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日本仏教を捉え直す('18)

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主任講師
末木 文美士 (国際日本文化研究センター名誉教授)
頼住 光子 (東京大学大学院教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(火曜)10時30分~11時15分

講義概要

今日、仏教研究は次第に新しい進展を見せ、従来の常識は大きく書き換えられつつあるが、それらの研究成果が必ずしも広く共有されているわけではない。本講義では、3人の講師によって、日本仏教に関する最新の成果を披露し、常識的な理解を見直すことを目指す。頼住講師は、主要な日本の仏教者の思想を取り上げ、現代の場からこれらの思想の読み直しを迫る。大谷講師は、近年大きく進展した近代仏教研究の成果を披露し、現代につながる問題を考える。末木講師は日本仏教の深層の発想を捉え直して、それが今日どのような意味を持つか考える。3人の講師により異なる視点から照射することで、日本仏教の豊かな内容が立体的な視点から明らかにされるであろう。
※詳しくはシラバス

開設年度
2018年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(人間と文化コース)
〔2008年度以前〕専門科目(人間の探究専攻)
科目コード
1554972
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2018年度 第1学期:2018年7月31日(火曜)2時限(10時25分~11時15分)
単位認定試験
平均点
備考
 
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授業の目標

1.主要な日本の仏教者の思想を理解し、その現代的な意味を考える。2.近代仏教の研究を理解し、現代につながる問題を考える。3.日本仏教の深層で働く発想を理解し、今日的意味を考える。

履修上の留意点

高校卒業程度の日本史・倫理の知識を有していることを前提とする。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 序説
-仏教の展開と日本
仏教は、インドからはるばると東アジアに伝わり、さらに海を渡って日本に到達した。それ故、日本仏教は元のインドの仏教と大きく異なっている。インド以来の仏教史を概観し、その中での日本仏教の特徴を考える。

【キーワード】
原始仏教、大乗仏教、チベット仏教、南伝仏教、東アジア仏教
末木 文美士
(国際日本文化研究センター名誉教授)
末木 文美士
(国際日本文化研究センター名誉教授)
2 日本仏教の思想1
-仏教伝来と聖徳太子
日本の仏教受容の方向性を決めた聖徳太子の思想について、「一七条憲法」をてがかりとして検討し、その日本仏教思想史における意義を説明する。あわせて『日本書紀』をてがかりとして、仏教の伝来、定着に関する諸問題を検討する。

【キーワード】
聖徳太子、「十七条憲法」、仏教伝来、蕃神
頼住 光子
(東京大学大学院教授)
頼住 光子
(東京大学大学院教授)
3 日本仏教の思想2
-空海
曼荼羅的思考に注目して、空海の思想構造を解説する。また『十住心論』を取り上げて、その総合性、体系性について具体的に説明する。さらに、空海の思想の特徴である即身成仏についても検討する。

【キーワード】
空海、曼荼羅、即身成仏、『三教指帰』、最澄
頼住 光子
(東京大学大学院教授)
頼住 光子
(東京大学大学院教授)
4 日本仏教の思想3
-法然・親鸞と浄土信仰
「専修念仏」「他力信仰」などをてがかりとして法然の浄土思想を説明した上で、その弟子である親鸞の絶対他力信仰について、主著『教行信証』をてかがりとして検討する。さらに、法然や親鸞をはじめ鎌倉時代に現れた新しい仏教の意味を考える。

【キーワード】
法然、専修念仏、親鸞、絶対他力、『選択集』、『教行信証』
頼住 光子
(東京大学大学院教授)
頼住 光子
(東京大学大学院教授)
5 日本仏教の思想4
-道元と禅思想
道元の思想構造についての『正法眼蔵』「現成公案」巻などの読解を踏まえながら検討する。道元が「日本思想史上で最高の思想家」と言われていることを紹介し、道元思想の意義についても説明する。

【キーワード】
道元、『正法眼蔵』、身心脱落、修証一等、行持
頼住 光子
(東京大学大学院教授)
頼住 光子
(東京大学大学院教授)
6 日本仏教の思想5
-日蓮と法華信仰
『立正安国論』や『観心本尊抄』をてがかりとして、日蓮の思想について説明するとともに、その生涯についても紹介する。あわせて仏教の国家観を検討し、日蓮やその後継者の世俗権力に対する特徴的な姿勢を取り上げる。

【キーワード】
日蓮、『立正安国論』、『観心本尊抄』、『法華経』、題目
頼住 光子
(東京大学大学院教授)
頼住 光子
(東京大学大学院教授)
7 近代の仏教1
-廃仏毀釈からの出発
日本の近代仏教の歴史は明治初年の神仏分離・廃仏毀釈への対応から始まった。まず、近代仏教の定義と特徴を確認したうえで、明治政府による宗教政策を概観し、明治20年代初頭に制度化される近代日本の政教関係を検討する。島地黙雷ら真宗勢力が果たした役割にも言及する。

