念を、『意識の直接与件についての試論』や『物質と記憶』におけるベルクソン固有の立場に立って説明しつつ、現代フランス哲学にきわめて大きな影響を与えたハイデガーの哲学との比較を試みる。ベルクソンもハイデガーもともに「時間」の問題がその主張の核に控えていることを解説する。

【キーワード】
持続、時間の空間化、弾み、創造、生命、情緒
戸島 貴代志
(東北大学教授)
戸島 貴代志
(東北大学教授)
3 ベルクソン哲学の進展 『試論』や『物質と記憶』以降のベルクソン哲学の発展として、生命進化の問題と社会における宗教や道徳の問題を取り上げる。『創造的進化』において提唱された「生命の飛躍」が、『道徳と宗教の二源泉』では「愛の飛躍」という精神的な現象へと移される。これによってベルクソン哲学が経た変化を批判的に理解する。

【キーワード】
能産的自然と所産的自然、開いたものと閉じたもの、進化そのものと進化したもの、直観と知性、物質的障害
戸島 貴代志
(東北大学教授)
戸島 貴代志
(東北大学教授)
4 ベルクソン哲学の可能性 ベルクソン哲学に残された最大の問題として「神秘」を取り上げる。現代の技術文明における人間と世界の関係を、マルセルの思想や再びハイデガーの後期思想との比較を交えつつ、ベルクソン哲学における今後の課題として説明する。

【キーワード】
計算、分析、直観、存在と所有、問題と神秘、技術
戸島 貴代志
(東北大学教授)
戸島 貴代志
(東北大学教授)
5 戦後のフランス哲学理解のために 第二次世界大戦終結後、フランスは新たな哲学・思想展開の舞台となっていく。しかし、その展開は、戦前のドイツにおける現象学とハイデガーの哲学を独自に受容することで可能となった。戦後フランス哲学を理解するために必要な考え方を学ぶ。

【キーワード】
第二次世界大戦前のフランス哲学、現象学、ハイデガー
本郷 均
(東京電機大学教授)
本郷 均
(東京電機大学教授)
6 サルトルの哲学 サルトルは「実存主義」の立役者の一人である。彼の小説『嘔吐』と哲学書『存在と無』、特に一般に「実存主義」理解を広めることになった『実存主義とは何か』における「実存は本質に先立つ」とは何を意味しているのかについて、考える。

【キーワード】
実存主義、実存と本質、マルクス主義、サルトル
本郷 均
(東京電機大学教授)
本郷 均
(東京電機大学教授)
7 メルロ=ポンティの哲学1 メルロ=ポンティは、フッサールの「現象学」の立場に立ち、ゲシュタルト心理学の成果を取り込みつつ、自身の哲学を展開する。『知覚の現象学』はその成果である。そこで、「身体」を、これまでには扱われてこなかったような仕方で取り上げる。これがその後の「身体論」のルーツの一つとなる。この「身体」が持つ意味の拡がりを考察する。

【キーワード】
現象学、知覚、身体、世界
本郷 均
(東京電機大学教授)
本郷 均
(東京電機大学教授)
8 メルロ=ポンティの哲学2 メルロ=ポンティは『知覚の現象学』刊行後、政治的なテーマと言語に関する考察を進めていく。そして、1961年、53歳で急逝する直前まで、新たな存在論を構築しようとしていた。死後まとめられた『見えるものと見えないもの』には、それまでの彼の哲学を根本的に考え直すという課題と、多くのメモから、彼は何を、どのように考えようとしていたのかを学ぶ。

【キーワード】
政治哲学、ソシュール、言語、存在論
本郷 均
(東京電機大学教授)
本郷 均
(東京電機大学教授)
9 1960年代からの思想状況 1950年代後半から1960年代にかけてのフランスでは、それまで支配的な地位にあった主体性の哲学が問いに付されるとともに、新たな思考の地平が開かれることになる。フランス思想の大きな転機をしるしづけるこの時代の思潮を、「構造主義者」と呼ばれた人々の言説を手がかりに解読する。

