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ラテン語の世界('16)

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主任講師
井口 篤 (慶應義塾大学准教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ (東京大学大学院教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(月曜)23時00分~23時45分

講義概要

この授業はラテン語「を」勉強する、つまり狭義の言語学習というより、ラテン語「について」幅広く知識と理解を深めることを目的とします。その勉強を「文字」「発音」「文法」「言語史・文化史」の4つの科目に分けて、毎回の授業でこの4つの科目に従って進んで行きます。ラテン語の文字は勿論皆さんが親しみがある「ローマ字」ですが、その成立から現代のラテン語の記述まで応用された字体にも言葉の綴りにも様々な変化があります。ラテン語の発音も、一応この授業では言語学の研究によって復元された「古典の発音」を基礎にして教えますが、歴史的に(例えば教会音楽を歌う時に)使われた様々な発音の問題も広く扱いたいと思います。
※詳しくはシラバス

開設年度
2016年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(導入科目))
〔2009年度~2015年度〕共通科目(一般科目)
〔2008年度以前〕共通科目(一般科目)
科目コード
1740032
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2017年度 第2学期:2018年1月23日(火曜)3時限(11時35分~12時25分)
2018年度 第1学期:2018年8月5日(日曜)8時限(17時55分~18時45分)
単位認定試験
平均点
(2016年度 第2学期)70.6点
(2017年度 第1学期)53.6点
備考
 
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授業の目標

この授業は主に3種類の学生向けに考えられています。(1) ラテン語をしっかりと勉強したい学生には、狭義の語学学習に入る前に全体を概観し、ラテン語を独学するための予備知識を提供します。(2) 一度ラテン語を初級レベルで勉強した学生に、その基礎を復習し、その語学を勉強した意義をより深く理解させ、中級レベルで勉強し続ける時のさまざまな方向と可能性を紹介します。(3) ラテン語学習に深くはまる予定がなくても広く語学に興味があって、ラテン語について比較言語学の視点で触れたい学生にその基礎知識を与えます。
ラテン語は「古語」だと言われますが、それはただ「大昔に人々が使っていた言語」だという意味ではありません。世界の重要な古語 (ラテン語以外には例えば古典ギリシア語、サンスクリット、漢文があります) にはそれ以上の意味があります。これらの「古典語」は歴史的に見れば母語として使う人よりそれを公用語として外国語として学び、その言語で書かれた文学を「古典」として読み、その勉強を他の勉強の基礎として身に付けた人が多かったのです。ラテン語に限って言えばそれが (ギリシア語とともに) ローマ帝国の公用語であり、後にローマを中心とする西ヨーロッパのキリスト教会の標準語となり、さらに後には近代の教育と学問の最初の公用語となりました。そのような歴史によりラテン語はそこから直接発展してきたイタリア語、フランス語、スペイン語のみならず他のヨーロッパの言語の発展にも多大な影響を与えました。今でも西洋の多くの小中高校ではラテン語が教えられ、その知識が西洋の多くの学問分野で必須の予備知識とされています。
ラテン語はかなり早い時代から標準化し、まだラテン語を母国語とする人が大勢存在した紀元後数世紀間も、日常会話で使われる俗語より紀元前1世紀の言語、つまりキケロ・カエサル・ヴェルギリウスなどの文学で使われていた言語が「正しいラテン語」とされていました。従って例えば中世のラテン語に興味を持ってラテン語を勉強し始めたとしても、古典ラテン語から勉強しなければなりません。しかしこの授業では言語そのものの学習が第一目的ではないので、古典以前のラテン語と古典から今日までのラテン語の応用と文化の変遷とそれぞれの時代の特徴にも出来るだけ幅広く触れたいと思います。その詳細は各回の内容の説明を参照下さい。

履修上の留意点

とくに履修上の制限は設けないが、「フランス語Ⅰ('18)」「フランス語Ⅱ('18)」「初歩のスペイン語 ('17)」などは、本科目を受講するにあたって大いに参考になるであろう。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 Gradus 1:ラテン語事始め 講義全体の導入を行う。歴史的な言語としてのラテン語に触れ、講義の目的及び構造について説明したのち、標準ラテン語の成立やラテン語の古典文学などについて概観する。