【キーワード】
近代仏教、廃仏毀釈、教導職、島地黙雷、祭政教関係
大谷 栄一
(佛教大学教授)
大谷 栄一
(佛教大学教授)
8 近代の仏教2
-近代仏教の形成
廃仏毀釈によってダメージを受けた仏教界では、明治20年代に改革の声が上がる。日清・日露戦間期には仏教の近代化と呼ぶべき新しい動きが次々と起った。新仏教徒同志会の新仏教運動、清沢満之の精神主義、田中智学の日蓮主義を紹介する。

【キーワード】
仏教の近代化、中西牛郎、新仏教運動、精神主義、日蓮主義
大谷 栄一
(佛教大学教授)
大谷 栄一
(佛教大学教授)
9 近代の仏教3
-グローバル化する仏教
近代の仏教の特徴は、グローバルな展開と交流にある。日本の仏教徒は明治初期からヨーロッパやアジアに渡航し、欧米仏教徒が来日した。1893年(明治26)のシカゴ万国宗教会議にも日本の仏教徒は参加し、「東方仏教」を主張した。

【キーワード】
鈴木大拙、仏教学、神智学、プロテスタント仏教、シカゴ万国宗教会議
大谷 栄一
(佛教大学教授)
大谷 栄一
(佛教大学教授)
10 近代の仏教4
-社会活動する仏教
戦前から現代まで、仏教徒が取り組んできたさまざまな社会活動を検討する。大正時代に活発化した仏教社会事業は戦後には仏教福祉事業に発展する。仏教徒の政治参加も戦前から行われてきた。東日本震災以降の仏教徒の新たな取り組みも紹介する。

【キーワード】
仏教徒の社会活動、社会参加仏教、仏教社会事業、政治参加、臨床宗教師
大谷 栄一
(佛教大学教授)
大谷 栄一
(佛教大学教授)
11 日本仏教の深層1
-日本仏教と戒律
日本の僧侶は肉食妻帯するというので、海外でも奇異の目で見られる。制度的には明治以後のことであるが、その底には最澄以来の日本仏教独自の戒律観がある。戒律と社会参加という観点から、仏教史を見直す。

【キーワード】
大乗戒、肉食妻帯、最澄、戒律復興、叡尊
末木 文美士
(国際日本文化研究センター名誉教授)
末木 文美士
(国際日本文化研究センター名誉教授)
12 日本仏教の深層2
-葬式仏教
日本の伝統仏教は、しばしば葬式仏教と呼ばれて蔑視される。しかし、葬式を通して死者と関わることは、仏教の重要な役割であり、今日再認識される必要がある。歴史的展開の中から葬式仏教の意義を考える。

【キーワード】
葬式、業と輪廻、死者供養、墓
末木 文美士
(国際日本文化研究センター名誉教授)
末木 文美士
(国際日本文化研究センター名誉教授)
13 日本仏教の深層3
-神仏の関係
神道と仏教は異なる宗教と考えられ、神仏習合は不純と思われがちである。しかし、神仏は常に密接に関係して発展したのであり、神道の排仏運動は近世末以後のことに過ぎない。歴史的に神仏の関係を捉えなおす。

【キーワード】
神仏習合、神仏分離、唯一神道、復古神道、国家神道
末木 文美士
(国際日本文化研究センター名誉教授)
末木 文美士
(国際日本文化研究センター名誉教授)
14 日本仏教の深層4
-見えざる世界
近代的な世界観は、合理的・科学的に理解できる領域のみを実在とし、それを超えた非合理的な世界を否定してきた。しかし、今日それでは通用しなくなってきた。見えざる世界とともに生きてきた中世の発想を見直す必要がある。

【キーワード】
顕と冥、慈円、ハビアン、平田篤胤、田辺元、上原専禄
末木 文美士
(国際日本文化研究センター名誉教授)
末木 文美士
(国際日本文化研究センター名誉教授)
15 まとめ
-日本仏教の可能性
ここでは、全体のまとめとして、三人の講師がそれぞれ担当した回を基に、そのまとめと補足、並びにそれを踏まえて今後の日本仏教のあり方についての意見や提言を述べる。そこから多面的な日本仏教の可能性に光が当てられる。

【キーワード】
和辻哲郎、共生、寺院消滅、地域寺院、仏教土着、批判仏教
末木 文美士
(国際日本文化研究センター名誉教授)
頼住 光子
(東京大学大学院教授)
大谷 栄一
(佛教大学教授)
末木 文美士
(国際日本文化研究センター名誉教授)
頼住 光子
(東京大学大学院教授)
大谷 栄一
(佛教大学教授)
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