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東南アジアの歴史('18)

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主任講師
古田 元夫 (東京大学名誉教授、日越大学学長)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(木曜)10時30分~11時15分

講義概要

東南アジアの歴史の見方は、第二次世界大戦後、大きく変化してきた。植民地時代には、外部の文明の影響を受動的に受容してきた地域として描かれていたが、各国が独立を達成した時代には、それぞれの国家の歴史の自律性が強調され、外文明の影響は副次的に見られるようになった。しかし、この四半世紀、ASEAN(東南アジア諸国連合)という形でのこの地域の統合が進展すると、諸地域を結ぶ交易など広域的なネットワークが注目されるようになり、その中に自らを位置づけ、外文明の受容をきわめて主体的・選択的に行ってきた歴史として、東南アジア史が描かれるようになってきている。この講義では、東南アジアを一つの歴史世界としてとらえ、その歴史の展開を、近現代史に力点をおきながら、古代から現代までたどってみたい。
※詳しくはシラバス

開設年度
2018年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(人間と文化コース)
〔2008年度以前〕専門科目(人間の探究専攻)
科目コード
1554980
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2018年度 第1学期:2018年7月31日(火曜)7時限(16時45分~17時35分)
単位認定試験
平均点
備考
 
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授業の目標

本講義を通じて、東南アジアの歴史の基本的な流れを理解することを目標とする。
東南アジアは、日本にとっても重要な意味をもつ地域であり、その歴史の理解は、世界の中での日本、アジアの中での日本という現代的課題を考える上でも有用である。

履修上の留意点

特になし。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 東南アジアの特徴 東南アジアは、多様性に富んだ地域だが、米と魚を主食とする生活文化を共有し、海の世界を通じての国際的な交易路の要衝に位置し、外部の文明の影響を主体的に取り入れつつ、その歴史を形成してきた。

【キーワード】
大陸部、島嶼部、米、季節風
古田 元夫
(東京大学名誉教授、日越大学学長)
古田 元夫
(東京大学名誉教授、日越大学学長)
2 東南アジアにおける地域と国家の成立(~14世紀) 東南アジア史の基本構造と14世紀までの歴史を扱う。陸域と海域が複雑に入り組む東南アジアでは、無数の都市、港市が点在し、それらが水運によるネットワークをなし、そこから地域や国家が形成された。インドと中国を結ぶ交易路の中で多様な文化が行きかう東南アジアでは、それらを受容し、現地化する過程で地域の秩序も変化していった。

【キーワード】
海のシルクロード、港市国家、インド化、ジャンク船、アンコールワット
坪井 祐司
(公益財団法人東洋文庫研究員)
坪井 祐司
(公益財団法人東洋文庫研究員)
3 交易の時代と港市の繁栄(15~17世紀) 15~17世紀の東南アジア港市の最盛期について扱う。世界的な経済の活性化により多くの商人が東南アジアを訪れた。各地の港市国家は外来の商人や文化をとりこむことでネットワークを拡大し、特産品である香辛料の輸出や銀の中継貿易を通じて繁栄した。中国、インドに加えて、ポルトガル、スペイン、オランダなどのヨーロッパ勢力、イスラム商人、日本人などが東南アジアの地域秩序に加わった。

【キーワード】
交易の時代、ムラカ(マラッカ)、香辛料、銀、オランダ東インド会社
坪井 祐司
(公益財団法人東洋文庫研究員)
坪井 祐司
(公益財団法人東洋文庫研究員)
4 近世国家群の展開と再編(18~19世紀) 18世紀から19世紀初頭の東南アジアの地域秩序の再編成について扱う。交易の時代から土地開発の時代となり、政治的にも海域の港市から陸域の国家へと中心が移行した。島嶼部でヨーロッパ勢力が港市から後背地への進出を進める一方、大陸部各地では陸域に新たな王朝国家が成立し、現在の諸国家へとつながる政治的な核が出現した。

【キーワード】
商品作物、「陸上がり」、華僑・華人、カントリートレーダー
坪井 祐司
(公益財団法人東洋文庫研究員)
坪井 祐司
(公益財団法人東洋文庫研究員)
5 植民地支配の展開 19世紀半ばから20世紀初めまでに東南アジアは諸ヨーロッパ帝国に分割され、近世国家を継承した各植民地国家やシャムは領域的統合を遂げる。第一次世界大戦以降の世界的潮流の中で、各国家が自律的政治単位となる素地が育まれていく。

【キーワード】
帝国主義、近代国家、領域、植民地主義、「文明化の使命」
長田 紀之
(ジェトロ・アジア経済研究所研究員)
長田 紀之
(ジェトロ・アジア経済研究所研究員)
6 東南アジア経済の再編成 19世紀半ば以降、自由主義を標榜するイギリス帝国の覇権のもとで東南アジア各地域は輸出用一次産品の生産地として世界的分業体制の中に組み込まれる。結果、輸出セクターと自給セクターが併存する二重経済、移民の流入に伴う複合社会形成といった状況が生まれる。