【キーワード】
標準ラテン語、キケロー主義、ギリシャ語・ギリシャ文化、古代ローマの「両言語」、古典文学
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
2 Gradus 2:ローマ字・母音・動詞の基礎 ラテン語の文字 (アルファベット) についてまず学び、続いてラテン語がもつ母音を練習する。続いて、ラテン語の動詞変化の基礎を学習する。

【キーワード】
ラテン語の文字、短母音、長母音、二重母音、不定法、直説法、命令法、形式受動相動詞
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
3 Gradus 3:文字 I (J) ・表音文字の発展・子音 母音と子音として使われる I (j) の特徴、ラテン語における綴りと発音の関係、子音の発音について学ぶ。

【キーワード】
i (j)、母音と子音、表音文字
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
4 Gradus 4:名詞・形容詞・代名詞の性・格・数とその応用の基礎 (Ⅰ) 性 (genus)と格について学んだのち、名詞の格変化の種類を学習する。

【キーワード】
文法的な性、格変化
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
5 Gradus 5:名詞・形容詞・代名詞の性・格・数とその応用の基礎 (Ⅱ) 形容詞と代名詞の変化について学ぶ。

【キーワード】
形容詞、指示代名詞、疑問代名詞、関係代名詞、人称代名詞、再帰代名詞
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
6 Gradus 6:文字 V (U) ・音節・前置詞・受動文 母音と子音として使われる u (v) 、音節の区切り方、前置詞、受動文について学ぶ。

【キーワード】
音節、前置詞、受動文
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
7 Gradus 7:文字C/K/Q・長短母音と二重母音の歴史変化・分詞と動形容詞 C/K/Qに関する問題、長短母音や二重母音の発音の変化、現在・過去・未来分詞、動形容詞について学ぶ。

【キーワード】
現在能動分詞、過去受動分詞、未来分詞、動形容詞
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
8 Gradus 8:比較級と最上級・ラテン語の綴りの特徴と変化 形容詞の比較級と最上級、古典時代に見られる文字綴りの特徴と変化について学ぶ。

【キーワード】
比較級、最上級
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
9 Gradus 9:音節の長短とラテン語の単語のアクセント 音節の長短 (旧式と新式)、ラテン語の単語のアクセントについて学ぶ。

【キーワード】
短音節、長音節、強勢アクセント、ピッチ・アクセント
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
10 Gradus 10:動詞の時制 (直説法) 形式論から見たラテン語の時制、ラテン語の時制の応用 (直説法)について学ぶ。

【キーワード】
未完了過去、未来、規則・不規則動詞、完了、過去完了、未来完了、半形式受動相動詞、直説法、歴史的現在、命令法現在、命令法未来
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
11 Gradus 11:母音の変化、合併と消去・副詞と数詞 母音の変化・長母音の短母音化・母音の合併とその消去、副詞と数詞について学ぶ。

【キーワード】
母音の変化、長母音の短母音化、母音の合併とその消去、副詞、其数詞、序数詞、反復数詞、配分数詞
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
12 Gradus 12:古典の韻文の朗読法 詩行・韻脚・中間休止、様々な韻律形式について学ぶ。

【キーワード】
詩行、韻脚、中間休止、ヘクサメテル、ディスティコン (エレギーオン)、セーナーリウス、パラエキウスの11音節行、サッポー詩体
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
13 Gradus 13:動名詞・動形容詞との関係・目的分詞・「対格 (主格) 不定法」 動名詞、動名詞と動形容詞のはざま、目的分詞、対格不定法、主格不定法について学ぶ。

【キーワード】
動名詞、動形容詞、目的分詞、対格不定法、主格不定法
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
14 Gradus 14:動詞変化の概観・接続法の形式と主文における応用 動詞変化を外観したのち、接続法の形式、主文における接続法の応用について学ぶ。

【キーワード】
態 (genus)、法 (modus)、時制 (tempus)、人称 (persona)、数 (numerus)、接続法現在、接続法未完了過去、接続法完了、接続法過去完了
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
15 Gradus 15:ラテン語の文 分詞句、絶対奪格、関係文、接続法を使う副文の時制、間接話法について学ぶ。

【キーワード】
分詞句、絶対奪格、関係文、接続法、副文、間接話法、間接命令文、間接禁止文
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
ヘルマン・ゴチェフスキ
(東京大学大学院教授)
井口 篤
(慶應義塾大学准教授)
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