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日本美術史の近代とその外部('18)

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主任講師
稲賀 繁美 (国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(2018年度)
第1学期:(月曜)23時15分~24時00分

講義概要

おおよそ鎖国期以降の時代に限定し、「日本美術」とその外部との関係を問い直す。
従来、歴史といえば国民国家の枠組みを自明視した各国史が支配的であり、美術史の記述もそれに準じたものが支配的だった。だがこの枠組みを近代国民国家意識が未成立だった時代にまで遡って無批判に当て嵌めるのは不適切であるとの認識が広がっている。また近代の国民文化論には、かえって文化交流の実態を覆い隠すという欠点も見逃せない。本科目では、情報の流通や授受からいかに造形が生まれ、いかに美術と呼ばれる営みが活性化されたかに注目したい。そもそも「美術」という枠組みも、「美術館」「美術学校」「展覧会」など、明治以降の欧米化のなかで制度的に確立された枠組みだった。その社会的な確立に孕む葛藤の裡にこそ、美術の生態、造形の現場があったはずである。
※詳しくはシラバス

開設年度
2018年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(人間と文化コース)
〔2008年度以前〕専門科目(人間の探究専攻)
科目コード
1555022
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2018年度 第1学期:2018年7月29日(日曜)4時限(13時15分~14時05分)
単位認定試験
平均点
備考
 
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授業の目標

① とかく自明視される「美術」が歴史的・社会的な枠組みであることを理解する。
② 美術館に収められた有名な作品を受け身で鑑賞するという姿勢から脱却したい。
③ 造形がいかなる東西交流・自己と他者との流通と交叉の現場なのかを捉える。
④ 日本美術史を一国美術史の枠組みから解放し、近代アジアの中に据え直す。
⑤ 「美術」を高価で特権的な視覚・造形媒体という階層秩序の高みから解き放つ。

履修上の留意点

特になし。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 透視図法の東西:導入にかえて 西洋渡りの透視図法はいかに徳川中期以降の日本に受容され、変貌を蒙ったのか。

【キーワード】
透視図法、 徳川時代、浮絵、浮世絵版画
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:タイモン・スクリーチ(ロンドン大学SOAS教授)
2 欧米での北斎評価 浮世絵版画、とりわけ北斎が欧米で評価された様を通じ、異文化解釈の実相を探る。

【キーワード】
北斎、エドモン・ド・ゴンクール、ウィリアム・アンダーソン、アーネスト・フェノロサ
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:タイモン・スクリーチ(ロンドン大学SOAS教授)
3 エドゥアール・マネの日本 いわゆる日本趣味の魁となった画家の事例を通じて、文化触変の実態を究明する。

【キーワード】
エドゥアール・マネ、テオドール・デュレ、『北斎漫画』
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:森村 泰昌(美術家)
4 陶藝のジャポニスム 19世紀後半の欧米で、日本の陶藝評価はいかに変貌をとげ、現場の造形に現れたか。

【キーワード】
印象派陶藝、シルベスター・モース、S.ビング、蜷川武胤(のりたね)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:ニコル クーリジ ルーマニエール(セインズベリー日本藝術研究所研究担当所長、イースト・アングリア大学日本美術文化教授から大英博物館アジア部日本科IFACハンダ日本美術キュレーターとして出向)
5 琳派とエミール・ガレ、クロ―ド・モネ 印象派の画家として知られるモネを琳派との関係から、世紀末装飾の文脈で再考する。

【キーワード】
「アール・ヌヴォー」、エミール・ガレ、クロード・モネ、ロジェ・マルクス、万国博覧会、ルイ・ゴンス
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:玉蟲 敏子(武蔵野美術大学教授)
6 異界接触論:ファン・ゴッホとポール・ゴーガン ゴッホとゴーガンの異郷解釈を通じて、画中画などにおける異界接触の実際と理論とを概括し、世紀末の世界像を探る。

【キーワード】
ファン・ゴッホ、ポール・ゴーガン、オディロン・ルドン、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:山上 紀子(大阪市立大学都市文化研究センター研究員)
7 天心・岡倉覚三とベンガルの美術運動 天心・岡倉覚三がいかにベンガルの芸術の近代化にかかわったかを最新知識により概覧する。

【キーワード】
岡倉天心、ラビンドラナート・タゴール、ベンガル・ルネサンス、シスター・ニヴェディタ、ジョセフィン・マクラウド
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:岡本 佳子(国際基督教大学アジア文化研究所研究員)
8 東洋美学と西洋:翻訳の問題 19世紀、世界認識が拡がる中、東洋あるいは日本の美学や用語がいかに西側世界に受容されたのかを検討する。

【キーワード】
ジェイムズ・M・ホイスラー、横山大観、アーネスト・フェノロサ、アーサー・ダウ、気韻生動、豊子愷
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:渡辺 俊夫(ロンドン芸術大学教授)
9 海外からの伊勢神宮への眼差し 伊勢神宮はいかに建築史のなかに位置づけられ、その遷宮はいかなる評価を得たのか。

【キーワード】
伊勢神宮、遷宮、造替、ポスト・モダニズム、ブルーノ・タウト
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:ジョルダン・サンド(ジョージタウン大学教授)
10 矢代幸雄における美術の東西:造形の現場と学術 ボッティチェッリ研究によって世界的な評価を得た日本の美術史家の歩みを検証する。

【キーワード】
矢代幸雄、バーナード・ベレンソン、ボッティチェッリ、牧谿「にじみ」「ぼかし」
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:山梨 絵美子(東京文化財研究所副所長)
11 余材と封印:石井鶴三と近代彫刻造形 石井鶴三の彫刻思想と実践のなかに、東西技法の接合と、近代の相克とを読み解く。

【キーワード】
石井鶴三、彫刻、島崎藤村、運慶、夏目漱石
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:福江 良純(北海道教育大学准教授)
12 野口米次郎からイサム・ノグチへ 詩人から環境彫刻家へ。親子の桎梏のうちに東西の架橋という課題を読み解く。

【キーワード】
野口米次郎、イサム・ノグチ、「二重国籍者」、ドナルド・キーン、モエレ沼公園、環境デザイン
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:堀 まどか(大阪市立大学准教授)、バート・ウィンザー・タマキ(カリフォルニア大学アーバイン校教授)
13 八木一夫 彫刻と陶藝のあいだ オブジェ焼の営みを通じ、日本の陶藝から前衛彫刻への脱皮の軌跡を振り返る。

【キーワード】
八木一夫、「オブジェ焼」、前衛陶藝、マルセル・デュシャン、ジャスパー・ジョーンズ、吉原治良
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:近藤 高弘(陶芸・美術作家)、バート・ウィンザー・タマキ(カリフォルニア大学アーバイン校教授)
14 エル・アナツイと世界の織物 西アフリカ出身の現代彫刻家の営みを、日本の視点から解釈し、文化交流を模索する。

【キーワード】
エル・アナツイ、アフリカ現代美術、つづれ織り、「スクラプチャー」、リサイクル、松浦武四郎、ブリコラージュ
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:川口 幸也(立教大学教授)
15 華厳パラダイムと現代美術:まとめにかえて 文化を超えた現象が相互に照映する造形の実相を捉えるため、華厳経モデルを提唱する。

【キーワード】
南方熊楠、井筒俊彦、塩田千春、宮島達夫、空海、赤瀬川原平、関根伸夫、ナムジュン・パイク、李御寧
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
稲賀 繁美
(国際日本文化研究センター副所長・教授、総合研究大学院大学教授)
ゲスト:芳賀 徹(静岡県立美術館前館長、東京大学名誉教授)
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