【キーワード】
主体性、構造主義、ソシュール、レヴィ=ストロース、ラカン、バルト、アルチュセール
慎改 康之
(明治学院大学教授)
慎改 康之
(明治学院大学教授)
10 ミシェル・フーコーの哲学1 フーコーの哲学的歴史研究の全体を、主体性と真理との関係をめぐる問いによって導かれた探究として読み解くことを試みる。まず、「知」の歴史的変容を扱った1960年代の「考古学的」分析を、1950年代のフーコー自身が帰属していた思考の地平からの離脱のプロセスとして明らかにしていく。

【キーワード】
人間学、知、言説、考古学
慎改 康之
(明治学院大学教授)
慎改 康之
(明治学院大学教授)
11 ミシェル・フーコーの哲学2 1970年代から1980年代にかけて、フーコーの研究の軸は、「知」から「権力」へ、さらには「自己との関係」へと移動する。刑罰制度やセクシュアリティをめぐる歴史的分析が行われるなかで、主体性と真理との関係をめぐる問いがそうした分析全体をどのように貫いているのかということを、彼の著作および講義録を読み解きながら明らかにしていく。

【キーワード】
系譜学、権力、規律、自己
慎改 康之
(明治学院大学教授)
慎改 康之
(明治学院大学教授)
12 1980年代からの思想状況 1980年代の現代フランス思想は、流行思想としての構造主義の退潮と、政治や社会、経済の次元での世界規模の変動を受けて、「ポスト構造主義」と他称される先鋭的な諸思想と、「倫理や宗教への回帰」とが交錯する複雑な様相を呈してくる。その状況を、「自己と他者」という対概念を軸にして、さまざまな動向から読み解いていく。その上で、この時期からリクールの哲学がフランスで再評価され始めた経緯を探る。

【キーワード】
ポスト構造主義、倫理、宗教、自己、他者、リオタール、レヴィナス、デリダ、リクール
杉村 靖彦
(京都大学教授)
杉村 靖彦
(京都大学教授)
13 ポール・リクールの哲学1 前回に描いたような状況の下、フランスの知的舞台への帰還を果たした1980年代のリクールの思想を、大著『時間と物語』を中心にたどっていく。そして、物語論から自己論へと向かうその展開の内に、構造主義以降の思想と社会の錯綜状況を反映し、それに応答していこうとする思索の姿を読みとっていく。

【キーワード】
時間と物語の循環、時間性のアポリア、歴史とフィクションの交差、物語的自己同一性、行為し受苦する自己、自己の解釈学
杉村 靖彦
(京都大学教授)
杉村 靖彦
(京都大学教授)
14 ポール・リクールの哲学2 1990年代以降のリクールを導く「自己の解釈学」の立場を確認した上で、2000年の大著『記憶・歴史・忘却』をたどる。この書は20世紀の思想と歴史の生き証人としてのリクールの総括の書であると同時に、21世紀の世界にとって危急の問題となる数々の主題に触れている。記憶、死者、歴史、赦し等、注目すべき論点を取り上げて、この書から何を学べるかを考えていきたい。

【キーワード】
自己の解釈学、記憶の作業、生者と死者、歴史的条件、特異なものの範型性
杉村 靖彦
(京都大学教授)
杉村 靖彦
(京都大学教授)
15 現代フランス哲学に学ぶ 【①哲学・現象学の限界とその向こう側】1990年代に現れた「フランス現象学の神学的転回」批判は、哲学の問題とは何かを問う側面もあった。アンリやマリオンの哲学を介してこの点に触れることで、フランス哲学のもう一つの側面を押さえておくことにしよう。
【②ベルクソン哲学と東洋思想】本科目の出発点であったベルクソン哲学と我が国の禅思想との比較を試みる。ベルクソンのいう「直観」と、禅思想を背景とした西田幾多郎の「純粋経験」の、それぞれにおける〈主客未分〉について考える。

【キーワード】
①哲学(愛知)、ロゴス、キリスト教、知と信、現れないものの現象学
②自由、中立性、必然、事実性、純粋経験、禅、言葉
戸島 貴代志
(東北大学教授)
本郷 均
(東京電機大学教授)
戸島 貴代志
(東北大学教授)
本郷 均
(東京電機大学教授)
このページのトップへ本文ここまで
授業科目案内 教養学部 放送大学