【キーワード】
自由貿易、モノカルチャー、二重経済、複合社会、大恐慌
長田 紀之
(ジェトロ・アジア経済研究所研究員)
長田 紀之
(ジェトロ・アジア経済研究所研究員)
7 近代ナショナリズムの形成 植民地支配者やアジア系外国人が混在する植民地社会では、世界各地の政治思想に触れて祖国の社会改革を志す動きが生まれ、植民地の住民管理の手段として持ちこまれた民族分類と結びついてナショナリズムに発展した。

【キーワード】
イスラム同盟、フィリピン革命、タイ立憲革命、インドシナ共産党
山本 博之
(京都大学准教授)
山本 博之
(京都大学准教授)
8 日本の東南アジア支配 第二次世界大戦期、東南アジア全域が、日本の支配のもとに置かれた。この時期は、各地のナショナリズム運動の急速な発展という意味でも、東南アジア全体の統合という意味でも、大きな転換点となった。

【キーワード】
アジア・太平洋戦争、軍政、「大東亜共栄圏」、八月革命
古田 元夫
(東京大学名誉教授、日越大学学長)
古田 元夫
(東京大学名誉教授、日越大学学長)
9 独立の夢と現実 日本の敗戦後、旧植民地国家の枠組を引き継ぐ形でそれぞれの国が独立を迎え、旧支配層の解体や多民族社会の統合が進められた。冷戦体制下で国内の政治対立は武力紛争として続き、東南アジアも東西両陣営に分かれた。

【キーワード】
インドネシア・ラヤ構想、ピブーン政権、農地改革
山本 博之
(京都大学准教授)
山本 博之
(京都大学准教授)
10 ベトナム戦争 1954年のジュネーヴ協定で南北を分断されたベトナムは、冷戦の対立の中で米国が介入し、冷戦時代の局地戦争としては最も大規模な戦争であるベトナム戦争が発生し、1975年に米が支援した南ベトナム政権が崩壊するまで戦争が続いた。

【キーワード】
ジュネーヴ協定、ベトナム共和国、南ベトナム解放民族戦線、局地戦争、テト攻勢
古田 元夫
(東京大学名誉教授、日越大学学長)
古田 元夫
(東京大学名誉教授、日越大学学長)
11 東南アジアの地域統合の模索 各国の国内紛争の隣国への波及を防ぐため1967年に東南アジア諸国連合(ASEAN)が結成された。初期は非共産主義圏に限られていたが、各国が国内の政治統合と経済開発に専念する環境が整うとともに、域内の相互信頼の醸成がはかられた。

【キーワード】
サバ問題、マレーシア対決政策、マフィリンド構想、バンコク宣言、東南アジア平和自由中立地帯宣言
山本 博之
(京都大学准教授)
山本 博之
(京都大学准教授)
12 開発主義
-国ごとに豊かさを求める時代
冷戦体制の下、東西両陣営に分かれて軍事的支援と開発援助が行われ、上からの経済開発と国民統合が進められた。国内政治の安定と持続的な経済成長がもたらされる一方で、強権的な政治体制の長期化を招いた。

【キーワード】
タイ式民主主義、新秩序、マルコス独裁、農地改革、ブミプトラ政策、ビルマ式社会主義
西 芳実
(京都大学准教授)
西 芳実
(京都大学准教授)
13 冷戦体制の崩壊とASEAN10の実現 ベトナム戦争終結後も、カンボジア紛争をめぐって、東南アジアは分裂していたが、国際的な冷戦体制が崩壊しカンボジア紛争も解決すると、インドシナ三国やミャンマーもASEANに加盟し、東南アジアの統合が急速に進んだ。

【キーワード】
カンボジア紛争、中越戦争、ASEAN10、APEC
西 芳実
(京都大学准教授)
西 芳実
(京都大学准教授)
14 経済発展と政治 1990年代末のアジア通貨危機を契機に各国の長期政権への批判が高まり、東南アジアは民主化の時代を迎えた。人・物・カネ・情報の域内交流が盛んになり、国境を越えた課題が増し、それへの対応を通じて東南アジア共通の認識が高まりつつある。

【キーワード】
レフォルマシ、移民・難民、「テロとの戦争」、2004年インド洋津波
西 芳実
(京都大学准教授)
西 芳実
(京都大学准教授)
15 総括
ASEAN共同体発足から見た東南アジア史
ASEAN共同体の発足後、東南アジアはその一体性を強める一方で、様々な遠心力の挑戦も受けている。現在の東南アジアを念頭に置きつつ、一つの歴史世界としての東南アジアの歩みとその魅力をまとめる。

【キーワード】
ASEAN共同体、市民、南シナ海
古田 元夫
(東京大学名誉教授、日越大学学長)
古田 元夫
(東京大学名誉教授、日越大学学長)
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